14 / 24
献身という名の苦行
しおりを挟む
北の森から帰還したユリアン・ゲットーの変化は、屋敷中の使用人、そして社交界の人々を驚愕させるに十分なものだった。
かつて傲慢不遜で、婚約者の愛を当然のように踏みにじっていた若き公爵は、今や一人の女性――妻であるヤスミン――の影のように、その背後に控える存在となっていた。
「ヤスミン、今日のドレスと宝飾品は、これらでいいかい?」
朝、ヤスミンの私室の扉を叩くのは、侍女ではなく夫であるユリアン自身だった。彼は膝をつき、ヤスミンの足元を整え、彼女が外出するための準備を、まるで忠実な従僕のように完璧にこなしていく。
「ユリアン様。そのような瑣末な仕事は、使用人に任せればよろしいのに。貴方の時間はもっと、国政や領地運営に充てられるべきですわ」
ヤスミンは鏡越しに夫を見つめ、抑揚のない声で告げる。
かつて、彼女がユリアンのために尽くそうとして、「重い」と一蹴された日々。その構図が、今、完全に逆転していた。
「……いいんだ、ヤスミン。僕がやりたいんだ。君の髪を整え、君の足元を飾る。それが今の僕にとって、何よりも優先すべき大切なことなんだよ」
ユリアンは微笑む。だが、その微笑みはかつての勝ち誇ったようなものではなく、どこか切なげで、縋るような色を帯びていた。
その日から、ユリアンの「苦行」が始まった。
彼はヤスミンが好むと言っていた――あるいは、かつて好んでいた――ものをすべて調べ上げ、彼女の日常を彩ろうと躍起になった。
彼女の執務室には、常に彼女の体調に合わせたハーブティーが用意され、彼女が少しでも疲れを見せれば、ユリアンはすぐさま駆け寄り、その細い肩を揉みほぐした。
夜会に出席すれば、彼は他のどんな高貴な令嬢にも目もくれず、ただヤスミンの傍らに立ち、彼女の飲み物が空になれば注ぎ、彼女が歩く道に汚れがあれば、自らの外套を敷かんばかりの勢いでエスコートした。
「見て、ゲットー公爵。まるで忠犬のようですわ」
「あんなに浮名を流していた方が、あんなにも夫人に心酔するなんて……。一体、何があったのかしら」
周囲の嘲笑や囁きが聞こえてこないはずはない。だが、ユリアンにはそんなことはどうでもよかった。
彼がどれほど尽くそうと、どれほど情熱的な瞳で見つめようと、ヤスミンからの返答は常に、冷たく透き通った無だったからだ。
「ありがとうございます、ユリアン。おかげで移動の効率が向上しましたわ」
「感謝いたします。おかげで執務の疲労が三割ほど軽減されました」
ヤスミンは、彼の献身を「便利な奉仕」としてしか受け取らない。彼を愛することもないが、拒絶することもない。ただ、そこにあるものとして淡々と処理していく。
ユリアンにとって、それはどんな罵倒よりも残酷な仕打ちだった。
(……ああ。ヤスミン、君はこんなにも孤独で虚しかったんだね)
かつて、彼女が自分に尽くし、冷たくあしらわれていた時の孤独。ユリアンは今、その一万倍の冷たさを、彼女の完璧な微笑みから受けていた。魔女が言った「愛されない苦しみにのた打ち回る」という言葉が、骨身に染みる。
ある雨の夜。ヤスミンが執務を終えて寝室に戻ると、そこには床に座り込み、彼女の帰りを待っていたユリアンの姿があった。
彼は、彼女が以前「可愛い」と言っていた、市井の小さな工芸品を手にしていた。
「ヤスミン……。これ、君が好きだっただろう? 職人を探して、作らせたんだ」
差し出された木彫りの小鳥。それはかつて、二人が幼い頃に市場で見かけ、ヤスミンが欲しそうに眺めていたものだった。
ヤスミンはその小鳥を手に取り、無機質に検分した。
「……造形は精巧ですわね。ですが、今の私には、この物品を置くためのスペースを確保するメリットが感じられません。ユリアン、貴方の時間はもっと――」
「言わないでくれ、ヤスミン! 効率とか、メリットとか、そんな言葉で片付けないでくれ!」
ユリアンは思わず、彼女の膝に顔を埋めた。
「……僕を見てくれ。ここにいる、君を愛して狂いそうな男を見てくれ。……一度でいい。義務の微笑みじゃない、本当の……本当の君を見せてくれ……っ」
ユリアンの肩が激しく震え、彼女のドレスに涙の染みが広がっていく。
ヤスミンは、その震える夫の頭を、そっと撫でた。
その手つきは優しかったが、瞳はどこまでも遠くを見つめている。
「……ユリアン。貴方は今、とても非効率なことをなさっています。私に期待しても、何も得られないと、魔女も仰ったでしょう?」
ヤスミンの言葉に、ユリアンは弾かれたように顔を上げた。
「……魔女? 君、魔女に会ったことを、覚えているのか……?」
「ええ。記憶は消去されておりませんわ。……私が愛を捨て、貴方を『ただの主人』として見る道を選んだ時の、あの森の冷たさ。……ユリアン、貴方が今していることは、あの時私が貴方にしていたことと同じ。……でも、私はもう、貴方に愛を返す装置が壊れてしまっているのです」
ヤスミンは、自らの胸に手を当てた。
「ここには、何もありません。氷が張った湖の底のように、静かで、平穏です。……貴方がどれほど熱を注いでも、この湖が溶けることはない。……それなのに、どうして貴方は、そんなに悲しそうな顔をするのですか?」
ヤスミンの問いは、純粋な疑問だった。
彼女にはもう、「悲しみ」という概念さえ、他人の物語のようにしか理解できないのだ。
ユリアンは、彼女の冷たい手を自分の頬に押し当てた。
「……溶けなくていい。ヤスミン、一生溶けなくても構わない。……君が僕を愛さなくても、僕は君を愛し続ける。君が僕を捨てても、僕は君の影として這いずり回る。……それが、僕が選んだ『自由』なんだ」
ユリアンの絶望的な告白に、ヤスミンはわずかに、本当にわずかに、眉を動かした。
それは、感情と呼ぶにはあまりに微かな、氷のひび割れのような反応だった。
「……左様ですか。……自由、ですか。貴方はどこまでも、身勝手な方ですわね、ユリアン」
ヤスミンはふっと、色のない溜息を吐いた。
「……疲れました。もう寝ましょう。……ユリアン、明日の朝は、私と一緒に庭の散歩に付き合ってくださる? 貴方が用意したあのバラが、どれほど効率的に咲いているか、確認したいのです」
「……ああ。喜んで、ヤスミン。……喜んで」
ユリアンは彼女の手を握りしめた。
それは、終わりのない地獄への招待状だったかもしれない。彼女の心はまだ、鉄よりも固く凍りついている。
けれど、ユリアンは初めて、彼女の言葉に「義務」ではない、微かな意志を感じたような気がした。
窓の外では、雨が雪へと変わっていた。
彼女の心にある永久凍土は、まだ、一ミリも溶けてはいない。
だが、その冷たい氷の上に、ユリアンという名の、熱すぎるほどの涙が、一滴ずつ、確実に刻まれていく。
それがいつか氷を穿つ日が来るのか、それともユリアンが先に凍死するのか。
その答えを知る者は、まだ、どこにもいなかった。
______________
エール📣いいね❤️お気に入り⭐️応援よろしくお願いします🙇♀️
かつて傲慢不遜で、婚約者の愛を当然のように踏みにじっていた若き公爵は、今や一人の女性――妻であるヤスミン――の影のように、その背後に控える存在となっていた。
「ヤスミン、今日のドレスと宝飾品は、これらでいいかい?」
朝、ヤスミンの私室の扉を叩くのは、侍女ではなく夫であるユリアン自身だった。彼は膝をつき、ヤスミンの足元を整え、彼女が外出するための準備を、まるで忠実な従僕のように完璧にこなしていく。
「ユリアン様。そのような瑣末な仕事は、使用人に任せればよろしいのに。貴方の時間はもっと、国政や領地運営に充てられるべきですわ」
ヤスミンは鏡越しに夫を見つめ、抑揚のない声で告げる。
かつて、彼女がユリアンのために尽くそうとして、「重い」と一蹴された日々。その構図が、今、完全に逆転していた。
「……いいんだ、ヤスミン。僕がやりたいんだ。君の髪を整え、君の足元を飾る。それが今の僕にとって、何よりも優先すべき大切なことなんだよ」
ユリアンは微笑む。だが、その微笑みはかつての勝ち誇ったようなものではなく、どこか切なげで、縋るような色を帯びていた。
その日から、ユリアンの「苦行」が始まった。
彼はヤスミンが好むと言っていた――あるいは、かつて好んでいた――ものをすべて調べ上げ、彼女の日常を彩ろうと躍起になった。
彼女の執務室には、常に彼女の体調に合わせたハーブティーが用意され、彼女が少しでも疲れを見せれば、ユリアンはすぐさま駆け寄り、その細い肩を揉みほぐした。
夜会に出席すれば、彼は他のどんな高貴な令嬢にも目もくれず、ただヤスミンの傍らに立ち、彼女の飲み物が空になれば注ぎ、彼女が歩く道に汚れがあれば、自らの外套を敷かんばかりの勢いでエスコートした。
「見て、ゲットー公爵。まるで忠犬のようですわ」
「あんなに浮名を流していた方が、あんなにも夫人に心酔するなんて……。一体、何があったのかしら」
周囲の嘲笑や囁きが聞こえてこないはずはない。だが、ユリアンにはそんなことはどうでもよかった。
彼がどれほど尽くそうと、どれほど情熱的な瞳で見つめようと、ヤスミンからの返答は常に、冷たく透き通った無だったからだ。
「ありがとうございます、ユリアン。おかげで移動の効率が向上しましたわ」
「感謝いたします。おかげで執務の疲労が三割ほど軽減されました」
ヤスミンは、彼の献身を「便利な奉仕」としてしか受け取らない。彼を愛することもないが、拒絶することもない。ただ、そこにあるものとして淡々と処理していく。
ユリアンにとって、それはどんな罵倒よりも残酷な仕打ちだった。
(……ああ。ヤスミン、君はこんなにも孤独で虚しかったんだね)
かつて、彼女が自分に尽くし、冷たくあしらわれていた時の孤独。ユリアンは今、その一万倍の冷たさを、彼女の完璧な微笑みから受けていた。魔女が言った「愛されない苦しみにのた打ち回る」という言葉が、骨身に染みる。
ある雨の夜。ヤスミンが執務を終えて寝室に戻ると、そこには床に座り込み、彼女の帰りを待っていたユリアンの姿があった。
彼は、彼女が以前「可愛い」と言っていた、市井の小さな工芸品を手にしていた。
「ヤスミン……。これ、君が好きだっただろう? 職人を探して、作らせたんだ」
差し出された木彫りの小鳥。それはかつて、二人が幼い頃に市場で見かけ、ヤスミンが欲しそうに眺めていたものだった。
ヤスミンはその小鳥を手に取り、無機質に検分した。
「……造形は精巧ですわね。ですが、今の私には、この物品を置くためのスペースを確保するメリットが感じられません。ユリアン、貴方の時間はもっと――」
「言わないでくれ、ヤスミン! 効率とか、メリットとか、そんな言葉で片付けないでくれ!」
ユリアンは思わず、彼女の膝に顔を埋めた。
「……僕を見てくれ。ここにいる、君を愛して狂いそうな男を見てくれ。……一度でいい。義務の微笑みじゃない、本当の……本当の君を見せてくれ……っ」
ユリアンの肩が激しく震え、彼女のドレスに涙の染みが広がっていく。
ヤスミンは、その震える夫の頭を、そっと撫でた。
その手つきは優しかったが、瞳はどこまでも遠くを見つめている。
「……ユリアン。貴方は今、とても非効率なことをなさっています。私に期待しても、何も得られないと、魔女も仰ったでしょう?」
ヤスミンの言葉に、ユリアンは弾かれたように顔を上げた。
「……魔女? 君、魔女に会ったことを、覚えているのか……?」
「ええ。記憶は消去されておりませんわ。……私が愛を捨て、貴方を『ただの主人』として見る道を選んだ時の、あの森の冷たさ。……ユリアン、貴方が今していることは、あの時私が貴方にしていたことと同じ。……でも、私はもう、貴方に愛を返す装置が壊れてしまっているのです」
ヤスミンは、自らの胸に手を当てた。
「ここには、何もありません。氷が張った湖の底のように、静かで、平穏です。……貴方がどれほど熱を注いでも、この湖が溶けることはない。……それなのに、どうして貴方は、そんなに悲しそうな顔をするのですか?」
ヤスミンの問いは、純粋な疑問だった。
彼女にはもう、「悲しみ」という概念さえ、他人の物語のようにしか理解できないのだ。
ユリアンは、彼女の冷たい手を自分の頬に押し当てた。
「……溶けなくていい。ヤスミン、一生溶けなくても構わない。……君が僕を愛さなくても、僕は君を愛し続ける。君が僕を捨てても、僕は君の影として這いずり回る。……それが、僕が選んだ『自由』なんだ」
ユリアンの絶望的な告白に、ヤスミンはわずかに、本当にわずかに、眉を動かした。
それは、感情と呼ぶにはあまりに微かな、氷のひび割れのような反応だった。
「……左様ですか。……自由、ですか。貴方はどこまでも、身勝手な方ですわね、ユリアン」
ヤスミンはふっと、色のない溜息を吐いた。
「……疲れました。もう寝ましょう。……ユリアン、明日の朝は、私と一緒に庭の散歩に付き合ってくださる? 貴方が用意したあのバラが、どれほど効率的に咲いているか、確認したいのです」
「……ああ。喜んで、ヤスミン。……喜んで」
ユリアンは彼女の手を握りしめた。
それは、終わりのない地獄への招待状だったかもしれない。彼女の心はまだ、鉄よりも固く凍りついている。
けれど、ユリアンは初めて、彼女の言葉に「義務」ではない、微かな意志を感じたような気がした。
窓の外では、雨が雪へと変わっていた。
彼女の心にある永久凍土は、まだ、一ミリも溶けてはいない。
だが、その冷たい氷の上に、ユリアンという名の、熱すぎるほどの涙が、一滴ずつ、確実に刻まれていく。
それがいつか氷を穿つ日が来るのか、それともユリアンが先に凍死するのか。
その答えを知る者は、まだ、どこにもいなかった。
______________
エール📣いいね❤️お気に入り⭐️応援よろしくお願いします🙇♀️
2,044
あなたにおすすめの小説
あなたへの恋心を消し去りました
鍋
恋愛
私には両親に決められた素敵な婚約者がいる。
私は彼のことが大好き。少し顔を見るだけで幸せな気持ちになる。
だけど、彼には私の気持ちが重いみたい。
今、彼には憧れの人がいる。その人は大人びた雰囲気をもつ二つ上の先輩。
彼は心は自由でいたい言っていた。
その女性と話す時、私には見せない楽しそうな笑顔を向ける貴方を見て、胸が張り裂けそうになる。
友人たちは言う。お互いに干渉しない割り切った夫婦のほうが気が楽だって……。
だから私は彼が自由になれるように、魔女にこの激しい気持ちを封印してもらったの。
※このお話はハッピーエンドではありません。
※短いお話でサクサクと進めたいと思います。
嫌いなところが多すぎるなら婚約を破棄しましょう
天宮有
恋愛
伯爵令嬢の私ミリスは、婚約者ジノザに蔑まれていた。
侯爵令息のジノザは学園で「嫌いなところが多すぎる」と私を見下してくる。
そして「婚約を破棄したい」と言ったから、私は賛同することにした。
どうやらジノザは公爵令嬢と婚約して、貶めた私を愛人にするつもりでいたらしい。
そのために学園での評判を下げてきたようだけど、私はマルク王子と婚約が決まる。
楽しい日々を過ごしていると、ジノザは「婚約破棄を後悔している」と言い出した。
【完結】氷の令嬢は愛を請わない - 捨て子の『義妹』に愛も家族も奪われたマリーローズの逆襲
恋せよ恋
恋愛
銀髪紫眼の美貌の侯爵令嬢、マリーローズ。
完璧な淑女に育った彼女だったが、母は捨て子ジュリエットを寵愛。
婚約者の公爵家嫡男アレックスも、友人も、次々に奪われる――。
家族に裏切られ、すべてを失った彼女が下した決断は、
家族を見かぎり、国を捨て、自らの人生を取り戻すこと。
理不尽な悲恋を力に変え、運命をひっくり返す令嬢の逆転劇!
🔶登場人物・設定は筆者の創作によるものです。
🔶不快に感じられる表現がありましたらお詫び申し上げます。
🔶誤字脱字・文の調整は、投稿後にも随時行います。
🔶今後もこの世界観で物語を続けてまいります。
🔶 『エール📣』『いいね❤️』励みになります!
〈完結〉【書籍化&コミカライズ・取り下げ予定】記憶を失ったらあなたへの恋心も消えました。
ごろごろみかん。
恋愛
婚約者には、何よりも大切にしている義妹がいる、らしい。
ある日、私は階段から転がり落ち、目が覚めた時には全てを忘れていた。
対面した婚約者は、
「お前がどうしても、というからこの婚約を結んだ。そんなことも覚えていないのか」
……とても偉そう。日記を見るに、以前の私は彼を慕っていたらしいけれど。
「階段から転げ落ちた衝撃であなたへの恋心もなくなったみたいです。ですから婚約は解消していただいて構いません。今まで無理を言って申し訳ありませんでした」
今の私はあなたを愛していません。
気弱令嬢(だった)シャーロットの逆襲が始まる。
☆タイトルコロコロ変えてすみません、これで決定、のはず。
☆商業化が決定したため取り下げ予定です(完結まで更新します)
妹を選んで婚約破棄した婚約者は、平民になる現実を理解していなかったようです
藤原遊
恋愛
跡継ぎとして育てられた私には、将来を約束された婚約者がいた。
――けれど彼は、私ではなく「妹」を選んだ。
妹は父の愛人の子。
身分も立場も分かったうえでの選択だと思っていたのに、
彼はどうやら、何も理解していなかったらしい。
婚約を破棄し、妹と結ばれた彼は、
当然のように貴族の立場を失い、平民として生きることになる。
一方で、妹は覚悟を決めて現実に向き合っていく。
だが彼だけが、最後まで「元に戻れる」と信じ続けていた。
これは、誰かが罰した物語ではない。
ただ、選んだ道の先にあった現実の話。
覚悟のなかった婚約者が、
自分の選択と向き合うまでを描いた、静かなざまぁ物語。
婚約を奪った義妹は王太子妃になりましたが、王子が廃嫡され“廃嫡王子の妻”になりました
鷹 綾
恋愛
「お姉様には、こちらの方がお似合いですわ」
そう言って私の婚約者を奪ったのは、可憐で愛らしい義妹でした。
王子に見初められ、王太子妃となり、誰もが彼女の勝利を疑わなかった――あの日までは。
私は“代わり”の婚約者を押し付けられ、笑いものにされ、社交界の端に追いやられました。
けれど、選ばれなかったことは、終わりではありませんでした。
華やかな王宮。
厳しい王妃許育。
揺らぐ王家の威信。
そして――王子の重大な過ち。
王太子の座は失われ、運命は静かに反転していく。
離縁を望んでも叶わない義妹。
肩書きを失ってなお歩き直す王子。
そして、奪われたはずの私が最後に選び取った人生。
ざまあは、怒鳴り声ではなく、選択の積み重ねで訪れる。
婚約を奪われた姉が、静かに価値を積み上げていく王宮逆転劇。
〈完結〉【書籍化&コミカライズ・取り下げ予定】毒を飲めと言われたので飲みました。
ごろごろみかん。
恋愛
王妃シャリゼは、稀代の毒婦、と呼ばれている。
国中から批判された嫌われ者の王妃が、やっと処刑された。
悪は倒れ、国には平和が戻る……はずだった。
幼馴染が夫を奪った後に時間が戻ったので、婚約を破棄します
天宮有
恋愛
バハムス王子の婚約者になった私ルーミエは、様々な問題を魔法で解決していた。
結婚式で起きた問題を解決した際に、私は全ての魔力を失ってしまう。
中断していた結婚式が再開すると「魔力のない者とは関わりたくない」とバハムスが言い出す。
そしてバハムスは、幼馴染のメリタを妻にしていた。
これはメリタの計画で、私からバハムスを奪うことに成功する。
私は城から追い出されると、今まで力になってくれた魔法使いのジトアがやって来る。
ずっと好きだったと告白されて、私のために時間を戻す魔法を編み出したようだ。
ジトアの魔法により時間を戻すことに成功して、私がバハムスの妻になってない時だった。
幼馴染と婚約者の本心を知ったから、私は婚約を破棄します。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる