人生５周目！！５度目の人生はマッタリ冒険者になります。

学童期

３

　通路側の生徒から順番に測定を行っていった。大体、みんな二桁の魔力値である。属性もほとんどが１つであり、稀に２属性を持つ者がいる程度だ。

　いよいよ僕の順番が来た。

　「先ほどの君か！？結果を恐れずに測定をするんだ。入学後に努力して才能を伸ばす事は悪い事じゃない。」

　ゲルパルト第３皇子は、僕を励ましてくれいるようだ。

　「カフマン・ノアです。」

　「はい。手をかざして！」


　【カフマン・ノア】

　魔力値　《１２０８６５》

　属性　《火》　《水》　《風》　《土》　　　  
　《光》　《闇》　《時空》　《空間》
　《補助》  《妨害》　《治癒》　《祈り》
　《呪い》　《物質変換》　《錬金》　
　《付与魔法》


　僕の表示が出ると、再び大広間にどよめきが起こり、周囲に人だかりが出来ている。

　　「聞いた事ない属性があるよ！」

　「何あの魔力値！？」

　ゲルパルト第３皇子は、一言も発しない。

　「水晶の魔道具が故障したかな？」

　教官の言葉に、ゲルパルト第３皇子が反応した。

　「教官殿、故障に間違いありません。新品の魔道具と取り替えましょう。」

　「ウッソー！！？？」

　その時、隣の水晶で測定していた、女子の所でも歓声が上がった。


　【ラインハルト・クラウディア】

　魔力値　《１９８》

　属性　《風》　《光》　《治癒》

　「また魔力値３桁が居たぞ！今年の新入生はどうなってるんだ！？」

　ふとその子を見ると、背の低い小さな女の子だった。長い髪を三つ編みに編んでおり清潔さを感じさせた。

　「ノア君、この水晶で測定し直して下さい。」

　女の子の後に測定し直したが、先ほどと変わりはない。僕の測定結果を見た、魔力値３桁の女の子が僕をマジマジと見つめてくる。

　「あなた凄いわね！私は両親ともに、上級魔法使いだったから、ある程度魔力が多いのは、知っていたけど、あなたのご両親もかしら？」

　「いや、僕の家は商人だよ。水晶が壊れてるんじゃないかな……」

　あまりに目立ち過ぎてしまった……

　「どうやら、僕達３人は逸材のようだね。」

　頬を引きつらせたゲルパルト第３皇子が近付いてくる。

　「僕達３人じゃなく、彼がでしょう？彼と私達じゃ次元が違うわ！」

　小さな女の子は物怖じせず発言するタイプなようだ。

　「ぐっ……そうかもしれないね……しかし僕達は同じクラスになりそうだから、これからよろしく頼むよ。」

　ゲルパルト第３皇子の差し出された手を小さな女の子は無視している。

　「ねぇあなた！名前は何ていうの？私は、ラインハルト・クラウディア。クラウディアと呼んでくれていいわ。ラインハルト公爵の長女よ。兄が１人居るけどね。」