錬KING 〜目指せ！魔道具製造してガッポリ生活〜

新たなスタート

２２

　「短期間で見事なものです。この屋敷も見た事がないぐらいの立派なお屋敷ですね。店舗もすでに３店舗も開店させてるとか。驚きしかありませんよ。」

　「さすがカミヤ商会のカミヤだね。先見の明があったようだね。だけどせっかく知り合いになったケイタを逃すとはまだまだだね。ケイタは私の土地で、店舗もこの屋敷も建てているから、当分は私から離れられないよ。」

　婆さんのニヤリと笑う顔に寒気を覚えた……

　「いやー、私の商会にケイタ様が作製した品物を卸してもらうようにお願いしたのですが、ケイタ様は私の下で満足する様な方ではないですからね。」

　「そうだね、ケイタは世間知らずだけど、品物を作る才能は凄いものがあるからね。まだまだコイツは伸びるよ！私はまだ広い土地を貸して大きな総合商店を作ってもらおうかと思ってるんだ。」

　「お婆さんそんな事聞いてないですよ！」

　「今すぐって訳じゃないよ。まだ優秀な従業員も増えさないといけないし、３店舗とももっと繁盛してもらわないとね。」

　サカイの街では知らないモノは居ないという大地主のカスミ婆さんと、古都ギオンで幅広く商売を営んでいるカミヤさんに囲まれて話していると、僕達と話したがっている来訪客が周りを囲み出した。

　僕はカミヤさんとカスミ婆さんにまた後からと断りを入れて、ほかの来訪客とも会話を交える事にした。

　「ナカムラケイタ様、ちょっと小耳に挟んだのですが、この大きな御屋敷にも関わらず、奴隷もメイドも居ないというのは本当ですか？」

　「はい、今日は僕の店舗で働いてくれている従業員のみんなに給仕など色々手伝ってもらっています。それでも手が足りなくて商業者ギルドからもお手伝いをしてもらってまして……」

　「それはいけません！このような立派な御屋敷を建てたのだから、それにふさわしいメイドや奴隷が必要です。私は奴隷商を営んでいますヴィクトールと申します。お時間が出来たら是非お訪ねください。」

　奴隷か……虐げられているイメージしかない。

　「奴隷と一言でいっても、様々な奴隷がおりますので、悪いイメージが一掃するかと思います。」

　僕の思っていた事を先に言われてしまった……

　そのほかの来訪客も自分の商売の売り込みや、実際に触れた僕の屋敷の設備が欲しいという声が多かった。

　魔道具を使った設備の良い宣伝になったようだ。

　「失礼ですが、ナカムラケイタ様はご両親様はおられないのですか？」

　「ええ……身内は誰もいません。」

　「それは失礼致しました。それでは婚約者もまだ？」