今日もBL営業カフェで働いています!?

卵丸

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ノンケの僕がBL営業!?

学園イベント

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バイトが終わり、アパートに帰宅すると珍しく弟の航平こうへいからLINE電話がかかってきた。電話に出ると、「よっ兄貴!!」と航平のハキハキした明るい声が聞こえてきて安心した。

「もしもし、航平久しぶりだね。」
『兄貴も元気そうな声で良かったよ。二ヶ月前は元気じゃ無さそうで痩せてたから、心配だったけど。』
「あはは・・・・・。」

二ヶ月前に航平からビデオ通話がかかってきて、通話に出た時に寝不足のせいで出来た真っ黒い隈に痩せこけた頬にしゃがれ声で話すから航平は奇声に近い悲鳴をあげて、両親を驚かせた事があったのだ。

『・・・・・兄貴ってまだあの会社で働いてんの?』
「いや、流石に会社は辞めて、今はカフェでアルバイトしてるんだ。」
『えっ辞めたの?確かに兄貴の身体を考えたら辞めた方が良いけどさ、暮らせるの?』
「それは大丈夫だよ。結構時給がいいんだ。」
『へぇ~なぁ、兄貴の店員姿見たいから、店の名前を教えてよ!!』

ニヤニヤしてそうな航平の声に僕は背中から冷や汗をかきながら、慌てた声で息づき無く断った。

「ぼっ僕はまだ新人で航平に恥ずかしい姿を見せたくないから無理だよ!!」
『え~っ俺は気にしないけどなぁ~。人見知り兄貴の店員姿を普通に見てぇーな。』
「もう!!揶揄わないでよ!!」
『あははっゴメンって!』
「ったく・・・・そういう航平は就職先決まったの?」
『んっ?あぁ、AI企業の会社に就職したよ。』
「えっ凄いじゃん!やっぱり、航平は僕より優秀だよなぁ。」
『・・・・・・あんまり自分を卑下するなよ。兄貴の悪い癖だ。』

BLカフェで働いているなんて教えるわけが無く、バイト先を濁して話を就職先に変えて褒めたのに急に機嫌を悪くした航平に僕は驚いたけど、明日はイベントがあるので早く行かないといけないから電話を切ることにした。

「・・・・・何か、ゴメン・・・明日もバイトで早めに出勤しないといけないから切るね。航平、お仕事頑張ってね。」
『あぁ、兄貴も頑張れよ。じゃあ。』

スマホを切ると、僕は深くため息をつきながら畳の上に大の字で寝転がって、静かに虚しく弱音を吐いた。

「AI企業か・・・・・・優秀な弟と辞めてバイトで凌いでる兄・・・・差が激しいよな・・・・・。」
(・・・・・もう一度、学生からやり直したいよ・・・・。)

***

(やり直したいって願ったけどさ・・・・・。)

まさか、皆が制服を着て学生になる「学園イベント」なんて誰が思っていただろうか・・・・・。
しかも、一週間前に渡されたアンケート回答の希望に答えて、茶色い袋には真っ黒い懐かしい学ランが入っていた。
(因みにサイズもアンケートに書いた。)
僕は更衣室を開けると、ブレザー、学ラン、書生・・・・・等の色んな制服を着たスタッフが和気あいあいとはしゃいでいた。

(凄い・・・・・皆が学生に戻っている!?)
「あっちゃん!やっほー!!」

僕は声の方を振り向くと、灰色の書生の服を着た愛羅さんが軽やかな足取りでいつもの笑顔で手をヒラヒラ振っていた。その隣には群青色の書生の服を着た龍輝さんが欠伸をしながら歩いていた。

「愛羅さん、龍輝さん。おはようございます。」
「おっはよ♩」
「よっ。」
「おはようございます皆の衆!!」
「「うわぁぁぁ!?」」

キャラメル色のブレザーに茶色のズボンを穿いたゲームでしか見たことが無い制服を着た大林さんが嬉しそうに後ろから声をかけられたので、気づかなかった僕と龍輝さんが驚いてしまった。(愛羅さんはニコニコしていた。)

「おっ大林さん。おはようございます。」
「ほいっおはようございます篤殿!!」
「びっくり、させんなよ。・・・・・・はよ。」
「おっはよ♩つっくん!・・・・・所でさ、あっちゃんはどうして未だに大林さんなの?一番仲いいのに名前呼びじゃないのが意外だなぁ。」

愛羅さんの言葉に僕は戸惑っていた。今更名前呼びなんて許されるのか分からないから・・・・・だけど。

「そうなんです!!ぼくはいつ言われるか、首を長くして待っていたのに全然言ってくれないのですぞ!!」

大林さんは両頬をプクーと膨らませてフグみたいになっている顔に僕は慌てて怒っている彼に訳を伝えた。

「すっすみません。名前を言うタイミングを逃してしまって、今更言いにくくなって・・・・・」
「それなら今ですぞ!!言ってくだされ!!」

丸い眼鏡の奥からキラキラと太陽のように輝くつぶらな瞳に見つめられた僕にとって、凄まじい威力を放っていた。
僕は一つ咳払いをすると、何故か緊張してしまいロボットのように片言になってしまった。

「・・・・・・ツトムサン。」
「何故、ロボット風?・・・・・はいっ勤ですぞ!」

大林さん・・・・勤さんは兵隊のように敬礼して名前を叫んでいると、他のスタッフに「仲良いのはいいけど、着替えろよ~。」と軽く注意を受けてしまった。

「すっすまぬ!篤殿は制服に着替えてくだされ!!」
「はっはい!!」

僕は慌てて学ランに腕を通したが、まさかのサイズが恐ろしい程にピッタリで唖然と立っていると、龍輝さんに腕を引っ張られて、開店準備を手伝った。

***

「ちょっ先生にバレちゃうよ?」
「先生にバレないように声を漏らさないでね?」
「アッンン・・・。」

スクールシャツの下からボタンを外して、お腹辺りから手を伸ばしてまさぐってる男性スタッフ達に女性のお客様達はいつも通り、スマホで写真を撮ったり、口元を抑えて悶えたり、静かに涙を流して感謝の言葉を述べていた。
その中で圧倒的人気があったのは・・・・・。

「龍輝君、宿題を忘れるなんて・・・イケナイ人ですね。お仕置き・・・ちゅっ」
「んっ・・・・おっおい、キスすんなっ!?」
「大丈夫だよ。うなじにキスをしただけだから・・・・これはマーキングという名のお仕置きだから・・・・ちゅっ・・・・ちゅっ。」
「なっんっやあっやめぇろ!?」

多分、先生×生徒のあいりゅうにファンはキャーキャー黄色い悲鳴と興奮している和枝さんが悲鳴じみたダミ声を誰よりも大きく上げていた。しかも、写真連打は当たり前で愛羅さんが龍輝の首筋に淡い赤い斑を唇で作る度に写真を撮る音が何十回も鳴り響いていた。

「今日もMVPはあいりゅうだろうな。」
「だな。」

危険過ぎる甘い空気を漂わせている悪戯っ子のような笑みで舌なめずりをする愛羅さんと羞恥で可哀想なぐらいに顔を真っ赤にして、涙目で愛羅さんを睨みつけている龍輝さんを男性スタッフ達が困った笑顔で二人と黄色い悲鳴を上げてるお客様を静かに眺めていた。





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