万物争覇のコンバート 〜回帰後の人生をシステムでやり直す〜

黒城白爵

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第一章

第十六話 巣の対処法

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 ◆◇◆◇◆◇


 外国の工作員らしき探索者達の襲撃から1時間後。
 漸く目的地であるアリ系モンスターの巣を発見した。
 〈システム〉の〈広域マップ〉で現在地を確認したところ、他の探索者が主に活動しているエリアからかなり離れていることが分かった。
 正確な距離は分からないが、ゲートから主要活動エリアまでの距離を考えると、余程確信があって探さない限りはこの巣が見つかることはないだろう。


「感じられる気配からして、数は100体ぐらいか」


 【気配察知】を使ってアリ系モンスターの巣がある地下を探ってみた感じだと、現在巣の中にいるモンスターの数は100体ほど。
 ここまでの道中で主に遭遇した兵隊魔蟻インファントリーアントの気配以外にも、数体ほど遭遇した近距離戦闘タイプの〈突撃魔蟻アサルトアント〉や遠距離戦闘タイプの〈砲撃魔蟻アーティラリーアント〉の気配も感じられる。
 他にも初めて感じる気配もあり、一部のアリ系モンスターの気配は今の俺よりも強そうだった。


「さて、どうやって倒すか。戦力的にも正面から全てのアリと戦うのは愚策だしな……」


 実際に見るまでは1体ずつ、もしくは数体ずつ誘い出してから倒すつもりだったのだが、巣の外に出てきているアリ系モンスター達は思っていた以上に統率が取れているように見えた。
 周囲を警戒するように4体1グループで巡回しており、そのグループが4つほど確認できる。
 俺が道中で戦った個体のように巣から離れている個体はまだいるだろうし、巣の中も併せたら最低でも倍の200はいそうだ。
 巣の正面や周辺でいつまでも戦っていたら囲まれそうだから、巣の中まで掃討するなら手段を考える必要がある。
 何かないかな……。


「んー、地下だから水攻めとか? 水を大量に用意出来ないから却下だな。火攻めは周りが木だし、上手く火を送り込めないから無理だ、いや待てよ。火……つまり煙。そして、毒だな」


 巣の頭上にある木の枝の上に座ったまま、少し離れたところにある別の木に実っていた果実を【植物支配】で持ってくる。
 見るからに毒々しい色合いと柄をしているこの果実は、かなり強い毒性を持つ。
 コレを燃やして出た煙を巣に送り込むのはどうだろうか?
 【風塵魔法】を使って風を起こせばやれそうな気がする。
 他にもそこら辺にある毒草も一緒に燃やせば効果も高まりそうだ。

 そんな素人な思いつきを実行するため作業を開始する。
 第5層能力【形状変換】を使って毒の果実と毒草をペースト状にして混ぜ合わせると、適当な乾燥した木の板に塗っていく。
 最後にその毒板にライターで着火して煙を発生させた。
 煙を吸わないように距離を取ると、【植物支配】で蔦を操作して毒板を掴み上げ、眼下にあるアリ系モンスターの巣の中に放り込んだ。


「『送風ブロウ』」


 風系魔法の中でも初心者でも発動可能な初歩的な魔法を発動させ、毒煙を巣の奥へと送り込んでいく。
 更に追加で同じような毒板を作り、同じように着火させてから放り込んでいった。


「あとは効果があることを祈るのみだ」


 最後にある程度のところで風を送り込むのを止めると、【植物支配】で巣の近くの木の根を操作して巣の出入り口を完全に封鎖した。
 こうして密閉しておけば、後は巣の内部で勝手に燻されてくれるだろう。


「巣を閉じられたし、流石に異変に気付くか」


 巣の周りを巡回していたグループの1つが異変に気付き、巣の出入り口の木の根を取り除こうとしているのが見えた。
 頭上の木の枝から、グループの後衛にいるアーティラリーアントへと飛び降りると同時に【剛撃】を発動させた。
 一撃の威力を上げるスキルによって衝撃が引き上げられ、着地地点のアーティラリーアントの頭部が粉砕される。
 そのまま頭部を足蹴にして前方に飛び出すと、両手それぞれに握った〈八咫烏の三翅刀〉で2体のインファントリーアントを真っ二つにした。
 残り1体のアサルトアントも先の2体と同様に、こちらを振り返る前に両断して処理する。


「奇襲すれば簡単に倒せるな。また上に登っておくか」


 呑気に解体している暇はないので、適当に端の方にアリ達の死体を放ってから再び木の上に移動した。
 それから順次戻ってきて同じような行動をするアリ達のグループを、これまた同じようなやり方で倒していった。
 巡回していたグループを全て倒した後は、巣の近くに降り立ち、【気配察知】で巣の中のアリ達の気配を探りながら倒したアリ達を解体していく。
 グループになって巡回していたアリ達とは違い、巣から離れた場所を彷徨いているアリ達は1体から3体ほどで行動している上に統率が取れていない。
 そのため、奇襲攻撃をせずとも各個撃破ができるので、このまま地上で待機することにした。
 

「お、数が減り始めたな」


 巣の中にあるアリの気配の数が減り始めた。
 巣の周りを巡回していたアリ達を全て倒すほど時間が経っても変化がなかったので、毒燻し作戦は失敗かと思っていたが、どうやら成功のようだ。
 徐々に気配が減っていくにつれて、俺のレベルも上がっていった。
 巣に到着した時点でレベルは7になっており、そこから巡回組を全て倒してレベル9。
 そして今はレベル11になっていた。
 覚醒者としての等級が上がるに従って10ずつレベル上限が増えるため、中級覚醒者はレベル20まで上げられることになる。
 出来るだけ上限まで近付いて欲しいものだが、一体どこまでレベルが上がるか今から楽しみだ。
 まぁ、最も楽しみなのはクエスト報酬のアイテムなので、そのためにも巣の中のアリ達には是非とも全滅してもらいたいものだな。
 


 
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