12 / 19
視線だけで妊娠すると噂の男、沈む
しおりを挟む
「おい、お前、見たか!? 王妃殿下付き補佐官どのの“大変身”!すっげぇ美人だぞ! あれは王宮でも五本の指に入る別嬪だ!」
「え!? まだ会ってないけど……そんなに変わるものか?黒縁眼鏡を外したくらいじゃないのか?」
「とんでもねぇって! マジで大変身なんだよ!みんな目ぇひんむいて、『誰!?』ってざわついたんだから!」
今日の王宮の噂のトップは――「王妃殿下付き補佐官クラリッサの 大変身 」 である。
しかし当の本人は、ただ“本来の姿に戻しただけ”だった。
艶やかなブルネットの髪を、無理やりお団子に引っ詰めるのをやめただけ。
視力は抜群なのに我慢してかけていた黒縁の伊達眼鏡を外しただけ。
目元を覆うほど長かった前髪を、すっきり横に流しただけ。
――つまり、手間をやめただけで、圧倒的美人があらわになっただけである。
「おはようございます、マルグリット王妃殿下。今日も良いお天気ですね。」
クラリッサは“素顔”のまま、にこやかに朝の挨拶をしながら入室した。
「おはよう、クラリッサ。あら? やっと妙な変装をやめたのね。その方がずっと魅力的よ。わたしの可愛いクラリッサは。」
マルグリット王妃は、親友の娘に向けるとびきり柔らかな笑みを浮かべた。
クラリッサは少し照れたように微笑む。
その様子を見ていた侍従や女官たちは、ポカンと口を開け――
「えっ……誰!? クラリッサ補佐官!? 嘘だろ……!」
その小さなざわめきは、ものすごい速度で王宮中に広がっていった。
その噂に、ひとり大きく心を乱している男がいた。
――“視線だけで妊娠する”とまで言われる王宮一のモテ男、騎士団副団長ウィリアムである。
クラリッサとの婚約は今にも消え入りそう。
そのうえ、婚約者だった相手が「絶世の美人で、王妃殿下付き補佐官の才媛」という事実を突きつけられ、ウィリアムは動揺を隠せなかった。
「おいウィリアム、今朝の噂聞いたか? 王宮一のモテ男としては、血が騒ぐんじゃねえのか?」
騎士仲間のジャックが軽口を叩く。他の仲間たちも『おいおい、行ってこいよ!』と好き放題にからかってくる。
「……放っといてくれ。俺は今、傷心なんだ。」
ウィリアムの小さく沈んだ声に、仲間たちの笑いがピタッと止まった。
「ど、どうしたよ。あちこちに軽く声かけてるお前が、傷心って……」
仲間の困惑を背に、ウィリアムはゆっくりと顔を伏せた。彼が搾り出すように呟いた言葉に、周囲は思わず目を見張る。
「……俺の婚約者だったんだ。クラリッサ補佐官は。それにも気づかず……俺は……俺は大馬鹿者だ……」
両手で頭を抱え込むウィリアム。そこに、いつもの「モテ男」の影はどこにもなかった。
ただの――失恋した男がいた。
仲間たちは顔を見合わせ、どう声をかけていいのかわからず戸惑うばかりだった。そんな空気を払うように、ジャックがウィリアムの肩をガシッと抱き、わざと明るく叫んだ。
「よーし!今夜はウィリアムの“失恋祝い”だ!たまには俺たち“非モテ組”の気持ちを味わえっての!なあ、みんな!」
「お、おう……!」
「……慰めてるんだか、いじってるんだかわかんねぇぞ……!」
「ウィリアム、お前の奢りだからな!」
仲間たちは苦笑しながらも、いつもの調子を取り戻すように声をあげた。その不器用な気遣いに、ウィリアムは力なくも少しだけ笑みをこぼす。――仲間の存在が、沈んだ心をそっと支えてくれる。
その夜。第一騎士団の行きつけの酒場は、いつも以上に賑やかだった。
「ほらウィリアム、飲め飲め!今日はお前が主役だ!」
「副団長の失恋パーティとか、史上初なんじゃねぇか?」
「というか、女の方から振られたんだよな?歴史的事件だぞ!」
仲間たちの容赦ないツッコミに、ウィリアムは肩を落とした。
「……泣くぞ?」
「泣け泣け!今日は泣いていい日だ!」
「俺たちなんて、いつも泣いてるんだぞ!」
「おい!お前と一緒にすんな!」
酒が進むほど、普段はモテ男として隙を見せないウィリアムの、本来の情けなさや人間味がぽろぽろと溢れ出す。
「俺……本当に……クラリッサのこと、何も知らなかったんだ……婚約してたのに……昔の記憶すら曖昧で……」
珍しく弱音ばかりの彼を、仲間のひとりがぼそりと呟いた。
「お前、今まで“相手を知ろう”なんて考えたことなかったもんな……」
「心じゃなくて、顔だけ見てたしな……いや、身体か?」
「まあ、女の方も顔しか見てなかったけど」
「うるせえ!!言い返せねぇのが余計に辛いんだよ!!」
店内に笑いが弾けた。だが、誰もウィリアムを本気で馬鹿にしてはいない。今の彼が“本気で後悔している”と、みんな知っていたからだ。
飲み会の途中、ウィリアムはふっと真顔になった。
「……なあ、俺……どうしたらクラリッサに、胸を張れる男になれるんだろうな」
その言葉に、場がしん……と静まる。
いつもなら軽口で終わる彼が、初めて“誰かを想う男の顔”をしていたからだ。
ジャックが、静かに笑った。
「簡単だろ。今までみたいに、女を“使い捨て”にするのをやめりゃいい。
一人の女を、“ちゃんと知ろう”とすることから始めるんだ。」
「…………」
「お前が“使い捨て”にしてきた女にもな、そいつに“本気で惚れてた男”がいたはずだ。
……そいつらの気持ちが、今ならわかるか?」
「……申し訳なかった。」
「お前の悪いところは、一個だけだ。
“好かれて当たり前”だと思ってるとこ。」
「ぐっ……耳が痛い……!」
「痛がれ。そこが――お前のスタートラインなんだよ。」
ウィリアムはしばらく黙り込み、酒を口に運んだ。そしてぽつりと呟く。
「……俺、変わりたい。本気で……クラリッサにふさわしい男になりたい。」
その一言は小さかったが、仲間たちにはしっかり聞こえた。茶化すことも、笑うこともできなかった。
なぜなら――“モテ男ウィリアム”ではなく“ひとりの男”としての覚悟が、その顔に刻まれていたからだ。
その夜から、ウィリアムは変わった。
女の子からの軽い誘いを、彼は初めて断った。すれ違う侍女へ軽くウインクする――いつもの癖も、気づけば出なくなっていた。挨拶代わりの軽い褒め言葉や、気安い食事の誘い。そして、身体だけを求める甘い囁きに乗ることも……もうしなくなった。
仲間たちは驚いたり、からかったりしながらも、どこか誇らしそうにその背中を見ている。
そしてウィリアムは思う。
(……クラリッサ。本当に俺は、大馬鹿者だった。でも――今度こそ、本当に好きになったんだ)
女たらしのモテ男は、ゆっくりと“ただの真っ直ぐな男”へと変わり始めていた。
________________
エール📣・いいね❤️ 応援お願いします。
📢💥 新連載スタート! 💥📢
💔婚約破棄
🌙一夜の過ち(※人違い)
🧪媚薬事件
【婚約破棄された王宮女官-媚薬を盛られた冷酷公爵令息と人違いで一夜を過ごした結果、
言葉なき執着から逃げられなくなりました!】
📖切甘×執着×すれ違い
👉新連載、今すぐ公開中
保証付きハッピーエンド💐
「え!? まだ会ってないけど……そんなに変わるものか?黒縁眼鏡を外したくらいじゃないのか?」
「とんでもねぇって! マジで大変身なんだよ!みんな目ぇひんむいて、『誰!?』ってざわついたんだから!」
今日の王宮の噂のトップは――「王妃殿下付き補佐官クラリッサの 大変身 」 である。
しかし当の本人は、ただ“本来の姿に戻しただけ”だった。
艶やかなブルネットの髪を、無理やりお団子に引っ詰めるのをやめただけ。
視力は抜群なのに我慢してかけていた黒縁の伊達眼鏡を外しただけ。
目元を覆うほど長かった前髪を、すっきり横に流しただけ。
――つまり、手間をやめただけで、圧倒的美人があらわになっただけである。
「おはようございます、マルグリット王妃殿下。今日も良いお天気ですね。」
クラリッサは“素顔”のまま、にこやかに朝の挨拶をしながら入室した。
「おはよう、クラリッサ。あら? やっと妙な変装をやめたのね。その方がずっと魅力的よ。わたしの可愛いクラリッサは。」
マルグリット王妃は、親友の娘に向けるとびきり柔らかな笑みを浮かべた。
クラリッサは少し照れたように微笑む。
その様子を見ていた侍従や女官たちは、ポカンと口を開け――
「えっ……誰!? クラリッサ補佐官!? 嘘だろ……!」
その小さなざわめきは、ものすごい速度で王宮中に広がっていった。
その噂に、ひとり大きく心を乱している男がいた。
――“視線だけで妊娠する”とまで言われる王宮一のモテ男、騎士団副団長ウィリアムである。
クラリッサとの婚約は今にも消え入りそう。
そのうえ、婚約者だった相手が「絶世の美人で、王妃殿下付き補佐官の才媛」という事実を突きつけられ、ウィリアムは動揺を隠せなかった。
「おいウィリアム、今朝の噂聞いたか? 王宮一のモテ男としては、血が騒ぐんじゃねえのか?」
騎士仲間のジャックが軽口を叩く。他の仲間たちも『おいおい、行ってこいよ!』と好き放題にからかってくる。
「……放っといてくれ。俺は今、傷心なんだ。」
ウィリアムの小さく沈んだ声に、仲間たちの笑いがピタッと止まった。
「ど、どうしたよ。あちこちに軽く声かけてるお前が、傷心って……」
仲間の困惑を背に、ウィリアムはゆっくりと顔を伏せた。彼が搾り出すように呟いた言葉に、周囲は思わず目を見張る。
「……俺の婚約者だったんだ。クラリッサ補佐官は。それにも気づかず……俺は……俺は大馬鹿者だ……」
両手で頭を抱え込むウィリアム。そこに、いつもの「モテ男」の影はどこにもなかった。
ただの――失恋した男がいた。
仲間たちは顔を見合わせ、どう声をかけていいのかわからず戸惑うばかりだった。そんな空気を払うように、ジャックがウィリアムの肩をガシッと抱き、わざと明るく叫んだ。
「よーし!今夜はウィリアムの“失恋祝い”だ!たまには俺たち“非モテ組”の気持ちを味わえっての!なあ、みんな!」
「お、おう……!」
「……慰めてるんだか、いじってるんだかわかんねぇぞ……!」
「ウィリアム、お前の奢りだからな!」
仲間たちは苦笑しながらも、いつもの調子を取り戻すように声をあげた。その不器用な気遣いに、ウィリアムは力なくも少しだけ笑みをこぼす。――仲間の存在が、沈んだ心をそっと支えてくれる。
その夜。第一騎士団の行きつけの酒場は、いつも以上に賑やかだった。
「ほらウィリアム、飲め飲め!今日はお前が主役だ!」
「副団長の失恋パーティとか、史上初なんじゃねぇか?」
「というか、女の方から振られたんだよな?歴史的事件だぞ!」
仲間たちの容赦ないツッコミに、ウィリアムは肩を落とした。
「……泣くぞ?」
「泣け泣け!今日は泣いていい日だ!」
「俺たちなんて、いつも泣いてるんだぞ!」
「おい!お前と一緒にすんな!」
酒が進むほど、普段はモテ男として隙を見せないウィリアムの、本来の情けなさや人間味がぽろぽろと溢れ出す。
「俺……本当に……クラリッサのこと、何も知らなかったんだ……婚約してたのに……昔の記憶すら曖昧で……」
珍しく弱音ばかりの彼を、仲間のひとりがぼそりと呟いた。
「お前、今まで“相手を知ろう”なんて考えたことなかったもんな……」
「心じゃなくて、顔だけ見てたしな……いや、身体か?」
「まあ、女の方も顔しか見てなかったけど」
「うるせえ!!言い返せねぇのが余計に辛いんだよ!!」
店内に笑いが弾けた。だが、誰もウィリアムを本気で馬鹿にしてはいない。今の彼が“本気で後悔している”と、みんな知っていたからだ。
飲み会の途中、ウィリアムはふっと真顔になった。
「……なあ、俺……どうしたらクラリッサに、胸を張れる男になれるんだろうな」
その言葉に、場がしん……と静まる。
いつもなら軽口で終わる彼が、初めて“誰かを想う男の顔”をしていたからだ。
ジャックが、静かに笑った。
「簡単だろ。今までみたいに、女を“使い捨て”にするのをやめりゃいい。
一人の女を、“ちゃんと知ろう”とすることから始めるんだ。」
「…………」
「お前が“使い捨て”にしてきた女にもな、そいつに“本気で惚れてた男”がいたはずだ。
……そいつらの気持ちが、今ならわかるか?」
「……申し訳なかった。」
「お前の悪いところは、一個だけだ。
“好かれて当たり前”だと思ってるとこ。」
「ぐっ……耳が痛い……!」
「痛がれ。そこが――お前のスタートラインなんだよ。」
ウィリアムはしばらく黙り込み、酒を口に運んだ。そしてぽつりと呟く。
「……俺、変わりたい。本気で……クラリッサにふさわしい男になりたい。」
その一言は小さかったが、仲間たちにはしっかり聞こえた。茶化すことも、笑うこともできなかった。
なぜなら――“モテ男ウィリアム”ではなく“ひとりの男”としての覚悟が、その顔に刻まれていたからだ。
その夜から、ウィリアムは変わった。
女の子からの軽い誘いを、彼は初めて断った。すれ違う侍女へ軽くウインクする――いつもの癖も、気づけば出なくなっていた。挨拶代わりの軽い褒め言葉や、気安い食事の誘い。そして、身体だけを求める甘い囁きに乗ることも……もうしなくなった。
仲間たちは驚いたり、からかったりしながらも、どこか誇らしそうにその背中を見ている。
そしてウィリアムは思う。
(……クラリッサ。本当に俺は、大馬鹿者だった。でも――今度こそ、本当に好きになったんだ)
女たらしのモテ男は、ゆっくりと“ただの真っ直ぐな男”へと変わり始めていた。
________________
エール📣・いいね❤️ 応援お願いします。
📢💥 新連載スタート! 💥📢
💔婚約破棄
🌙一夜の過ち(※人違い)
🧪媚薬事件
【婚約破棄された王宮女官-媚薬を盛られた冷酷公爵令息と人違いで一夜を過ごした結果、
言葉なき執着から逃げられなくなりました!】
📖切甘×執着×すれ違い
👉新連載、今すぐ公開中
保証付きハッピーエンド💐
1,092
あなたにおすすめの小説
氷の令嬢は愛を請わない - 捨て子の『義妹』に愛も家族も奪われたマリーローズの逆襲
恋せよ恋
恋愛
銀髪紫眼の美貌の侯爵令嬢、マリーローズ。
完璧な淑女に育った彼女だったが、母は捨て子ジュリエットを寵愛。
婚約者の公爵家嫡男アレックスも、友人も、次々に奪われる――。
家族に裏切られ、すべてを失った彼女が下した決断は、
家族を見かぎり、国を捨て、自らの人生を取り戻すこと。
理不尽な悲恋を力に変え、運命をひっくり返す令嬢の逆転劇!
🔶登場人物・設定は筆者の創作によるものです。
🔶不快に感じられる表現がありましたらお詫び申し上げます。
🔶誤字脱字・文の調整は、投稿後にも随時行います。
🔶今後もこの世界観で物語を続けてまいります。
🔶 『エール📣』『いいね❤️』励みになります!
『婚約破棄された公爵令嬢は、王と交わらない道を選ぶ』
ふわふわ
恋愛
婚約者である王太子アルベルトから、一方的に婚約破棄を告げられた公爵令嬢エレノア。
だが彼女は、涙も復讐も選ばなかった。
「婚約は、役目でしたもの。終わったのなら、それで結構ですわ」
王宮を去ったエレノアは、領地に戻り、
干渉しない・依存しない・無理をしない
ただそれだけを軸に、静かに領地運営を始める。
一方、王となったアルベルトもまた、
彼女に頼らないことを選び、
「一人の判断に依存しない国」を作るための統治に身を投じていた。
復縁もしない。
恋にすがらない。
それでも、二人の選択は確かに国を安定へと導いていく。
これは、
交わらないことを選んだ二人が、
それぞれの場所で“続けられる世界”を完成させる物語。
派手なざまぁも、甘い溺愛もない。
けれど、静かに積み重なる判断と選択が、
やがて「誰にも壊せない秩序」へと変わっていく――。
婚約破棄から始まる、
大人のための静かなざまぁ恋愛ファンタジー
愛する女性を側室に望むのなら、いっそ私との婚約は解消してほしいのですが?
四折 柊
恋愛
公爵令嬢ジョゼフィーヌには好きな人がいた。その人は隣国の王子様リック。ジョゼフィーヌはリックと結婚したくて努力をしてきた。そして十六歳になり立派な淑女になれたと自信を得たジョゼフィーヌは、リックにプロポーズをしようとした。ところが彼に婚約者がいたことが発覚し悲しみに暮れる。今まで確認しなかった自分も悪いが、なぜかリックも家族もそのことを教えてくれなかった。そんなときジョゼフィーヌに婚約の打診が来た。その相手は自国のアルバン王太子殿下。断りたいが王命が下り仕方なく受け入れた。それなのに、ある日夜会でアルバンが可憐な令嬢に一目惚れをした。その後、アルバンはその令嬢を側室にしたいと望んだので、お互いのために婚約を解消したいと申し出たが拒絶されて……。ジョゼフィーヌの未来はどうなるのか?!
眠り姫は十年後、元婚約者の隣に別の令嬢を見つけました
鍛高譚
恋愛
幼い頃、事故に遭い10年間も眠り続けていた伯爵令嬢アーシア。目を覚ますと、そこは見知らぬ大人の世界。成長した自分の身体に戸惑い、周囲の変化に困惑する日々が始まる。
そんな彼女を支えるのは、10年前に婚約していた幼馴染のレオン。しかし、目覚めたアーシアに突きつけられたのは、彼がすでに新しい婚約者・リリアナと共に未来を築こうとしている現実だった――。
「本当に彼なの?」
目の前のレオンは、あの頃の優しい少年ではなく、立派な青年へと成長していた。
彼の隣には、才色兼備で知的な令嬢リリアナが寄り添い、二人の関係は既に「当然のもの」となっている。
アーシアは過去の婚約に縋るべきではないと分かりつつも、彼の姿を目にするたびに心がざわめく。
一方でレオンもまた、アーシアへの想いを完全に断ち切れてはいなかった。
幼い頃の約束と、10年間支え続けてくれたリリアナへの誠意――揺れ動く気持ちの狭間で、彼はどんな未来を選ぶのか。
「私の婚約者は、もう私のものではないの?」
「それでも私は……まだ、あなたを――」
10年間の空白が引き裂いた二人の関係。
心は10歳のまま、だけど身体は大人になったアーシアが、新たな愛を見つけるまでの物語。
運命の婚約者との再会は、果たして幸福をもたらすのか――?
涙と葛藤の三角関係ラブストーリー、ここに開幕!
婚約破棄されたので、もう誰の役にも立たないことにしました 〜静かな公爵家で、何もしない私の本当の人生が始まります〜
ふわふわ
恋愛
王太子の婚約者として、
完璧であることを求められ続けてきた令嬢エリシア。
だがある日、彼女は一方的に婚約を破棄される。
理由は簡単だった。
「君は役に立ちすぎた」から。
すべてを失ったはずの彼女が身を寄せたのは、
“静かな公爵”と呼ばれるアルトゥール・クロイツの屋敷。
そこで待っていたのは――
期待も、役割も、努力の強要もない日々だった。
前に出なくていい。
誰かのために壊れなくていい。
何もしなくても、ここにいていい。
「第二の人生……いえ、これからが本当の人生です」
婚約破棄ざまぁのその先で描かれる、
何者にもならなくていいヒロインの再生と、
放っておく優しさに満ちた静かな溺愛。
これは、
“役に立たなくなった”令嬢が、
ようやく自分として生き始める物語。
白い結婚で結構ですわ。愛人持ちの夫に興味はありません
鍛高譚
恋愛
公爵令嬢ルチアーナは、王太子アルベルトとの政略結婚を命じられた。だが彼にはすでに愛する女性がいた。そこでルチアーナは、夫婦の義務を果たさない“白い結婚”を提案し、お互いに干渉しない関係を築くことに成功する。
「夫婦としての役目を求めないでくださいませ。その代わり、わたくしも自由にさせていただきますわ」
そうして始まった王太子妃としての優雅な生活。社交界では完璧な妃を演じつつ、裏では趣味の読書やお茶会を存分に楽しみ、面倒ごととは距離を置くつもりだった。
——だが、夫は次第にルチアーナを気にし始める。
「最近、おまえが気になるんだ」
「もっと夫婦としての時間を持たないか?」
今さらそんなことを言われても、もう遅いのですわ。
愛人を優先しておいて、後になって本妻に興味を持つなんて、そんな都合の良い話はお断り。
わたくしは、自由を守るために、今日も紅茶を嗜みながら優雅に過ごしますわ——。
政略結婚から始まる痛快ざまぁ! 夫の後悔なんて知りませんわ
“白い結婚”を謳歌する令嬢の、自由気ままなラブ&ざまぁストーリー!
白い結婚の末、離婚を選んだ公爵夫人は二度と戻らない』
鍛高譚
恋愛
白い結婚の末、「白い結婚」の末、私は冷遇され、夫は愛人を溺愛していた――ならば、もう要らないわ」
公爵令嬢 ジェニファー・ランカスター は、王弟 エドワード・クラレンス公爵 のもとへ政略結婚として嫁ぐ。
だが、その結婚生活は冷たく空虚なものだった。夫は愛人 ローザ・フィッツジェラルド に夢中になり、公爵夫人であるジェニファーは侮辱され、無視され続ける日々。
――それでも、貴族の娘は耐えなければならないの?
何の愛もなく、ただ飾り物として扱われる結婚に見切りをつけたジェニファーは 「離婚」 を決意する。
しかし、王弟であるエドワードとの離婚は容易ではない。実家のランカスター家は猛反対し、王宮の重臣たちも彼女の決断を 「公爵家の恥」 と揶揄する。
それでも、ジェニファーは負けない。弁護士と協力し、着々と準備を進めていく。
そんな折、彼女は北方の大国 ヴォルフ公国の大公、アレクサンダー・ヴォルフ と出会う。
温かく誠実な彼との交流を通じて、ジェニファーは 「本当に大切にされること」 を知る。
そして、彼女の決断は、王都の社交界に大きな波紋を呼ぶこととなる――。
「公爵夫人を手放したことを、いつか後悔しても遅いわ」
「私はもう、あなたたちの飾り人形じゃない」
離婚を巡る策略、愛人の凋落、元夫の後悔――。
そして、新たな地で手にした 「愛される結婚」。
狂おしいほど愛しています、なのでよそへと嫁ぐことに致します
ちより
恋愛
侯爵令嬢のカレンは分別のあるレディだ。頭の中では初恋のエル様のことでいっぱいになりながらも、一切そんな素振りは見せない徹底ぶりだ。
愛するエル様、神々しくも真面目で思いやりあふれるエル様、その残り香だけで胸いっぱいですわ。
頭の中は常にエル様一筋のカレンだが、家同士が決めた結婚で、公爵家に嫁ぐことになる。愛のない形だけの結婚と思っているのは自分だけで、実は誰よりも公爵様から愛されていることに気づかない。
公爵様からの溺愛に、不器用な恋心が反応したら大変で……両思いに慣れません。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる