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そして決着へ編

幸せとは

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記憶に残すと言うには、あまりにも
切ない真実……でも、だからと言って……
消すと言う選択は存在しない。

「アユさん私!! 必ずこの銃弾で
全てを終わらせるから!!!! 」

リアの思いを込めた弾丸は、アサに届くの
だろうか? そして…… アサはいままでの
自分がしてきた行為を反省するのだろうか?

「終わらせるか…… なら終わりにして
みなよ!!その銃弾とやらでね 」

唇を噛み締めるリア、それを平然と
ただ真顔で待ち構えるアサ

「はぁ…… はぁ…… 」

拒む…… それはそうだ、どんだけ憎くても
アサはお前の姉貴なんだ…… 一番一緒に時間
を長く暮らしたのだから……それをリセット
するなんざ、不可能に近い話なんだ

「ねぇ?リア 私はアンタを撃てるよ……
ならリア アンタは? 」


「だからさ……お姉ちゃん何回も言ってる
よね? 私は…… 撃てる!!!! 」


覚悟、決意、死守。


「じゃあその弾丸で私の心臓もしくは
頭を狙いな 」

お姉ちゃんは死ぬのを恐れてない?
それとも、私がお姉ちゃんを撃てないと
思ってるの? 

その余裕に満ちた表情は
一体何処から湧き出てんのかな?

「リア!!!! 」

「アユさん? 」

「いいな…… 絶対に!! 負けんな!!
勝つんだ!! そして…… 家族になるんだ 」


家族……? 遠くて、絶対に手に入らない
って思ってた、甘くて、しょっぱくて……
時には苦かったりするかもだけど、私は
そんな不思議なモノが欲しかったんだ。


「リア 返事しろ!!!! 」


「アユさん……ぅぅ 私なんかで
いいんですか? 汚れだらけのこんな私で
本当にいいんですか? 」

泣きながら、アユを見つめ
涙を流すリア

「ダメな要素なんて一つも無いじゃねーか
逆に何でお前を俺が拒めるんだ? 」

初めて……では無いかも知れないけど
パパと同じ匂いがする、それは太陽の優しい
匂いがする

「アユさん……ぅぅ  」

「だから!!約束しろ!!絶対に
負けないってな!! 」

パパ私……やっと幸せになれそうだよ
やっと……私と一緒に同じ未来を側で
歩いてくれる人を見つけたよ、未来って
言われても分かんないかも知れないけど。

「お姉ちゃん!!!! 」

「? 」

「未来見つけたよ…… 」

銃の中にある弾丸が、音と共に
アサを狙う…… そして見事にアサの
心臓部分を当てる

「はぁ…… はぁ…… アユさん私勝ったよ
これでアユさんの家族になれるよね? 」

リアはアユが縛られてる紐を手で外す
そして……アユは紐を外され、自由になると
すぐさま柚子の紐を外しに向かう

妹は、アユを抱き締めた

「お兄様こわかった……ぅぅ 」

アサは死んだのか? 意外に呆気ない死に方
だ…… これが最強と言われたアサシンの
アサなのか?本当に謎が一番似合う女だ

「お兄様が助けてくれるって信じて
いました!!! 」

信じてくれたのか?こんな情けない俺を
こんなどうしようも無い惨めな俺なんかを
お前は信じてくれていたのか……

「ありがとうな…… 」

そして、俺はリアに手を差し伸べた

「リア 帰ろ……我が家に…… 」

パパ良かった…… 生きてて、本当に
良かった…… これで私帰れるんだよね?
我が家に、家族が出来たんだよ。

幸せになっていいよね?

「帰るか…… 」

幸せってさ…… 感じるモノなんだね
いままでわかんなかった、だからいま
私すごい楽しみなんだ。

「さて、今日の晩飯なににするかな? 」

「お兄様私!! カレーライスがいいです 」

そう、柚子が言うと、アユはからかうように

「じゃあ~柚子 お前が作れよ!  ふふっ 」

「えー 」

「なにも作るとは、俺は一言も言ってない
だから、言った人が作るってことで! 」

そう、言うと柚子は「はぁ…… 」と
溜息をこぼす

「柚子さん!!私も手伝います!! 」

「いいの?お姉様 」

柚子の「お姉様」と言う言葉に慣れない
のか、ちょっと微妙な表情をする

「お…… お姉様? 」

「はい!!柚子の大事なお姉様になる
人です!!だからそうお呼びいたしました
不快でしたか? 」

悲しそうな表情で見つめる柚子
それを見て、リアは少し考えて……

「なら!お姉様じゃなくて…… お姉ちゃん
って呼んでよ !! 」

「それでよろしいのですか? 」

「うん……それだけで充分に嬉しい!! 」

そうリアが言うと、柚子はニッコリと
リアの顔を見て笑った

「わかりました!! えっと……その…… 」

ちゃんと付く言葉に慣れていないのか
戸惑いの表情を見せる。

「お姉ちゃん…… 」

小さな声で言う。

「柚子 聞こえてねーよ 」

アユは柚子をイジる

「お兄様のいじわるっ! 」

こんな感じで、毎日を過ごせたなら
いいなって思う、未来なんて誰にも
わかるはずが無いのだから……。

だから、いまと言うのが面白く
感じるのだ。
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