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心を凍らせた、その先
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氷の魔女はしばらく、無言でヤスミンを見つめていた。その青い瞳に、わずかな憐憫がよぎったようにも見えたが、彼女は何も言わずに小瓶を差し出した。
「お前の望みを叶えよう。だが、一度飲めば二度と戻れない。この世に、凍りついた心を溶かす術は存在しない。……覚悟はいいかい?」
ヤスミンは、震える手で小瓶を受け取った。瓶は驚くほど冷たく、手のひらの皮が張り付くようだった。
瓶の栓を抜く。かすかに、冬の夜の星空のような、冷徹で清浄な香りがした。
( さようなら。ユリアン様を愛して、泣いていた私 )
ヤスミンは目を閉じ、一気にその液体をあおった。
――瞬間。燃えるような熱さが喉を通り、次の瞬間、心臓が凍りつくような衝撃が全身を駆け巡った。ドクン、と大きく一度だけ心臓が跳ね、そして。すべての音が消えた。
視界が白く染まり、思考が急速に冷却されていく。
あれほど激しく胸を灼いていたユリアンへの愛情も、引き裂かれるような嫉妬も、身の奥で蠢いていた粘つく独占欲も――
それらは一斉に音を立てて結晶化し、脆く砕け散った。そして最後に残されたのは、感情の痕跡すら持たない、静謐な「無」だった。
「……あ」
ヤスミンが目を開けた時、そこにはもう、涙も苦悶もなかった。
彼女の瞳は、魔女のそれと同じ、深い氷の海のような色に変わっていた。
「……体の具合はいかがかな、人の子よ」
魔女の問いに、ヤスミンは静かに立ち上がった。その動作は、以前の彼女よりもずっと優雅で、無駄がなかった。
「……とても、穏やかですわ」
ヤスミンの声に、感情の揺らぎは一切なかった。
あんなにも愛していたユリアンの名を、今の彼女は驚くほど淡々と思い出せた。彼は「婚約者」という肩書きを持つだけの存在となり、その不誠実さも、感情ではなく「効率の悪い選択」として処理された。
「ありがとうございました。これで私は、彼に相応しい『公爵夫人』になれそうです」
ヤスミンは、完璧な、けれど血の通わない微笑みを浮かべた。
魔女はその姿を見て、悲しそうに、あるいは満足そうに鼻を鳴らした。
「……行きなさい。お前の、終わりのない長い冬の始まりだ」
ヤスミンは深々と一礼し、氷の館を後にした。
外に出ると、相変わらず激しい吹雪が吹き荒れていた。
けれど、ヤスミンはもう、寒さを感じることはなかった。彼女の心は、すでにこの森よりも深く、冷たく、凍りついていたからだ。
――馬のいななきが、白い闇の向こうから聞こえた。
氷湖のほとり、そびえ立つ針葉樹の間を感覚のなくなった足を引きずるようにして進んだ先、雪を被った木立の陰に、一台の馬車が止まっている。幌の下から顔を出したのは、数刻ほど前に別れたはずの老齢の御者だった。
「……無事に戻ってきたか」
彼は安堵と叱責の入り混じった声で言い、震える手で手綱を握り直す。
「こんな吹雪の中だ。令嬢一人で戻ってくるとは思えなかった。金貨も……あれが最後だったのだろう?」
以前のヤスミンなら、胸の奥から熱いものが込み上げただろう。見ず知らずの老爺が、自分を案じ、危険を承知で待っていてくれた――その事実だけで、涙とともに感謝の言葉が溢れたはずだ。
けれど今、彼女の心は、何も応えなかった。
ヤスミンは、完璧な角度で微笑む。社交の場で何度も練習した、非の打ちどころのない令嬢の微笑みだった。
「ご心配をおかけしました。お待ちくださり、ありがとうございます」
声音も、礼の仕草も、寸分違わない。けれど、その言葉に感謝という感情は湧かず、老御者の善意は、ただ「理解すべき出来事」として処理された。
御者は一瞬、戸惑ったように彼女を見つめ、やがて小さく息を吐いた。
「……さあ、お乗り下さい。街まで送り届ける。それが、わしの役目だ」
「ええ」
ヤスミンは従順にうなずき、差し出された手を取る。
その指先には、温もりがあった。――だが、それが「温かい」と認識されることは、もうなかった。
馬車の扉が閉まり、再び吹雪の中を走り出す。その揺れの中で、ヤスミンは静かに思う。
自分は今、誰かの善意に包まれている。それを、理解はできる。けれど――感じることだけが、できなかった。
五日ぶりに戻ったファーブル侯爵邸は、雪に包まれながらも、いつもと変わらぬ威厳を保ってそこに佇んでいた。
見慣れたはずの屋敷。
けれどヤスミンには、それがまるで絵画の中の風景のように、どこか遠く感じられる。
「お嬢様……!」
「ヤスミン!」
門が開くなり、使用人たちが駆け寄ってくる。玄関では、父と母が待っていた。
母は目を赤く腫らし、父はいつになく険しい顔で――けれど彼女の姿を見た瞬間、力が抜けたように息を吐いた。
「無事で……よかった……本当に……」
その声は、震えていた。
ああ、とヤスミンは思う。心配を、かけてしまったのだ。
だから……。令嬢として、娘として、完璧でいなければ。
胸にそう命じた瞬間、顔の筋肉が正確に動く。これまで鏡の前で何百回と練習したとおりに。
唇を三分だけ上げ、瞳をやわらかく細め、呼吸を整える。
「ご心配をおかけして申し訳ありません、お父様、お母様。少し一人になって考えたかっただけですわ。もう大丈夫です」
非の打ち所のない微笑み。角度も、声色も、礼の深さも、すべてが模範解答。
――幼い頃から叩き込まれてきた、“ファーブル侯爵令嬢ヤスミン”という完成形だった。
まるで社交界の舞台に立つときのような、完璧な令嬢の仮面。
母はほっとしたように彼女を抱きしめ、父は何度もうなずいた。
「……ああ、よかった」
「本当に……無事で……」
二人の腕の中は温かいはずなのに、ヤスミンの胸は少しも熱を持たなかった。
(ああ……これが、“安心”なのね)
理解だけが、頭の中を滑っていく。けれど、『嬉しい』という感情が、どこにもない。まるで厚い氷越しに、他人の人生を眺めているようだった。
――そのとき。「お嬢様っ……!」
涙声がして、振り向くと専属侍女のリリアだった。
幼い頃からずっとそばにいてくれた、家族同然の少女は、ポロポロと涙をこぼしながら、必死に頭を下げる。
「よ、よかった……本当に……っ、もうお戻りにならないかと……わたくし、毎晩……!」
「リリア」
名を呼ぶと、びくりと肩を震わせて顔を上げる。その瞳は真っ赤だった。
自分のために泣いてくれたのだ、と分かる。胸が締めつけられる――はずだった。
「心配をかけたわね」
ヤスミンはそっと、ハンカチで彼女の涙を拭った。
「もう大丈夫よ。あなたがそんな顔をしていては、わたくしが困ってしまうわ」
「お嬢様……っ」
リリアは子どものように泣きながら、彼女の手を握った。ぎゅっと、すがるように。
その手は、とても温かい。
昔なら、その温もりだけで泣いてしまえたのに。
今は――
(……あたたかい、のね)
そう、“知識”として理解するだけ。心は、何も動かない。
まるで凍った湖面の下で、感情がすべて閉じ込められているみたいに。
叩いても、叫んでも、決して水面には浮かんでこない。
それでもヤスミンは、完璧な笑みを崩さなかった。
「ただいま、リリア」
やわらかな声。慈愛に満ちた令嬢の声。
――なのに。その瞳だけが、どこまでも静かで。冬空よりも、深く、冷たく澄んでいた。
____________
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📢完結🌹【氷の令嬢は愛を請わない - 捨て子の『義妹』に愛も家族も奪われたマリーローズの逆襲】
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ヤスミンは、震える手で小瓶を受け取った。瓶は驚くほど冷たく、手のひらの皮が張り付くようだった。
瓶の栓を抜く。かすかに、冬の夜の星空のような、冷徹で清浄な香りがした。
( さようなら。ユリアン様を愛して、泣いていた私 )
ヤスミンは目を閉じ、一気にその液体をあおった。
――瞬間。燃えるような熱さが喉を通り、次の瞬間、心臓が凍りつくような衝撃が全身を駆け巡った。ドクン、と大きく一度だけ心臓が跳ね、そして。すべての音が消えた。
視界が白く染まり、思考が急速に冷却されていく。
あれほど激しく胸を灼いていたユリアンへの愛情も、引き裂かれるような嫉妬も、身の奥で蠢いていた粘つく独占欲も――
それらは一斉に音を立てて結晶化し、脆く砕け散った。そして最後に残されたのは、感情の痕跡すら持たない、静謐な「無」だった。
「……あ」
ヤスミンが目を開けた時、そこにはもう、涙も苦悶もなかった。
彼女の瞳は、魔女のそれと同じ、深い氷の海のような色に変わっていた。
「……体の具合はいかがかな、人の子よ」
魔女の問いに、ヤスミンは静かに立ち上がった。その動作は、以前の彼女よりもずっと優雅で、無駄がなかった。
「……とても、穏やかですわ」
ヤスミンの声に、感情の揺らぎは一切なかった。
あんなにも愛していたユリアンの名を、今の彼女は驚くほど淡々と思い出せた。彼は「婚約者」という肩書きを持つだけの存在となり、その不誠実さも、感情ではなく「効率の悪い選択」として処理された。
「ありがとうございました。これで私は、彼に相応しい『公爵夫人』になれそうです」
ヤスミンは、完璧な、けれど血の通わない微笑みを浮かべた。
魔女はその姿を見て、悲しそうに、あるいは満足そうに鼻を鳴らした。
「……行きなさい。お前の、終わりのない長い冬の始まりだ」
ヤスミンは深々と一礼し、氷の館を後にした。
外に出ると、相変わらず激しい吹雪が吹き荒れていた。
けれど、ヤスミンはもう、寒さを感じることはなかった。彼女の心は、すでにこの森よりも深く、冷たく、凍りついていたからだ。
――馬のいななきが、白い闇の向こうから聞こえた。
氷湖のほとり、そびえ立つ針葉樹の間を感覚のなくなった足を引きずるようにして進んだ先、雪を被った木立の陰に、一台の馬車が止まっている。幌の下から顔を出したのは、数刻ほど前に別れたはずの老齢の御者だった。
「……無事に戻ってきたか」
彼は安堵と叱責の入り混じった声で言い、震える手で手綱を握り直す。
「こんな吹雪の中だ。令嬢一人で戻ってくるとは思えなかった。金貨も……あれが最後だったのだろう?」
以前のヤスミンなら、胸の奥から熱いものが込み上げただろう。見ず知らずの老爺が、自分を案じ、危険を承知で待っていてくれた――その事実だけで、涙とともに感謝の言葉が溢れたはずだ。
けれど今、彼女の心は、何も応えなかった。
ヤスミンは、完璧な角度で微笑む。社交の場で何度も練習した、非の打ちどころのない令嬢の微笑みだった。
「ご心配をおかけしました。お待ちくださり、ありがとうございます」
声音も、礼の仕草も、寸分違わない。けれど、その言葉に感謝という感情は湧かず、老御者の善意は、ただ「理解すべき出来事」として処理された。
御者は一瞬、戸惑ったように彼女を見つめ、やがて小さく息を吐いた。
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「ええ」
ヤスミンは従順にうなずき、差し出された手を取る。
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けれどヤスミンには、それがまるで絵画の中の風景のように、どこか遠く感じられる。
「お嬢様……!」
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ああ、とヤスミンは思う。心配を、かけてしまったのだ。
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今は――
(……あたたかい、のね)
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まるで凍った湖面の下で、感情がすべて閉じ込められているみたいに。
叩いても、叫んでも、決して水面には浮かんでこない。
それでもヤスミンは、完璧な笑みを崩さなかった。
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