転生魔女は悠々自適に世界を旅する

黛 ちまた

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双子魔女の旅立ち

やっと戻って来たよフリュンガー!

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 あぁ、あれに見えるは領都フュリンガーじゃないですか……! 実に六カ月ぶりですね!!
 以前は移民の行列で凄かった門も、今は行商人や旅人くらいのもの。これが本来の姿だったんだろうなー。

「嬉しくて小躍りしたい」
「終わったら好きなだけどうぞ」

 いや、踊らないよ?
 比喩的な表現です。

 私達が街道を作るのを見て、行商人達はびっくりしてる。そりゃそうだ。ごめん、驚かせて。
 あともう一回で街道と領都が繋がる、というところで兵士さん達が列のほうに向かって走って行き、場所移動してもらった。移動が済んだのか、兵士さん達が手を振っているので、こちらも手を振ってから最後の道を作る。
 ボコボコボコ、と盛り上がってきた石の道が無事、フュリンガーの入り口と繋がった。

「終わったー!」
「やりましたー!」

 エレンと抱き合ってキャッキャしていたら、リーダーがやって来た。

「出来ましたね!」
「はい!」
「魔導石は明日にしますか?」
「いえ、この勢いで終わらせて明日から休息します!」

 了解です、とリーダーが笑顔になる。
 さて、魔女通販ネットショップで頼んでおいた特注の魔導石ですが、もう馬車の中に積んであるんですよ。

 で、領都と防壁を街道を経由して繋げたわけだけど、本来なら領都の入り口に魔導石を置くわけにはいかないんだよね。敵がここまで来れたら易々と魔導石を壊せちゃうから。ただ私達のスタンスは魔導石を勝手に置くけどあとは好きにしてくれって奴で、領主がオッケーを出すと思ってないのです。

「そうしましたら、街道を領主の館まで伸ばしていただけますか?」

 お? もしかして領主様から許可が出てたりする?

 領都に入ると兵士達が沢山来ていて、領都の入り口から領主の館に繋がる中央通りから人を避けさせていた。ありがたやー。
 避けさせられた人達は、避けつつも何だなんだと集まってきている。あ、人だかりの中にクルックさん発見。私達に気付いて手を振ってる。軽く手を振り返して、中央通りを上書きするように作り変えていく。道が波打つようにして一瞬で作り変わっていく。それを見て見学人達(?)がおぉーと声を上げる。
 いやー、三カ月も作り続けてたから手慣れたもんですよ。横になりながらでも作れそうな気がする。

 領都の入り口から中央通りを作り変えながら第二城壁へ。第二城壁から第一城壁へ。第一城壁の中に入るのは初めてだなー、なんて思いながら作り変える。
 そうして辿り着いた領都の中心地 領主の館。城っていうか要塞だね。さすが辺境伯の住まい。ここが最終防衛ラインなんだろうなーという感じ。
 館には当然ながら堅牢な門があるのだけど、リーダーさんを見た門番達が敬礼をして門を開けてくれた。
 リーダーに誘導されるまま道を作った先にお堂が。お堂っていうと和っぽいけど、洋風。小さい教会みたいな感じ。その中まで道を作った。

「ここに魔導石を置けばいいですか?」
「はい、そこの台座の上にお願いいたします」

 お庭に魔女馬車を召喚させてもらって、中から特注の魔導石を下ろす。重いので魔法で浮かせてお堂の中に運び入れる。台座にのせた魔導石は魔力を注いでないのでただの石にしか見えない。ここに魔力を注ぐと光る。全体が光るんじゃなくて、シリンダーみたいに下から光っていくのでどれだけ魔力が溜め込まれているのかが分かりやすい。
 私とエレンで魔力を注いでいく。満タンになったら防御壁を発動させる。カラカラの土に水を注いだみたいに、あっという間に魔導石は空っぽに。そこにまた魔力を注ぐ。これを何度も繰り返した。
 領都からコヴァルシャに繋がる街道、領都を囲う全ての防御壁に魔力を送るとなると、かなりの量が必要になる。
 それをやれる私とエレン、というより魔女はやっぱりチートだと思う。

 もうおなかいっぱいですと言わんばかりの魔導石を見て、私とエレンは顔を見合わせて頷いた。
 振り返ってリーダーを見る。いつの間にか冒険者ギルドのギルマスが来てるじゃないですか。

「終わりました」
「はい、依頼が完遂されたことを確認しました」
「やり切ったなぁ、お嬢ちゃん達!」

 終わったー! もうここに座り込みたいー!
 そんな気持ちをぐっと我慢する。

「報酬については明日、ギルドに来てくれたら渡すからな」
「はい」

 良かった、今から来いと言われなくて。
 もうへとへと。
 第三城壁内に空き地あるかなぁ。あったらそこで馬車を出してとりあえずお昼寝したい!

 兵士さん達とギルマスに笑顔で見送られながらお屋敷をあとにする。第三城壁のキャンプ場に行くと場所が空いてた。良かったー!
 移民達が元の村に戻ったからここもパンク状態から解放されたんだね。いやー、殲滅したそばから人を送り返してくる領主様、なかなか鬼だと思うよー。

 かぼちゃの魔女馬車を召喚して中に入る。

「シルルただいまー!」
「ただいまー!」

 シルルは私達をすかさず着替えさせてくれて、天狼達とベッドにダイブ!
 今寝たら夜中に目が覚めるとかもう気にしない!
 本日の業務終了です!
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