39 / 68
四章 天上の青、地上の雫
天上の青、地上の雫 三話
しおりを挟む
雲一つない空から王都へと、真昼の太陽は容赦なく照りつける。
七月も半ばを過ぎ、季節はすっかり夏だ。フリジア王国王都の夏はそこまで厳しくはないが、日中は歩いていると汗をかく。
「ココナのジュース!蜜花ジュース!ミント水に果実水!冷えてて甘いよー!」
「冷えた果物にゼリーはいかがですかー!」
飲食店や屋台の多い通りでは、食べ歩き用の冷たい飲み物と冷菓が飛ぶように売れている。飲み物はジュースか果実水が多く、木の実の殻で出来た使い捨ての器に入っている。
(あら。この果実水、レモンが効いてて美味しいわね)
花染め屋ことティリアは、どうやら当たりを引いたらしい。様々な果実や花をつかう果実水は、店によって当たり外れが激しいのだ。
ティリアは果実水を飲みつつ王都を歩く。【妖精のお気に入り】でジャムを買って、これから【静寂の森】に帰るところだった。
今回も、旬の果物や花で出来たジャムをたっぷり買った。味見もさせてもらった。どれも絶品だった。
(果実水もジャムも美味しいし、暑いけれどお天気はいいし……はあ……)
だというのに、ティリアの心は萎れた花の風情だった。理由は単純。待ち人来らず。
(まだ帰って来れないなんて。せっかく、ジェドさんの好きなアプリコットジャムも買えたのに……)
ティリアは、夕焼けのような赤い髪と眩い琥珀色の目を浮かべた。
金ランク冒険者のジェドだ。彼は、霊と魔物魔獣の討伐のため、辺境騎士団から指名されて連れて行かれた。
場所はルディア王国との国境付近だ。
ギルド職員のメンダーによると、「討伐は終わったって。だからそろそろ帰って来るはずだよ。特に負傷も無いから安心してね」とのことだが……。
(心配だな。カイさん、霊退治は苦手だって言ってたし……)
霊。
強い未練を持つ死者の魂。時に生者に取り憑いて操ったり殺したりするので、非常に危険な存在だ。しかも、霊には物理攻撃は効かない。
光属性魔法の【浄化】か闇属性魔法の【忘却】をかけるか、死者の未練を晴らしてやらなければ昇天できず、地上をさまよい生者をさいなみ続けるのだ。
(もし、ジェドさんが取り憑かれていたら……)
助けたい。
だが、ティリアは絶対に王都から動けない。
それに、動けたとしても何もしてやれないだろう。
(私に出来ると胸を張って言えるのは【花染め】だけ。でも、それでも)
「あれ?ティリア?」
呼びかけに心が震えた。
いまのティリアは、髪と目の色を茶色に変えて、認識阻害魔法をかけている。それでもティリアだとわかる者は限られている。
そして、ティリアの心を震わす声を持つのは一人だけ。
「ティリアだろう?」
重ねて呼びかけられて、弾かれたように振り返った。夕焼け色の赤髪に、太陽のような琥珀の目。
「ただいま。さっき帰って来たんだ。元気だった?」
ジェドはそう言って、凛々しく眩しい笑顔を振り撒いた。再会を心から喜ぶ笑顔だ。
ティリアはその眩い笑顔に駆け寄った。
「ジェドさん!おかえりなさい!怪我や病気や憑物はないですか?いつ帰って来たんです?私だけじゃなくて、冒険者ギルドの人たちも帰りを待っていましたよ。特にメンダーさんと……」
矢継ぎ早に話すティリア。ジェドは申し訳なさそうな顔で、ティリアの肩にそっと触れた。
「ティリア、俺は大丈夫だよ。心配かけたし、連絡も出来なくてごめんね」
「いいんです。大変でしたね」
「うん」
ちょっと眉を下げて謝るところが可愛い。
ティリアは久しぶりのジェドの顔を目に焼き付けた。ティリアの耳に、小さな声が届くまで。
「あの、ジェド様……」
その子供は、ジェドの背にしがみついて隠れていた。
ティリアはハッと気づいてジェドから離れた。恥ずかしくて顔が赤くなる。
ジェドも少し気恥ずかしそうに視線を落とした。
「ああ、ごめんよ。君を紹介しないとね。彼女がさっき言った人だ。挨拶出来るかな?」
「はい……」
おずおずと姿を表したのは、粗末なフード付きローブを着た子供だ。
青空のような青髪と青い目をしていて、まだ十歳にもなっていないように見える。とても痩せていて、薄汚れた陶器製の水瓶を抱きしめるようにして持っている。
青い目が、ティリアを見て見開かれる。
(あら?この子の目の奥ある光は……まさか……)
「星空の黒髪に、光を透かした新緑色の目……本当に【染魔】様だ」
今度はティリアが驚く番だった。服の下に隠している首飾り型魔法具に意識を向けるが、壊れたり魔法の力が薄れている様子はない。
(つまりこの子は、この子自身の力で認識阻害魔法を見破った)
これまでの十年間で、見抜かれたのは片手に満たぬ数だ。そればかりではない。
ティリアの髪と目の色を【染魔】に結びつけた。それを讃える表現と羽織っているローブの下から覗く服は、ある国特有のもの……。
ティリアは周りを警戒しつつ声をひそめる。
「【魔眼】の持ち主で、しかもあの国から来た魔法使いというわけですか」
「そうだ。彼女の名はセレスティア。君に【花染め】を依頼しに来たんだ」
「はっ……はい。そうです。セレスティアと言います。染……【花染め】を、お願いします」
ジェドは染魔という言葉が好きではないティリアに気を使って花染めと言った。
その隣に立ち頭を下げるのは、染魔という言葉を嫌う理由であるティリアの故郷ルディア王国の魔法使い。ティリアはより深く観察しようとして、また目を見開いた。
(それだけじゃない。この子は恐らく……)
セレスティアの顔色が悪くなっていく。ティリアは険しくなってしまった表情を戻して微笑みかけてから、ジェドへと視線を移す。
(ジェドさん、正気なの?この子は……)
琥珀色の目は理性の輝きを失っていない。そして、ティリアに対し雄弁に語りかける。
(「考えがあるから合わせて欲しい」といった所ね。仕方ない。【ジェドくん】を信じましょう)
ティリアは十年前から【ジェドくん】に弱い自分を自覚しつつ、話を合わせることにした。
「かしこまりました。セレスティア様、私のことは【花染め屋】とお呼びください」
ティリアは【花染め屋】の顔になり、二人を【静寂の森】に案内することにした。ほんの少しの疑いを抱きながら。
(心配ないわ。ジェドさんがいる。それに、この子が邪な事を考えているなら結界が阻むでしょう)
七月も半ばを過ぎ、季節はすっかり夏だ。フリジア王国王都の夏はそこまで厳しくはないが、日中は歩いていると汗をかく。
「ココナのジュース!蜜花ジュース!ミント水に果実水!冷えてて甘いよー!」
「冷えた果物にゼリーはいかがですかー!」
飲食店や屋台の多い通りでは、食べ歩き用の冷たい飲み物と冷菓が飛ぶように売れている。飲み物はジュースか果実水が多く、木の実の殻で出来た使い捨ての器に入っている。
(あら。この果実水、レモンが効いてて美味しいわね)
花染め屋ことティリアは、どうやら当たりを引いたらしい。様々な果実や花をつかう果実水は、店によって当たり外れが激しいのだ。
ティリアは果実水を飲みつつ王都を歩く。【妖精のお気に入り】でジャムを買って、これから【静寂の森】に帰るところだった。
今回も、旬の果物や花で出来たジャムをたっぷり買った。味見もさせてもらった。どれも絶品だった。
(果実水もジャムも美味しいし、暑いけれどお天気はいいし……はあ……)
だというのに、ティリアの心は萎れた花の風情だった。理由は単純。待ち人来らず。
(まだ帰って来れないなんて。せっかく、ジェドさんの好きなアプリコットジャムも買えたのに……)
ティリアは、夕焼けのような赤い髪と眩い琥珀色の目を浮かべた。
金ランク冒険者のジェドだ。彼は、霊と魔物魔獣の討伐のため、辺境騎士団から指名されて連れて行かれた。
場所はルディア王国との国境付近だ。
ギルド職員のメンダーによると、「討伐は終わったって。だからそろそろ帰って来るはずだよ。特に負傷も無いから安心してね」とのことだが……。
(心配だな。カイさん、霊退治は苦手だって言ってたし……)
霊。
強い未練を持つ死者の魂。時に生者に取り憑いて操ったり殺したりするので、非常に危険な存在だ。しかも、霊には物理攻撃は効かない。
光属性魔法の【浄化】か闇属性魔法の【忘却】をかけるか、死者の未練を晴らしてやらなければ昇天できず、地上をさまよい生者をさいなみ続けるのだ。
(もし、ジェドさんが取り憑かれていたら……)
助けたい。
だが、ティリアは絶対に王都から動けない。
それに、動けたとしても何もしてやれないだろう。
(私に出来ると胸を張って言えるのは【花染め】だけ。でも、それでも)
「あれ?ティリア?」
呼びかけに心が震えた。
いまのティリアは、髪と目の色を茶色に変えて、認識阻害魔法をかけている。それでもティリアだとわかる者は限られている。
そして、ティリアの心を震わす声を持つのは一人だけ。
「ティリアだろう?」
重ねて呼びかけられて、弾かれたように振り返った。夕焼け色の赤髪に、太陽のような琥珀の目。
「ただいま。さっき帰って来たんだ。元気だった?」
ジェドはそう言って、凛々しく眩しい笑顔を振り撒いた。再会を心から喜ぶ笑顔だ。
ティリアはその眩い笑顔に駆け寄った。
「ジェドさん!おかえりなさい!怪我や病気や憑物はないですか?いつ帰って来たんです?私だけじゃなくて、冒険者ギルドの人たちも帰りを待っていましたよ。特にメンダーさんと……」
矢継ぎ早に話すティリア。ジェドは申し訳なさそうな顔で、ティリアの肩にそっと触れた。
「ティリア、俺は大丈夫だよ。心配かけたし、連絡も出来なくてごめんね」
「いいんです。大変でしたね」
「うん」
ちょっと眉を下げて謝るところが可愛い。
ティリアは久しぶりのジェドの顔を目に焼き付けた。ティリアの耳に、小さな声が届くまで。
「あの、ジェド様……」
その子供は、ジェドの背にしがみついて隠れていた。
ティリアはハッと気づいてジェドから離れた。恥ずかしくて顔が赤くなる。
ジェドも少し気恥ずかしそうに視線を落とした。
「ああ、ごめんよ。君を紹介しないとね。彼女がさっき言った人だ。挨拶出来るかな?」
「はい……」
おずおずと姿を表したのは、粗末なフード付きローブを着た子供だ。
青空のような青髪と青い目をしていて、まだ十歳にもなっていないように見える。とても痩せていて、薄汚れた陶器製の水瓶を抱きしめるようにして持っている。
青い目が、ティリアを見て見開かれる。
(あら?この子の目の奥ある光は……まさか……)
「星空の黒髪に、光を透かした新緑色の目……本当に【染魔】様だ」
今度はティリアが驚く番だった。服の下に隠している首飾り型魔法具に意識を向けるが、壊れたり魔法の力が薄れている様子はない。
(つまりこの子は、この子自身の力で認識阻害魔法を見破った)
これまでの十年間で、見抜かれたのは片手に満たぬ数だ。そればかりではない。
ティリアの髪と目の色を【染魔】に結びつけた。それを讃える表現と羽織っているローブの下から覗く服は、ある国特有のもの……。
ティリアは周りを警戒しつつ声をひそめる。
「【魔眼】の持ち主で、しかもあの国から来た魔法使いというわけですか」
「そうだ。彼女の名はセレスティア。君に【花染め】を依頼しに来たんだ」
「はっ……はい。そうです。セレスティアと言います。染……【花染め】を、お願いします」
ジェドは染魔という言葉が好きではないティリアに気を使って花染めと言った。
その隣に立ち頭を下げるのは、染魔という言葉を嫌う理由であるティリアの故郷ルディア王国の魔法使い。ティリアはより深く観察しようとして、また目を見開いた。
(それだけじゃない。この子は恐らく……)
セレスティアの顔色が悪くなっていく。ティリアは険しくなってしまった表情を戻して微笑みかけてから、ジェドへと視線を移す。
(ジェドさん、正気なの?この子は……)
琥珀色の目は理性の輝きを失っていない。そして、ティリアに対し雄弁に語りかける。
(「考えがあるから合わせて欲しい」といった所ね。仕方ない。【ジェドくん】を信じましょう)
ティリアは十年前から【ジェドくん】に弱い自分を自覚しつつ、話を合わせることにした。
「かしこまりました。セレスティア様、私のことは【花染め屋】とお呼びください」
ティリアは【花染め屋】の顔になり、二人を【静寂の森】に案内することにした。ほんの少しの疑いを抱きながら。
(心配ないわ。ジェドさんがいる。それに、この子が邪な事を考えているなら結界が阻むでしょう)
0
あなたにおすすめの小説
人質5歳の生存戦略! ―悪役王子はなんとか死ぬ気で生き延びたい!冤罪処刑はほんとムリぃ!―
ほしみ
ファンタジー
「え! ぼく、死ぬの!?」
前世、15歳で人生を終えたぼく。
目が覚めたら異世界の、5歳の王子様!
けど、人質として大国に送られた危ない身分。
そして、夢で思い出してしまった最悪な事実。
「ぼく、このお話知ってる!!」
生まれ変わった先は、小説の中の悪役王子様!?
このままだと、10年後に無実の罪であっさり処刑されちゃう!!
「むりむりむりむり、ぜったいにムリ!!」
生き延びるには、なんとか好感度を稼ぐしかない。
とにかく周りに気を使いまくって!
王子様たちは全力尊重!
侍女さんたちには迷惑かけない!
ひたすら頑張れ、ぼく!
――猶予は後10年。
原作のお話は知ってる――でも、5歳の頭と体じゃうまくいかない!
お菓子に惑わされて、勘違いで空回りして、毎回ドタバタのアタフタのアワアワ。
それでも、ぼくは諦めない。
だって、絶対の絶対に死にたくないからっ!
原作とはちょっと違う王子様たち、なんかびっくりな王様。
健気に奮闘する(ポンコツ)王子と、見守る人たち。
どうにか生き延びたい5才の、ほのぼのコミカル可愛いふわふわ物語。
(全年齢/ほのぼの/男性キャラ中心/嫌なキャラなし/1エピソード完結型/ほぼ毎日更新中)
ネグレクトされていた四歳の末娘は、前世の経理知識で実家の横領を見抜き追放されました。これからはもふもふ聖獣と美食巡りの旅に出ます。
☆ほしい
ファンタジー
アークライト子爵家の四歳の末娘リリアは、家族から存在しないものとして扱われていた。食事は厨房の残飯、衣服は兄姉のお下がりを更に継ぎ接ぎしたもの。冷たい床で眠る日々の中、彼女は高熱を出したことをきっかけに前世の記憶を取り戻す。
前世の彼女は、ブラック企業で過労死した経理担当のOLだった。
ある日、父の書斎に忍び込んだリリアは、ずさんな管理の家計簿を発見する。前世の知識でそれを読み解くと、父による悪質な横領と、家の財産がすでに破綻寸前であることが判明した。
「この家は、もうすぐ潰れます」
家族会議の場で、リリアはたった四歳とは思えぬ明瞭な口調で破産の事実を突きつける。激昂した父に「疫病神め!」と罵られ家を追い出されたリリアだったが、それは彼女の望むところだった。
手切れ金代わりの銅貨数枚を握りしめ、自由を手に入れたリリア。これからは誰にも縛られず、前世で夢見た美味しいものをたくさん食べる生活を目指す。
『白い結婚だったので、勝手に離婚しました。何か問題あります?』
夢窓(ゆめまど)
恋愛
「――離婚届、受理されました。お疲れさまでした」
教会の事務官がそう言ったとき、私は心の底からこう思った。
ああ、これでようやく三年分の無視に終止符を打てるわ。
王命による“形式結婚”。
夫の顔も知らず、手紙もなし、戦地から帰ってきたという噂すらない。
だから、はい、離婚。勝手に。
白い結婚だったので、勝手に離婚しました。
何か問題あります?
田舎農家の俺、拾ったトカゲが『始祖竜』だった件〜女神がくれたスキル【絶対飼育】で育てたら、魔王がコスメ欲しさに竜王が胃薬借りに通い詰めだした
月神世一
ファンタジー
「くそっ、魔王はまたトカゲの抜け殻を美容液にしようとしてるし、女神は酒のつまみばかり要求してくる! 俺はただ静かに農業がしたいだけなのに!」
ブラック企業で過労死した日本人、カイト。
彼の願いはただ一つ、「誰にも邪魔されない静かな場所で農業をすること」。
女神ルチアナからチートスキル【絶対飼育】を貰い、異世界マンルシア大陸の辺境で念願の農場を開いたカイトだったが、ある日、庭から虹色の卵を発掘してしまう。
孵化したのは、可愛らしいトカゲ……ではなく、神話の時代に世界を滅亡させた『始祖竜』の幼体だった!
しかし、カイトはスキル【絶対飼育】のおかげで、その破壊神を「ポチ」と名付けたペットとして完璧に飼い慣らしてしまう。
ポチのくしゃみ一発で、敵の軍勢は老衰で塵に!?
ポチの抜け殻は、魔王が喉から手が出るほど欲しがる究極の美容成分に!?
世界を滅ぼすほどの力を持つポチと、その魔素を浴びて育った規格外の農作物を求め、理知的で美人の魔王、疲労困憊の竜王、いい加減な女神が次々にカイトの家に押しかけてくる!
「世界の管理者」すら手が出せない最強の農場主、カイト。
これは、世界の運命と、美味しい野菜と、ペットの散歩に追われる、史上最も騒がしいスローライフ物語である!
莫大な遺産を相続したら異世界でスローライフを楽しむ
翔千
ファンタジー
小鳥遊 紅音は働く28歳OL
十八歳の時に両親を事故で亡くし、引き取り手がなく天涯孤独に。
高校卒業後就職し、仕事に明け暮れる日々。
そんなある日、1人の弁護士が紅音の元を訪ねて来た。
要件は、紅音の母方の曾祖叔父が亡くなったと言うものだった。
曾祖叔父は若い頃に単身外国で会社を立ち上げ生涯独身を貫いき、血縁者が紅音だけだと知り、曾祖叔父の遺産を一部を紅音に譲ると遺言を遺した。
その額なんと、50億円。
あまりの巨額に驚くがなんとか手続きを終える事が出来たが、巨額な遺産の事を何処からか聞きつけ、金の無心に来る輩が次々に紅音の元を訪れ、疲弊した紅音は、誰も知らない土地で一人暮らしをすると決意。
だが、引っ越しを決めた直後、突然、異世界に召喚されてしまった。
だが、持っていた遺産はそのまま異世界でも使えたので、遺産を使って、スローライフを楽しむことにしました。
【完結】辺境に飛ばされた子爵令嬢、前世の経営知識で大商会を作ったら王都がひれ伏したし、隣国のハイスペ王子とも結婚できました
いっぺいちゃん
ファンタジー
婚約破棄、そして辺境送り――。
子爵令嬢マリエールの運命は、結婚式直前に無惨にも断ち切られた。
「辺境の館で余生を送れ。もうお前は必要ない」
冷酷に告げた婚約者により、社交界から追放された彼女。
しかし、マリエールには秘密があった。
――前世の彼女は、一流企業で辣腕を振るった経営コンサルタント。
未開拓の農産物、眠る鉱山資源、誠実で働き者の人々。
「必要ない」と切り捨てられた辺境には、未来を切り拓く力があった。
物流網を整え、作物をブランド化し、やがて「大商会」を設立!
数年で辺境は“商業帝国”と呼ばれるまでに発展していく。
さらに隣国の完璧王子から熱烈な求婚を受け、愛も手に入れるマリエール。
一方で、税収激減に苦しむ王都は彼女に救いを求めて――
「必要ないとおっしゃったのは、そちらでしょう?」
これは、追放令嬢が“経営知識”で国を動かし、
ざまぁと恋と繁栄を手に入れる逆転サクセスストーリー!
※表紙のイラストは画像生成AIによって作られたものです。
没落領地の転生令嬢ですが、領地を立て直していたら序列一位の騎士に婿入りされました
藤原遊
ファンタジー
魔力不足でお城が崩れる!?
貴族が足りなくて領地が回らない!?
――そんなギリギリすぎる領地を任された転生令嬢。
現代知識と少しの魔法で次々と改革を進めるけれど、
なぜか周囲を巻き込みながら大騒動に発展していく。
「領地再建」も「恋」も、予想外の展開ばかり!?
没落領地から始まる、波乱と笑いのファンタジー開幕!
※完結まで予約投稿しました。安心してお読みください。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる