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125、子犬たちを抱いて
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目の前に現れたルナやピピュオに救われて、ほっとしたのか互いに身を寄せ合って座り込む子犬の兄妹のカイとミア。
ミアを守ろうとしたカイを蹴り飛ばした商人は、周囲の人々に冷たい視線を浴びせられて慌てて逃げていく。
その傲慢で不遜な表情は青ざめている。
「う……く、くそぉ」
突然現れた王太子妃との出来事は、あっと言う間に噂として広がっていくだろう。
そうなれば、この男と取引をする相手などもうこの都にはいないに違いない。
自らが招いた事態に思わず呻きながら、すごすごと去っていく。
気が付くと辺りには人だかりが出来ている。
王太子妃の証であるティアラを頭に付けたルナの姿。
そして、その傍にいる逞しい白鷲竜のピピュオは人目を引いている。
商売や観光で訪れている人々は口々に言う。
「あれが、エディファンの女神」
「王太子妃ルナ様か!」
「ジェーレントとの海戦では、邪神の使徒を倒し多くの人々を救ったというぞ」
あっという間に人々に囲まれていくルナは、困ったようにピピュオと顔を見合わせた。
城門の近くにいる騎士たちが、慌てたようにルナの警護のために駆けつけてくるのが見える。
「王太子妃殿下! どうしてこちらに!?」
「妃殿下がおみえになるという話を聞いているか?」
「いや、そんなご予定はないはずだが」
戸惑いの声を上げながらやってくる兵士たちの姿を眺めると、ルナは呟く。
『いけない。これ以上騒ぎになったら、少しは王太子妃らしくしてくれってアレクに叱られそう。ちょっとピピュオと空の散歩を楽しみたかっただけなのに』
『ママは昔からお転婆だもんね』
そう言って笑うピピュオを、ルナは横目で見つめると口を尖らせた。
『もう、ピピュオったら。アレクみたいなこと言って。ほんと、よく似てるんだから』
そう言いながらもルナは嬉しそうに微笑む。
(この子たちの為に怒ったピピュオの姿、アレクによく似てた。血は繋がってないけど、やっぱり親子ね)
そして、しゃがんでミアとカイと視線を合わせながら言う。
『ごめんね二人とも、よかったら話は王宮で聞くわ。わざわざ私に会いに来てくれたみたいだし』
それを聞いてカイたちはこくんと頷いた。
長旅ですっかりと汚れてしまった二人を、ルナは優しく抱き上げる。
びっくりしたようにルナを見つめる子犬のミア。
『私汚いもん、女神さまのお洋服汚れちゃう……』
慌てて泥だらけの体を離そうとするミアを、しっかりと抱きしめるルナ。
『心配ないわ。ピピュオが言ってたでしょ、私はお転婆なんだから。少しぐらい服が汚れたって平気よ』
そう言って軽くウインクするルナを見て、ミアは嬉しくなった。
可愛らしいその尻尾を大きく振る。
『うん!!』
しっかりと彼女に身を寄せる子犬たち。
ルナの背中の翼が大きく羽ばたくと空高く舞い上がっていく。
それを見て、駆け付けた兵士たちは声を上げる。
「妃殿下!」
「心配しないで、今から王宮に戻るわ! お願い、このことはアレクには内緒にしておいて頂戴。心配をかけたくないもの」
その言葉に苦笑しながらも、ルナに向かって大きく手を振って頷く兵士たち。
それを見て、人々から大きな歓声が上がる。
「見ろ! まるで天使だ」
「それに見たか? あのいけすかない商人を、あっという間にやり込めちまってさ。俺はルナ様のファンになっちまったぜ」
「ああ、俺もだ! スカッとしたよな」
一方で、ルナに抱かれて大空に舞い上がったミアとカイは目を輝かせている。
『うわぁああ! 凄いよ、カイお兄ちゃん! ミアたち空を飛んでる!!』
『ああ、ミア!』
久しぶりに笑顔になった妹を見て、カイは嬉しくなって一緒に笑った。
(本当にいたんだ女神様。きっと女神様なら俺たちの話も聞いてくれる!)
ピピュオもルナの傍で大きく翼を羽ばたかせている。
ルナとピピュオは王宮の上にやってくると、大きくその上を旋回して王太子妃の部屋のテラスに向かって降りて行った。
ミアを守ろうとしたカイを蹴り飛ばした商人は、周囲の人々に冷たい視線を浴びせられて慌てて逃げていく。
その傲慢で不遜な表情は青ざめている。
「う……く、くそぉ」
突然現れた王太子妃との出来事は、あっと言う間に噂として広がっていくだろう。
そうなれば、この男と取引をする相手などもうこの都にはいないに違いない。
自らが招いた事態に思わず呻きながら、すごすごと去っていく。
気が付くと辺りには人だかりが出来ている。
王太子妃の証であるティアラを頭に付けたルナの姿。
そして、その傍にいる逞しい白鷲竜のピピュオは人目を引いている。
商売や観光で訪れている人々は口々に言う。
「あれが、エディファンの女神」
「王太子妃ルナ様か!」
「ジェーレントとの海戦では、邪神の使徒を倒し多くの人々を救ったというぞ」
あっという間に人々に囲まれていくルナは、困ったようにピピュオと顔を見合わせた。
城門の近くにいる騎士たちが、慌てたようにルナの警護のために駆けつけてくるのが見える。
「王太子妃殿下! どうしてこちらに!?」
「妃殿下がおみえになるという話を聞いているか?」
「いや、そんなご予定はないはずだが」
戸惑いの声を上げながらやってくる兵士たちの姿を眺めると、ルナは呟く。
『いけない。これ以上騒ぎになったら、少しは王太子妃らしくしてくれってアレクに叱られそう。ちょっとピピュオと空の散歩を楽しみたかっただけなのに』
『ママは昔からお転婆だもんね』
そう言って笑うピピュオを、ルナは横目で見つめると口を尖らせた。
『もう、ピピュオったら。アレクみたいなこと言って。ほんと、よく似てるんだから』
そう言いながらもルナは嬉しそうに微笑む。
(この子たちの為に怒ったピピュオの姿、アレクによく似てた。血は繋がってないけど、やっぱり親子ね)
そして、しゃがんでミアとカイと視線を合わせながら言う。
『ごめんね二人とも、よかったら話は王宮で聞くわ。わざわざ私に会いに来てくれたみたいだし』
それを聞いてカイたちはこくんと頷いた。
長旅ですっかりと汚れてしまった二人を、ルナは優しく抱き上げる。
びっくりしたようにルナを見つめる子犬のミア。
『私汚いもん、女神さまのお洋服汚れちゃう……』
慌てて泥だらけの体を離そうとするミアを、しっかりと抱きしめるルナ。
『心配ないわ。ピピュオが言ってたでしょ、私はお転婆なんだから。少しぐらい服が汚れたって平気よ』
そう言って軽くウインクするルナを見て、ミアは嬉しくなった。
可愛らしいその尻尾を大きく振る。
『うん!!』
しっかりと彼女に身を寄せる子犬たち。
ルナの背中の翼が大きく羽ばたくと空高く舞い上がっていく。
それを見て、駆け付けた兵士たちは声を上げる。
「妃殿下!」
「心配しないで、今から王宮に戻るわ! お願い、このことはアレクには内緒にしておいて頂戴。心配をかけたくないもの」
その言葉に苦笑しながらも、ルナに向かって大きく手を振って頷く兵士たち。
それを見て、人々から大きな歓声が上がる。
「見ろ! まるで天使だ」
「それに見たか? あのいけすかない商人を、あっという間にやり込めちまってさ。俺はルナ様のファンになっちまったぜ」
「ああ、俺もだ! スカッとしたよな」
一方で、ルナに抱かれて大空に舞い上がったミアとカイは目を輝かせている。
『うわぁああ! 凄いよ、カイお兄ちゃん! ミアたち空を飛んでる!!』
『ああ、ミア!』
久しぶりに笑顔になった妹を見て、カイは嬉しくなって一緒に笑った。
(本当にいたんだ女神様。きっと女神様なら俺たちの話も聞いてくれる!)
ピピュオもルナの傍で大きく翼を羽ばたかせている。
ルナとピピュオは王宮の上にやってくると、大きくその上を旋回して王太子妃の部屋のテラスに向かって降りて行った。
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