赤の魔術師は困っている

モイモイ

文字の大きさ
上 下
5 / 5

おまけ 黒の魔術師

しおりを挟む
 コレは遥か昔の物語。
 その頃の世界には海しか存在しなかった。
 生物はもちろん陸と呼べるものすらなかったのだ。
 まだ大陸も生物もほぼなかったほど昔に1人のが現れた。
 その魔道師の魔法の腕は世界を創造した神も越えていた。

 その魔道師はまだ何もない世界を哀れんで、魔法の力で世界に初めての大陸を作り上げた。
 大陸には生物が必要と言い、進化の可能性を持った生物を数十種類(1種に100~200匹)ほど作り出してその大陸に住まわせた。
 生物は次々に進化を果たしてやがては人類が生まれた。
 人の始まりは創造神ではなく1人の魔道師によって作り出されたのだ。

 その魔道師の名はワル


 「師匠?そんなに真剣に何を書いているんですか?」
 良い所で弟子の1人が話しかけてきた。
 「・・・・・なんでもない」
 何時かは本にしたいが、まだコレを見られるわけにはならない。
 「もしかして新しい魔法とかの構想とかですか?見せてもらえませんか?」
 そんなものじゃない。
 「お前達レベルでコレを見るのは、いささか早すぎるだろう」
 早いとか以前に見せられんのだ。
 「むむむ、それは知識欲を刺激されますね」
 コイツはしつこいな。
 「お前がコレを見るにたる資質を得た時には見せることを約束しよう」
 コレで現時点での自身の未熟さを理解して納得するだろ。
 「どの程度の力量を得れば見せてもらえるのでしょうか?」
 こいつまじか?
 確かこの弟子はジェットだったか?
 精神系の魔術を専門にしていて、弟子の中でもつかみどころの無い奴だがまさか魔術を使ってコレの中身を知った上で、こんな行動に出ているわけじゃなかろうな?
 「お前が魔術で俺の体の一部でも支配できたなら考えてやろう」
 神を超えこの世界で最高の抵抗力を持つ俺に対して一部とは言え支配など、まず不可能だし仮に成功しても考えるだけだがな。
 「っち」
 ぇ?
 「今舌打ちしたな?」
 お前は俺の弟子だろ!
 「けちけちしやがってそれさえあれば俺がこの世界を支配できるかもしれないと思ったのによぉ~!」
 あああ。
 そういえば今日はだったな。
 満月の日はジェットの複数ある人格の中で一番の悪人が表面化するのだったな。
 自分で決めたを大事にするのもいいが、師匠である俺への口の聞き方をコノ人格にも分からせなくてならないな。



 何故か次の月の月末からはジェットを見かけることはなくなった。
 弟子へのって大事だよな。





 タイトルに黒の魔術師を加えました。
 ジェットとか言われても分からないよね。
しおりを挟む

この作品の感想を投稿する


処理中です...