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トゥロはそれから三日後に目を覚まし、今はルイと共に南の塔の掃除をしている。定期的に手入れされてはいたが、やはり城から遠いためか、掃除の仕方は少しずぼらだった。
「トゥロメシア様、その本棚は私がやりますから。」
ルイが部屋全体の掃除を、トゥロが私物の本を本棚に入れるのをやっていたが、先日倒れたことを引きずっているらしく、ルイが止めてくる。
「大丈夫ですよ、これくらい。それに、少しは動かないと体が動かなくなりますから。」
トゥロは困ったように笑い、作業を進めた。
「···トゥロメシア様、随分変わった本を読まれるのですね。」
部屋の掃除を終え、トゥロの作業を手伝っていたルイが、ふと口にする。トゥロはルイの目線をたどり、ルイが持っている本を見る。そこには、『古代魔術の応用(禁術「精神強奪」について)』と書かれていた。
「ああ、その本は題名ほど怖い物ではないんです。精神を乗っ取ることの難しさや魔法陣の合理性について論文のように書いてあるだけです。···禁書ですが。」
「···そう、なんですか。」
トゥロは世間話のように言ったが、ルイにはそんな軽い事には感じられない。何か、言い様のない恐怖を感じた。
そんなルイをじっと見つめ、トゥロはおもむろに話し出した。
「魔法陣は基本的に膨大な魔力を必要とします。しかしそれは召喚系の魔法陣の話。それ以外、と言っても少数しか存在しませんが、強化系・操作系の魔法陣はあまり魔力を必要としません。」
トゥロの話は現在はもう誰も知らない、失われた知識だった。ルイはただ静かに話を聞く。
「では何故強化系・操作系の使い手がいないのか。これは単純な話で、強化系・操作系の魔法陣に注ぐ魔力の濃さや質を調節できる、持って産まれた才能が必要だからなんです。」
「もっと簡単に言うと、そうですね···とてもコツがいる、と言うことでしょうか。」
話し疲れたのか、トゥロはほうっと息を吐き、ルイを見てニッコリと笑った。
「だから、その本を見ても大丈夫ですよ。どうせできる人は『ほとんどいないん』ですから。」
ルイには聞けなかった。その少数のできる者の中に、貴方は含まれているのですか。何を考えているのですか。とは。
トゥロの目にはやはり何の色も浮かんでいなかった。
「トゥロメシア様、その本棚は私がやりますから。」
ルイが部屋全体の掃除を、トゥロが私物の本を本棚に入れるのをやっていたが、先日倒れたことを引きずっているらしく、ルイが止めてくる。
「大丈夫ですよ、これくらい。それに、少しは動かないと体が動かなくなりますから。」
トゥロは困ったように笑い、作業を進めた。
「···トゥロメシア様、随分変わった本を読まれるのですね。」
部屋の掃除を終え、トゥロの作業を手伝っていたルイが、ふと口にする。トゥロはルイの目線をたどり、ルイが持っている本を見る。そこには、『古代魔術の応用(禁術「精神強奪」について)』と書かれていた。
「ああ、その本は題名ほど怖い物ではないんです。精神を乗っ取ることの難しさや魔法陣の合理性について論文のように書いてあるだけです。···禁書ですが。」
「···そう、なんですか。」
トゥロは世間話のように言ったが、ルイにはそんな軽い事には感じられない。何か、言い様のない恐怖を感じた。
そんなルイをじっと見つめ、トゥロはおもむろに話し出した。
「魔法陣は基本的に膨大な魔力を必要とします。しかしそれは召喚系の魔法陣の話。それ以外、と言っても少数しか存在しませんが、強化系・操作系の魔法陣はあまり魔力を必要としません。」
トゥロの話は現在はもう誰も知らない、失われた知識だった。ルイはただ静かに話を聞く。
「では何故強化系・操作系の使い手がいないのか。これは単純な話で、強化系・操作系の魔法陣に注ぐ魔力の濃さや質を調節できる、持って産まれた才能が必要だからなんです。」
「もっと簡単に言うと、そうですね···とてもコツがいる、と言うことでしょうか。」
話し疲れたのか、トゥロはほうっと息を吐き、ルイを見てニッコリと笑った。
「だから、その本を見ても大丈夫ですよ。どうせできる人は『ほとんどいないん』ですから。」
ルイには聞けなかった。その少数のできる者の中に、貴方は含まれているのですか。何を考えているのですか。とは。
トゥロの目にはやはり何の色も浮かんでいなかった。
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更新待ってます!
続きがすごく気になります!
久しぶりの更新めちゃくちゃうれしいです!💞
ありがとうございます!
忙しい毎日に対応していたら、気付いたらもう11月に...!
今年中に出せてよかったです。
これからもがんばります!
2話読みました!!!めちゃくちゃ良かったです!更新待ってます!!
ありがとうございます!
これからも期待にそえるようにがんばります!