人生５周目！！５度目の人生はマッタリ冒険者になります。

幼少期

７

　蜜蝋ミツロウを採取した事で１つ目の材料が手に入った。

　さらに僕は、自宅にも瞬間移動テレポートのマーキングを行い、［オッフェンベルグ］の街と自宅を瞬間移動テレポート出来るように結んだ。

　瞬間移動テレポートの術により、自宅から一瞬で［オッフェンベルグ］の街に到着した。肉屋の看板を見つけて、氷漬けにした［ホーンラビット］を買い取って貰った。

　「坊や１人で来たの？」

　「初めてのおつかいなんです。」

　「しっかりした子だね。偉いね～坊や。」

　得たお金で、大豆油を購入する事が出来た。大豆油なら、大豆さえあれば、自宅でも採れるようになると考えたのだ。

　瞬間移動テレポートで自宅に戻ると母親を探した。母親は、果物飴の作製に忙しくなっているみたいだ。

　「お母さん、本で読んだのを作りたいから手伝って？」

　「また何か考えたのかい？今度は何だろうね？」

　材料は、ガラス瓶、低く平たく作製したガラス容器、蜜蝋ミツロウ、大豆油、果物の絞った汁である。

　ガラス瓶に大豆油と蜜蝋ミツロウを入れ、湯煎にかける。溶けてきたら果物の絞った汁を数滴入れてゆっくり混ぜる。それを平たく作製したガラス容器に注ぐだけである。平たいガラス容器に注いだ物が冷えて固まれば、自家製ハンドクリームの完成であった。

　手を握った時の母親のガサガサした手から思い付いたのだ。

　「手に塗るの？まぁなんて事？手がしっとりとしたわ！ノア、貴方本当に天才じゃないの！？」

　手に塗ったハンドクリームの効果に母親は驚いている。

　「コレも売り出せば、家事をしている女性に売れる事は間違いないわ！いいでしょ？ノア！ああ～早くお父さん帰って来ないかしら。今すぐにでも教えてあげたいわ！」

　蜂の巣箱がある場所も教えてあげた。本で見て巣箱も工作してみた事にした。大豆油は、自宅でも大豆を圧搾あっさくすれば簡単に採れるはずだ。昔からあったように思わせるため、後で圧搾機も物置きに作製して置いておくか……

　ハンドクリームを入れる容器として平たいガラスが最適だ。僕が作製した平たいガラス容器も、物置きにいっぱいあったよ。と教えた。

　ハンドクリームを販売する際、１度目はガラス容器入りで販売して、２度目以降は、詰め替えで販売してはどうかと考えていた。

　果物飴もハンドクリームも、僕が錬金術で作製したら、それは簡単に作る事が出来る。しかし僕は、父親の商会が繁盛してもらいたい気持ちはあるのだが、ずっと手伝う気はない。家族に僕が転移者と気付かれないように……錬金術が使えるのだと気付かれないように……商会の手助けをしたかったのだ。

　これで果物飴もハンドクリームも、材料の入荷さえ出来れば、スキルを使わずに作製出来るようになった筈だ。