哀しい兎に笑ってほしくて

卵丸

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最悪な関係

無意味な抵抗

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俺は意味がわからなくて固まっていると中村陸は嫌な笑みを向けて説明はしてくれたが内容は俺にとって最悪すぎた。

「俺さ、色んな奴とプレイしてきたんだけどさ、一回プレイしただけでパートナーになってほしいとか・・・呼ぶのがめんどくさいし・・・丁度、同じ部屋にSubがいるんだし、俺もお前も気持ち良くなってwin-winでしょ?だからこの一年間だけでもパートナーに・・・」

中村陸が言う前に俺は奴の頬に平手打ちを食らわせていた。結構、強く叩いたのでアイツの左手の頬が痛々しく赤く染まっていた。

「・・・サブスペになってる俺に勝手に命令しといて・・・・誰かお前のパートナーになるかよ!!」

アイツは叩かれて俯いていたので俺は無視をして下着を履こうとするとやらしい水音と俺の喘ぎ声が聞こえて全力で振り向くと顔を上げてニヤリと笑顔でスマホ画面を見せてきた。

「俺さ・・・結構、性格悪いんだよな・・・・これ流していい?」

それだけで俺に拒否権がないのをわかってしまい、そのまま項垂れるしかなかった。

『さよなら・・・俺のNormal生活』

***

休み時間になると植田君が心配そうな顔をしてやってきた。

「柊君、もう大丈夫なの?」

「あぁ、もう平気、植田君ありがとう」

「それなら良かったよ・・・・後さ・・・・・その・・・・・・」

いきなり植田君はばつ悪そうな顔をして心配になり「どしたの?」と訪ねると彼は顔を赤く染めて小声で呟いた。

「・・・・・柊君は友達として好きだよ・・・・・。」

「・・・あーアイツが言ってた事、気にしてたの?」

図星だったらしく植田君は顔を真っ赤にして俯いてしまった。俺は心の中で中村陸に罵倒を吐きながら笑顔で植田君に言った。

「アイツは多分、からかって言っただけだし、あんまり気にしなくていーよ!気にするだけ損だと思うよ?」

『中村陸は滅んでしまえ!!』

「・・・そうだよね・・・・うん!僕、気にしないことにするよ!」

「そうそう、気にしない、気にしない!」

やっと笑顔になった植田君を見て安心した後に二人で食堂に行って一番安くて美味い蕎麦を食べている時、近くに座っていた女子高生の二人が悲しそうな声で話しているのを聞こえてしまった。

「あのさ、今日の朝に陸君からRoinが着て、しばらくプレイが出来ないって書かれてたの・・・。」

「えー陸様、ついにパートナー出来たとか!?」

「やめてよ!私がパートナー候補になる予定なんだから!!」

その会話に俺は蕎麦を吹き出しそうになるのを耐えて飲み込むと俺の頭の中はアイツのことでいっぱいになり気分が悪くなった。

「陸様・・・ってアイツの事じゃないよなぁ・・・・・。」

「でっその後に私、どうして出来ないのか聞いたらさ・・・秘密って言われたの。」

「うわぁ~気になる~!中村陸様の秘密知りたーい!」

「私も!!」

奴のフルネームを叫ばれて完全に分かり美味い蕎麦が不味く感じてしまった。

「やっぱり病み上がりだから元気が無いね?」

「・・・まぁね・・・。」

植田君はまた心配そうな顔をしたと思いきや彼は閃いたように明るい顔になり俺に言ってきた。

「もし、今週の土曜日、空いているなら僕の部屋に泊まりなよ!」

「えっいきなりだね?」

「柊君は「バトスマ」って知ってる?」

「知ってる、確か格ゲーだよね。」

「そうそう、僕の同室の子が他の人を呼んでしたいって言ってたからもし、良かったら参加してみる?」

俺は断る理由も無いので喜んで頷くと植田君も笑顔で嬉しそうにチキン南蛮定食を食べていた。

***

俺は寮に戻り、土曜日が楽しみでニヤニヤしながら宿題をしていた。

『ゲーム自体あんまり出来なかったから楽しみだな~!』

俺の家のゲーム機は1台しか無くて一日に1時間だったけど中学に上がってから咲真に盗られてそれ以来した事が無かった。
俺はゲームができる事が嬉しくて完全に浮かれてしまい後ろの正体に気づかなかった。

「何、ニヤニヤしてんの、気持ち悪いなぁ」

「ッ!!」

右肩を叩かれて俺は驚いて振り向くと嫌な笑顔をしている中村陸と目が合った。

「べっ別になんでもない・・・。」

俺は慌てて否定をしたがアイツの口がゆっくり開いてコマンドを放った。

「どうしてニヤついてたのか・・・say(教えて)」

それだけで俺の鼓動が速くなり口をわなわなさせながら情けないぐらい小さい声でアイツに教えていた。

「・・・・・土曜日・・・植田君の部屋で・・・・・ゲームして泊まるから・・・嬉しくて・・。」

「ゲームができるからって理由がガキかよ・・・まぁ、でも泊まる時は・・・・」

「ッるっせぇな!!お前に関係ないだろ!」

俺は鼻で笑われて腹が立ち怒鳴り返すとアイツはめんどくさい顔をするとドアの手前に行った。

『そうだよ、どっか行け!!』

「corner(壁に向け)」

「・・・・・・っえ?」

「あ~わかんないか・・・"壁に手をついて動くな"」

「・・・・・・!?」

俺は抵抗したいが身体はアイツの言いなりで壁に両手をつけてヤツに後ろ姿しか見えなくなっていた。

「・・・・何がしたいんだ!?」

俺は中村陸を振り向いて睨みつけたがアイツは目を見開いて少しドスを聞いた声で静かに言った。

「動くなって言ったけど?」

「ッ・・・・!!」

「人の話を遮って暴言吐いたよな・・・人の話は最後まで聞かないと・・・今からこの位置から動かずに1時間、立ってろ・・・出来たらご褒美あげるけど・・・破ったら・・・わかるよな?」

アイツは最高に最悪な笑顔を見せて「頑張れ」と手を振るとドアノブを握りこの部屋から出て行った。

『・・・別にアイツの言うことを聞かなくても良いよな・・・・でっでもあの顔は怖かったし・・・クソッどうしたらいいんだよ。』

俺は焦っていると中村陸のベッドに置いてあったスマホが目に入った。

『・・・指紋認証じゃ無ければパスワードで何とかしてあの動画も消せるんじゃ・・・!!』

俺はコマンドを放たれて頭が回ってなかったと思う、俺は急いでアイツの手帳型のスマホを奪い中を開くと画面に中村陸の顔が大きく映っていた。

「アイツ・・・画面も自分かよ・・・ナルシなのか?」

『あれ・・・よく見たら小さく俺も映っている?』

気づいた時には遅くてこれがテレビ電話でドアが開く音がして振り向くともう1つのスマホを持った中村陸が呆れ笑いをしながら入ってきた。

「すげぇー・・・1分も経たずに約束破りやがった・・・・。」

俺は頭を真っ白にさせてスマホを落とすとアイツは嫌な笑顔でこっちに近づき頭を優しく撫でた。

「全く、パートナーの言うことを完全に無視して俺のスマホを奪うとか・・・躾がなってないな・・・」

俺はアイツに蛇のように睨まれて身体が冷えるのがわかり逃げようと足を動かすとアイツは容赦なくコマンドを放った。

「kneel(お座り)」

俺はその場でペタンと座ってしまい恐怖で身体を震わせているとアイツはベッドの下から細長い物を取り出して俺の目の前に立った。

「圭兎君、植田君とする前に今から俺とゲームしよう?」

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