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第五章 元騎士、オークの花嫁になる
元騎士、オークの花嫁になる【26】(ヒース視点)
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現在から20年前。
フリージア・ド・ダフォデル侯爵令嬢は、大罪を犯した。
令嬢については、私も周囲も良く知らなかった。
ダフォデル侯爵は先王の重臣の1人だったため、夫人と令嬢と共に王都で暮らしていた。3人とも領地には滅多に帰らず、領地経営は嫡男と代官たちに任せていた。
ただ、噂は囁かれていた。
「お嬢様は我儘で残酷なお方」「もう何人も使用人を辞めさせたとか」「旦那様と奥様は、お嬢様を止めずに甘やかしている」
しかし実際のダフォデル侯爵令嬢は、噂以上に残酷で醜悪な存在だった。
遊びと称し気に入った男を寝取っては捨てて、平民や下位貴族をいたぶり、時に殺していた。
立場の弱い者だけを標的にしていたので、中々露見しなかった。だが、とんでもない事件が起きる。
ダフォデル侯爵令嬢が、とある公爵令嬢の婚約者を寝取ろうとした。しかし拒否され、逆恨みして公爵令嬢に大怪我をおわせたのだ。
流石のダフォデル侯爵家も揉み消せず、断罪された。
余罪があまりに多く、本来なら極刑か終身刑になるところだったが……ダフォデル侯爵は領地と財産の一部を差し出し、減刑を勝ち取った。
ダフォデル侯爵令嬢は領地にて蟄居した。侯爵も官職を辞し、3人揃って領地に戻った。
それが地獄の始まりだった。
◆◆◆◆◆
令嬢の蟄居から数年後。ダフォデル侯爵はとんでもない事を言い出した。
「フリージアも反省した。蟄居を解き、男爵位と小さな領地を与えよう」
嫡男をはじめ周囲は猛反対した。そもそも減刑の嘆願も反対していたのだ。今度こそ引かなかった。
侯爵は諦めるしかなかったが……緑鉄国との戦争が始まり状況が変わる。
ダフォデル侯爵家は事件のこともあり、かなりの兵力を王家に供出しなければならなかった。
王家への忠誠を示すためと主張し、ダフォデル侯爵家からは嫡男らを、騎士団と寄子貴族家からはマグノリア子爵など重鎮らを、多数の兵士と共に出征させた。
その穴を埋める名目で、どこからか傭兵団を雇い…なんと侯爵は、傭兵たちを使って騎士や寄子貴族の子女を人質に取り、脅迫して意のままに従わせたのだ。
逆らった者、逃げだそうとした者は捕まり、惨たらしく殺された。数年後に帰還し、侯爵を諌めた嫡男たちもだ。
この暴挙は、フリージア・ド・ダフォデル侯爵令嬢の蟄居を解き、男爵位と領地を与えて好きに過ごさせるためだけに行われた。
侯爵は、官職時代に培った人脈と情報、惜しみのない賄賂などを使って、やり遂げたのだ。
こうして、フリージア・ド・ダフォデル侯爵令嬢は、フリージア・ド・ナーシサス男爵となってしまった。
ダフォデル侯爵領の一部を与えられ、欲望のまま過ごすようになる。
当時の私は、出征した騎士達の穴埋めもかねて魔獣討伐と犯罪者の取り締まりに明け暮れていた。
隊を率い侯爵領の各地を転戦していたため、全てを知ったのは取り返しのつかない状況になってからだ。
「侯爵領を出て中央に訴えよう!」
私と部下たちは決意したが、その前にダフォデル侯爵家に呼び出される。逆らえば、領都にいる同僚たちと部下の家族を殺すとの脅しつきで。
私たちは仕方なく帰参し、引き離された。恰好だけは騎士を真似た傭兵たちが、私が逃げ出さないよう張り付く。
私は侯爵家の応接間に通された。
出迎えたのは、ナーシサス男爵と私の父だった。
まさか父を人質に取ったのか!?
焦る私をよそに、ナーシサス男爵はいやらしい笑みを浮かべた。
「やっと帰ってきたわね。ヒース、そこに座りなさい」
「は……」
名前呼びだと?それに、いくら男爵であり主家の令嬢とはいえ態度が尊大すぎる。
不快に思いつつ席についた。長机を挟んで男爵の向かいであり、父の隣の席だった。
父はにこやかに笑い私の肩を叩く。
「ヒース、我が自慢の息子よ。これからは夫として、ナーシサス男爵閣下をお支えするように」
意味不明な言葉に、ドッと嫌な汗が出た。
「は?結婚?誰と誰が……」
「はっはっは!照れているのか?ナーシサス男爵閣下とお前だ。安心しろ。手続きは全て終わっている」
「なっ!?わ、私は何も聞いておりません!」
「うふふ。照れているのね。可愛らしいこと」
「違……!」
「お前、フォーサイス男爵と言ったかしら?お前はもういいわ。ヒースと話すことがあるの」
「かしこまりました。男爵閣下には、今後とも我が愚息を可愛がって頂きたく存じます。当家にも便宜をはかっていただけましたら……」
「わかってるわよ。うるさいわね」
「では失礼します。
……ヒース、ナーシサス男爵閣下は素晴らしいお方だ。結婚してからもお前が当家に仕送りするのを許してくださった。しっかりとご奉仕し、当家に育てられた恩を返すように」
父は私に囁き退室した。
その後。ナーシサス男爵は自分勝手な理由を述べ、私と結婚すると決めたと言った。
男遊びをやりやすくするための結婚だと?周囲の下位貴族のなかで一番見目がいいから選んだ?私がこの不快な人物と夫婦になる?
絶対に嫌だ!
私は拒絶し抵抗したが….。
「私に逆らう気?なら、あの父親を殺してやるわ。何も知らずに息子の結婚を喜んでいるお前の父親をね」
「やめて下さい!」
「もちろん父親だけじゃないわ。お前の仲良しの騎士たちも、部下も、マグノリア子爵家の者たちも惨たらしく殺してやる。
それでも従わないならお前の可愛い弟……ムスカリと言ったかしら。美形だそうだから、たっぷり楽しんでから殺すわ」
「……っ!」
私は従うしかなかった。家族、同僚、部下、マグノリア子爵家に手を出さないことと、家族へは仕送りをさせて欲しいことを懇願した。
結婚と同時に、私は今まで築いた全てを奪われた。
愛馬、愛剣、鎧、騎士としての職務、誇り……そして何より自由と尊厳を。
「私のことはご主人様と呼びなさい」
ナーシサス男爵の城から出ることを禁じられ、夫ではなく奴隷のように扱われた。
裸で1日を過ごせと言われるのはマシな方で、私の身体は性的に酷使された。
勃たせるために悍ましい道具や薬を使われ、卑猥な奉仕を強要され、私の精神はすり減った。
監視の目を盗んで木剣を振るい魔法の鍛錬をする時と、検閲があるとはいえ実家に手紙を送る時だけ、ほんの少し心が安らいだ。
真剣を振るう機会も、手紙が返ってくることもなかったが。
◆◆◆◆◆
醒めない悪夢を見ている間に時代は変わる。
緑鉄国と和平が成立し、女王が即位した。
その頃にはダフォデル侯爵も老いていた。周辺の社交界を支配していた侯爵夫人と共に、部屋に籠る日が増えていく。
また、侯爵領の特産であった農作物や林業が、より上質で安価な緑鉄国産に押されていった。
じわじわと、侯爵家の権力と財力に翳りがさす。
しかしナーシサス男爵は呑気なもので、両親の口出しが減ったのをいいことに、奴隷売買に手を染める。奴隷商や調教師、性奴隷たちが男爵らに侍るようになった。
人心は荒み、かつて私に敬意を抱いていた者たちの中にも、私を蔑む者が増えていった。我が身を犠牲にして守った者たちも、半数近くが非業の死を遂げたという。
私は己の無力と、穢されきった身体に打ちのめされ、無気力に日々を過ごした。
それでも、時に人の優しさと喜びに触れることはある。
妙な薬を飲まされた私に解毒剤を渡してくれた使用人、ムスカリが騎士爵を賜り良縁に恵まれたと教えてくれた兵士。
彼らは、かつての同僚や部下たちが危険を犯して寄越してくれたのだ。
だから私は、ギリギリのところで正気を保つていた。
久しぶりの外の世界で、ムスカリに再会するまでは。
フリージア・ド・ダフォデル侯爵令嬢は、大罪を犯した。
令嬢については、私も周囲も良く知らなかった。
ダフォデル侯爵は先王の重臣の1人だったため、夫人と令嬢と共に王都で暮らしていた。3人とも領地には滅多に帰らず、領地経営は嫡男と代官たちに任せていた。
ただ、噂は囁かれていた。
「お嬢様は我儘で残酷なお方」「もう何人も使用人を辞めさせたとか」「旦那様と奥様は、お嬢様を止めずに甘やかしている」
しかし実際のダフォデル侯爵令嬢は、噂以上に残酷で醜悪な存在だった。
遊びと称し気に入った男を寝取っては捨てて、平民や下位貴族をいたぶり、時に殺していた。
立場の弱い者だけを標的にしていたので、中々露見しなかった。だが、とんでもない事件が起きる。
ダフォデル侯爵令嬢が、とある公爵令嬢の婚約者を寝取ろうとした。しかし拒否され、逆恨みして公爵令嬢に大怪我をおわせたのだ。
流石のダフォデル侯爵家も揉み消せず、断罪された。
余罪があまりに多く、本来なら極刑か終身刑になるところだったが……ダフォデル侯爵は領地と財産の一部を差し出し、減刑を勝ち取った。
ダフォデル侯爵令嬢は領地にて蟄居した。侯爵も官職を辞し、3人揃って領地に戻った。
それが地獄の始まりだった。
◆◆◆◆◆
令嬢の蟄居から数年後。ダフォデル侯爵はとんでもない事を言い出した。
「フリージアも反省した。蟄居を解き、男爵位と小さな領地を与えよう」
嫡男をはじめ周囲は猛反対した。そもそも減刑の嘆願も反対していたのだ。今度こそ引かなかった。
侯爵は諦めるしかなかったが……緑鉄国との戦争が始まり状況が変わる。
ダフォデル侯爵家は事件のこともあり、かなりの兵力を王家に供出しなければならなかった。
王家への忠誠を示すためと主張し、ダフォデル侯爵家からは嫡男らを、騎士団と寄子貴族家からはマグノリア子爵など重鎮らを、多数の兵士と共に出征させた。
その穴を埋める名目で、どこからか傭兵団を雇い…なんと侯爵は、傭兵たちを使って騎士や寄子貴族の子女を人質に取り、脅迫して意のままに従わせたのだ。
逆らった者、逃げだそうとした者は捕まり、惨たらしく殺された。数年後に帰還し、侯爵を諌めた嫡男たちもだ。
この暴挙は、フリージア・ド・ダフォデル侯爵令嬢の蟄居を解き、男爵位と領地を与えて好きに過ごさせるためだけに行われた。
侯爵は、官職時代に培った人脈と情報、惜しみのない賄賂などを使って、やり遂げたのだ。
こうして、フリージア・ド・ダフォデル侯爵令嬢は、フリージア・ド・ナーシサス男爵となってしまった。
ダフォデル侯爵領の一部を与えられ、欲望のまま過ごすようになる。
当時の私は、出征した騎士達の穴埋めもかねて魔獣討伐と犯罪者の取り締まりに明け暮れていた。
隊を率い侯爵領の各地を転戦していたため、全てを知ったのは取り返しのつかない状況になってからだ。
「侯爵領を出て中央に訴えよう!」
私と部下たちは決意したが、その前にダフォデル侯爵家に呼び出される。逆らえば、領都にいる同僚たちと部下の家族を殺すとの脅しつきで。
私たちは仕方なく帰参し、引き離された。恰好だけは騎士を真似た傭兵たちが、私が逃げ出さないよう張り付く。
私は侯爵家の応接間に通された。
出迎えたのは、ナーシサス男爵と私の父だった。
まさか父を人質に取ったのか!?
焦る私をよそに、ナーシサス男爵はいやらしい笑みを浮かべた。
「やっと帰ってきたわね。ヒース、そこに座りなさい」
「は……」
名前呼びだと?それに、いくら男爵であり主家の令嬢とはいえ態度が尊大すぎる。
不快に思いつつ席についた。長机を挟んで男爵の向かいであり、父の隣の席だった。
父はにこやかに笑い私の肩を叩く。
「ヒース、我が自慢の息子よ。これからは夫として、ナーシサス男爵閣下をお支えするように」
意味不明な言葉に、ドッと嫌な汗が出た。
「は?結婚?誰と誰が……」
「はっはっは!照れているのか?ナーシサス男爵閣下とお前だ。安心しろ。手続きは全て終わっている」
「なっ!?わ、私は何も聞いておりません!」
「うふふ。照れているのね。可愛らしいこと」
「違……!」
「お前、フォーサイス男爵と言ったかしら?お前はもういいわ。ヒースと話すことがあるの」
「かしこまりました。男爵閣下には、今後とも我が愚息を可愛がって頂きたく存じます。当家にも便宜をはかっていただけましたら……」
「わかってるわよ。うるさいわね」
「では失礼します。
……ヒース、ナーシサス男爵閣下は素晴らしいお方だ。結婚してからもお前が当家に仕送りするのを許してくださった。しっかりとご奉仕し、当家に育てられた恩を返すように」
父は私に囁き退室した。
その後。ナーシサス男爵は自分勝手な理由を述べ、私と結婚すると決めたと言った。
男遊びをやりやすくするための結婚だと?周囲の下位貴族のなかで一番見目がいいから選んだ?私がこの不快な人物と夫婦になる?
絶対に嫌だ!
私は拒絶し抵抗したが….。
「私に逆らう気?なら、あの父親を殺してやるわ。何も知らずに息子の結婚を喜んでいるお前の父親をね」
「やめて下さい!」
「もちろん父親だけじゃないわ。お前の仲良しの騎士たちも、部下も、マグノリア子爵家の者たちも惨たらしく殺してやる。
それでも従わないならお前の可愛い弟……ムスカリと言ったかしら。美形だそうだから、たっぷり楽しんでから殺すわ」
「……っ!」
私は従うしかなかった。家族、同僚、部下、マグノリア子爵家に手を出さないことと、家族へは仕送りをさせて欲しいことを懇願した。
結婚と同時に、私は今まで築いた全てを奪われた。
愛馬、愛剣、鎧、騎士としての職務、誇り……そして何より自由と尊厳を。
「私のことはご主人様と呼びなさい」
ナーシサス男爵の城から出ることを禁じられ、夫ではなく奴隷のように扱われた。
裸で1日を過ごせと言われるのはマシな方で、私の身体は性的に酷使された。
勃たせるために悍ましい道具や薬を使われ、卑猥な奉仕を強要され、私の精神はすり減った。
監視の目を盗んで木剣を振るい魔法の鍛錬をする時と、検閲があるとはいえ実家に手紙を送る時だけ、ほんの少し心が安らいだ。
真剣を振るう機会も、手紙が返ってくることもなかったが。
◆◆◆◆◆
醒めない悪夢を見ている間に時代は変わる。
緑鉄国と和平が成立し、女王が即位した。
その頃にはダフォデル侯爵も老いていた。周辺の社交界を支配していた侯爵夫人と共に、部屋に籠る日が増えていく。
また、侯爵領の特産であった農作物や林業が、より上質で安価な緑鉄国産に押されていった。
じわじわと、侯爵家の権力と財力に翳りがさす。
しかしナーシサス男爵は呑気なもので、両親の口出しが減ったのをいいことに、奴隷売買に手を染める。奴隷商や調教師、性奴隷たちが男爵らに侍るようになった。
人心は荒み、かつて私に敬意を抱いていた者たちの中にも、私を蔑む者が増えていった。我が身を犠牲にして守った者たちも、半数近くが非業の死を遂げたという。
私は己の無力と、穢されきった身体に打ちのめされ、無気力に日々を過ごした。
それでも、時に人の優しさと喜びに触れることはある。
妙な薬を飲まされた私に解毒剤を渡してくれた使用人、ムスカリが騎士爵を賜り良縁に恵まれたと教えてくれた兵士。
彼らは、かつての同僚や部下たちが危険を犯して寄越してくれたのだ。
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