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神様になろう!編
惑星粉砕(デストロイオブプラネット)
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ログアウトして現実世界に戻ってくると、その日はすぐに寝た。
翌朝、wikiでキングオブザデストロイ決定戦について調べてみたところ、二か月~半年に一回ほどのペースで行われていて、次の開催はもうすぐってことが判明。
おっさんには考えておくとか言ったけど、開催がすぐと聞いてやる気が出てしまった。大会に参加すればレポートするには充分だろうし、その大会がすぐならこのクソゲーと早めにおさらばできるからだ。
とりあえず、大会の日まではレベル上げに専念しよう。
俺はその後、数日間に渡って自分の宇宙の育成を行い、対人限定のスキルを全てレベルマックスまで上げた。途中でマリンにも付き合ってもらって、アルティメットファイナルオメガオーヴァードライブイン本八幡を使っての、惑星を避けたり破壊したりしながら進む、システム外スキルを身に付けた。
あれこれやっている内に、気づけば俺の宇宙に存在する惑星の数は一万を超えている。実際の宇宙にこれだけの惑星が存在するわけはないんだけど、そんなことを言ったらどんなゲームもやっていられない。
そして、ついに大会当日を迎えた。
キングオブザデストロイ決定戦はトーナメント制で、当日のエントリー受付時間が終了するとすぐに一回戦が始まり、その日の内に決勝戦までの全ての日程が消化されることになっている。そんなあっさりとした日程なのはもちろん、クソゲーで過疎ってて参加者が少ないからだ。
参加者は、神々の京都タワー1Fロビー、つまり自分の宇宙からここに飛んできたときにポップするフロアで待機している必要がある。
俺は、時間ギリギリにフロアに到着した。
辺りを見回すと、人はそんなに多くはない。普通はどんなタイトルでも公式の対人戦大会が開催されると多少なりとも盛り上がるはずなんだけどな。これが過疎ゲーパワーか。
時間まで特にやることもないのでぼーっとしていると、声をかけられた。
俺は、このときの恐怖を一生忘れることはないだろう。
そう思えるまでにその声は、俺を恐怖のどん底に陥れた。
「リム君?」
振り向くと、そこには破壊神・紅が立っている。
俺の心臓が跳ね上がった。
中年親父の全身自画像を取り入れたリアルアバターは、とても悲し気な、それでいて友達に裏切られた子供の様な目で俺を見つめている。
「この時間にここにいるってことは、大会に出場するの?出場するときは私に教えてって言ったよね?フレンド登録までした仲でしょ?」
フレンド登録だけした仲というのはいわゆる上辺の付き合いというやつなんだけど、今はそんなツッコミを入れられるような雰囲気じゃない。
「いや~すいません。ぎりぎりまで出ようかどうか迷ってて、それで直前になってここに来たんです」
それを聞いた破壊神・紅ことミリーの親父は途端に表情を明るくした。
「そ、そっか~そうだよね~私に内緒でなんて出るわけないよね。フレンド登録までしたんだし。ごめんね誤解しちゃって」
全くだ。本当に面倒くさいおっさんだな。
落ち着いたのでまた周囲を観察していると、マリンがいた。
「おっす、来てくれたのか」
「うん、私も出場しようかと思って」
「アンデルセン東郷。いきなりで悪いんだけど、俺のことは今はキャラネームのリムで呼んでくれないか」
「えっ……?うんわかった」
実際には納得のいっていない、不思議そうな顔でそう答えてくれる。
そんなマリンの背後では破壊神・紅が「誰よこの女……」的な目でマリンをじっと見ている。めんどくさい彼女かお前は。しかもアバターは二人とも男だし、本当にやめてくれ。
「それはそうとリム君、何と今回の参加者は私たちを入れても四人しかいないんだって。二回勝てば優勝だよ」
「少なっ。何じゃそりゃ」
俺とマリンとコンビニの店長と……後は誰だ?過疎ゲー半端ねえな。
っていうか今気づいたけど破壊神・紅はリアルでちゃんと仕事してんのか?フレンド登録してから、俺がログインしてるときには必ずいたんだけど。
後でミリーに連絡してみるか……。
「私たちで決勝戦がやれたらいいねっ。もし一回戦で会わなかったら、絶対に勝ちあがって来てね!」
マリン……それフラグとかいうやつじゃないのかな……。
俺はそう思いつつも口には出さず、マリンことアンデルセン東郷の差し出してきた拳に、自分の拳をコツンとぶつけた。
それから待つこと数分。
神々の京都タワーにいる全員に聞こえる、盛大なアナウンスが響き渡る。
「お待たせいたしました!!それではこれより、第4926回キングオブザデストロイ決定戦を開催いたします!!」
絶対そんなに開催されてないよな……。
近くのプレイヤーたちがうおおぉぉぉって盛り上がってくれてる。三人くらいしかいないけど。
「なお、大会の模様はロビーの至るところに設置されている特設ディスプレイにより中継されます!!」
良く見るとたしかに、天井から吊り下げるようにして家庭用プラズマテレビみたいなのが至るところに設置されている。観てて面白いような試合になるのか?
「それではまず一回戦、リムさん対ガイアさんです!!両者とも全ての次元の歴史に残るような戦いをお願いします!!」
ガイア?それってあれじゃね?リアルアバターなのに普通のアバターとあんま変わんないような見た目してる頭おかしいやつだよな。
そう思って辺りを見回すと、そいつはいた。
俺たちからは少し離れたところにいたガイアという名前のキャラクターは、俺と目が合うと、ニヤリと不敵な笑みを浮かべる。笑みを返すこともできず、俺たちは見つめ合ったまま試合の行われる空間へと転送された。
広大な宇宙空間。遠くには米粒よりも小さくなったガイアが見える。
俺とガイアの間にはまるでゴミのように数えきれない量の惑星が浮かんでいて、正直気持ち悪い。
今にも試合が始まろうとしていた。目の前にテロップが浮かび上がる。
「コスモファイト……レディ~……」
「GO!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
マリンとの対人戦で練習を重ねたおかげで、目の前に浮かぶ無数のビックリマークには慣れたはずだったんだけど、今日はなぜかいつもより数がやや多く、戸惑ってしまった。
その動揺を見透かしたかのように、俺の惑星に惑星ががんがんぶつけられる。先手を取られてしまった。いきなり不利だ。
対人戦を重ねてわかったんだけど、惑星のぶつけ合いは、攻撃を仕掛けた側の方が若干有利だ。攻撃側に何らかのボーナスが入るらしく、力がほぼ同じな場合、惑星をぶつけた側の方が勝利するようになっている。
ガイアって人の惑星群もかなり育っているらしく、ゲームをプレイするのが仕事の俺並みかそれ以上だ。ニートかな?
俺の惑星群もかなり育っているものの、先手を取られてジリ貧だ。少しずつでも確実に差は広がっている。このままだと、最終的には結構な差で俺が負けてしまうだろう。何らかの手を打たないといけない。
俺は、抵抗するのを止めた。
全く動かなくなった俺の惑星群が、ガイアに次々と破壊されていく。
無残に散っていく、生命の住まう星。
はじけ飛ぶ、育まれたエネルギーの、最後の残滓。
俺は静かにそのときを待つ。
そしてついにその時はやってきた…………。
「アルチュッ……アルティメットファイナルオメガオーヴァードライブイン本八幡ああああぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!!!!!!!」
噛みながらも何とか俺が逆転のスキル名を発声して自分の陣地から飛び出すと、俺は宇宙空間を猛スピードで疾走する。宇宙が広すぎてわからないが、かなりのすぴーどが出ていると思う。風景が動くのはゆっくりでも、ガイアの姿はどんどん大きくなっている。
ガイアは不敵な笑みを浮かべながら俺の方に手をかざし、惑星を次々にぶつけてくる。通常、ファイオメを使ったところで惑星の移動するスピードよりも自分の移動速度の方が遅いし、惑星を何個もぶつけられれば相手の陣地にたどり着く前にこちらのHPが尽きてしまう。
しかし、今の俺は対人限定のスキルを全てレベルマックスまで上げているため、Mr.Maxとでも呼んだ方がいい状態になっている。
Mr.Max(ミスターマックス)というのは総合ディスカウントストアだ。家電製品の販売が充実しているのが特徴で、家電量販店並みに各メーカーのナショナルブランドの商品を広く扱う一方で、2005年以降、格安のプライベートブランドの液晶テレビを次々と発表している。(wikiより)
それに、マリンに対人戦の練習に付き合ってもらい、俺は惑星を避けたり破壊するシステム外スキルも身に付けた。
迫りくるガイアの操る惑星群の軌道を、遠くにある内から予測し、ぎりぎりのところで避ける。避けきれないものを対人限定のステータス上昇パッシブスキルで鍛えられた見えない俺のパラメーター「力」で粉砕。
俺のシステム外スキル『惑星粉砕』は、タイミングが肝心だ。
このゲームの対人戦時には、プレイヤーにいわゆる『当たり判定』が発生する。検証の結果、これは不思議なことにアバターの胴体部分と頭にしかない。つまり、手と足には当たり判定がないのだ。正確にはダメージ判定というべきか、手と足はものに触れることはできても、ダメージは受けない。
これらの情報から、俺は「惑星が自分の身体に当たるぎりぎりのところで惑星を攻撃すれば、ノーダメージで破壊できるのではないか?」という結論に達した。
もちろんこれは対人限定のスキルが全てマックス、つまりMr.Maxと呼べる状態になっていることが大前提だ。
惑星の移動も早いため、訓練は苛烈を極めたが、マリンの協力によって俺はこれをマスター。そして今。
惑星を避け、破壊する俺を、ガイアが驚愕と畏怖の入り交じった表情で見つめている。そう、俺はついにガイアの表情がわかる距離まで詰め寄った。
翌朝、wikiでキングオブザデストロイ決定戦について調べてみたところ、二か月~半年に一回ほどのペースで行われていて、次の開催はもうすぐってことが判明。
おっさんには考えておくとか言ったけど、開催がすぐと聞いてやる気が出てしまった。大会に参加すればレポートするには充分だろうし、その大会がすぐならこのクソゲーと早めにおさらばできるからだ。
とりあえず、大会の日まではレベル上げに専念しよう。
俺はその後、数日間に渡って自分の宇宙の育成を行い、対人限定のスキルを全てレベルマックスまで上げた。途中でマリンにも付き合ってもらって、アルティメットファイナルオメガオーヴァードライブイン本八幡を使っての、惑星を避けたり破壊したりしながら進む、システム外スキルを身に付けた。
あれこれやっている内に、気づけば俺の宇宙に存在する惑星の数は一万を超えている。実際の宇宙にこれだけの惑星が存在するわけはないんだけど、そんなことを言ったらどんなゲームもやっていられない。
そして、ついに大会当日を迎えた。
キングオブザデストロイ決定戦はトーナメント制で、当日のエントリー受付時間が終了するとすぐに一回戦が始まり、その日の内に決勝戦までの全ての日程が消化されることになっている。そんなあっさりとした日程なのはもちろん、クソゲーで過疎ってて参加者が少ないからだ。
参加者は、神々の京都タワー1Fロビー、つまり自分の宇宙からここに飛んできたときにポップするフロアで待機している必要がある。
俺は、時間ギリギリにフロアに到着した。
辺りを見回すと、人はそんなに多くはない。普通はどんなタイトルでも公式の対人戦大会が開催されると多少なりとも盛り上がるはずなんだけどな。これが過疎ゲーパワーか。
時間まで特にやることもないのでぼーっとしていると、声をかけられた。
俺は、このときの恐怖を一生忘れることはないだろう。
そう思えるまでにその声は、俺を恐怖のどん底に陥れた。
「リム君?」
振り向くと、そこには破壊神・紅が立っている。
俺の心臓が跳ね上がった。
中年親父の全身自画像を取り入れたリアルアバターは、とても悲し気な、それでいて友達に裏切られた子供の様な目で俺を見つめている。
「この時間にここにいるってことは、大会に出場するの?出場するときは私に教えてって言ったよね?フレンド登録までした仲でしょ?」
フレンド登録だけした仲というのはいわゆる上辺の付き合いというやつなんだけど、今はそんなツッコミを入れられるような雰囲気じゃない。
「いや~すいません。ぎりぎりまで出ようかどうか迷ってて、それで直前になってここに来たんです」
それを聞いた破壊神・紅ことミリーの親父は途端に表情を明るくした。
「そ、そっか~そうだよね~私に内緒でなんて出るわけないよね。フレンド登録までしたんだし。ごめんね誤解しちゃって」
全くだ。本当に面倒くさいおっさんだな。
落ち着いたのでまた周囲を観察していると、マリンがいた。
「おっす、来てくれたのか」
「うん、私も出場しようかと思って」
「アンデルセン東郷。いきなりで悪いんだけど、俺のことは今はキャラネームのリムで呼んでくれないか」
「えっ……?うんわかった」
実際には納得のいっていない、不思議そうな顔でそう答えてくれる。
そんなマリンの背後では破壊神・紅が「誰よこの女……」的な目でマリンをじっと見ている。めんどくさい彼女かお前は。しかもアバターは二人とも男だし、本当にやめてくれ。
「それはそうとリム君、何と今回の参加者は私たちを入れても四人しかいないんだって。二回勝てば優勝だよ」
「少なっ。何じゃそりゃ」
俺とマリンとコンビニの店長と……後は誰だ?過疎ゲー半端ねえな。
っていうか今気づいたけど破壊神・紅はリアルでちゃんと仕事してんのか?フレンド登録してから、俺がログインしてるときには必ずいたんだけど。
後でミリーに連絡してみるか……。
「私たちで決勝戦がやれたらいいねっ。もし一回戦で会わなかったら、絶対に勝ちあがって来てね!」
マリン……それフラグとかいうやつじゃないのかな……。
俺はそう思いつつも口には出さず、マリンことアンデルセン東郷の差し出してきた拳に、自分の拳をコツンとぶつけた。
それから待つこと数分。
神々の京都タワーにいる全員に聞こえる、盛大なアナウンスが響き渡る。
「お待たせいたしました!!それではこれより、第4926回キングオブザデストロイ決定戦を開催いたします!!」
絶対そんなに開催されてないよな……。
近くのプレイヤーたちがうおおぉぉぉって盛り上がってくれてる。三人くらいしかいないけど。
「なお、大会の模様はロビーの至るところに設置されている特設ディスプレイにより中継されます!!」
良く見るとたしかに、天井から吊り下げるようにして家庭用プラズマテレビみたいなのが至るところに設置されている。観てて面白いような試合になるのか?
「それではまず一回戦、リムさん対ガイアさんです!!両者とも全ての次元の歴史に残るような戦いをお願いします!!」
ガイア?それってあれじゃね?リアルアバターなのに普通のアバターとあんま変わんないような見た目してる頭おかしいやつだよな。
そう思って辺りを見回すと、そいつはいた。
俺たちからは少し離れたところにいたガイアという名前のキャラクターは、俺と目が合うと、ニヤリと不敵な笑みを浮かべる。笑みを返すこともできず、俺たちは見つめ合ったまま試合の行われる空間へと転送された。
広大な宇宙空間。遠くには米粒よりも小さくなったガイアが見える。
俺とガイアの間にはまるでゴミのように数えきれない量の惑星が浮かんでいて、正直気持ち悪い。
今にも試合が始まろうとしていた。目の前にテロップが浮かび上がる。
「コスモファイト……レディ~……」
「GO!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
マリンとの対人戦で練習を重ねたおかげで、目の前に浮かぶ無数のビックリマークには慣れたはずだったんだけど、今日はなぜかいつもより数がやや多く、戸惑ってしまった。
その動揺を見透かしたかのように、俺の惑星に惑星ががんがんぶつけられる。先手を取られてしまった。いきなり不利だ。
対人戦を重ねてわかったんだけど、惑星のぶつけ合いは、攻撃を仕掛けた側の方が若干有利だ。攻撃側に何らかのボーナスが入るらしく、力がほぼ同じな場合、惑星をぶつけた側の方が勝利するようになっている。
ガイアって人の惑星群もかなり育っているらしく、ゲームをプレイするのが仕事の俺並みかそれ以上だ。ニートかな?
俺の惑星群もかなり育っているものの、先手を取られてジリ貧だ。少しずつでも確実に差は広がっている。このままだと、最終的には結構な差で俺が負けてしまうだろう。何らかの手を打たないといけない。
俺は、抵抗するのを止めた。
全く動かなくなった俺の惑星群が、ガイアに次々と破壊されていく。
無残に散っていく、生命の住まう星。
はじけ飛ぶ、育まれたエネルギーの、最後の残滓。
俺は静かにそのときを待つ。
そしてついにその時はやってきた…………。
「アルチュッ……アルティメットファイナルオメガオーヴァードライブイン本八幡ああああぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!!!!!!!」
噛みながらも何とか俺が逆転のスキル名を発声して自分の陣地から飛び出すと、俺は宇宙空間を猛スピードで疾走する。宇宙が広すぎてわからないが、かなりのすぴーどが出ていると思う。風景が動くのはゆっくりでも、ガイアの姿はどんどん大きくなっている。
ガイアは不敵な笑みを浮かべながら俺の方に手をかざし、惑星を次々にぶつけてくる。通常、ファイオメを使ったところで惑星の移動するスピードよりも自分の移動速度の方が遅いし、惑星を何個もぶつけられれば相手の陣地にたどり着く前にこちらのHPが尽きてしまう。
しかし、今の俺は対人限定のスキルを全てレベルマックスまで上げているため、Mr.Maxとでも呼んだ方がいい状態になっている。
Mr.Max(ミスターマックス)というのは総合ディスカウントストアだ。家電製品の販売が充実しているのが特徴で、家電量販店並みに各メーカーのナショナルブランドの商品を広く扱う一方で、2005年以降、格安のプライベートブランドの液晶テレビを次々と発表している。(wikiより)
それに、マリンに対人戦の練習に付き合ってもらい、俺は惑星を避けたり破壊するシステム外スキルも身に付けた。
迫りくるガイアの操る惑星群の軌道を、遠くにある内から予測し、ぎりぎりのところで避ける。避けきれないものを対人限定のステータス上昇パッシブスキルで鍛えられた見えない俺のパラメーター「力」で粉砕。
俺のシステム外スキル『惑星粉砕』は、タイミングが肝心だ。
このゲームの対人戦時には、プレイヤーにいわゆる『当たり判定』が発生する。検証の結果、これは不思議なことにアバターの胴体部分と頭にしかない。つまり、手と足には当たり判定がないのだ。正確にはダメージ判定というべきか、手と足はものに触れることはできても、ダメージは受けない。
これらの情報から、俺は「惑星が自分の身体に当たるぎりぎりのところで惑星を攻撃すれば、ノーダメージで破壊できるのではないか?」という結論に達した。
もちろんこれは対人限定のスキルが全てマックス、つまりMr.Maxと呼べる状態になっていることが大前提だ。
惑星の移動も早いため、訓練は苛烈を極めたが、マリンの協力によって俺はこれをマスター。そして今。
惑星を避け、破壊する俺を、ガイアが驚愕と畏怖の入り交じった表情で見つめている。そう、俺はついにガイアの表情がわかる距離まで詰め寄った。
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