婚約破棄されたので、聖女になりました。けど、こんな国の為には働けません。自分の王国を建設します。

ぽっちゃりおっさん

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 父親が真剣な眼差しで私を問い詰める。

 「もちろん分かっているわ。でも今日、シルメン教団に行って来たの。この地域の責任者という大司祭にお会いしたわ。直接は言われなかったけど、シルメン教団は聖女の力を利用しているの。」

 「それは、この生活を与えて貰った時から、ある程度は覚悟していた事じゃないか?アルフォンス公爵の横暴から逃れ、軍隊から庇護してもらい、落ち着いた生活を送れる。さらにそれでこのリビルド王国の民衆を救う事も出来ている。それでいいじゃないか?」

 「しかし……」

 確かに父親ギルバートの言う事は最もである。

 他の人達は、一言も発しない。

 「自分の国を作ればもっと多くの人々を救えると思うの。今だって、聖女の力を受けようとすると、高額の料金を支払わないといけないのよ。お金のない民衆は借金をして、借金が返せない人は店も取り上げられたらしいの。」

 「それはどんな事でも同じだよ。金がある者は大きな屋敷に住むことが出来る。美味しい食事を取り、豪華な洋服を着る。お金がない者は、みすぼらしい家に住むんだ。無償で聖女の力を与えるのは、確かに立派な行いかもしれない。しかしそれでは、お前をはじめ、私達の生活はどうするんだ?褒め称える言葉だけでは、腹は満たさせれず、服も着れないぞ。」

 「そうだけど……」

 「今の状況では、私は反対だ。サラ!お前には全てを捨てて付いて来てくれた者への責任もあるんだ。もう少し考え直した方が良いと思うぞ。」

 父親ギルバートの優しいながらも、毅然とした説得が胸に響いた。

 他のみんなも、父親ギルバートと似た意見だったようだ。利用されて釈然としない気分だが、安定した修道院での生活を続けるしかないようだ。

 それから月日が過ぎて行った。


 ◇ ◇ ◇ ◇


 その日は朝から騒々しい雰囲気だった。

 《フェリカ王国が攻めて来る!!》

 街中はその噂で持ちきりだった。

 フェリカ王国は総力を挙げた戦力で、このリビルド王国を攻めて来るらしい!目的は私だ!!

 リビルド王国では、この急報に急いで閣議が行われた。その結果、聖女サラを1年毎に、フェリカ王国とリビルド王国の間で行き来させるというものだった。

 つまり私を完全に物扱いにしたのである。

 私の意に関わらず、2国間の所有物とする。

 この決定に完全に私はキレた。

 「お父様、以前は反対されてたけど、私はこのリビルド王国を出ます。聖女は物ではありません。」

 「……仕方あるまい……アルフォンス公爵の元に行かされるとタダでは済まないだろう。あの公爵が約束を守り、1年で手離すとも思えない。しかし自分の国を作っても、両国に侵されない防衛力を持たなければ、以前の様に逃げ回るだけだぞ?それについて何か考えがあるのか?食料や産業の問題もある。問題や課題は山積だぞ!」



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