転生魔女は悠々自適に世界を旅する

黛 ちまた

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双子魔女の旅立ち

なんと!!

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 たっぷり寝て、たっぷり食べて、お風呂にもゆっくり浸かって、ってやってたからギルドに着いたのはお昼過ぎ。
 でもまだ寝れる。

 ギルドに着くなり受付のお姉さんにギルマスの部屋に案内された。

「遅くなりました」
「疲れてるとこ悪いな」

 促されるままにソファに座る。
 正面に座ってる高級そうな服を着た人、兵士のリーダーだった人に似てるんだけど、もしかしてもしかするのか。
 リーダーそっくりさんと目が合う。にっこり微笑まれた。
 あー、やっぱりそうなんだー。

 変だと思ったんだよね。伝書用の鳥を操る人って専属がいると思うんですよ。それが下級兵士なのは別におかしくない、むしろ下級兵士がやる。でもリーダーは明らかに上級兵士っぽかった。あと他の兵士達のリーダーへの接し方が、ただの上官への態度よりも緊張感があったというか。

「気付いたようだな。こちらはフュリンガー領主のご子息、イアン様だ」
「素性を明かさずにいて失礼した。イアン・ウィリアム・エテルという」

 フュリンガー領の領主だからって姓がフュリンガーにはならないのか、それはそうか。
 それはそうと、どう反応したものかな。どうも、というのもおかしいし。
 こちらの戸惑いをあちらも分かってくれたようで、少し困ったような笑顔を向けられた。

「貴女達の実力を疑ったわけではなくてね、私が魔女という存在に関心があって、父に無理を言って同伴させてもらったのだ。あぁ、振る舞いについてはとやかく言うつもりはない。これまでと同じようにしてくれると嬉しい」

 そんなこと言ってあとから不敬とか言わない?

「大丈夫だ」

 ギルマスがそう言うので、エレンと見合わせて頷いた。

「分かりました」
「魔女や賢者の存在は多くの者が知るところだが、賢者は私達と同じ人として生まれるし、寿命がある。対して魔女は寿命がないにも関わらず数が多くなく、その殆どが人里を離れた場所で生きる」

 それはそう。お母さんも森の中で暮らしてるし。

「アナベラ殿のことは父から聞いていたが、まさかそのご息女に巡り会えるとは思わなくてね、依頼の話を聞いて頼みこんだ」
「そうなんですね」

 としか言いようがないというか。

「マルングリティに住む魔女はかなり強欲らしい。魔女であろうと賢者であろうと人であろうと、個々によって異なるとは聞いていたが、特別依頼だ。為人ひととなりは大いに気になるところでね」

 まぁ、うん、そうでしょうな。
 それから、マルングリティの魔女はやっぱりアレなんだ。フレディさんが怯えるはずだ。

「そこは人によるというか、魔女によると思います」
「だが君達はかなりのお人好しの部類に入るのではないか?」
「人を騙して生きるくらいなら、お人好しのほうがいいです」

 騙されたほうが悪いなんて言葉があるけど、騙すほうが悪いし、どちらかを選べといわれたら、騙される側でいいし、被害は最小限でお願いしたい。

 イアン様は笑うと、ギルマスに書類を渡した。

「今回、我がフュリンガー領は貴女達に大変世話になった。よって報酬を上乗せさせてもらった」

 ギルマスがテーブルの上に依頼の受領と完了時に使う水晶を置く。

「ブレスレットかリングをかざしてくれ」

 私とエレンはそれぞれリングとブレスレットを水晶にかざした。シャリーンという音がした。それからこの前も聞いた、ランクアップ時の音も。パララッパッパッパー。某有名RPGのレベルアップ音と同じ奴。

「あ」
「おめでとう、これでランクはDだ」
「え、いいんですか?」
「あれだけの功績だ、ランクが上がって当然だ」

 まさかランクアップするなんて思ってなかったからびっくり嬉しい!

「それから報酬もさっきので振り込まれているはずだ」

 あとで確認しようっと!
 カメラ……は無理だろうけど、先立つものはいくらあってもいいよね!

「貴女方はこれからも旅を続けるのだろう?」
「はい」
「是非また、フュリンガーに来てくれ」
「それは勿論。山の向こうには母がいますから」

 イアン様とギルマスと握手をしてギルドを出る。
 長らくフュリンガーに滞在(?)したけど、コヴァルシャに向かいたいんだよね。
 明日から休息しつつ旅の準備をして、フュリンガーを立つつもり。

「思いがけずランクアップしたね」
「ね。良かった」
「Eランクの依頼、全然受けなかった」
「受けたよ、一つだけ」

 ……あ、特別依頼になる前に受けようとした奴か。

「そうだった」
「そうそう」
「Dランクはどんなのだろうね」
「冒険者だからね、より難しくなりそう」
「同感」

 でもきっと、エレンと天狼達とシルルとファゴットがいれば、なんとかなる。
 私達、Sランクとか目指してないから、ほどほどでいいしね!
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