錬KING 〜目指せ！魔道具製造してガッポリ生活〜

新たなスタート

１２

　鉄の剣の相場は金貨５～１０枚ほどらしい。しかし僕の製造した鉄の剣は、壊れにくく、切れ味も凄い。金貨２０枚という値段設定にした。他所の２倍以上の耐久性は間違いなくあるので、決して高くないはずだ。

　試供品で実際に切れ味、耐久性を確かめ納得した客だけに売ろう。鉄の槍、鉄の盾も金貨２０枚とした。

　魔法剣は、おそらく伝説級の武器となるのではないか？

　ただでさえ鉄よりも希少価値があり、耐食性、耐久性に優れた上に、耐久性向上、切れ味向上の付与が付き、何といっても属性魔法が付与されている。銀の鞘はそれだけでも芸術品として価値が高いはずだ。

　思い切って金貨１０００枚の値段をつける事にした。金貨１０００枚の３属性の魔法剣を壁に掛け飾る。

　高級雑貨屋と武器防具屋もあらかたの開店準備が出来た。

　あとは開店日を待つだけだ。

　その時僕の元に恭うやうやしい手紙が２通届けられた。

　開いてみると【騎士ナイト叙勲式案内】と【男爵バロン叙勲式案内】と書いてある。

　商業者ギルドのギルドマスターに言われていたが、本当に貴族の位を叙勲される様だ。

　貴族のしきたりや作法など何も知らない僕が行っても恥をかきそうだ……

　面倒くさいし、叙勲に行きたくはないのだが今後の商売を考えると行くべきなのであろう……

　商業者ギルドのギルドマスターに相談してみよう。

　「ナカムラケイタ様通達が来ましたか？それは何よりです。で今日は？」

　「叙勲式や叙勲パーティーについて色々教えて頂きたいのですが……」

　「もちろんです。それでは私が叙勲式についてお教え致しましょう。心配があれば、叙勲式にも同行致しますよ。何せ登録１ヶ月でAランク商業者になられた超有望株ですから。」

　と冗談なのか本気なのか分からない口振りで話している。ひと通り叙勲式での流れの説明をしてくれた。

　「なるほど、叙勲式の流れは大体理解しました。けど本番も付いてきてくれるとありがたいですが……」

　「了解致しました。ナカムラケイタ様は馬車は持たれていますか？ない？それでは馬車も用意致しますので、当日の朝に当ギルドにお越し下さい。当日は正装で来られて下さいね。洋品店で叙勲式に行くと言えばあつらえてくれるはずです。」

　洋服まで準備しないといけないのか……面倒くさいなぁ……

　「面倒ですが、ナカムラケイタという名前を社交界に売り込む絶好の機会です。一度に２つも叙勲を受ける方など滅多にいませんので、目立つ事間違いなしです。」