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英雄たちの選択 後編 そして、世界の行く末は
天界の中央都市ゼロ
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ゼロは、下界と天界を繋ぐ「ゲート」がある巨大な円形の中央広場を中心として放射線状に通りが伸びていくのが特徴的な天界の中央都市だ。
その街並みは一見して下界のそれと大差がないようにも思えるが、実際のところは違う。ゼウスが、精霊たちが仕事をしやすいようにと、人間の文化や生活に合わせてそうしているに過ぎない。
そういった事情もありところどころに下界にはないものが見受けられるため、ティナはそういったものが視界に入る度に感嘆の声をあげていた。
「ねえねえジン君、あれは何のお店なの? お茶はお茶みたいだけど」
「あれは紅茶とかとは別のお茶を専門に扱ってる店だ。そういやゼウス以外の神様が別の世界からここに持ち込んだらしくて、地上には置いてないんだったかな」
「へえ~。あっ、じゃああれは?」
「あれはな……」
このように天界に入って以来延々と、ゼロの街中を歩きつつティナからの質問にジンが答えるという時間が続いている。
好奇心旺盛なティナにジンとソフィアがほっこりとする一方で、退屈なこともあって冷静に現在の状況を分析しているのがキースとエアだった。
「おかしいな」
「そうですね。これではいつものゼロと何ら変わりがありません」
「天国への回廊」での戦闘が嘘のように、ゼロでは襲い掛かって来る者が誰一人としていない。おかげで先ほどのような、ティナののんびり観光タイムへと移行しているのであった。
「あ、ああ」
エアの応答に少しばかりキースが動揺した様子を見せる。その反応を訝しんだのか、エアはいつもの無表情で尋ねた。
「どうしたのですか?」
「いや、お前が真面目に返すなんて珍しいと思ってな」
「あなたは俺を何だと思っているのですか」
「稀少なモンスターか何かといったところだな」
「それジンと同じこと言ってますよ」
「何だって!? っしゃああああぁぁぁぁ!!!!」
突然両膝をついて二つの拳を天高く掲げながら叫び出したキースに、ジンたちだけでなく道行く精霊たちからの視線までもが集まる。
しかしジンとキースの兄弟は互いに別の路線ではあるが有名人なので、二人の姿を目にした者たちは「何だまたキースか」「またジンか」といった言葉をつぶやくと、また日常に戻っていった。
とはいえジンは何の問題も起こしていないので、今回ばかりは完全に兄の巻き添えをくらった形だ。
真顔になってから立ち上がってスラックスに付いた土を払うと、キースはもの静かにその言葉を口にする。
「やはり、私とジンは『血』という名の鎖で繋がっている……」
「キース隊長、それは気持ち悪すぎます。繋げているものの例えとして糸とかじゃなくて鎖を使う辺りもちょっと」
「ソフィア様、現在の状況をどう思われますか?」
エアの言葉が地味に辛かったのか、キースは即座に話題を切り替えた。ソフィアはティナを見ていた時のだらしない表情を引き締めてから答える。
「住民のみなさんは、まるで何事もなかったかのようにのんびりと過ごされていますね。私たちを油断させるためのゼウスの罠なのか、それとも住民のみなさんにはばれないようにしているのか。恐らくは後者でしょうが……」
「どうしてですか?」
きょとんと首を傾げながらのティナの質問に、ソフィアは綻んでしまいそうになる顔の筋肉を必死に制御しながら応じた。
「あまり多くの人に自分の悪行が知られてしまうと、誤魔化して言うことを聞かせるのが大変だからです。『天国への回廊』でもすでに、『もう人間の方々の前で精霊剣技を使ってもいい』という情報を伝えていないなど、想定されるであろう事態に備えることが出来ていないゼウスの失態が見て取れましたし」
今まで通りに「人間に自分たちの素性を知られてはならない→精霊剣技を使ってはならない」という制限を課していれば、いざ人間と戦闘をした時に精霊側が不慣れな戦い方を強いられることになる。
その為あらかじめソフィアがティナたちに精霊の存在を伝えている、という事態を考慮して、ゼウスは状況によっては精霊剣技を使ってもいいという話をしておくべきだったというのがソフィアの考えだ。
実際には精霊たちはジンに「人間の前で精霊剣技を使ってはだめなんじゃないのか」と動揺しながらも文句をつけるだけだった。これは明らかなゼウスの準備不足であり、普段の老神ならば考えられない失態だと言えるだろう。
話を聞きながら顎に手を当てて思索を巡らせていた様子のキースが、何かに納得したように一つうなずいてから口を開いた。
「でしたら、創世の神殿に突入するまでは戦闘が起きる可能性は非常に低い、ということですね」
「そういうことになります」
同様にうなずいて、ソフィアが返事をする。
「でしたら少し寄りたいところがあるのですが、よろしいですか?」
「ええ、構いませんが……一体どこに?」
「それは到着してからのお楽しみということにさせてください」
「お前この状況で何言ってんだよ。さっさとゼウスんちに乗り込むべきだろ」
顔をしかめながらのジンの苦言にティナは苦笑を浮かべながら諭す。
「いいじゃない。お兄さんも何か考えがあってのことだと思うし」
「まあ、ティナがそう言うなら……」
「ありがとう。だが私はお前のお義兄さんではない」
「ふふっ。それでは行ってみましょうか」
穏やかに微笑みながらの女神の一言でキースの先導が開始された。
ソフィア一行は現在、中央広場から南に位置する場所にいる。これは意図してのことではなく、単純に「天国への回廊」から出た際に南側にいたというだけだ。
ゼロに到着してすぐに後ろを振り返っても何もなかったことから、「天国への回廊」を経由して戻って来た時の場所は無作為に選ばれる、という結論が出た。決まった場所に出るなら「天国への回廊」にもう一度戻る出入り口が残されるだろう。
そういった理由もあって現在地がゼウスの謀略によるものである可能性も低く、一行はのんびりと街中を歩いていく。
細い裏路地を出て南大通りへ。この辺りは一般市民の中でも奇抜な趣味をしていない者たちの住居が連なっているといった事情が、一つ一つの建物があまり大きくない、庶民的で親しみやすい風景を生み出している。
地面からは土埃が舞い、特にティナにとっては故郷のハジメ村やツギノ町といった懐かしの街を想起させる一方で、木や煉瓦、石造りなど材料も造り方もばらばらな家屋たちがのびのびと並んでいる様子は目新しく映っていることだろう。
南大通りを行き交う精霊たちの数は多く、歩くのにやや不自由な位だが、ミツメの人混みに慣れた彼女にとってはどうということはない。街並みを眺めて楽しむ余裕も存分にあるらしかった。
「ティナ、ちゃんと前を見ないと危ないぞ」
「は~い」
ジンはそう注意しながら、ミツメに来たばかりの頃もこんなやり取りをしたな、などと感慨にふける。
思えば随分と遠くまで来たものだ。あの頃はアルミラージを倒せるくらいだったティナも、今は魔王を倒せるまでになった。想いも互いに伝わったことだしアカシックレコードを壊せば幸せな生活が待っているのか……。
自然と頬の緩むジンの横顔を見ながら、エアが肩をすくめてため息をついた。
中央広場に差し掛かる。ここの目玉は何と言っても下界と天界を繋ぐ「ゲート」だ、といっても精霊たちには見慣れ過ぎているが。
特に何かに区切られたわけでもない広場を視覚的に明示しているのは、地面を彩る芝生の絨毯だ。ところどころに樹木や長椅子、噴水なども設置されてさながら大きな公園の様相を呈している。
ティナがハジメ村を旅立ったあの日にジンの精霊剣技で爆散したそれらも、現在ではゼウスの手によって完全に修復されていた。
二人の世界に入り浸る恋人たち、人々の笑顔が見たいと芸を披露する芸人、肩から紐をかけて持ち運ぶ板に商品を並べて売り歩く商人。三者三様な精霊たちを見てティナの瞳の輝きはより一層増していく。
「ここがジン君の生まれ育った街かぁ……」
そう言われると、何だか妙に照れくさい。
ティナの思わず漏れたつぶやきにジンはどこか気恥ずかしくなり、ソフィアは口の端からよだれをたらしている。エアはいつもの無表情。キースは「そこで俺も生まれ育ったんだぞどうだ参ったか」と言わんばかりに得意げな表情だ。
そんな中央通りを歩きながら、ジンはぼそっとキースに尋ねる。
「それで、結局どこに行くつもりなんだよ?」
「まだ秘密だ。まあぼちぼちわかるさ」
「何でもったいぶってんだよ……」
文句を垂れるジンに兄が静かに微笑みを見せたところで、一同は中央広場を東側から出ようとしていた。
その街並みは一見して下界のそれと大差がないようにも思えるが、実際のところは違う。ゼウスが、精霊たちが仕事をしやすいようにと、人間の文化や生活に合わせてそうしているに過ぎない。
そういった事情もありところどころに下界にはないものが見受けられるため、ティナはそういったものが視界に入る度に感嘆の声をあげていた。
「ねえねえジン君、あれは何のお店なの? お茶はお茶みたいだけど」
「あれは紅茶とかとは別のお茶を専門に扱ってる店だ。そういやゼウス以外の神様が別の世界からここに持ち込んだらしくて、地上には置いてないんだったかな」
「へえ~。あっ、じゃああれは?」
「あれはな……」
このように天界に入って以来延々と、ゼロの街中を歩きつつティナからの質問にジンが答えるという時間が続いている。
好奇心旺盛なティナにジンとソフィアがほっこりとする一方で、退屈なこともあって冷静に現在の状況を分析しているのがキースとエアだった。
「おかしいな」
「そうですね。これではいつものゼロと何ら変わりがありません」
「天国への回廊」での戦闘が嘘のように、ゼロでは襲い掛かって来る者が誰一人としていない。おかげで先ほどのような、ティナののんびり観光タイムへと移行しているのであった。
「あ、ああ」
エアの応答に少しばかりキースが動揺した様子を見せる。その反応を訝しんだのか、エアはいつもの無表情で尋ねた。
「どうしたのですか?」
「いや、お前が真面目に返すなんて珍しいと思ってな」
「あなたは俺を何だと思っているのですか」
「稀少なモンスターか何かといったところだな」
「それジンと同じこと言ってますよ」
「何だって!? っしゃああああぁぁぁぁ!!!!」
突然両膝をついて二つの拳を天高く掲げながら叫び出したキースに、ジンたちだけでなく道行く精霊たちからの視線までもが集まる。
しかしジンとキースの兄弟は互いに別の路線ではあるが有名人なので、二人の姿を目にした者たちは「何だまたキースか」「またジンか」といった言葉をつぶやくと、また日常に戻っていった。
とはいえジンは何の問題も起こしていないので、今回ばかりは完全に兄の巻き添えをくらった形だ。
真顔になってから立ち上がってスラックスに付いた土を払うと、キースはもの静かにその言葉を口にする。
「やはり、私とジンは『血』という名の鎖で繋がっている……」
「キース隊長、それは気持ち悪すぎます。繋げているものの例えとして糸とかじゃなくて鎖を使う辺りもちょっと」
「ソフィア様、現在の状況をどう思われますか?」
エアの言葉が地味に辛かったのか、キースは即座に話題を切り替えた。ソフィアはティナを見ていた時のだらしない表情を引き締めてから答える。
「住民のみなさんは、まるで何事もなかったかのようにのんびりと過ごされていますね。私たちを油断させるためのゼウスの罠なのか、それとも住民のみなさんにはばれないようにしているのか。恐らくは後者でしょうが……」
「どうしてですか?」
きょとんと首を傾げながらのティナの質問に、ソフィアは綻んでしまいそうになる顔の筋肉を必死に制御しながら応じた。
「あまり多くの人に自分の悪行が知られてしまうと、誤魔化して言うことを聞かせるのが大変だからです。『天国への回廊』でもすでに、『もう人間の方々の前で精霊剣技を使ってもいい』という情報を伝えていないなど、想定されるであろう事態に備えることが出来ていないゼウスの失態が見て取れましたし」
今まで通りに「人間に自分たちの素性を知られてはならない→精霊剣技を使ってはならない」という制限を課していれば、いざ人間と戦闘をした時に精霊側が不慣れな戦い方を強いられることになる。
その為あらかじめソフィアがティナたちに精霊の存在を伝えている、という事態を考慮して、ゼウスは状況によっては精霊剣技を使ってもいいという話をしておくべきだったというのがソフィアの考えだ。
実際には精霊たちはジンに「人間の前で精霊剣技を使ってはだめなんじゃないのか」と動揺しながらも文句をつけるだけだった。これは明らかなゼウスの準備不足であり、普段の老神ならば考えられない失態だと言えるだろう。
話を聞きながら顎に手を当てて思索を巡らせていた様子のキースが、何かに納得したように一つうなずいてから口を開いた。
「でしたら、創世の神殿に突入するまでは戦闘が起きる可能性は非常に低い、ということですね」
「そういうことになります」
同様にうなずいて、ソフィアが返事をする。
「でしたら少し寄りたいところがあるのですが、よろしいですか?」
「ええ、構いませんが……一体どこに?」
「それは到着してからのお楽しみということにさせてください」
「お前この状況で何言ってんだよ。さっさとゼウスんちに乗り込むべきだろ」
顔をしかめながらのジンの苦言にティナは苦笑を浮かべながら諭す。
「いいじゃない。お兄さんも何か考えがあってのことだと思うし」
「まあ、ティナがそう言うなら……」
「ありがとう。だが私はお前のお義兄さんではない」
「ふふっ。それでは行ってみましょうか」
穏やかに微笑みながらの女神の一言でキースの先導が開始された。
ソフィア一行は現在、中央広場から南に位置する場所にいる。これは意図してのことではなく、単純に「天国への回廊」から出た際に南側にいたというだけだ。
ゼロに到着してすぐに後ろを振り返っても何もなかったことから、「天国への回廊」を経由して戻って来た時の場所は無作為に選ばれる、という結論が出た。決まった場所に出るなら「天国への回廊」にもう一度戻る出入り口が残されるだろう。
そういった理由もあって現在地がゼウスの謀略によるものである可能性も低く、一行はのんびりと街中を歩いていく。
細い裏路地を出て南大通りへ。この辺りは一般市民の中でも奇抜な趣味をしていない者たちの住居が連なっているといった事情が、一つ一つの建物があまり大きくない、庶民的で親しみやすい風景を生み出している。
地面からは土埃が舞い、特にティナにとっては故郷のハジメ村やツギノ町といった懐かしの街を想起させる一方で、木や煉瓦、石造りなど材料も造り方もばらばらな家屋たちがのびのびと並んでいる様子は目新しく映っていることだろう。
南大通りを行き交う精霊たちの数は多く、歩くのにやや不自由な位だが、ミツメの人混みに慣れた彼女にとってはどうということはない。街並みを眺めて楽しむ余裕も存分にあるらしかった。
「ティナ、ちゃんと前を見ないと危ないぞ」
「は~い」
ジンはそう注意しながら、ミツメに来たばかりの頃もこんなやり取りをしたな、などと感慨にふける。
思えば随分と遠くまで来たものだ。あの頃はアルミラージを倒せるくらいだったティナも、今は魔王を倒せるまでになった。想いも互いに伝わったことだしアカシックレコードを壊せば幸せな生活が待っているのか……。
自然と頬の緩むジンの横顔を見ながら、エアが肩をすくめてため息をついた。
中央広場に差し掛かる。ここの目玉は何と言っても下界と天界を繋ぐ「ゲート」だ、といっても精霊たちには見慣れ過ぎているが。
特に何かに区切られたわけでもない広場を視覚的に明示しているのは、地面を彩る芝生の絨毯だ。ところどころに樹木や長椅子、噴水なども設置されてさながら大きな公園の様相を呈している。
ティナがハジメ村を旅立ったあの日にジンの精霊剣技で爆散したそれらも、現在ではゼウスの手によって完全に修復されていた。
二人の世界に入り浸る恋人たち、人々の笑顔が見たいと芸を披露する芸人、肩から紐をかけて持ち運ぶ板に商品を並べて売り歩く商人。三者三様な精霊たちを見てティナの瞳の輝きはより一層増していく。
「ここがジン君の生まれ育った街かぁ……」
そう言われると、何だか妙に照れくさい。
ティナの思わず漏れたつぶやきにジンはどこか気恥ずかしくなり、ソフィアは口の端からよだれをたらしている。エアはいつもの無表情。キースは「そこで俺も生まれ育ったんだぞどうだ参ったか」と言わんばかりに得意げな表情だ。
そんな中央通りを歩きながら、ジンはぼそっとキースに尋ねる。
「それで、結局どこに行くつもりなんだよ?」
「まだ秘密だ。まあぼちぼちわかるさ」
「何でもったいぶってんだよ……」
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