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中級冒険者
我の名はウィーヴィル
しおりを挟む「うあああああ~」
『五月蝿いのう。こんなちっぽけな魔力しか無い者が、よく我の素材を使おうとしたな。』
ドラゴンの姿に驚いたクロードは腰を抜かしている。
『おい、小さき者よ!約束通り[ドラゴンの呪い]を解呪してやったぞ。そうじゃの褒美として何か美味い獲物でも喰わせて貰うかの?』
ドラゴンの言葉は、僕にしか分からない。
皆、ドラゴンと話している僕を、怪訝な表情で見つめている。
美味い獲物?ドラゴンは馬や鹿とかを喰うのか?
「ドラゴンは何を喰うんだい?」
『我は何でも喰うぞ。人間は骨ばかりで喰わんがな。』
「どのぐらい食べるんだい?」
『量の事か?喰わない時はずっと喰わずにおれる。現にダンジョンでは、ずっと寝てばかりで飲まず喰わずじゃった。喰う時はいくらでも喰えるぞ。』
とりあえず先ほど[立ち飲み屋]の試食で持ち帰ろうとしていた串焼きを取り出した。
数本、ドラゴンの鼻先に近付けると
クンクンと匂いを嗅ぎ、串ごとバクリと喰いついた。
バリバリバリ
『これはなんじゃ!?まだあるか?』
串焼きをあるだけ出してやった。
動物園のヤギに餌をやるみたいに、ドラゴンに串焼きを喰わせた。
『おい!小さき者よ。もっとないのか。全然喰った気にならんぞ。』
僕は、せっかく美味いのを貰ったのに、と舌打ちしながら[角ウサギの唐揚げ]も出してあげた。
唐揚げを食べると、ドラゴンは鼻から煙りを出しながら食べている。
ムフゥムフゥ!
唐揚げを食べるのに夢中である。
「もうこれでおしまい!」
『ムフゥ!いやぁ小さき者の喰いものは美味であった。久しぶりの食事を堪能したぞ。』
「普通は鹿やブタイノシシを食べるの?」
『肉ならなんでも喰うぞ!生肉をかぶりつくより、美味じゃった。しばらくお前と一緒にいようかの?』
「え~助けて貰って悪いけど、ドラゴンが街にいたら、大騒動だよ。」
『何も危害は加えんわい!まだ喰えるが、もうさっきの喰いものはないのか?』
ドラゴンに街中で暴れられても困るので、従業員に指示を出し、唐揚げと、何か丸焼きでいいから肉を焼いた物を持ってきてもらうようにした。
「クロード大丈夫かい?」
意識が戻ったクロードが近付いてきた。
「くにどん?お前あのドラゴンと話してるのかい?」
「ああ!危害を加える事はないよ。クロードの[ドラゴンの呪い]を解いてくれたんだ。腹減った。飯食わせってうるさいんだ。」
「俺またドラゴンの素材を打っても大丈夫かな?」
「ドラゴンよ!鍛冶屋はドラゴンの素材をまた触っても大丈夫かい?」
両脚を曲げ、食べ物が来るまで伏せているドラゴンはめんどくさそうに
『我の魔力が、その小さき者の身体に残っている間は大丈夫じゃろう!しかし我の魔力が抜けたらまた我の魔力に酔う事になるぞ。』
『そもそもそんな程度しか魔力がない者が、我の素材を扱う事が身の程知らずなのじゃ。』
クロードにドラゴンの魔力が残っている間は大丈夫だと告げると、クロードは再び装備製作に取り掛かった。
ドラゴンは伏せて料理の到着を待っていた。
カーンカーン!
ドラゴンの鱗を叩く音が響いている。
「ドラゴンよ!君は名前はあるのかい?」
『あるに決まっておろう!小さき者よ。我が名はウィーヴィルじゃ。覚えておけ!』
「僕は小さき者じゃなくて、くにどんだよ!」
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