44 / 313
中年期
こんな所にメインキャラ
しおりを挟む「実は最近、平民から貴族に成り上がった方がいまして・・・その方は容姿がとても魅力的で見惚れてしまいましたの。」
「髪の色は?輪郭など特徴は?」
「髪は短髪で茶色でしたわ。瞳は黄緑色と珍しい色をしてました。顔はとにかく整っていて素敵でした・・・」
・・・茶髪短髪・・・黄緑色の瞳・・・とにかくイケメン・・・
MA・SA・KA・・・!!!!
「その方の名前は二階堂新様ですわ。なんでもお父様がとても栄光のある仕事をこなしたみたいで一気に伯爵の身分まで上がったみたいですわよ。まぁ私たちよりは下ですが大出世ですわよね。」
あー社会でいう平社員が成績を上げ部長に就任した感じ?
あー・・・邪答院さん自ら破滅への第一歩を踏んでますよ~・・・
それにしても二階堂くんの名前が今になって出てくるとは・・・やはり高校は同じ聖陵高等学校へ行くみたいだなぁ~
「・・・そうですか。わかりました。」
「ですので私はこの学校で3年間乗り切らなくてはならないのですわ!ですのでお仲間が欲しいのです!」
「わかりました。ではお仲間を作る手助けをいたします。」
「本当ですの!?」
「ただし、条件があります。それをのんでいただけるのなら全面バックアップ致します。」
「な、なんですの?・・・その条件とは?」
うん、そんな怪訝な顔しないで。条件は邪答院さんに不利になるような事じゃないから。
「2つあります。1つは・・・絶対に僕に惚れない事です。」
「・・・は?」
おぉ~い!お嬢様!顔っ顔が間抜けになってますよぉ~・・・
「・・・それは大丈夫ですわ。・・・私、貴方みたいな髪ボサボサで細身な方は好みではありませんから。」
「・・・これを見てもですか?」
僕は前髪を掻き上げた。すると邪答院さんはギョッと目を見開き驚愕した。
「その目・・・その容姿・・・な、なんなんですのーーーー!!!!」
驚愕して絶叫しますか・・・
あーこの瞳は目立つから前髪伸ばしてるんだけどね。
「体格のほうも、わざとブカブカの制服をきているだけです。・・・僕はあまり目立つのが嫌なのでこのような格好をしているんです。」
「そ、そうね・・・あぁ・・・それにしても綺麗な瞳ね・・・ネイビーブルーなんて初めて見たわ」
「でしょうね。僕も同じ瞳を持つ人と会った事はありませんから。」
そう言って前髪を元に戻す。すると邪答院さんは明らかに肩を落としてガックリと項垂れる。
「で、この条件はのめるのかな?」
「・・・」
おーい!黙るんじゃない!
「・・・僕はなるべく平穏に学校生活を送りたいんです。・・・よろしいですか?」
「・・・ええ。わかりましたわ。でも八乙女さん、いや薫風さん、私の友になっていただけますか?」
「・・・」
「・・・」
「・・・はぁ~・・・僕に惚れないと約束して頂ければお友達になりましょう。」
「!ふふふ、有難うございます。」
何その笑い・・・なんか企んでる?
「・・・互いの父に頼んで婚約の契約なんでしないでくださいよ?」
「!!し、しませんわ。」
「・・・図星ですか。ではこの話はー」
「わ、わかりましたわよ!友になって頂けるなら親交を深める仲という事で、それ以上は何も求めませんわ。」
「はい。それでお願いします。」
「・・・」
あー女って面倒くさい・・・元女でも回りくどい女とか計算高い女とか本当に面倒なんだよね・・・こう、外堀から埋めようとしたり・・・
あっ、一応風間先輩を見習って契約書でもかかせようか!
「で、もう1つの条件とは?」
「はい、もう1つは、邪答院さー」
「紫音ですわ。」
「・・・邪答院さー」
「紫音。ですわ。」
「・・・紫音さん。」
「はい!」
呼び方なんてどーだっていいじゃん!
何?親しい人には名前で呼ばれたいとか!?
・・・はぁ・・・
「・・・紫音さん、高校はあの聖陵高等学校に行く予定ですよね?」
「ええ、もちろん。」
「・・・きっと、その二階堂さん?って方も貴族なら聖陵高等学校に通うと思うのです。」
「まぁ!・・・その通りですわね!」
「そこで!紫音さんには絶対に守ってもらいたい事があります。」
「なんでしょう?」
「・・・その二階堂さんに卒業するまで絶っっ対に告白しない事です。」
「えっ!?ど、どうしてですの?」
だって、そんな事したら確実に破滅へと進むからですよ。
・・・なんて言えないしな・・・
「・・・女性は謙虚に、そして少しずつ親睦を深めて告白すべきだと思うのです。」
「・・・はぁ」
「まだ知りもしない人にいきなり告白されてみてください。紫音さんならどう思いますか?」
「・・・不審に思いますわ。そしてお断ーーっあ!!」
「お分かりいただけましたか?親睦を深めないと即玉砕します。それは友として紫音さんが悲しい想いをしてほしくないのでこうして条件として言ってるのです。・・・お分かりいただけましたか?」
「・・・」
何凝視してくるんですか?
「・・・薫風さん・・・そこまで私の事を・・・」
「えぇ!?そこ、泣くところじゃありません!」
ちょっと!ハンカチ取って目を隠すんじゃない!そして泣くな!何故泣く!?
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
3,553
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる