1 / 1
日傘をさした女
しおりを挟む
某バーにて。
「なんか、今日の長井やけに暗いな」
「新卒で就職したはいいものの、営業で空回りが多くてさ…自分には合わないんじゃないかなって…」
「まあ、最初はそんなもんだって、あんまり気にすんなよ!」
「ほら注いでやる。今日は、ぱぁ~っといこうぜ」
周りの同期と比べても明らかに結果がついてきていないことに、焦りがあったのでしょう。その日は友人と夜中まで梯子をして、結局友人の家に泊めて貰うことになりました。
「もう飲み過ぎたから…寝るわ」
「おっけー(笑)」
しばらく眠っていましたが、飲み過ぎて気分が悪くなり、コンビニにコーヒーを買いに行ったのです。いつもの微糖を手に取り、軽い朝食を買ってその場をあとにしました。
「おぉ…起きた?」
「うん。朝食買ってきたけど」
「外に誰も居なかったか?」
「居なかったけど…お前、顔真っ青だぞ…」
友人はかなり怯えているようでしたが、そのときは何に怯えているかなど、知る由もありませんでした。
後日。
ピンポーン
インターホンが鳴ったので、呼びかけてみたのですが誰も答えません。ここはマンションなので、イタズラも多く、気にしませんでした。
「長井!」
友人の声に気付き。それが階下のフロアから窓に向けてかけられたものだと気付きました。
「今開けるから来いよー」
彼はしっかりと頷きましたが、来ることはありませんでした。少し心配になり電話をしたところ、彼が家に来たことはないとのことでした。その一言に不安感を覚えた私は彼に来るようにと、お願いをしましたが、妙なことを聞かれたのです。
「お前はいつから恋人ができたんだ?」
「恋人なんていないけど…」
「そうか…ならいいんだ」
何を思って聞いたのかは分かりませんでしたが、彼は来てくれました。
「ありがとう」
「いや、良いんだよ」
「ところで、何で恋人がいるなんて聞いたんだ?」
その一言で友人の顔は真っ青になったのです。それ以上聞くことはありませんでした。
その後、昼下がりのことでした。またインターホンがなったのです。友人が出てくれるとのことだったので、リビングで待っていました。が、ふと窓側が気になって階下を覗いてみたのです。
すると、下には友人が立ってこちらを見ながらニヤニヤしているのです。
「何でそんな所に降りてるんだよー」
彼は答えませんでした。
「外には誰も居ないみたいだったぞ」
外にいるはずの彼が戻ってきたのです。混乱した私は聞きました。
「今、階下にいただろ?!」
それを聞いても彼はきょとんとしていました。
その時
ドンっドンっとノックをする音が聞こえたのです。
私と彼はお互いに顔を合わせ、扉へと向かいました。
そして、扉を覗いてみると友人が立っているのです。
驚いて周囲を見渡しましたが、友人が消えていました。
そして、扉とは反対の一本廊下の先のリビングに、日傘をさした女が立っていたのです。
その女は白目をむいていて、肌は身の毛がよだつほどに青白く、ニヤニヤとこちらをじっとみていました。
余りの恐怖に腰は抜け背は扉にもたれ掛かる形で、意識を失いました。
今でもあの時のことは幻だったのではないかと思っています。後日、友人に電話をかけてみましたが、電話番号は使われていませんでした。私が、彼の家から帰った直後に急死したのだとか。
「なんか、今日の長井やけに暗いな」
「新卒で就職したはいいものの、営業で空回りが多くてさ…自分には合わないんじゃないかなって…」
「まあ、最初はそんなもんだって、あんまり気にすんなよ!」
「ほら注いでやる。今日は、ぱぁ~っといこうぜ」
周りの同期と比べても明らかに結果がついてきていないことに、焦りがあったのでしょう。その日は友人と夜中まで梯子をして、結局友人の家に泊めて貰うことになりました。
「もう飲み過ぎたから…寝るわ」
「おっけー(笑)」
しばらく眠っていましたが、飲み過ぎて気分が悪くなり、コンビニにコーヒーを買いに行ったのです。いつもの微糖を手に取り、軽い朝食を買ってその場をあとにしました。
「おぉ…起きた?」
「うん。朝食買ってきたけど」
「外に誰も居なかったか?」
「居なかったけど…お前、顔真っ青だぞ…」
友人はかなり怯えているようでしたが、そのときは何に怯えているかなど、知る由もありませんでした。
後日。
ピンポーン
インターホンが鳴ったので、呼びかけてみたのですが誰も答えません。ここはマンションなので、イタズラも多く、気にしませんでした。
「長井!」
友人の声に気付き。それが階下のフロアから窓に向けてかけられたものだと気付きました。
「今開けるから来いよー」
彼はしっかりと頷きましたが、来ることはありませんでした。少し心配になり電話をしたところ、彼が家に来たことはないとのことでした。その一言に不安感を覚えた私は彼に来るようにと、お願いをしましたが、妙なことを聞かれたのです。
「お前はいつから恋人ができたんだ?」
「恋人なんていないけど…」
「そうか…ならいいんだ」
何を思って聞いたのかは分かりませんでしたが、彼は来てくれました。
「ありがとう」
「いや、良いんだよ」
「ところで、何で恋人がいるなんて聞いたんだ?」
その一言で友人の顔は真っ青になったのです。それ以上聞くことはありませんでした。
その後、昼下がりのことでした。またインターホンがなったのです。友人が出てくれるとのことだったので、リビングで待っていました。が、ふと窓側が気になって階下を覗いてみたのです。
すると、下には友人が立ってこちらを見ながらニヤニヤしているのです。
「何でそんな所に降りてるんだよー」
彼は答えませんでした。
「外には誰も居ないみたいだったぞ」
外にいるはずの彼が戻ってきたのです。混乱した私は聞きました。
「今、階下にいただろ?!」
それを聞いても彼はきょとんとしていました。
その時
ドンっドンっとノックをする音が聞こえたのです。
私と彼はお互いに顔を合わせ、扉へと向かいました。
そして、扉を覗いてみると友人が立っているのです。
驚いて周囲を見渡しましたが、友人が消えていました。
そして、扉とは反対の一本廊下の先のリビングに、日傘をさした女が立っていたのです。
その女は白目をむいていて、肌は身の毛がよだつほどに青白く、ニヤニヤとこちらをじっとみていました。
余りの恐怖に腰は抜け背は扉にもたれ掛かる形で、意識を失いました。
今でもあの時のことは幻だったのではないかと思っています。後日、友人に電話をかけてみましたが、電話番号は使われていませんでした。私が、彼の家から帰った直後に急死したのだとか。
0
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…
しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。
高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。
数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。
そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
サレ妻の娘なので、母の敵にざまぁします
二階堂まりい
大衆娯楽
大衆娯楽部門最高記録1位!
※この物語はフィクションです
流行のサレ妻ものを眺めていて、私ならどうする? と思ったので、短編でしたためてみました。
当方未婚なので、妻目線ではなく娘目線で失礼します。
冷遇妃マリアベルの監視報告書
Mag_Mel
ファンタジー
シルフィード王国に敗戦国ソラリから献上されたのは、"太陽の姫"と讃えられた妹ではなく、悪女と噂される姉、マリアベル。
第一王子の四番目の妃として迎えられた彼女は、王宮の片隅に追いやられ、嘲笑と陰湿な仕打ちに晒され続けていた。
そんな折、「王家の影」は第三王子セドリックよりマリアベルの監視業務を命じられる。年若い影が記す報告書には、ただ静かに耐え続け、死を待つかのように振舞うひとりの女の姿があった。
王位継承争いと策謀が渦巻く王宮で、冷遇妃の運命は思わぬ方向へと狂い始める――。
(小説家になろう様にも投稿しています)
上司、快楽に沈むまで
赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。
冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。
だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。
入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。
真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。
ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、
篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」
疲労で僅かに緩んだ榊の表情。
その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。
「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」
指先が榊のネクタイを掴む。
引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。
拒むことも、許すこともできないまま、
彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。
言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。
だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。
そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。
「俺、前から思ってたんです。
あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」
支配する側だったはずの男が、
支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。
上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。
秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。
快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。
――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる