人質同然だったのに何故か普通の私が一目惚れされて溺愛されてしまいました

ツヅミツヅ

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88、閑話 -面影1-※

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 このグリムヒルトに娼婦として売られて1年、私は怒られてばかりだ。
 私は元々華やかなものは苦手だった。
 どちらかと言えば内気だったし、この香水や化粧品や香油の香りに未だに慣れない。

 マグダラスは貧しいけれど穏やかな国だった。
 グリムヒルトの様に賑やかで人の多い国ではないけど、地の民だなんて言って偏見の目で見られることもなかった。
 私にはマグダラスの方が合ってた。
 でも、お父さんは体を悪くして働けなくて、お母さん一人で頑張ってオレンジを育てていたけど、兄弟はたくさんいたし、皆んなまだ幼い。皆んなが食べて行くには私が身を売るしかなかった。

 グリムヒルトの男の人は賑やかで陽気な人が多くて、声も大きいので、私は正直言って苦手で、怖くなってしまった。

 身体を売る事自体も慣れない。
 ……多分皆んな慣れているわけではなくて、割り切ったり諦めたりして折り合いをつけてるだけなんだろうけど、私はその折り合いを上手くつけられないでいる。

 本当は折り合った方が自分が楽になるとわかっているけど、どう考えれば折り合っていけるのか、どうしても答えに行き着けない。

 そんなだから、私は怒られてばかりだ。
 陰気だと香車おかみさんに怒られる。
 今日も私だけ売れ残って、見世の格子の前に座る。
 なんとなく、外を眺めていたら、随分若そうな男の人が私の目の前に立った。
「売れ残った?」
 私はその声に応える様に顔を上げてその人を見た。
 ちゃんと視界に入れたその男の人はやっぱり20代後半位の灰がかった黒髪と灰色の瞳の随分と素敵な容姿の男性だった。
 きっとモテる人だろうな……と漠然と思った。
「……うん、私、グズだから売れ残っちゃった」
 出来るだけ笑顔で彼に答えた。
 彼は格子に手を入れて、私の頬に触れた。
「じゃあ、俺が君を買うよ」
「……ありがとう、とても助かるわ」
 彼は軽く微笑む。

 店に入って香車おかみさんに私を指名する。
 私は香車おかみさんに促され、彼を案内した。

 私が借りてるお部屋は3階、案内するその間にお話しする。
「ありがとう、本当に助かったわ。私、客引きは苦手で困っていたの」
 彼は優しい笑顔で言ってくれる。
「うん、役に立てたならよかったよ」
 本当にいいお客さんでよかった。
 声も大きくないし、品が良くて、凄く陽気な感じでもない。
「ここよ。入って」
 部屋にはベッドとちょっとしたソファとテーブルがある。
「座る?お茶なら出せるわよ?それともすぐ?」
 私は笑って問いかけた。
「すぐ」
「わかったわ」
 私は簡素なドレスを着ているので、簡単に脱げる。
 下着も着脱が楽な、紐でなく飾りボタンで作られてる。

 彼は、ベッドの前で私の前に立つ。
「俺が脱がしたいから」
「……わかった」
 男の人は私の肩を掴んで私の頬に優しくキスした。
 ……まるで愛おしいものでも愛でる様に。

 あ、まずい、ダメだ。

 私はそう思う。
 このお客さんは危険だ。
 彼は私の唇に優しくキスした後、二度めのキスは舌を入れてくる。
 私はそれに応えて舌を絡める。
 その間に私のドレスは脱がされていた。
 長く優しく恋人にする様なキスを交わして、彼は私を優しく、ベッドに寝かせる。
「お喋り、苦手だろ?これからは無理に喋らなくていいよ」

 ……本当にまずい……

 ああ、この人これからも来るんだ……。
 私は複雑な思いで彼の首に腕を回す。

 またキスをして、下着の上から胸を弄られる。
 服の上からでも私の先端の実がわかる様でそこに上手く刺激を与えてくる。

 器用に私の上半身の下着を脱がす。
 胸に優しい愛撫をされる。

「……あ……っあ……」

 私はその優しく上手な愛撫に演技ではない声が出てしまう。
 両の手で両方の胸を揉みしだかれて、先端は舌で転がされる。

「……あぁ……あっ……ん……」

 下半身の下着の上から私の秘部に触れられる。
 私の豆肉を探り当てる。指先だけでイかされそうだ。

「あぁっ! ……んっ! ふぁ……っ! ああ……!」

 こんな所でイかされちゃったら今晩の仕事、保たない……
 そう思って耐える。

 すると彼は、私の足を開いて、最後の下半身の下着を剥ぎ取った。
 私の豆肉に吸い付く。
「……! やだ、ちょっと! ダメよ! 待って!」

 彼は私の話を聞いてくれず、そのまま豆肉に刺激を与え続ける。
 ……娼婦のそんな所舐めるひと、初めてだ……。
 そう思うと何故か急に身体が疼く。

「あぁっ! あああ~~! っ……!」
 私は我慢出来ずにイってしまう。
「はぁ、はぁ……はぁ……」

 すかさず彼は私の女膣に指を入れる。
 上の感じる所を刺激し始める。

「……待って……そんなにされたら、今夜の仕事に響いちゃうの……お願い、少し手加減して……」
 彼は私を見つめて笑う。
「安心して。買い上げたから。だから身を委ねていいよ」
「……買い上げたって……」
「もう野暮は終わり。俺にだけ集中して」
 そう言われて、何も言えなくなる。

 一晩買い上げるなんてこの人お金持ちなんだろうか……。
 確かに着てるものもシンプルだけど上質だし、そもそもこの人自身とても品が良いし。

 ああ、とても鍛え抜かれた身体をしてるから、もしかしたら偉い軍人さんなのかもしれない。
 そんな事をぼんやり考えながら、彼の愛撫を受け入れる。

 恋人がする様な交わり方を、その夜だけで何度もした。
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