人生５周目！！５度目の人生はマッタリ冒険者になります。

学童期

７

　寮に帰ると、すぐに僕の部屋をノックする音が聞こえた。

　「ノア君、ちょっとお願いがあるんだけど……」

　クラウディアと、その後ろには同じクラスの女の子が２人いた。

　「実は、この子達……A組の子なんだけど、明日の魔法実技のテストに自信がないみたいなの。何かコツみたいなものがあれば、教えて欲しいんだけど……」

　クラウディアは、２人をチラッと見た。

　「ノア君、お願いします。」

　同じクラスの女の子２人は深々と頭を下げている。

　小さな女の子が、ヒョコンと頭を下げた仕草が可愛らしくて、承諾する事にした。

　「今度何か奢ってよ？」

　「わーい、ありがとう！この王都ノストックで１番のお菓子屋さんで奢ってあげるわ！」

　２人の女の子は、ミアとリリーというらしい。２人とも親は子爵という貴族階級らしい。階級に疎うとい僕はあまり興味がないが、学園内でも、親の階級が影響しているようだ。

　「どこか魔法の練習が出来る場所があるかな？」

　「実はノア君が引き受けてくれると見込んでいて学校の中の、訓練場の予約を取っていたのよ！」

　クラウディアは、ペロっと舌を出してはにかんだ。

　「クラウディア抜け目がないな～」

　学校の地下に訓練場はあった。僕は初めて来たが、３人はすでに授業で訓練場を使用した事があったようだ。

　「ミアとリリーだったよね？まだ２人の事を知らないんだけど、［鑑定］させて貰ってもいい？」

　いつの時代も他人を勝手に［鑑定］するのはマナー違反と言われていた。一言断るのが礼儀だとされている。

　「別にいいけど……ノア君［鑑定］も使えるのね。魔力測定の時、ノア君の使える属性が多過ぎて、みんなびっくりしてたもんね。アレ故障じゃなかったの？」

　「色々使えて困る事はないからね！」

　僕はニヤリと笑い２人を［鑑定］してみた。


　【フランクリン・ミア】　６歳　レベル３

　［体力：１９］
　［魔力：６８］
　［筋力：１２］
　［敏捷性：２４］

　［魔法使いの原石］

　［火魔法レベル１］

　
　【アルベルト・リリー】　６歳　レベル４

　［体力：４２］
　［魔力：７６］
　［筋力：２８］
　［敏捷性：１８］

　［癒し手見習い］

　［光魔法レベル１］

　
　まあ魔力が一般人よりも多いが、ステータスは標準より少し上といったところか？

　水晶での魔力測定より、僕の［鑑定］の方が、広範囲に鑑定出来る事が分かった。

　２人に、現在のレベル、ステータス、授けられているスキル名を告げると驚いている。

　「なんで、洗礼の儀式の時にしか教えられてない、スキルまで分かったの？ノア君の［鑑定］の能力なの！？ステータスも魔力しか分からないんじゃないの？レベルも？ノア君って本当何者なの？」