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白い悪魔(女医王女)の来航
「……眠り病、ですか?」
自由を奪われた朝食会から数日。私は半ば軟禁状態に近い形で、王宮の図書室に呼び出されていた。目の前には、執務机に山積みの書類を鮮やかな手つきで捌いているアルバート殿下がいる。彼は顔を上げず、ペンを走らせたまま短く答えた。
「ああ。王都の西側、下町を中心に広がっている。熱が出るわけでも、痛みがあるわけでもない。ただ、一度深い眠りに落ちると、三日三晩目を覚まさない。今のところ死者は出ていないが、働き手が次々と倒れて経済が停滞し始めているんだ」
アルバート殿下の声は冷静だが、その瞳には微かな疲労の色が見えた。完璧超人の彼がこれほどまでに根を詰めるのは珍しい。
私は、持参した……といっても、父に持たされた 差し入れのハーブティーを机の端に置いた。
「我が国の医師会では、原因が特定できないのですか?」
「……恥ずかしながらね。魔力枯渇症に似ているが、魔力を持たない平民まで罹患している。打つ手がない状況だよ」
私は心の中で、不謹慎にも少しだけ期待してしまった。
この「眠り病」が解決しない限り、私との婚約の儀式どころではないはずだ。不謹慎極まりないが、このまま事態が長期化すれば、どさくさに紛れてまた逃げ出せるかもしれない。
だが、私の淡い期待は、アルバート殿下が次に発した言葉によって、予想もしない方向へと爆発することになった。
「そこで、隣国のレディウス王国に支援を要請した。あそこは『医学の聖地』と呼ばれるほど医療技術が進んでいる。……今日、あちらの医療団が到着する予定だ。団長を務めるのは、第二王女のカサンドラ殿下だ」
レディウス王国、第二王女、カサンドラ。
その名前を聞いた瞬間、私の脳内に、かつて学園の社交界で耳にした噂が駆け巡った。
カサンドラ王女。弱冠二十歳にして医学博士の学位を持ち、自ら執刀も行うという異色の「女医王女」。そして何より、その美貌は「氷の華」と称えられるほどのクールビューティーで、かつて我が国の王太子――つまりアルバート殿下との縁談を、自らの研究を優先するために袖にしたという武勇伝の持ち主だ。
(……ちょっと待って!これって、もしかして……!もしかするかも!)
私の胸が、期待で高鳴り始めた。
カサンドラ王女は超現実主義者だ。そして、レディウス王国はこの「眠り病」の特効薬、あるいは治療法を既に確立している可能性がある。彼らが無償で助けに来るはずがない。
医療支援と引き換えに要求されるもの。それは、強固な軍事同盟か、あるいは――。
「カサンドラ王女殿下は、今回の支援の条件として、僕との『再度の縁談』を求めてきている」
アルバート様が、苦々しげに、しかし隠しきれない独占欲を瞳に宿して私を見た。
(キターーーーー!! 神! 天啓が舞い降りたわ!!)
私は心の中で、全力のガッツポーズを決めた。
神様、女神エレニア様! 昨日のトゲ千本の呪い、取り消します! 代わりにカサンドラ王女に最高の加護を与えてください!
彼女なら、アルバート様と同じ「完璧超人」のカテゴリーに属する存在。スペック的にも、性格のキツさ的にも、彼と渡り合えるのは彼女しかいない。
「……そうですか。それは、王国にとって非常に喜ばしいことですわね」
私は、必死に「婚約者を奪われそうで不安な令嬢」の顔を作り、声を震わせた。……実際には嬉しすぎて震えているのだが。
「アリステア、なぜ笑っているんだい?」
「……えっ? 笑ってなどいませんわ。ショックのあまり、顔の筋肉が引きつっているだけです」
「ふうん。目が『王太子に のしをつけて差し上げます』って語っているように見えるけれど?」
この男の観察眼、本当に呪いたい。
その日の午後。王宮の正面広場には、レディウス王国の紋章が刻まれた白銀の馬車が到着した。
現れたのは、真っ白なタイトなドレスに、同色の白衣のようなケープを羽織った女性だった。燃えるような赤髪をきっちりと結い上げ、知性的な銀縁の眼鏡の奥で、鋭い琥珀色の瞳が輝いている。
彼女こそが、「白い悪魔」――もとい、女医王女カサンドラ。
「お久しぶりですね、アルバート殿下。五年前よりは、少しは『使える男』になられたのかしら?」
( 第一声がそれ!? 最高! もっと言って!)
カサンドラ王女は、出迎えたアルバート様の手を形式的に取ると、すぐにその視線を、彼の隣に…… 無理やり立たされている私へと向けた。
「……あなたが、噂の『公爵家の お飾り令嬢』ね。アリステア・シルヴァン嬢」
ひょえー! 初対面で「お飾り令嬢」! マウントの取り方がプロ級だわ!
「殿下、あのような知性の欠片もなさそうな……失礼、医学的知識の皆無な女性を隣に置くのは、国益を損なうとは思われませんこと? 私は、この国の眠り病を三日で根絶してみせます。その対価として、あなたの隣の席を……いいえ、あなたの『未来を独占する権利』を買い取らせていただくわ。王太子殿下、あなたの呼吸一つまで私と共にあることを、契約として結ばせてちょうだい」」
( 未来を独占する権利! 言った……! この魔王に向かって、真っ向から『お前は私の所有物だ』って宣言したわよ、この王女様! 最高! 最高すぎるわカサンドラ様! ぜひ今すぐその契約書に血判を押させてちょうだい。私の分も予備の印鑑を貸してあげるから!!)
私は、感動のあまり涙がこぼれそうになるのを堪え、しおらしく首を垂れた。
「……カサンドラ様、仰る通りですわ。私のような無知な令嬢には、殿下を支えるなど分不相応。どうか、この哀れな私から殿下を解放……いえ、奪い去って…… いえ、導いてくださらないかしら」
(……「知識の欠片もなさそうな令嬢」! 最高……最高だわカサンドラ様! もっと、もっと私の市場価値を地の底まで叩き落としてちょうだい! そうすれば、この腹黒魔王も私をゴミ捨て場に放り出す決心をしてくれるはず!)
私の言葉に、カサンドラ王女は満足げに口角を上げた。
一方で、私の腰を抱いているアルバート殿下の指先が、みしりと音を立てて食い込む。痛い!でも、心は最高に晴れやかだ。
(神様、エレニア様! 本当に天啓がやってきたわ! 彼女ならアルバート殿下を黙らせ、研究室という名の檻に閉じ込めてくれるはず!)
「……アリステア、後でたっぷりお仕置きが必要なようだね」
アルバート殿下が、カサンドラ王女には見えない角度で、私の耳元に極寒の囁きを落とした。
だが、今の私には怖くない!
だって、目の前には最強の「返品不可・即決希望」の買い手候補がいるのだから!
こうして、王宮は「眠り病」という国難と、さらに厄介な「最強女医vs腹黒王太子」の婚約争奪戦……私にとっては押し付け合いの舞台と化した。
私は心の中で、カサンドラ王女に向かって全力でペンライトを振った。
頑張れ王女様! 今ならもれなく、やり手の宰相(父)と、さらに腹黒な宰相補佐(兄)もセットでお付けしますから!! 返品不可でお願いします!
__________
エール📣いいね❤️お気に入り⭐️応援よろしくお願いします🙇♀️
自由を奪われた朝食会から数日。私は半ば軟禁状態に近い形で、王宮の図書室に呼び出されていた。目の前には、執務机に山積みの書類を鮮やかな手つきで捌いているアルバート殿下がいる。彼は顔を上げず、ペンを走らせたまま短く答えた。
「ああ。王都の西側、下町を中心に広がっている。熱が出るわけでも、痛みがあるわけでもない。ただ、一度深い眠りに落ちると、三日三晩目を覚まさない。今のところ死者は出ていないが、働き手が次々と倒れて経済が停滞し始めているんだ」
アルバート殿下の声は冷静だが、その瞳には微かな疲労の色が見えた。完璧超人の彼がこれほどまでに根を詰めるのは珍しい。
私は、持参した……といっても、父に持たされた 差し入れのハーブティーを机の端に置いた。
「我が国の医師会では、原因が特定できないのですか?」
「……恥ずかしながらね。魔力枯渇症に似ているが、魔力を持たない平民まで罹患している。打つ手がない状況だよ」
私は心の中で、不謹慎にも少しだけ期待してしまった。
この「眠り病」が解決しない限り、私との婚約の儀式どころではないはずだ。不謹慎極まりないが、このまま事態が長期化すれば、どさくさに紛れてまた逃げ出せるかもしれない。
だが、私の淡い期待は、アルバート殿下が次に発した言葉によって、予想もしない方向へと爆発することになった。
「そこで、隣国のレディウス王国に支援を要請した。あそこは『医学の聖地』と呼ばれるほど医療技術が進んでいる。……今日、あちらの医療団が到着する予定だ。団長を務めるのは、第二王女のカサンドラ殿下だ」
レディウス王国、第二王女、カサンドラ。
その名前を聞いた瞬間、私の脳内に、かつて学園の社交界で耳にした噂が駆け巡った。
カサンドラ王女。弱冠二十歳にして医学博士の学位を持ち、自ら執刀も行うという異色の「女医王女」。そして何より、その美貌は「氷の華」と称えられるほどのクールビューティーで、かつて我が国の王太子――つまりアルバート殿下との縁談を、自らの研究を優先するために袖にしたという武勇伝の持ち主だ。
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カサンドラ王女は超現実主義者だ。そして、レディウス王国はこの「眠り病」の特効薬、あるいは治療法を既に確立している可能性がある。彼らが無償で助けに来るはずがない。
医療支援と引き換えに要求されるもの。それは、強固な軍事同盟か、あるいは――。
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「……そうですか。それは、王国にとって非常に喜ばしいことですわね」
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「……えっ? 笑ってなどいませんわ。ショックのあまり、顔の筋肉が引きつっているだけです」
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