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逃げられない

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ふと目が覚める。
ここはいったいどこだろう。
知らない部屋だ。
ベッドから起き上がり立とうとしたらガチャっと音がなり首が締められるかのように苦しくなった。
ベッドに座りなおし首もとを見ると首輪だ。
なぜ?
そう思うもこんなことをするのはただ1人だけ。
そう思ったらガチャ。部屋を誰かが開けた。
「目が覚めたんだね。」
そう男は言った。
「今すぐこれを外して。」
そう言えば「首輪を外したら逃げるだろう?それよりも何故逃げた?僕達は愛し合っていただろう?何故逃げた?何故だ?まさか他に男がいるのか?誰だ?言うんだ。今からそいつを消してくるから。」
そう早口で言ってくる。
表情が死んでいて目に光は消え闇しか映さない。
まずい、この時の彼は何をしでかすかわからない。
彼は私に近づき両肩をがっ!っとつかみ「君を誑かしたやつは誰だい?教えてごらん。言わないなら1人ずつ殺していくしかないな。」
これは脅しだ。
だけどもそんな人物はいないのだから言いようがない。
どうするか迷っていたら「そう……そんなに言いたくないんだ。なら1人ずつ君の目の前で殺そう。」
と言ってきた。
たまらず私は「そんな人いないっ!私がアナタから逃げたくて逃げたのっ!」
彼は「……?そんなはずはないだろう?だって僕らは愛し合っているんだから。」
だめだ、逃げるしかない。逃げようと間を開けようとするも無駄な抵抗、すぐに捕まる。
「なぜ逃げようとするんだい?別な男の所に行こうとしているんだろ?今までどこにいたんだ?誰といた?半年もの間よくも逃げてくれたね?君を見つけるのに手こずってしまったよ。偶然見つけたから良かったものを、僕の君への愛を確かめたかったのかい?それなら大成功だよ。だからもう鬼ごっこはおしまいだ。だから君を誑かした男の名を言うんだ。」
圧が凄く怖く黙ってしまう。
すると「ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
と叫び「何故だ!!何故言わない!!」
そう言いながら部屋にある椅子やテーブルなどを投げ飛ばす。
「ヒィ!」と怯えた声がでる。
「何故怯えるんだ?あぁ、そうか、男に脅されてるんだろう。そうなんだね。可哀想に。」そう言いながら私を抱きしめてくる。
怖くて震える身体を彼がさすりながら「大丈夫だよ。僕がいるから怖いものは何もない。」
「……そうだ!一緒に天国に行こう!そうすれば僕と永遠に一緒にいられるよ!あぁなんではやく思いつかなかったんだろう。ふふ…そうと決まれば準備をしなきゃ!ちょっと待っていてね。」 
そう言いながらどこかえ行く彼。
「このままだと死ぬ……」
必死で首輪を外そうとするも虚しく音が鳴るだけ。
「おまたせ~。」
彼が戻ってきた。
手には長い包丁。
「ま、待って!やめて!」
「何をやめるんだい?」
そう言いながら近づいていき押し倒される。
「すぐに天国に行けるから待ってね。」
包丁を首もとに持っていき、
「お願い!まっ」ブシャ!血がふきだす。
「ごふっ……やめ……」
「君は血の色も綺麗だね」
血を顔に塗りたくってうっとりとした顔で見つめる彼。
「僕もすぐに逝くね。」
そう言いながら自分の首を切ったのだった。
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