聖女じゃないと追い出されたので、敵対国で錬金術師として生きていきます!

ぽっちゃりおっさん

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本当に聖女?

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痛む身体を引きずりながら、荷物を抱えて歩いていた。

実家に帰ろう……

涙が止まらず、前が見えなかった。

自分の不甲斐なさにも、暴行をした大臣にも、全てが恨めしかった。

どこを、どうやって戻ってきたか覚えていない。

身体のあちこちが痛い中、どうにか実家に帰り着いた。

生まれ育った家が燃えている……

暴行を受けていた様子の両親と弟が、私の姿を認めて足を引きずりながら、近寄ってくる。

私にしたように、私の家族にも暴行を働いたのだ……さらに実家に火まで着けて……




私の中で何かが弾けた!!

両親と弟に回復させるものはないか?

と思った瞬間、私の手には、瓶が握られていた。

なんだこれは!?なにか出てきた?

恐る恐る瓶の蓋を開け匂いを嗅ぐ。

よく分からない……少しだけ舐めてみる。

ピリっとした味であった。あれ?全身の痛みが減った?もう少し飲んでみる。間違いない。瓶の液体を口に含むと痛みが柔らいでいる。

瓶の中身を全て飲み干してみると、あんだけ叩かれて、痣や傷だらけの身体がすっかり良くなっている。

回復させるもの出てこい!と念じると今度は私の手に瓶が出現するのをしっかり感じた。

瓶を3本、出現させると両親と弟に飲ませてみた。

皆、傷があっという間に癒え、痛みもなくなったようだ。

あれだけ、欲しかった聖女スキルが、全てを失い、追い出された、今になって発動したようだ。

燃え盛る実家を目の端に、両親に今までの事の顛末を説明した。両親からも事情を聞いた。

私は申し訳ない気持ちで一杯であった。

決して裕福ではなかったが、両親が頑張って建てた商店兼住宅が全て燃やされてしまった。

さらに私達一家はこの国から出て行かないといけない。

聖女スキルの発動をみた私であったが、もうこの国のために働きたくはない。

「お父様、お母様、キョウゴ!みんなで隣国に行きましょう!この国を捨てて隣国で生活するのです。確かに私は聖女として何の役にも立ちませんでした。しかしこの報復には納得出来ません。もう私達に失う物はないはずです。明るい希望が持てる方に進みましょう。」

一家で国境を越えて違う国で生活をするというのは簡単ではない。

しかし私達は、笑い合える未来のために進まないといけないのだ。

意を決した私達一家は出発した。見果てぬ異国へ。

私の手から現れた瓶の効果のおかげで、怪我は治り体力も回復している。家が燃えたので、持っていける荷物もほとんどない。家畜の羊を一頭だけ連れて一家は街道沿いを進んでいく。夜は焚き火を起こし火の側に座り暖を取った。

座った姿勢でうつらうつらしていると、空が白み始めていた。私達は、疲れた身体に鞭を打ち、再び街道沿いを歩き始めた。

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