鬼の娘ラプソディー 《人間対鬼》

クロエ マトエ

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群青編

しばし休戦と洒落込もうか

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夕闇迫り、息を荒くし、走って家に帰る
俺。
__
__

いつもは、帰っても一人の家が
今は、二人になっている、あの時、俺は、
「行かないで 」と言った鬼子を俺は不覚にも
守ってやりたいと感情が湧いてしまった。

「ただいま……  」
家の扉を開け、明るい部屋に入る
前までは電気などが付いていない寂しい
部屋だった、そして、俺の部屋は広い
40人部屋の中に入っても、全然狭くならない
ぐらいには。だが一人の時あまりの広さと
そして、寂しさに俺は心が蝕まれる一方
だった。

そんな部屋には今は、
鬼子がいる、可愛い可愛い鬼子が、顔とかは
人間よりは赤く、ツノは小さくて、体型は
発育がいいって程でも無い。

「おじさんおかえり 」

髪は短くて、俗に言うボブカットというのに
近い髪型。

「あぁ……疲れた…… 」

最初はあんなに泣いてたのに、今では
立派なお母さんみたいになって、あの時。

__
__

ベッドで寝ていると、いつも夜中になると
夜泣きと言うか、いつも、泣いていた
俺は、育てるとかが面倒臭い性格で、正義感
は人一倍あるんだが、それ以外は無気力。

そして、寝室の扉が開き
鬼子は、俺の腰を抱き締め、ベッドに
入り込んできた。

「おいおい、鬼子 暑いぞ、鬼ってのは
人間より体温が高いからな…… 」

「ぅぅ…… 」

頭を掻きながら、俺は気怠そうに
言葉を吐いた。

「泣くなよ……面倒臭いなったくよ
お前様のベッドしかもクイーンサイズ
の買ったのに 」

「やだ、やだ、一人になりたくない 」
一人 ではあるが、実質は一人では無い
だろと思いながら、俺は鬼子の甘えを
許した。

「ったくよ…… 面倒臭いな……  」

俺は、本来好かれるタイプの人間では無いし
こうして一緒に住むなんてのはもってのほかだ、だから人と言うか、自分以外の存在と
関わった事が無いから、俺は関わり方が
分からない。

また、変に悩んで、答えの無い迷路を
歩き続けるのだろう。

「ねぇ…… おじさん、私、怖い 」

「…… 」

「守ってくれる? 」

震えながら、そう言った鬼子の顔を俺は
二度と忘れ無いのだろう、涙を流しながら
最初で、最後のお願いをしたと言うこと。

俺は、それに答える義務があり、その
義務は_永遠_に継続されてゆくのだろう。

「守ってやるから、さっさと寝ろ 」
そう俺が髪を掻きながら言うと、鬼子は
安心したのか、すぐに寝てしまった、俺は
そんな、鬼子の頭を撫でようとしたが、
照れなのか、意地なのか……
分からないが、触る事が出来なかった。

朝。

「おじさん!おはよう! 」
と、鬼子の嬉しそうな笑顔を俺は見て
何故だかスッキリした気持ちになった。

鬼子の笑った顔を見てると、和む
いままでは、ダラけきった毎日だったのに
鬼子が居るお陰で今日も働こうと思える。

そして、鬼子が、テレビを付けると
そこには、何処ぞの誰だか分からない
政治家が何かを宣言していた。

「我々は、あの高校襲撃事件を忘れては
いけない!! 鬼を、打倒鬼を!!
ここに宣言しよ!人類でも鬼に勝てると
よってここに!! 鬼殺しの衆の存在を
発表する」

嘘だろ…… このタイミングかよ、それを見た
鬼子は、怖くなり震えだした、鬼子は優しい
けど、でもそれと同時に弱い。

「はぁ…… ここに 鬼殺しの衆の発表って
こりゃあ俺らの仲間達全員呆けてるん
だろうな 」

その瞬間、俺のスマホが鳴りだした
宛先は、ゼロからだった、ゼロは
鬼殺し衆 No.0 特別部隊隊長、そして俺は
No.1 特別部隊副隊長。

それぞれ鬼殺しの衆では、本名では無く
コードネームで呼んでいる、俺の名前は
「オジサン」前は、「レンカ」だったけど
今は、鬼子がそう呼ぶので
「オジサン」と自分で改名した。

メッセージの内容は
「公表ワロス 」
それだけかよと思い笑った、そして俺は
鬼子を抱き締め、なんかあったら
俺に連絡しろともう一つある携帯俗に言う
サブ端末を渡した。

「いいな、絶対に連絡しろよ 」

戦いは避けられ無くなりそうだ、この
世界と鬼世界は決して交わる事なんて
絶対に無理だった、そんなのはわかってる
俺の弟が死んだあの日から。

じゃあ、俺は何で鬼子を守ってる?
こんなのに意味はあるのか?
あれ?俺今何してるのかな?

_
_

「いいか、謙也 弱い人は助けてやれ
それが人間であり、人間の良い部分だ 」

昔、親父がそんな事言ってたな
差別無き正義ってな、やっぱり鬼子は
俺が守らないとな。

_
_

「鬼子行って来るよ、待っててな 」
そう俺が言うと鬼子は寂しげに「うん」と
頷いた、そして俺はそんな寂しげな姿を
背に向け、歩いた、こうしないとお前を
守る事が出来ないからだ。

「ゼロ、今から事務所に向かう 」
ゼロに電話をして、俺はピアスを指で
クイッと触りながら、俺は前を向き
そして事務所へと歩いた。

やはり、世間の目は冷たいらしく
俺の格好、容姿、表情、そんなのを見て
判断し、だから誰も俺に話そうとしないし
目立って合わせてくれない。

だが、たまあに話しかけてくる輩がいる。
それは、

「おい、金髪人間 調子乗んなよ 」

鬼だ。

「おい、俺はな今 物凄く機嫌が悪りぃんだ
これ以上ダル絡みすんなら殺すぞ 」

「人間如きが何言ってんだ? 」

怠い。

「鬼殺しの術 十の方  円明 !! 」

丸い輪が鬼の首を斬り、そして首は
道路に転がり落ちた。

「人間様舐めんなよ 」
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