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元騎士は旧友の甘い執着に堕ちて
0.男の手は無遠慮に肌を這い ※
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ジェイミー・レノンは、結婚相手をえり好みして、お高く止まっている。
そんな悪意のある噂が流れるのも、彼女が社交デビュー後すぐに山ほど届いた求婚状の全てを断ったからだ。にも関わらず、デビューから一年以上経って、未だに求婚が絶えないのは、彼女の生家の爵位の高さもあるが、一重にその美貌のせいだろう。青みがかった銀色の髪に、紫紺の瞳の彼女は、憂いの女神、あるいは月の女神と称されるほどである。
一部では男好きで身を固めるのが嫌なのだという噂さえ流れていたが、それに反して彼女はただただ、異性との交友に潔白で、異性との繋がりそのものを敬遠しているようだった。
そんな彼女は、ある夜会のあとに突然、婚約を結んだ。相手は長年独身を貫いていたクリフォード・ウィルズである。侯爵家であるレノン家に対し、ウィルズ家は男爵家であるうえ、クリフォードは四十にもなる男だ。二人を直接は知らない者たちは誰もが訝しんだが、益のない結婚に対し、最終的に下されたのは『二人は恋愛結婚なのだろう』という結論だった。
そして、その二人が結婚式をあげた初夜。新たに設けられた夫婦の寝室のベッドでは、新妻が喘いでいた。だが、その様子がおかしい。
「いや、いやだ……っんぁ、あ、あんん……っ!」
大きなベッドで組み敷かれているのはもちろんジェイミーだが、彼女は可憐な嬌声とは裏腹に、拒絶の声をあげている。初夜のためのナイトウエアをすでに脱がせられた彼女は、大股を広げられて、夫であるクリフォードに責め立てられている。その秘部に顔を埋め、指を二本も差し込んで彼女を愛撫しているクリフォードは、喉を鳴らして笑った。
「どこがいやなんだ。ほら」
差し込んだ長い指が、ぐっと内壁を押し上げる。
「ひあぁあああ……っ!」
途端にジェイミーは内腿をかくかくと震わせて、甲高い声をあげた。そうして蜜壺に侵入しているクリフォードの指をぎちぎちと締め上げて絶頂する。
「またイった。好きなんだろう、これが」
「好き、じゃ……ない……! やめ、てくれ……」
快楽に沈められた悩ましい表情だが、口から漏れる可愛い声はやはり拒絶である。しかも、軍人のような男言葉だ。新妻が初夜に至って情事に怖気づくのはよくあることだが、ジェイミーの様子はそれとは一線を画している。恋愛結婚と囁かれているにもかかわらず、ジェイミーの態度は明らかに拒絶の姿勢だ。対して、クリフォードはの妻を見つめる視線には、熱が籠っていた。
「いや、だめだ。まだ足りないからな」
言葉と共に、クリフォードがジェイミーの秘部に顔を埋め、舌が割れ目を這う。間の硬くなった肉の芽を舌が捉えて転がされれば、ジェイミーの口からはとめどなく甘い声が出て、蜜壺は快楽を感じてきゅぅんとうねった。
「やだ、やだぁ……」
彼女の目尻からは涙がこぼれていて、まるで凌辱されているかのようだ。だが、彼女の身体のどこにも強く拘束されてできた痣などない。その代わりに白い肌にはいくつもの執着の痕が刻まれていて、どこもかしこも俺のものだと訴えるクリフォードの印で赤くなっている。
すでに彼女は何度もクリフォードの指と舌で登り詰めていて、裸体を曝け出されているが、対するクリフォードは未だナイトガウンを羽織って身体を隠したままだ。下半身では女を求める欲望が硬くそそりたって布を押し上げているが、未だにクリフォードはジェイミーを貫いていないのだ。
「ここに俺のを挿れるにはまだ、中がまだ硬い」
「……っいやだ! そんなもの……あ、んァっ」
ずるり、と蜜を吸い上げられれば、ジェイミーの腰は跳ねて、彼女の身体が快楽を得ていることを訴える。
(違う、違う、こんなの……! 間違ってる……!)
「痛い想いはさせたくないから、もう少し我慢してくれ」
「ならこんなこと……あ、あ、そこ、やめっあ、ああっ」
ジェイミーはとっさにクリフォードの頭を押しのけようとしたが、彼の首はぴくりとも動かず、舌で肉の芽をこねながら、指で蜜壺をかきまわし続けている。もうずいぶんと長いことジェイミーが責め立てられているのは、挿入の苦痛をクリフォードが和らげようとしているからだ。
「だめ、うぁ、あああっや、あ……っ!」
引きはがそうとしていたクリフォードの頭を、縋るようにつかんだジェイミーはまた高い声をあげて腰と内腿を震わせる。びくびくと痙攣し、新たな密を次々とこぼす彼女に、クリフォードは笑んだ。
「可愛いな、ジェイ。イきっぱなしだ」
「ちが……っ」
「三本挿れたら、俺のが入るか?」
それはこのあと、ジェイミーの純潔をクリフォードが奪うという、夫婦にとってはいかにも当たり前の宣言である。だが、ジェイミーには恐怖だった。蜜壺を快楽で震えさせながらも、苦しみに歪めた顔を振った。
「私は、男だぞ……!」
叫んだジェイミーにクリフォードはまたも笑む。
「……わかっている。だが、俺の妻だ」
そう答えたクリフォードは、再びジェイミーの秘部に顔を埋めて愛撫を再開する。蜜を零す秘所も、くびれを描くラインも、柔らかな四肢も膨らんだ胸も、彼女の身体は余すところなく、全て女だ。
(私は、男なのに……!)
女の快楽を植え付けられながらも、そうジェイミーは心の中で叫ぶ。
とどのつまり、この二人は、恋愛結婚なんかではない。
(選択を間違えたのか? 私は……)
涙を零しながら、ジェイミーはぎゅうっと目をつむる。閉じた視界は、この身体になる前の闇を思い起こさせて、快楽に沈んでよがりながらも、ジェイミーは自身を顧みるのだった。
そんな悪意のある噂が流れるのも、彼女が社交デビュー後すぐに山ほど届いた求婚状の全てを断ったからだ。にも関わらず、デビューから一年以上経って、未だに求婚が絶えないのは、彼女の生家の爵位の高さもあるが、一重にその美貌のせいだろう。青みがかった銀色の髪に、紫紺の瞳の彼女は、憂いの女神、あるいは月の女神と称されるほどである。
一部では男好きで身を固めるのが嫌なのだという噂さえ流れていたが、それに反して彼女はただただ、異性との交友に潔白で、異性との繋がりそのものを敬遠しているようだった。
そんな彼女は、ある夜会のあとに突然、婚約を結んだ。相手は長年独身を貫いていたクリフォード・ウィルズである。侯爵家であるレノン家に対し、ウィルズ家は男爵家であるうえ、クリフォードは四十にもなる男だ。二人を直接は知らない者たちは誰もが訝しんだが、益のない結婚に対し、最終的に下されたのは『二人は恋愛結婚なのだろう』という結論だった。
そして、その二人が結婚式をあげた初夜。新たに設けられた夫婦の寝室のベッドでは、新妻が喘いでいた。だが、その様子がおかしい。
「いや、いやだ……っんぁ、あ、あんん……っ!」
大きなベッドで組み敷かれているのはもちろんジェイミーだが、彼女は可憐な嬌声とは裏腹に、拒絶の声をあげている。初夜のためのナイトウエアをすでに脱がせられた彼女は、大股を広げられて、夫であるクリフォードに責め立てられている。その秘部に顔を埋め、指を二本も差し込んで彼女を愛撫しているクリフォードは、喉を鳴らして笑った。
「どこがいやなんだ。ほら」
差し込んだ長い指が、ぐっと内壁を押し上げる。
「ひあぁあああ……っ!」
途端にジェイミーは内腿をかくかくと震わせて、甲高い声をあげた。そうして蜜壺に侵入しているクリフォードの指をぎちぎちと締め上げて絶頂する。
「またイった。好きなんだろう、これが」
「好き、じゃ……ない……! やめ、てくれ……」
快楽に沈められた悩ましい表情だが、口から漏れる可愛い声はやはり拒絶である。しかも、軍人のような男言葉だ。新妻が初夜に至って情事に怖気づくのはよくあることだが、ジェイミーの様子はそれとは一線を画している。恋愛結婚と囁かれているにもかかわらず、ジェイミーの態度は明らかに拒絶の姿勢だ。対して、クリフォードはの妻を見つめる視線には、熱が籠っていた。
「いや、だめだ。まだ足りないからな」
言葉と共に、クリフォードがジェイミーの秘部に顔を埋め、舌が割れ目を這う。間の硬くなった肉の芽を舌が捉えて転がされれば、ジェイミーの口からはとめどなく甘い声が出て、蜜壺は快楽を感じてきゅぅんとうねった。
「やだ、やだぁ……」
彼女の目尻からは涙がこぼれていて、まるで凌辱されているかのようだ。だが、彼女の身体のどこにも強く拘束されてできた痣などない。その代わりに白い肌にはいくつもの執着の痕が刻まれていて、どこもかしこも俺のものだと訴えるクリフォードの印で赤くなっている。
すでに彼女は何度もクリフォードの指と舌で登り詰めていて、裸体を曝け出されているが、対するクリフォードは未だナイトガウンを羽織って身体を隠したままだ。下半身では女を求める欲望が硬くそそりたって布を押し上げているが、未だにクリフォードはジェイミーを貫いていないのだ。
「ここに俺のを挿れるにはまだ、中がまだ硬い」
「……っいやだ! そんなもの……あ、んァっ」
ずるり、と蜜を吸い上げられれば、ジェイミーの腰は跳ねて、彼女の身体が快楽を得ていることを訴える。
(違う、違う、こんなの……! 間違ってる……!)
「痛い想いはさせたくないから、もう少し我慢してくれ」
「ならこんなこと……あ、あ、そこ、やめっあ、ああっ」
ジェイミーはとっさにクリフォードの頭を押しのけようとしたが、彼の首はぴくりとも動かず、舌で肉の芽をこねながら、指で蜜壺をかきまわし続けている。もうずいぶんと長いことジェイミーが責め立てられているのは、挿入の苦痛をクリフォードが和らげようとしているからだ。
「だめ、うぁ、あああっや、あ……っ!」
引きはがそうとしていたクリフォードの頭を、縋るようにつかんだジェイミーはまた高い声をあげて腰と内腿を震わせる。びくびくと痙攣し、新たな密を次々とこぼす彼女に、クリフォードは笑んだ。
「可愛いな、ジェイ。イきっぱなしだ」
「ちが……っ」
「三本挿れたら、俺のが入るか?」
それはこのあと、ジェイミーの純潔をクリフォードが奪うという、夫婦にとってはいかにも当たり前の宣言である。だが、ジェイミーには恐怖だった。蜜壺を快楽で震えさせながらも、苦しみに歪めた顔を振った。
「私は、男だぞ……!」
叫んだジェイミーにクリフォードはまたも笑む。
「……わかっている。だが、俺の妻だ」
そう答えたクリフォードは、再びジェイミーの秘部に顔を埋めて愛撫を再開する。蜜を零す秘所も、くびれを描くラインも、柔らかな四肢も膨らんだ胸も、彼女の身体は余すところなく、全て女だ。
(私は、男なのに……!)
女の快楽を植え付けられながらも、そうジェイミーは心の中で叫ぶ。
とどのつまり、この二人は、恋愛結婚なんかではない。
(選択を間違えたのか? 私は……)
涙を零しながら、ジェイミーはぎゅうっと目をつむる。閉じた視界は、この身体になる前の闇を思い起こさせて、快楽に沈んでよがりながらも、ジェイミーは自身を顧みるのだった。
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