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氷の女王、無彩色の社交
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ヤスミン・ゲットー公爵夫人が社交界にデビューした日の衝撃を、貴族たちは後々まで語り継ぐことになるだろう。
ゲットー公爵家で開催された夜会。主役として現れたヤスミンは、真冬の月光を織り込んだような銀糸のドレスに身を包み、一点の隙もない優雅さで客人を迎えた。
「見て、あの方……本当にお美しいわ。雪の精霊みたい」
「でしょう? あの立ち振る舞いだもの。公爵夫人に相応しい方なんて、他にいないわよ」
周囲の称賛を、ヤスミンは淡々と受け流す。彼女の微笑みは春の陽光のような温かさは持たないが、鏡面のように滑らかで、非の打ち所がなかった。
かつて、ユリアンの不実を嘆き、夜会の隅で肩を震わせていた可憐な少女の面影はどこにもない。今の彼女は、自らが殺した心という犠牲の上に、完璧な社交の化身として君臨していた。
その光景を、ユリアンは胃の腑を焼くような苦さで見つめていた。それは、手遅れになってからの理解だった。
誇らしいはずだった。自分の妻がこれほどまでに称えられ、ゲットー公爵家の名声を高めている。かつての自分が望んだ通りの展開だ。
だが、誰かが彼女を「完璧だ」と褒めるたびに、ユリアンの耳には「お前が彼女の心を殺した」という告発の声が響く。
「……ユリアン様、そんな暗いお顔をして、どうなさいましたの?」
不意に、扇の間から甘ったるい声がした。
振り返ると、そこには学園時代、ユリアンがヤスミンの目の前で露骨に可愛がっていた令嬢の一人、ミレーヌが立っていた。彼女は以前よりもさらに派手な装いを凝らし、ヤスミンを挑発するような目で見つめている。
「ミレーヌ…嬢。……今宵は客人だ。その立場を忘れるな」
「あら、怖い。でも、あのヤスミン様……いえ、公爵夫人を見ていて、気味が悪くなりませんこと? あんなに人形みたいに冷たくて。昔はユリアン様のちょっとした一言で、お顔を真っ赤にして泣き喚いていたのに」
ミレーヌはわざとらしく声を潜め、ヤスミンの背中を指差した。
「ねえ、ユリアン様。あんな石像のような女、ちっとも面白くないでしょう? 私なら、もっと貴方を愉しませて差し上げられますわ。あの頃のように……」
ミレーヌがユリアンの腕に指を這わせようとした、その時。
「――お待たせいたしました、ユリアン様」
ヤスミンが、いつの間にか二人の背後に立っていた。
足音もさせず、空気の揺らぎさえ感じさせないその現れ方に、ミレーヌは思わず身を退いた。
「公、公爵夫人っ……」
「ごきげんよう、ミレーヌ様。我が家の夜会を楽しんでいただけておりますでしょうか。先ほど、ユリアン様との親密なご様子を拝見いたしましたわ」
ヤスミンの声は平坦で、嫉妬の欠片も混じっていない。
ミレーヌは逆に、その無関心さが我慢ならなかった。彼女はヤスミンのプライドを傷つけようと、あえて勝ち誇ったように笑った。
「ええ、楽しんでおりますわ。ユリアン様とは学園時代に、とても深い仲でしたもの、ね? ヤスミン様が一人で泣いていらっしゃった夜も、私たちは二人きりで過ごしていたの。……覚えていらっしゃいますか?」
周囲の空気が凍りついた。招待客たちが固唾を呑んで、ヤスミンの反応をうかがう。夫のかつての浮気相手からの、公衆の面前での宣戦布告。普通の妻ならば、怒りに震えるか、屈辱に涙を流す場面だ。
だが、ヤスミンは瞬き一つ変えず、静かに頷いた。
「ええ、記録にございますわ。ユリアン様が『自由』を行使されていた期間のことですね。当時は、私が感情を律しきれなかった未熟さゆえに、皆様に醜態をお見せしてしまったこと、深く反省しております」
「……は?」
ミレーヌは拍子抜けしたような声を上げた。
「過去に対して感情を割く必要は、すでに私の中には残っておりません。ミレーヌ様がユリアン様に価値を見出しておられたことは、彼の魅力の客観的な証明でもあります。……ユリアン様、喉が渇いていらっしゃるのではありませんか? ミレーヌ様との歓談を続けられるのであれば、新しいシャンパンを用意させますが」
ヤスミンは、まるで「天気が良いですね」とでも言うような平穏さで、夫に浮気の継続を勧めた。
ユリアンの顔が青白く、そして赤黒く染まっていく。
「ヤスミン……もういい。もういいんだ……!」
「……もう、いい? 接待が不足しておりましたでしょうか」
「違う! 頼むから、少しは怒ってくれ! こいつは僕たちを馬鹿にしているんだぞ! 君との思い出を、汚しているんだぞ!」
ユリアンはヤスミンの肩を掴み、叫んだ。
ミレーヌは、ヤスミンのあまりの無関心への恐怖と、ユリアンの激昂に圧倒され、逃げるようにその場を去っていった。
静まり返ったホールで、ヤスミンはユリアンの絶望を、色のない瞳で見つめ返した。
「……汚す、という定義が理解できません。過去は変えられない確定事項です。それに、今の私は何も損なわれておりませんわ。……ユリアン様、声を荒らげるのは公爵家当主としての威厳を損ないます。深呼吸をなさってください」
ヤスミンは、懐から取り出した絹のハンカチで、ユリアンの額に滲んだ汗を丁寧に拭った。その手つきは、病人をいたわる聖母のように優しいのに、慈愛 に欠けていた。
「……ヤスミン。君は、僕が他の女と消えても、本当に何とも思わないのか? 僕が明日、死んだとしても……君はそうやって、冷静に葬儀の手配をするだけなのか?」
ユリアンの問いに、ヤスミンはハンカチを畳み、ふっと微かな、この世で最も美しい虚無の笑みを浮かべた。
「はい。ユリアン様が誰と過ごされようと、それは貴方の権利です。そして、もし貴方が亡くなられたなら、私は最上級の礼をもって貴方を送り出し、ゲットー家の名に恥じぬよう後継者を守り、公爵夫人としての責務を最後まで完遂いたします。……それが、私の幸福なのですから」
幸福。その言葉が、ユリアンの心に最後の一刺しを与えた。
彼女にとっての幸福とは、自分を愛して苦しむことから解放され、静かな絶望の中で公爵夫人としての役割を演じ続けること。
自分が彼女に与えたかった幸せは、すでに彼女自身が、自らの手で殺し、氷の下に沈めてしまったのだ。
「……ああ。そうか」
君が僕を想ってくれていた、その気持ちを――僕自身が踏みにじってきたんだ。
ユリアンは、彼女の体を抱きしめることもできず、ただその場に立ち尽くした。
周囲の客たちは、再び賑やかに語らい始めた。完璧な公爵夫人と、その隣に立つ美しい公爵。
誰もが「理想の夫婦」だと称賛するその影で、ユリアンは一生涯、届くことのない愛を叫び続ける孤独に、今度こそ完全に膝を屈した。
ヤスミン・ゲットー公爵夫人。彼女は、ユリアンが望んだ通りの「自由」を彼に与えた。その代償としてユリアンは、彼女が注いでいた純粋な愛と安らぎを、取り返しのつかないかたちで失ったのである。
______________
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その光景を、ユリアンは胃の腑を焼くような苦さで見つめていた。それは、手遅れになってからの理解だった。
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だが、誰かが彼女を「完璧だ」と褒めるたびに、ユリアンの耳には「お前が彼女の心を殺した」という告発の声が響く。
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「ミレーヌ…嬢。……今宵は客人だ。その立場を忘れるな」
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ミレーヌがユリアンの腕に指を這わせようとした、その時。
「――お待たせいたしました、ユリアン様」
ヤスミンが、いつの間にか二人の背後に立っていた。
足音もさせず、空気の揺らぎさえ感じさせないその現れ方に、ミレーヌは思わず身を退いた。
「公、公爵夫人っ……」
「ごきげんよう、ミレーヌ様。我が家の夜会を楽しんでいただけておりますでしょうか。先ほど、ユリアン様との親密なご様子を拝見いたしましたわ」
ヤスミンの声は平坦で、嫉妬の欠片も混じっていない。
ミレーヌは逆に、その無関心さが我慢ならなかった。彼女はヤスミンのプライドを傷つけようと、あえて勝ち誇ったように笑った。
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だが、ヤスミンは瞬き一つ変えず、静かに頷いた。
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「……は?」
ミレーヌは拍子抜けしたような声を上げた。
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ユリアンの顔が青白く、そして赤黒く染まっていく。
「ヤスミン……もういい。もういいんだ……!」
「……もう、いい? 接待が不足しておりましたでしょうか」
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