サキュバスの眷属になったと思ったら世界統一する事になった。〜おっさんから夜王への転身〜

ちょび

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第4章〜同盟国を求めて〜

ひと時の別れ

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フューゼがテントを出るとすでにそこには
アリス、シルビア、モナが待っていた。

「おぉ!?早いなアリス達!」

「ヴァンドラ様が朝に出発されると仰っていましたのでいつでも出れるように皆をまとめておりました。」
ふふん、と誇らしそうにするシルビア。

「シルビーがフュゼ様を待たせちゃいけないからって私とモナちゃんを集めてたところにキャラットが来てくれたんだよー!」

「そうだったのか、ありがとうシルビア。」

「そ、それでその!昨日仰っていました…ほ、褒美についてなんですが……!」

「ん?あぁ決まったのか?」

「あ、あの私にも、その…ですね…」
緊張している様子のシルビア。


な、何を欲しがっているんだ……?



「あ、頭を撫でて頂くことはできないでしょうか!」
ギュッと目を瞑り声を出すシルビア。

「……え?」

「あ!その……つまりですね…」

「いや、理解はしたんだが…そんなことでいいのか?」


「そ、そんなことって!!私にとっては……!」
シルビアが言い終わる前に頭を撫でるフューゼ。

「……っっ!!!/////」
両手を胸の高さにあげたまま動けなくなるシルビア。


「いつもありがとな。シルビア。」

「ひぅ…//あ、いえ……と、当然の…こっ!ことで……!」



「…よし!これでいいか?」
フューゼが手を離すと
無言で何度も首を縦に振るシルビア。


「あー!私もしてよー!」
「フューゼ…次はモナだよ」
一斉にフューゼに向かう2人。

「ちょ、ちょっと待ってくれお前達!」


「ずいぶんと楽しそうだな?フューゼ」
その時、レベッカの声が響いた。

「レ、レベッカ!それにお前達も…!」
フューゼが振り返るとそこには
レベッカ、キャラット、クタール。
そしてロングソードとマコが居た。

「す、すみません皆様を集めるのに時間がかかってしまいまして……」

「キャラットが謝る必要は無いぞ。フューゼよ、国王に挨拶もせず立ち去るのがヴァンドラの礼儀か?」
冷たい目でフューゼを見つめるレベッカ。

「いや、そんなつもりじゃなかったんだが……!」




暫くの沈黙。


その沈黙をくくくっ!と笑い破ったのは
レベッカだった。

「冗談だ。挨拶もないのを咎める気は無いが船の場所も伝えてないだろう?」


「……あっ!本当だな……。」
しっかり抜けてたな……。
シルビア達にいつも頼りすぎか…?

「場所はグリーディアを出て北に進めば港が見えるんだがそこに停泊させてあるぞ。…それはさておき渡したいものがある…クタール!」

「はい、王様。」
レベッカに指示されフューゼの元へ歩み寄る
クタール。

「フューゼ、王様からの祝福だ。」
クタールが手を伸ばす。

「なんだ……?」
フューゼも手を差し出すとクタールは1つの
緑に輝く石を手渡した。

「なんだこれ……?宝石?」

「いや、それも魔鉱石のうちの1つさ。名は思念鉱石トランストン。非常に便利な代物だよ。」

思念鉱石トランストン……?」

「フューゼ。その思念鉱石トランストンに魔力を込めてみてくれるかい?」

言われるがままにフューゼが魔力を込めると
思念鉱石トランストンは強く光り出した。

「うぉ!?何だこれ!」

「もう魔力を込めなくてもいいよ。」
クタールに言われ魔力を込めるのを止めると
光は落ち着いた。


「見ててごらん。」
クタールが服のポケットから同じ様な石を取り出す。
そしてフューゼの持っている思念鉱石トランストンにコン!
と当てると両方の石が強く光った。

「な!?クタール!何をしたんだ!?」

「君の思念鉱石トランストンとグリーディアの思念鉱石トランストンを登録したのさ。」

「……どういう事だ?」

にやりとするクタール。
「いいかい?魔力を込めた思念鉱石トランストン同士をぶつけると相互登録されるんだけどこの相互登録した思念鉱石トランストン同士で離れていても会話ができるのさ!」

「会話が……?」
どういう事だ?携帯みたいなものってことか?

「そう。まずこの思念鉱石トランストンを持つだろう?すると登録されている魔力を感じるはずさ。あとはその魔力に向かって自分の魔力を込めながら伝えたい事を考えるんだ。全て込め終わったら思い切り振る。すると相手の思念鉱石トランストンにその魔力を送ることが出来るんだ。便利だろう?」

「……便利そうだが……考えを魔力にのせるって感覚がわからないな……。」

「そう難しく考えることは無いさ。何なら初めは額に当てながら魔力を込めるといい。それで感覚も掴めるさ。……まぁ多用しすぎると魔力が切れたり疲れてしまうが…君なら大丈夫だろう。」
そう言ってフューゼに思念鉱石トランストン
渡すクタール。

「……何も感じないぞ?」


「あぁ、少し魔力を込めると起動するよ。」
フューゼが魔力を込める。
すると淡く光り出した思念鉱石トランストン


おお……!!確かに感じるぞ!
レベッカの雰囲気というか……魔力…なのか?
ここに向かって魔力を込めるといいのか?

「……何となくわかった気がする……ん?」
顔をしかめるフューゼ。

「……どうしたんだい?フューゼ。」

「レベッカ以外の魔力を感じるんだが…これは……。」
ちらりとクタールを見るフューゼ。

「…………そう。僕の魔力さ。登録しておいたんだ。いつでも連絡してくれて構わない。今夜にでもね。」

「お……おう。ありがとな。」


「ちょっとどいて博士」
にやにやするクタールを跳ね飛ばして
ロングソードがフューゼに歩み寄る。

「フューゼ……それ1回貸して」

「構わないが……。」
フューゼがロングソードに
思念鉱石トランストンを渡すと
ロングソードはガン!と腕を叩きつけた。

「お、おい!何してるんだ!?」
慌てるフューゼ。

「こ、こら!!ロングソード!!何をしている!!それは破壊対象じゃないぞ!?」
さらに慌てるクタール。

「……うるさい博士。壊したりなんてしないよ。」
そのまま少し立つと一瞬思念鉱石トランストンが光った。

「…はい、フューゼ」
思念鉱石トランストンを返すロングソード。

「おう…。ロングソード、何したんだ?」

ふいと視線をそらすロングソード。
「ボクも魔鉱石で出来てるからね。同じ様に登録出来ないかやってみたんだ。…まぁ出来たんだけど」

「え?……本当だ!ロングソードの魔力を感じるぞ!」

「な、何ぃ!?そんな、バカな!」
目を丸くするクタール。

「魔鉱石を取り込めば直接話せるとは思っていたが思念鉱石トランストン以外でも可能とはどういう事だ……!?いや、とりあえずは僕の身体にも組み込めばフューゼの魔力が直接……!」
小さな声で独り言をぶつぶつと話し始めた
クタールをよそにロングソードはフューゼに
語りかける。

「マコを強くしたらフューゼを殺しに行く。その時に逃げられたら困るから。それだけ」

「……結局そのスタンスはかわらないんだな。まぁわかったよ。いつでも来てくれ。逃げはしないさ。」

「ヴァンドラ様!」
フューゼを見つめるシルビア。

「大丈夫。俺は負けないよ。」

「流石フューゼだね。また戦うのが楽しみだよ……!!マコ、早く強くなってね」
マコを見つめるロングソード。

「は、はいぃ!!が、がんばります!」
ロングソードから逃げるようにモナに駆け寄るマコ。



「モナちゃん……は、離れていてもひと時もわ、忘れませんからね!」

「マコ……。モナはフューゼと行くけどマコの事応援してるよ」

「わ、わたしは今は弱いしあの緑の石もないからいつもはしゃべれないかもしれないですけど…つ、強くなって!モナちゃんの帰ってくるところを守りますから!だ、だから……!」
目に涙を貯めるマコ。

「い、いつでも、帰ってきていいですからね!ぜ、絶対にわたしは!モナちゃんを!待ってますから!」

つられそうになるモナ。
「……泣かないで言えたね。偉いよマコ。内蔵も吐かなかったね」

「ふふっ、これからは強くなるんで涙も内蔵も簡単にはだしませんよ!」


「モナとマコは本当に仲がいいな。離れて大丈夫なのか?」
心配そうに聞くフューゼ。

「それは大丈夫。お互いが決めた道だから。マコが後悔してないのもわかるし、そんなに甘くないよ」
フューゼを見上げるモナ。
その目を見てはっとするフューゼ。

「悪かったな。野暮なこと聞いて。」

「やぼ……?それはよくわからないけどいいよ」


会話の輪の外でレベッカに話しかけるキャラット。
「…思念鉱石トランストンを渡したってことはいつでも話せるってことですよね?」

「あぁ。フューゼともいつでも話せるぞ!よかったなキャラット。ここに居ても話せるぞ!」

「本当によかった……」

「……!!キャ、キャラットはフューゼの事が、す、すす、好きなの…か?」

「えぇ!?どうでしょうね…」

「ひ、否定はしないんだな……」

「それより!いつでも話せるなら安心しました!あたし、フューゼさんに付いていきます!!」

「!!?!!!!?!」
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