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出奔
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夜明け前、暗く人里離れた街道を右近はただ一人軸も持たずに歩いていた。
轟轟と唸る風の中に、どこか遠くでカラカラと竹のぶつかり合う乾いた音が混じると、右近はふと足を止め暗い空を見上げた。
つい先ほどまで冷たい輝きを放っていた月は雲に隠れたのか、生い茂った木々の葉の隙間から見えるのは漆黒の闇ばかり。山肌にへばりつくように続く道の両側は斜面になっており、右手はまばらに生える木々が深い森へと連なっている。左手は下を流れる川までの急斜面となっているらしいが、闇に重なり川面は見えない。ただ絶えることなく水の流れる音が聞こえるばかりで、あたりには何者の気配も感じられない。
右近は安堵したように再び歩き出した。
夜半過ぎに火の手の上がった西海屋が燃え落ちるのを見届けることなく、右近は江戸を離れた。それからはずっと歩き詰めだった。
ひと山越えても追手がかかる様子はない。どこかで休もうかと思いもしたが、悪路で手頃な場所もないままこうして歩き続けている。
「ちっ、こんなことならもう少し江戸にいりゃ良かった」
夜半の火事だというのに、半鐘に誘われた烏合の衆で往来は喧々たる騒ぎになっていた。
風に煽られ黒い煙を上げながら、焔は建屋を這い回り勢いを増していく。木材が爆ぜ、火花が舞い上がると野次馬連から悲鳴とも怒声ともつかぬ声が漏れた。
右近は喧騒から離れた暗がりに身を置き、燃えさかる焔に陶酔していた。
ようやく到着した火消しが右往左往している中で、火付け盗賊改め方が詮議を始めた。
右近は己に詮議は及ぶまいと高を括っていたのだが、野次馬の中に火事には目もくれず、ほくそ笑む右近に視線を投げて寄越す男がいた。
男の顔を見て右近は肝を冷やした。
男は紛れもなく西海屋の奉公人で、常日頃から素行の悪いことは周知の事実であった。夜半にお店を抜け出して遊び歩いていたのか、男の傍らには派手な着物の遊び女風情の女が寄り添うように立っている。
(まさか奴に疑われてはおるまいが、さて何と言い逃れをするが良いものか)
右近が思案していると、男はついと身を翻し、詮議を始めた火盗の役人に駆け寄って頻りに何か訴えている。役人が何かを探すように首を左右に振ると、連れの女が右近を指した。
まっすぐに右近を見据えていた女は、右近が見返すと、真紅に染まった口唇を釣り上げて、にたりと笑みを漏らした。
「ちっ」
役人がこちらに足を向けた刹那、右近は愛刀を握りしめ、素早くその場を離れて身を隠した。
「畜生、奴さえいなけりゃ……」
西海屋の縁者さえ皆殺しにすれば禍根は残らないはずだった。次はどこかの長屋か芝居小屋にでも潜り込む算段をしていた右近だったが、嫌疑がかかったとなればこのまま江戸に居座るわけにはいかない。
右近はそのまま江戸を離れた。
だが思い返せば、江戸を離れたことが良くなかったのだ。さも怖がった芝居でもして生き証人として振る舞うこともできたはずだった。いつもの右近であればそうしていただろう。
そもそも奴が右近の所業を知る由はないのだ。何故、あれほど動揺してしまったか。
(あの女のせいだ)
女の顔はすでに覚えもないが、禍々しく血色に染まった口唇が右近の脳裏に焼き付いていた。あの笑みが、己の所業を暴くのでは、と右近を逸らせたのだ。
女の唇は右近の愛刀を濡らす血と同じ色をしていた。
どれほど血振りをしても油を塗りこめても、右近の愛刀は血の匂いが消えることはない。抜けば、右近が斬ったことが知れるだろう。何より一介の奉公人が刀を所持していれば仔細を聞かれることになる。
咄嗟の事であった故、右近は考える間もなく闇に紛れた。だが、刀を隠してから何食わぬ顔で嘘の証言をすることもできたのではないか。
「迂闊にも程があるぜ、まったく……」
悔やんだとて後の祭り。逃げ出したからには、右近に嫌疑がかかっていることは十中八九、間違いない。
「くそっ。ついてないぜ」
右近は己の不甲斐なさを呪いながら歩き続けた。
右近には帰るあても行くあてもない。親兄弟もなければ、仕事も金子もない。あるのは腰に下げた一振りの愛刀だけだ。
江戸を出てから飲まず食わずの歩き詰めだったから、流石に右近も腹が減ってきた。だが刀で腹は膨れない。
道行きで出会った者を嚇すか、泣き落とすかして金子でも食い物でも手に入れるつもりだったが、人はおろか獣一匹にさえ出会わない。
「とにもかくにも進むしかあるまい」
そのうちに徐々に闇は溶け、木々の隙間から朝陽が差し込む刻限になった。ふと見れば木々の向こうには大岩の転がる川辺が見える。山道を下るうちに川まで下りてきたらしい。
「少し休むか」
大岩に腰かけて川辺で汲んだ水を飲んでいた右近は、ふと対岸の大きな松の木の傍に小さな祠があることに気がついた。
「こりゃあ、いい。朝飯でも頂くか」
喜び勇んだ右近は、朝陽を浴びて光を放つ川面を覗き込んだ。流れは速いが存外、深くはない。これなら対岸までなんとか行けそうだ。右近は川の中に入ると、じゃぶじゃぶと水しぶきをあげながら川を渡った。
(とりあえず供え物にでもありつけるかもしれない)
期待していた右近だが、近づけば遠目でみるよりずっと祠は寂れていた。こんな人里離れた踏み分け道では参る者もいないのか、大した供え物もない。
「ちぇっ、しけてやがる」
賽銭箱も見当たらず、固くなりかけた饅頭が一つと小さな杯に水がほんの少しあるだけだった。
「神さんもお螻蛄じゃあ、ご利益なんてありゃしねえな」
右近は饅頭を無造作に掴むと、松の木の根元に腰を下ろしてそれを口に放り込んだ。だが固い饅頭を口にしたとて、腹の足しにもならぬどころか余計に腹が減った気がする。
さて、これからどうしようかと右近は思案に暮れた。
生まれ故郷の下野の国から出奔し放浪した挙句、右近が江戸に入ったのは三カ月ほど前、年末の寒い日のことだった。
右近が江戸に足を向けたことにたいした腹積もりはない。師走だと急ぎ往きかう商人たちを見ているうちに、江戸であれば追手のかかった身であっても、正体を隠し人に紛れて暮らすには都合が良かろうと思いついただけだった。
右近は線の細い優男で、風体は役者かと思えるほど見栄え良い上に童顔で、初見で警戒されることはまずない。幼い頃にふた親を亡くしたせいか、心中とは裏腹に愛嬌を振りまく術も心得ており、とても極悪人には見えない。
江戸でいかに暮らそうかと考えを巡らせた右近は、旅の途中で出会った商人にうまく取り入った。その商人こそ彼の西海屋の主人であった。西海屋の主人はすっかり右近に心を許したばかりか、右近がでっち上げた生い立ちと苦労話に同情した挙句、右近を住込みの奉公人として雇ってくれた。
「うまい考えだと思ったんだがなぁ」
松の木にもたれた右近は腰から抜いた刀を手元に引き寄せ、鯉口を切ると柄を握って鞘から半分ほど刀を抜いた。幾度見ても見惚れるほどに美しい刃が、右近を誘うように光り輝いている。
本来、刀で人を斬ることは簡単ではない。
美しい刀は繊細であるが故にその刃は毀れやすく、下手な斬り方をすれば刀はすぐに駄目になってしまう。突き刺すとしても確実に急所を捉えることは至難の業である上、遣い手がへぼであれば折れてしまいかねない。
だが、この刀は特別だった。
血糊で錆びることもなく美しい輝きは曇りひとつない。それどころか斬れば斬るほど輝きが増している。
「これぞ、名刀だ。いや、やはり妖刀かもしれんな」
右近は一人呟きながら、愛おしそうに目を細めた。
轟轟と唸る風の中に、どこか遠くでカラカラと竹のぶつかり合う乾いた音が混じると、右近はふと足を止め暗い空を見上げた。
つい先ほどまで冷たい輝きを放っていた月は雲に隠れたのか、生い茂った木々の葉の隙間から見えるのは漆黒の闇ばかり。山肌にへばりつくように続く道の両側は斜面になっており、右手はまばらに生える木々が深い森へと連なっている。左手は下を流れる川までの急斜面となっているらしいが、闇に重なり川面は見えない。ただ絶えることなく水の流れる音が聞こえるばかりで、あたりには何者の気配も感じられない。
右近は安堵したように再び歩き出した。
夜半過ぎに火の手の上がった西海屋が燃え落ちるのを見届けることなく、右近は江戸を離れた。それからはずっと歩き詰めだった。
ひと山越えても追手がかかる様子はない。どこかで休もうかと思いもしたが、悪路で手頃な場所もないままこうして歩き続けている。
「ちっ、こんなことならもう少し江戸にいりゃ良かった」
夜半の火事だというのに、半鐘に誘われた烏合の衆で往来は喧々たる騒ぎになっていた。
風に煽られ黒い煙を上げながら、焔は建屋を這い回り勢いを増していく。木材が爆ぜ、火花が舞い上がると野次馬連から悲鳴とも怒声ともつかぬ声が漏れた。
右近は喧騒から離れた暗がりに身を置き、燃えさかる焔に陶酔していた。
ようやく到着した火消しが右往左往している中で、火付け盗賊改め方が詮議を始めた。
右近は己に詮議は及ぶまいと高を括っていたのだが、野次馬の中に火事には目もくれず、ほくそ笑む右近に視線を投げて寄越す男がいた。
男の顔を見て右近は肝を冷やした。
男は紛れもなく西海屋の奉公人で、常日頃から素行の悪いことは周知の事実であった。夜半にお店を抜け出して遊び歩いていたのか、男の傍らには派手な着物の遊び女風情の女が寄り添うように立っている。
(まさか奴に疑われてはおるまいが、さて何と言い逃れをするが良いものか)
右近が思案していると、男はついと身を翻し、詮議を始めた火盗の役人に駆け寄って頻りに何か訴えている。役人が何かを探すように首を左右に振ると、連れの女が右近を指した。
まっすぐに右近を見据えていた女は、右近が見返すと、真紅に染まった口唇を釣り上げて、にたりと笑みを漏らした。
「ちっ」
役人がこちらに足を向けた刹那、右近は愛刀を握りしめ、素早くその場を離れて身を隠した。
「畜生、奴さえいなけりゃ……」
西海屋の縁者さえ皆殺しにすれば禍根は残らないはずだった。次はどこかの長屋か芝居小屋にでも潜り込む算段をしていた右近だったが、嫌疑がかかったとなればこのまま江戸に居座るわけにはいかない。
右近はそのまま江戸を離れた。
だが思い返せば、江戸を離れたことが良くなかったのだ。さも怖がった芝居でもして生き証人として振る舞うこともできたはずだった。いつもの右近であればそうしていただろう。
そもそも奴が右近の所業を知る由はないのだ。何故、あれほど動揺してしまったか。
(あの女のせいだ)
女の顔はすでに覚えもないが、禍々しく血色に染まった口唇が右近の脳裏に焼き付いていた。あの笑みが、己の所業を暴くのでは、と右近を逸らせたのだ。
女の唇は右近の愛刀を濡らす血と同じ色をしていた。
どれほど血振りをしても油を塗りこめても、右近の愛刀は血の匂いが消えることはない。抜けば、右近が斬ったことが知れるだろう。何より一介の奉公人が刀を所持していれば仔細を聞かれることになる。
咄嗟の事であった故、右近は考える間もなく闇に紛れた。だが、刀を隠してから何食わぬ顔で嘘の証言をすることもできたのではないか。
「迂闊にも程があるぜ、まったく……」
悔やんだとて後の祭り。逃げ出したからには、右近に嫌疑がかかっていることは十中八九、間違いない。
「くそっ。ついてないぜ」
右近は己の不甲斐なさを呪いながら歩き続けた。
右近には帰るあても行くあてもない。親兄弟もなければ、仕事も金子もない。あるのは腰に下げた一振りの愛刀だけだ。
江戸を出てから飲まず食わずの歩き詰めだったから、流石に右近も腹が減ってきた。だが刀で腹は膨れない。
道行きで出会った者を嚇すか、泣き落とすかして金子でも食い物でも手に入れるつもりだったが、人はおろか獣一匹にさえ出会わない。
「とにもかくにも進むしかあるまい」
そのうちに徐々に闇は溶け、木々の隙間から朝陽が差し込む刻限になった。ふと見れば木々の向こうには大岩の転がる川辺が見える。山道を下るうちに川まで下りてきたらしい。
「少し休むか」
大岩に腰かけて川辺で汲んだ水を飲んでいた右近は、ふと対岸の大きな松の木の傍に小さな祠があることに気がついた。
「こりゃあ、いい。朝飯でも頂くか」
喜び勇んだ右近は、朝陽を浴びて光を放つ川面を覗き込んだ。流れは速いが存外、深くはない。これなら対岸までなんとか行けそうだ。右近は川の中に入ると、じゃぶじゃぶと水しぶきをあげながら川を渡った。
(とりあえず供え物にでもありつけるかもしれない)
期待していた右近だが、近づけば遠目でみるよりずっと祠は寂れていた。こんな人里離れた踏み分け道では参る者もいないのか、大した供え物もない。
「ちぇっ、しけてやがる」
賽銭箱も見当たらず、固くなりかけた饅頭が一つと小さな杯に水がほんの少しあるだけだった。
「神さんもお螻蛄じゃあ、ご利益なんてありゃしねえな」
右近は饅頭を無造作に掴むと、松の木の根元に腰を下ろしてそれを口に放り込んだ。だが固い饅頭を口にしたとて、腹の足しにもならぬどころか余計に腹が減った気がする。
さて、これからどうしようかと右近は思案に暮れた。
生まれ故郷の下野の国から出奔し放浪した挙句、右近が江戸に入ったのは三カ月ほど前、年末の寒い日のことだった。
右近が江戸に足を向けたことにたいした腹積もりはない。師走だと急ぎ往きかう商人たちを見ているうちに、江戸であれば追手のかかった身であっても、正体を隠し人に紛れて暮らすには都合が良かろうと思いついただけだった。
右近は線の細い優男で、風体は役者かと思えるほど見栄え良い上に童顔で、初見で警戒されることはまずない。幼い頃にふた親を亡くしたせいか、心中とは裏腹に愛嬌を振りまく術も心得ており、とても極悪人には見えない。
江戸でいかに暮らそうかと考えを巡らせた右近は、旅の途中で出会った商人にうまく取り入った。その商人こそ彼の西海屋の主人であった。西海屋の主人はすっかり右近に心を許したばかりか、右近がでっち上げた生い立ちと苦労話に同情した挙句、右近を住込みの奉公人として雇ってくれた。
「うまい考えだと思ったんだがなぁ」
松の木にもたれた右近は腰から抜いた刀を手元に引き寄せ、鯉口を切ると柄を握って鞘から半分ほど刀を抜いた。幾度見ても見惚れるほどに美しい刃が、右近を誘うように光り輝いている。
本来、刀で人を斬ることは簡単ではない。
美しい刀は繊細であるが故にその刃は毀れやすく、下手な斬り方をすれば刀はすぐに駄目になってしまう。突き刺すとしても確実に急所を捉えることは至難の業である上、遣い手がへぼであれば折れてしまいかねない。
だが、この刀は特別だった。
血糊で錆びることもなく美しい輝きは曇りひとつない。それどころか斬れば斬るほど輝きが増している。
「これぞ、名刀だ。いや、やはり妖刀かもしれんな」
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