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「おい、庶民どもめ。私が誰だが知らないのか?アルフォンス家の公爵様だぞ!そして国務大臣から、この聖女の教育係に任命されているのを知っているのか?私に刃向かった、そこのお前とお前!お前達は聖女に謁見する権利を剥奪する。今すぐこの館から出て行け!おい!警備係!何をしてる?早くコイツらを叩き出せ!」
「私はあなたの命令を聞く事は出来ません。私は聖女様を守るのが任務だと言ったはずですが?」
「なんだと!?お前達は揃いも揃って!えーい、覚えてろよ!」
アルフォンス公爵は、醜く太った身体を震わせて、館を後にしていった。
順番を待つ人々からの歓声に気付いた私が執務室から様子を見に来た。
「何?一体何事?」
「いや何。醜く太ったブタを叩き出しただけですよ。聖女様はみんな待ってるから、お仕事を頼みますよ!」
しかし訪れてくる街の住民を気軽に視る事が出来たのは、この日が最後になってしまった……
その日の夜、軍隊を引き連れたアルフォンス公爵の一行が聖スベリア会の館に現れた。
「なんだお前達は!?」
「おい、師団長!あの警備係の男を捕らえよ。私に無礼な行いをした不敬罪だ。」
アルフォンス公爵は軍隊の指揮官らしき男に指示を出している。
警備係のトニーはさして抵抗をせず、軍隊の兵士達に押さえられている。
「よし、そいつを縛り上げておけ。さぁ公爵様参りましょう。」
館の中を勝手に進み、上への階段を上がろうとしている。
「公爵様お待ちください。上へは行けません。御用がありましたら、応接室でお願い致します。」
メイドが公爵を留め置こうとしている。
「お前如きの下っ端では話にならん。メイド頭と聖女サラをここに連れて来い。」
「承知致しました。只今公爵様が来られた事を伝えて参りますので、応接室でお待ちください。」
夜間にも関わらず、[公爵が軍隊を引き連れて現れる!]の報に館の従業員全てが降りて来ていた。
私も部屋着のまま急いで階段を駆け下りた。
応接室の前では、警備係のトニーが床に跪き、押さえ込まれている。
トニーは、応接室に早く行けと言うような視線を私に送っていた。
応接室に入ると、ソファーにアルフォンス公爵がどっかと座っている。その後ろには、武装した兵士が立っている。
「おう、やっと来たか!サラよ。そこに座れ。」
首をクイッと動かして私を座るように促している。
相変わらず不遜な男だ。
私は無言のままソファーに腰掛けた。
「ふん、無愛想な奴だ。お前に報告がある。今後聖女の力を使う人間は全て私が決定する。私が決めた人間のみ、聖女の力を使うのだ。」
「私の力を行使する人間は私が決めます。すでに私と面会出来る規則を決めてあります。」
「私はあなたの命令を聞く事は出来ません。私は聖女様を守るのが任務だと言ったはずですが?」
「なんだと!?お前達は揃いも揃って!えーい、覚えてろよ!」
アルフォンス公爵は、醜く太った身体を震わせて、館を後にしていった。
順番を待つ人々からの歓声に気付いた私が執務室から様子を見に来た。
「何?一体何事?」
「いや何。醜く太ったブタを叩き出しただけですよ。聖女様はみんな待ってるから、お仕事を頼みますよ!」
しかし訪れてくる街の住民を気軽に視る事が出来たのは、この日が最後になってしまった……
その日の夜、軍隊を引き連れたアルフォンス公爵の一行が聖スベリア会の館に現れた。
「なんだお前達は!?」
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「よし、そいつを縛り上げておけ。さぁ公爵様参りましょう。」
館の中を勝手に進み、上への階段を上がろうとしている。
「公爵様お待ちください。上へは行けません。御用がありましたら、応接室でお願い致します。」
メイドが公爵を留め置こうとしている。
「お前如きの下っ端では話にならん。メイド頭と聖女サラをここに連れて来い。」
「承知致しました。只今公爵様が来られた事を伝えて参りますので、応接室でお待ちください。」
夜間にも関わらず、[公爵が軍隊を引き連れて現れる!]の報に館の従業員全てが降りて来ていた。
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