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もう一度顔を合わせた時にカインが浮かべていたのは不敵な表情だ。潤んで見えた瞳は幻だったのかと問い詰める前に首裏へと手が回り、口を塞がれ誤魔化されてしまった。
「あっ――!」
唇を噛んで異物感に耐える。肩を抱かれたまま、自分のものではない指が秘所に触れ、そっと埋められていく。
怯えさせないように気を遣ってくれているのだろう。丁寧な愛撫だ。しかしゆっくりとした行為は、意識してしまうもどかしさもある。
「っ、う……」
根元まで埋められた指が内壁を刺激する。彼に触れられるだけで身体がおかしくなってしまいそうだ。
慌てて口を押えたけれど、すぐにカインに止められてしまった。
「だーめ。声は聴かせて」
「ですが……」
「ここには俺しかいないよ」
「あっ、やっ、待って!」
恥じることなどないのに、健気に耐えようとするシレイネが愛おしい。
傷つけないよう慎重に指を増やしながら、もっと別の――太く大きなものが進めるよう解していく。
「はっ、あっ――」
いつの間にか秘部は濡れ、滴る蜜がカインの手を汚していた。下着は水を吸って重くなり、肌に纏わりつくので泣きそうだ。それをカインに見られている事が怖ろしい。
「どう? 気持ちいい?」
「わ、わかりません」
早くも羞恥で泣きそうになったシレイネが顔を背ける。そんなことをしてもカインの視線から逃れることはできないとわかっているのに、真っ直ぐ顔を見られる強さはない。
「残念。あ、それとも早くこれが欲しかった?」
「っ!」
服越しとはいえ、硬く主張を始めた男のものに下から突き上げられると、乱された秘裂が疼く。まだ繋がってさえいないというのに冷静さを失い、腕の中で身体を跳ね上がらせた。
みっともない所を見せてしまったと反省すれば、カインの唇は嬉しそうに歪んでいる。
「かっ、からかわないでください!」
初めて触れる異性の身体に振り回されてばかりだ。
「そんなつもりはないよ。ただ、早くあんたが欲しいって素直に伝えただけ」
抱き上げられて膝の上からベッドに移される。想像以上の刺激で息の上がった身体からは力が抜け、弱々しく震えていた。
とはいえこれは互いに同意した行為であり、初めてのことで彼にばかり迷惑をかけるのは申し訳ない。だからこれ以上余計な手間をかけさせないよう、自らドレスを脱ごうとしたのだが、あっさり止められてしまった。
「いいよ、無理しなくて。あんたは大人しくそこで待ってて」
「ですが、私は貴方に迷惑ばかり」
上手く言葉にできずに落ち込めば、カインは安心させるように笑ってくれる。共犯者にしてほしいと誘われた日に見せられた頼もしさと同じだ。
「たくさんかけてよ。言ったでしょ、俺はあんたに頼られたいの。頼られるほど傍にいられて嬉しいんだからさ」
カインは背を向けて立ち上がると、自身の衣服を脱いでいく。着るのに苦労しそうなベルトも、繊細な細工のついた飾りも、全て煩わしそうに床へと落としてしまった。
シレイネは無意識のうちにベッドを這う。これから彼に抱かれることは決まっているのに、引き締まった体躯を目にして気後れしてしまった。
潔いほど迷いのない脱ぎっぷりは、自らの身体に恥じるところがないからだ。そう思わせるほど、均衡のとれた美しい身体をしていた。
(綺麗な身体……って、私は何を!?)
元とはいえ、聖女であった人間がそんなことを考えていたなんて、絶対に知られるわけにはいかない。とはいえ力の入らない身体での逃亡は短い間だった。
そして振り向いたカインと目が合い、硬直する。
(お、大きい……?)
とても口には出せないけれど、中性的な容姿に似合わない異性であることの象徴。収まるとは思えない凶悪な大きさに息を飲む。それが今から自分の中に入るのだと思うと、余計に信じられなかった。
「どうしたの? そんなにじっと見つめて」
カインが乱れていた髪をかき上げ、ようやく我に返ることができた。
「す、すみませんでした!」
「見惚れちゃった?」
指摘された恥ずかしさに耐えきれず、慌てて視線を逸らす。けれどすぐに顎を掴まれ、元に戻されてしまった。
「だーめ。あんたはずっと、俺だけ見てな」
かつての自分がそうだったようにと、どこか意地悪く告げられる。
「あっ――!」
唇を噛んで異物感に耐える。肩を抱かれたまま、自分のものではない指が秘所に触れ、そっと埋められていく。
怯えさせないように気を遣ってくれているのだろう。丁寧な愛撫だ。しかしゆっくりとした行為は、意識してしまうもどかしさもある。
「っ、う……」
根元まで埋められた指が内壁を刺激する。彼に触れられるだけで身体がおかしくなってしまいそうだ。
慌てて口を押えたけれど、すぐにカインに止められてしまった。
「だーめ。声は聴かせて」
「ですが……」
「ここには俺しかいないよ」
「あっ、やっ、待って!」
恥じることなどないのに、健気に耐えようとするシレイネが愛おしい。
傷つけないよう慎重に指を増やしながら、もっと別の――太く大きなものが進めるよう解していく。
「はっ、あっ――」
いつの間にか秘部は濡れ、滴る蜜がカインの手を汚していた。下着は水を吸って重くなり、肌に纏わりつくので泣きそうだ。それをカインに見られている事が怖ろしい。
「どう? 気持ちいい?」
「わ、わかりません」
早くも羞恥で泣きそうになったシレイネが顔を背ける。そんなことをしてもカインの視線から逃れることはできないとわかっているのに、真っ直ぐ顔を見られる強さはない。
「残念。あ、それとも早くこれが欲しかった?」
「っ!」
服越しとはいえ、硬く主張を始めた男のものに下から突き上げられると、乱された秘裂が疼く。まだ繋がってさえいないというのに冷静さを失い、腕の中で身体を跳ね上がらせた。
みっともない所を見せてしまったと反省すれば、カインの唇は嬉しそうに歪んでいる。
「かっ、からかわないでください!」
初めて触れる異性の身体に振り回されてばかりだ。
「そんなつもりはないよ。ただ、早くあんたが欲しいって素直に伝えただけ」
抱き上げられて膝の上からベッドに移される。想像以上の刺激で息の上がった身体からは力が抜け、弱々しく震えていた。
とはいえこれは互いに同意した行為であり、初めてのことで彼にばかり迷惑をかけるのは申し訳ない。だからこれ以上余計な手間をかけさせないよう、自らドレスを脱ごうとしたのだが、あっさり止められてしまった。
「いいよ、無理しなくて。あんたは大人しくそこで待ってて」
「ですが、私は貴方に迷惑ばかり」
上手く言葉にできずに落ち込めば、カインは安心させるように笑ってくれる。共犯者にしてほしいと誘われた日に見せられた頼もしさと同じだ。
「たくさんかけてよ。言ったでしょ、俺はあんたに頼られたいの。頼られるほど傍にいられて嬉しいんだからさ」
カインは背を向けて立ち上がると、自身の衣服を脱いでいく。着るのに苦労しそうなベルトも、繊細な細工のついた飾りも、全て煩わしそうに床へと落としてしまった。
シレイネは無意識のうちにベッドを這う。これから彼に抱かれることは決まっているのに、引き締まった体躯を目にして気後れしてしまった。
潔いほど迷いのない脱ぎっぷりは、自らの身体に恥じるところがないからだ。そう思わせるほど、均衡のとれた美しい身体をしていた。
(綺麗な身体……って、私は何を!?)
元とはいえ、聖女であった人間がそんなことを考えていたなんて、絶対に知られるわけにはいかない。とはいえ力の入らない身体での逃亡は短い間だった。
そして振り向いたカインと目が合い、硬直する。
(お、大きい……?)
とても口には出せないけれど、中性的な容姿に似合わない異性であることの象徴。収まるとは思えない凶悪な大きさに息を飲む。それが今から自分の中に入るのだと思うと、余計に信じられなかった。
「どうしたの? そんなにじっと見つめて」
カインが乱れていた髪をかき上げ、ようやく我に返ることができた。
「す、すみませんでした!」
「見惚れちゃった?」
指摘された恥ずかしさに耐えきれず、慌てて視線を逸らす。けれどすぐに顎を掴まれ、元に戻されてしまった。
「だーめ。あんたはずっと、俺だけ見てな」
かつての自分がそうだったようにと、どこか意地悪く告げられる。
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