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栗ヶ丘高等学校編

春は 春を呼ぶ

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「お前さ マジで 学校来ないでよ 」

「でも…行かないと パパにひどいこと
されちゃう…だから…怖くて無理… 」

そう彼女がハッキリ言うと…いじめっ娘
は彼女の胸ぐらを掴みながら壁に叩きつけると…彼女は一滴の涙を流す…
「こんな世界壊れればいいのに 」

そして 次郎と亜衣は栗ヶ丘高等学校
に到着する…

「俺は補助だから 助けるのは…その…
亜衣だからな 」

「わかってますよ 」

亜衣と次郎は学校の中に入るそうすると
先生の指示の元 自分達が転入する先の…
教室に案内される

「はーい 皆さん あれ?小春さんは? 」

「先生ーー 小春ならトイレで泣いて
ますよ フフフッ 」

そう言うと…先生は…小春の様子を見に
行くかと思いきやそれを無視して授業を
再開する…

「えっーと 先生 席は?」

「亜衣さんは そこ 小春さんの
席の隣ね  次郎くんは…その後ろの席ね
 では授業を始めまーす 」

そして亜衣と次郎は席に座ると…その時
平然と普通の席に座る彼女の姿があった

「咲宮さん おそいですよー早く
席に座りましょう 」

「すみません エヘヘ 」

彼女は自分の気持ちを表情には出さない
そして…これがどれだけすごいのか…

「えっとー 転入生さん? 私は
咲宮 小春 あなたは? 」

「後藤亜衣 だよ… 」

何故 恥ずかしそうな表情をお前は浮かべるんだ? 意味がわからん…

「いい名前だね  」

「普通だよ…」

そんな会話をしていると…横の方で
ヒソヒソと会話をしている女子達が居る

「何?小春の奴 転入生と仲良くしちゃ
ってさ マジ目立ちすぎ 」

「小春の癖に 本当ありえない 」

そんな女子達が陰口を言ってるそんな
様子を亜衣は見ていた…そして席を立ち

「君たちさ… 人として 恥ずかしくない
のかな?陰口しか言えないって フフ」

亜衣は笑いながらいじめっ娘達を見つめる…そうするといじめっ娘も立ち上がり

「何言ってんのか わかんないんだけど
ちゃんと説明してくんないかな? 」

「じゃあさ簡単に言ってやるよ 馬鹿な
低脳な君達に 陰口しか言えないゴミが
しゃしゃんなよ 」

そう亜衣が言うと…いじめっ娘は亜衣の
腹をいきなり蹴る…

「何してるの 優奈 マジで いきなり
蹴りはないっしょ 」

優奈は亜衣を蹴った瞬間…優奈の友達が
優奈を止めにはいる…。

「へぇーこれが お前のやり方ね …最初
に印象を大きく与える 嫌いじゃない 」

そう次郎は補助でもあり見守り担当でも
ある…だから俺は一瞬でも見逃せない…

「イタタ…結構 痛いですね…次郎さん 」

亜衣は席に座ると…次郎に腹を抑えな
がら話しかける…。

「当たり前だ…拳ってのは痛い…だから
鍛えんだ…精神も肉体もだ 」

「へぇー次郎さん バリヤバですね 」

そう言う会話をしていると…授業は終わり…先生は別の授業をしに教室を出る

「でもまあ…これであの娘は目立ち
まった…ますますひどくなるぞ 」

「わかってます… 私はいじめっ娘の
本性を知りたくて揺さぶっただけです 」

そう言うと次郎は「本性ね… 」とニヤ
ついた表情を浮かべる…。

「大丈夫?亜衣ちゃん?」

そしたら…亜衣は「うん」と頷くと…
小春はにっこりと笑い「良かった 」と
思う 小春であった… でもそんな二人の
会話を気にくわないものだっている…。

「マジで何なのあの亜衣とかって女
あいつ ハブろうぜ 」

「了解ー みんなにLINEで知らせとく 」

そして優奈の友達はさっそくスマホを
出し…みんなにLINEで知らせる…

クラスのみんなはLINEを見て…頷く…

「ねぇねぇ 亜衣ちゃん 好きなアニメ
とかある? 」

「んー 最近見てないな 忍者ハットリ
君かな 」

そう言うと小春はクスッと笑い…

「古いよ あいちゃん  」

彼女達はそんなたわいもない話をして
この青春という名の時間を楽しんでる

「だって それぐらいしかアニメ親が
見せてくれなかったから 」

「見せてくれなかったから?って
どういう意味? 」

そう小春は亜衣に疑問を抱くと…亜衣は
少し寂しげな表情を浮かべ

「私さ 父子家庭なんだけど…いつも
パパに虐待されてて…アニメなんて…
ろくに見せてくれなかったから…だから
いつも昔ママがプレゼントしてくれた…
ハットリくんの一巻のDVDしか見てない
だから全然わかんないんだよね 」

そう亜衣は悲しそうに言う…お互いが
お互いの悲しさを尊重し合えるのなら
それが一番理想の形なのだろう

「そうなんだ…亜衣ちゃんも大変
だったね…私も一緒だよ… 」

悲しみに溢れていた…亜衣の表情は
徐々に崩れていき…でも彼女は誰の前
でも泣かないのだろう…。

「何 アイツラ マジウザい 」

「目障りなんだよね 」

「死んでほしい 」

そしていじめっ子の目も殺気に満ち満ち としていた…。でも亜衣ならきっと…
 きっと… きっと…乗り越えられるだろ…
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