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『まどろっこしいのう!お前を【聖治癒会】に入れてくれると仰っているんだ。ありがたく入るがいい。入れば、お前の姉の商会の商売も上手くいくだろう。歯向かえば当然商会は潰れる事になるかもな?』

ヒキガエル大臣がクチバシを挟んできた。

『まあそう言う事ですわ!貴方の能力は貴重なもので、私は貴方をかってますのよ!私達についていらっしゃい』

アリス姉さんの商会が人質に取られたようだ……

『私が治療する時は、私に治療費や治療する人を決めさせてくれませんか?』

『貴方がそんな心配をしなくてもいいのよ。貴方は私達に言われた患者を治療するだけ。それ以上もそれ以下もないわ!』

人質を取られている以上断る事は出来ない。

軍隊を駆り出し、私1人を連行するぐらいの権力があると見せつけたのだろう。

忸怩たる思いだが、【聖治癒会】に入会するしかないようだ……

『そうと決めれば早速【聖治癒会】の本部である中央教会に行きましょう!大臣の手を取らすまでもなかったわね!』




ソフィア会頭とヒキガエル大臣に伴われ、馬車に乗り込んだ。

しばらくすると、見たことも無いような豪華な建物に到着した。

『降りなさい。いいですか。ここが貴方の屋敷となる中央教会ですよ。貴方にはひと部屋用意します。そこで寝起きをして教会に来る病人や怪我人の治療をして頂きます。よろしいですか?』

建物の中も豪華絢爛であった。

こんなに豪華な建物を作るのに、いくら病人や怪我人から巻き上げたのだろう……

しかしステンドグラスから入る日の光の美しさは、観る者を驚嘆させる力があった。

『ガラシャ!すぐに来なさい!』

鈴を鳴らしながら、1人の女を呼んだ。

『ガラシャ!こちらはスズリーナです。治療が出来る聖女として今日から聖治癒会の一員となりました。面倒をみてあげなさい。スズリーナ!このガラシャの言う事を聞くように!それでは頼んだわよ』

ガラシャと呼ばれた女性は、ソフィア会頭に深くお辞儀をしている。

『それでは、私は御礼に何人か用意してもらおうかの!』

『大臣もお好きですわね。いつものでいいですか?』

下品な笑いをしながら、ヒキガエル大臣とソフィア会頭は、教会の奥に消えていった。

『ガラシャです。ここの女中頭をしています。スズリーナ様ですね。以後よろしくお願いします。それではお部屋に案内します』

「よろしくお願いします。大臣はどこに行かれたんですか?」

『ああ……いつもの事ですよ。ここは聖女様や薬剤調合師の他にも、喜び組と言われる性接待をする者も居まして……大臣はそこがお気に入りのようで……』
 
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