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リリの現在と過去 4年前の申し出①
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夜会から一月後。国王陛下から、ゴールドバンデッド公爵閣下とシルビアお姉様へお茶会の招待状が届いた。
「リリ、なんだか嫌な予感がするわ。お父様の許可は取ったから、お茶会には貴女も来て」
身支度をお手伝いしてお供した。
今日のシルビアお姉様は、若草色のシンプルなドレス。清楚さと少女特有の愛らしさを引き立てている。まるで森の精霊のよう。
そして、ゴールドバンデッド公爵のエスコートで王城の中を歩く姿は、高位貴族らしく堂々としている。けれど、淑女の笑みは少し固い。緊張してる時の顔だ。
私も緊張している。
お二人に付き従うのは、私とゴールドバンデッド公爵閣下の侍従が一人だけ。国王陛下からは、よほどご内密の話があるはず。
それは恐らく……。
とにかく私は、シルビアお姉様の美しさを堪能したり、初めて足を踏み入れた王城を観察したりする余裕もない。
ゴールドバンデッド公爵閣下はいつも通りに見えるけれど、やや機嫌が悪い気がする。
私たちは案内に従い粛々と歩き、謁見室の一つに案内された。
中には国王陛下と、国王陛下の侍従が一人、近衛騎士が二人だけ。やはり最低限の人員だ。
「よく来てくれた。この場では自由に話して良い。不敬には問わん」
挨拶もそこそこにお茶会が始まった。私とゴールドバンデッド公爵閣下の侍従は、シルビアお姉様たち側の壁際に控える。それぞれの表情や動きが、ある程度見えるような角度でだ。
茶菓子の給仕は、国王陛下の侍従がしている。
不躾にならない程度に観察させてもらった。
国王陛下は上品で豪華な茶菓子をすすめつつ、シルビアお姉様の夜会での働きを誉めたり、ゴールドバンデッド公爵閣下のお働きを讃える。
シルビアお姉様たちは当たり障りなく返事をし、ゆっくりと時が流れてゆく。
やがて国王陛下の様子が改まり、本題に入った。
「シルビアーナ嬢、其の方には第二王子クリスティアンの婚約者になってもらいたい。引き受けてはもらえないだろうか?」
「……っ!」
シルビアお姉様が息を飲む音が微かに聞こえた。私も悲鳴を上げるところだった。予想はしてたけど最悪だ。
「シルビアーナの父として許可できませんな」
即座に断るゴールドバンデッド公爵閣下。謁見室の空気が一気に重苦しくなる。
「……頼む。シルビアーナ嬢にしか頼めぬのだ。クリスティアンを育ててやって欲しい」
「私がクリスティアン殿下をお育てする?どういうことでしょうか?」
「うむ。……まずはクリスティアンについて説明しよう」
国王陛下は重々しく説明した。
「第二王子クリスティアンの教育は、生母である第二側妃ティアーレの役目であった。しかし、ただ甘やかしたあげく暴君に育ててしまった。生まれつき病弱というのも、勉学や公務から逃げるための嘘だ。それらが今回の醜態を招いた。責任は重い。
余はクリスティアンを廃嫡し、ティアーレとは離縁し、二人の後見であるガーデニア公爵を罷免するはずだった」
ゴールドバンデッド公爵はあからさまに顔をしかめた。
「左様でございますな。私としては、王族は国王陛下、王妃陛下、第一側妃殿下、レオナリアン殿下と未来の王子妃殿下と御子がおわせば安泰。それ以外は不穏の種でしかないと愚考いたしますが」
ガチャリと重い金属の音。第二側妃と第二王子への不敬すぎる発言に、護衛騎士たちが剣の柄を握る。
国王陛下が目線で抑えた。
「……余も同じ考えだ。だが……ガーデニア公爵とティアーレが私財を投げ打ち、クリスティアンの処罰を軽くするよう嘆願した。また、ガーデニア公爵の派閥以外からも反対が出た」
国王陛下とはいえ、全て思うがままではない。むしろ諸侯との兼ね合いもあり、舵取りは難しいのでしょう。
「余の子は、レオナリアンとクリスティアンだけだ」
王族の数は少ない。
『王の子は尊び重んじられねばなりません。しかもクリスティアン殿下はまだ若い。廃嫡するのは早計です』
『ティアーレ殿下とガーデニア公爵の罪は、クリスティアン殿下への教育の失敗だけです。王子を成した貢献と、財務大臣として長年勤められた貢献を無視されるおつもりか?おまけにお二人は私財を投げ打って、クリスティアン殿下をお助けしようとされているのです!離縁や罷免はやり過ぎでしょう』
そのように諸侯から反対され、厳罰に処すことは敵わなかったそう。
クリスティアン殿下は、離宮から王城へ居を移し再教育と公務への参加をさせる。
ティアーレ殿下は、クリスティアン殿下の教育への関与の禁止、離宮にて蟄居、ドラゴニア辺境伯家とアディナ王太子殿下に相応の慰謝料を払う。
ガーデニア公爵は、ティアーレ殿下たちの監督不行届として王家に慰謝料を払う。
「あまりにも甘い処分でした。厚顔無恥で私財を溜め込んできた者どもにとっては痛くも痒くもないでしょう。この処分に賛同した者たちは、近いうちに後悔するでしょうね」
国王陛下の顔が苦悩に歪む。
「余はすでに後悔している。
今回の件は、クリスティアンとティアーレを放置していた余の責任でもある」
「国王陛下」
ゴールドバンデッド公爵閣下は、真っ直ぐに国王陛下を見つめた。
「貴方は私の唯一の王だ。その王に姑息な真似をして側妃におさまったあの女も、その後押しをしたあの女の親も、姑息な真似の果てに産まれた子供も許し難い。
何度も申し上げておりますが、御代を脅かす不忠者どもに慈悲をかけるべきではございません」
それは王家の隠された醜聞。事前に教えられてはいたけど、胃がきゅっとなる。
ティアーレ殿下は、公爵令嬢時代から国王陛下を愛していた。けれど、国王陛下には嫌われていた。
だから薬を使い、無理矢理国王陛下と夜を共にしたのだ。
当然罪に問われたけれど、ティアーレ殿下はクリスティアン殿下を懐妊してしまった。
そして、王族は非常に数が少ない。
国王陛下はティアーレ殿下の罪をなかったことにして、側妃にするしかなかった。
そりゃ嫌うだろうし、産まれた子ともども放置しても無理はないでしょう……。
ブランカ男爵の愛妾にされ、私を産まされた母の姿が浮かぶ。母は何も言わないけれど、私を産むことに苦悩や葛藤があったと思う。
愛せなくても無理はなかった。
「……そなたの言う通りだ。しかし、愛せなくともクリスティアンは我が子、我が息子なのだ。あれを見るたびに苦しむからと、向き合おうとしなかったのは余の罪だ」
「国王陛下に罪などございません!それに、月に一度はお二人にお会いされていましたし、血筋に相応しい衣食住と地位もお与えになっていた。充分に役割を果たされています」
「いいや。不充分だった。余には息子を育てる義務と責任がある。
クリスティアンの教育は余が主導することになった。
アレの醜態を見ただろう。情操教育も必要だ。無知や愚かさ自体は罪ではないが、あの歪んだ価値観と人格のまま王族を名乗るのは罪だ。
本人にも『王族に相応しい教養と人格を備えれなければ、その程度によって今度こそ廃嫡か臣籍降下しなければならない』と、言い含めた。
この一カ月、余が選んだ教師による再教育を施し、公務に参加させ、余も三日に一度は顔を見せて話すようにした。
だが……捗々しくない」
「でしょうね。むしろ、『国王陛下がご自分に期待されている』『王太子に指名される日も近い』と勘違いしているとか。国王陛下がお選びになった教師や側近候補にも、非常に態度が悪いと聞きます。
……で、それと我が娘との婚約はどう関係するのですか?」
「アレは教師たちの言うことは聞かないが、同い年の令嬢、それも婚約者の言うことなら聞くかもしれぬ。
シルビアーナ嬢、そなたはクリスティアンの同世代の令嬢の中で飛び抜けて聡明で冷静だ。他者に関心の薄いクリスティアンも、其方の名は覚えていた。
婚約はいずれ解消していい。出来る限りで良い、クリスティアンを導いてやってくれ。
ゴールドバンデッド公爵家にはもちろん、シルビアーナ嬢個人に対しても相応の褒美をとらす」
「それでは婚約者というより教師か子守ではありませんか!しかも解消すれば、いかな理由とてシルビアーナの瑕疵になる!当家を愚弄し!シルビアーナの人生を犠牲にするおつもりか!」
激しい怒りに空気が震える。近衛騎士たちが前へ出た。国王陛下を背後に庇う形で立つ。
ゴールドバンデッド公爵閣下の従者と私も、それぞれの主の側に立つ。
武器は持ち込めなかったけれど、盾にはなれる。いざとなったら、お二人だけでも逃さねばと決意する。
「リリ、なんだか嫌な予感がするわ。お父様の許可は取ったから、お茶会には貴女も来て」
身支度をお手伝いしてお供した。
今日のシルビアお姉様は、若草色のシンプルなドレス。清楚さと少女特有の愛らしさを引き立てている。まるで森の精霊のよう。
そして、ゴールドバンデッド公爵のエスコートで王城の中を歩く姿は、高位貴族らしく堂々としている。けれど、淑女の笑みは少し固い。緊張してる時の顔だ。
私も緊張している。
お二人に付き従うのは、私とゴールドバンデッド公爵閣下の侍従が一人だけ。国王陛下からは、よほどご内密の話があるはず。
それは恐らく……。
とにかく私は、シルビアお姉様の美しさを堪能したり、初めて足を踏み入れた王城を観察したりする余裕もない。
ゴールドバンデッド公爵閣下はいつも通りに見えるけれど、やや機嫌が悪い気がする。
私たちは案内に従い粛々と歩き、謁見室の一つに案内された。
中には国王陛下と、国王陛下の侍従が一人、近衛騎士が二人だけ。やはり最低限の人員だ。
「よく来てくれた。この場では自由に話して良い。不敬には問わん」
挨拶もそこそこにお茶会が始まった。私とゴールドバンデッド公爵閣下の侍従は、シルビアお姉様たち側の壁際に控える。それぞれの表情や動きが、ある程度見えるような角度でだ。
茶菓子の給仕は、国王陛下の侍従がしている。
不躾にならない程度に観察させてもらった。
国王陛下は上品で豪華な茶菓子をすすめつつ、シルビアお姉様の夜会での働きを誉めたり、ゴールドバンデッド公爵閣下のお働きを讃える。
シルビアお姉様たちは当たり障りなく返事をし、ゆっくりと時が流れてゆく。
やがて国王陛下の様子が改まり、本題に入った。
「シルビアーナ嬢、其の方には第二王子クリスティアンの婚約者になってもらいたい。引き受けてはもらえないだろうか?」
「……っ!」
シルビアお姉様が息を飲む音が微かに聞こえた。私も悲鳴を上げるところだった。予想はしてたけど最悪だ。
「シルビアーナの父として許可できませんな」
即座に断るゴールドバンデッド公爵閣下。謁見室の空気が一気に重苦しくなる。
「……頼む。シルビアーナ嬢にしか頼めぬのだ。クリスティアンを育ててやって欲しい」
「私がクリスティアン殿下をお育てする?どういうことでしょうか?」
「うむ。……まずはクリスティアンについて説明しよう」
国王陛下は重々しく説明した。
「第二王子クリスティアンの教育は、生母である第二側妃ティアーレの役目であった。しかし、ただ甘やかしたあげく暴君に育ててしまった。生まれつき病弱というのも、勉学や公務から逃げるための嘘だ。それらが今回の醜態を招いた。責任は重い。
余はクリスティアンを廃嫡し、ティアーレとは離縁し、二人の後見であるガーデニア公爵を罷免するはずだった」
ゴールドバンデッド公爵はあからさまに顔をしかめた。
「左様でございますな。私としては、王族は国王陛下、王妃陛下、第一側妃殿下、レオナリアン殿下と未来の王子妃殿下と御子がおわせば安泰。それ以外は不穏の種でしかないと愚考いたしますが」
ガチャリと重い金属の音。第二側妃と第二王子への不敬すぎる発言に、護衛騎士たちが剣の柄を握る。
国王陛下が目線で抑えた。
「……余も同じ考えだ。だが……ガーデニア公爵とティアーレが私財を投げ打ち、クリスティアンの処罰を軽くするよう嘆願した。また、ガーデニア公爵の派閥以外からも反対が出た」
国王陛下とはいえ、全て思うがままではない。むしろ諸侯との兼ね合いもあり、舵取りは難しいのでしょう。
「余の子は、レオナリアンとクリスティアンだけだ」
王族の数は少ない。
『王の子は尊び重んじられねばなりません。しかもクリスティアン殿下はまだ若い。廃嫡するのは早計です』
『ティアーレ殿下とガーデニア公爵の罪は、クリスティアン殿下への教育の失敗だけです。王子を成した貢献と、財務大臣として長年勤められた貢献を無視されるおつもりか?おまけにお二人は私財を投げ打って、クリスティアン殿下をお助けしようとされているのです!離縁や罷免はやり過ぎでしょう』
そのように諸侯から反対され、厳罰に処すことは敵わなかったそう。
クリスティアン殿下は、離宮から王城へ居を移し再教育と公務への参加をさせる。
ティアーレ殿下は、クリスティアン殿下の教育への関与の禁止、離宮にて蟄居、ドラゴニア辺境伯家とアディナ王太子殿下に相応の慰謝料を払う。
ガーデニア公爵は、ティアーレ殿下たちの監督不行届として王家に慰謝料を払う。
「あまりにも甘い処分でした。厚顔無恥で私財を溜め込んできた者どもにとっては痛くも痒くもないでしょう。この処分に賛同した者たちは、近いうちに後悔するでしょうね」
国王陛下の顔が苦悩に歪む。
「余はすでに後悔している。
今回の件は、クリスティアンとティアーレを放置していた余の責任でもある」
「国王陛下」
ゴールドバンデッド公爵閣下は、真っ直ぐに国王陛下を見つめた。
「貴方は私の唯一の王だ。その王に姑息な真似をして側妃におさまったあの女も、その後押しをしたあの女の親も、姑息な真似の果てに産まれた子供も許し難い。
何度も申し上げておりますが、御代を脅かす不忠者どもに慈悲をかけるべきではございません」
それは王家の隠された醜聞。事前に教えられてはいたけど、胃がきゅっとなる。
ティアーレ殿下は、公爵令嬢時代から国王陛下を愛していた。けれど、国王陛下には嫌われていた。
だから薬を使い、無理矢理国王陛下と夜を共にしたのだ。
当然罪に問われたけれど、ティアーレ殿下はクリスティアン殿下を懐妊してしまった。
そして、王族は非常に数が少ない。
国王陛下はティアーレ殿下の罪をなかったことにして、側妃にするしかなかった。
そりゃ嫌うだろうし、産まれた子ともども放置しても無理はないでしょう……。
ブランカ男爵の愛妾にされ、私を産まされた母の姿が浮かぶ。母は何も言わないけれど、私を産むことに苦悩や葛藤があったと思う。
愛せなくても無理はなかった。
「……そなたの言う通りだ。しかし、愛せなくともクリスティアンは我が子、我が息子なのだ。あれを見るたびに苦しむからと、向き合おうとしなかったのは余の罪だ」
「国王陛下に罪などございません!それに、月に一度はお二人にお会いされていましたし、血筋に相応しい衣食住と地位もお与えになっていた。充分に役割を果たされています」
「いいや。不充分だった。余には息子を育てる義務と責任がある。
クリスティアンの教育は余が主導することになった。
アレの醜態を見ただろう。情操教育も必要だ。無知や愚かさ自体は罪ではないが、あの歪んだ価値観と人格のまま王族を名乗るのは罪だ。
本人にも『王族に相応しい教養と人格を備えれなければ、その程度によって今度こそ廃嫡か臣籍降下しなければならない』と、言い含めた。
この一カ月、余が選んだ教師による再教育を施し、公務に参加させ、余も三日に一度は顔を見せて話すようにした。
だが……捗々しくない」
「でしょうね。むしろ、『国王陛下がご自分に期待されている』『王太子に指名される日も近い』と勘違いしているとか。国王陛下がお選びになった教師や側近候補にも、非常に態度が悪いと聞きます。
……で、それと我が娘との婚約はどう関係するのですか?」
「アレは教師たちの言うことは聞かないが、同い年の令嬢、それも婚約者の言うことなら聞くかもしれぬ。
シルビアーナ嬢、そなたはクリスティアンの同世代の令嬢の中で飛び抜けて聡明で冷静だ。他者に関心の薄いクリスティアンも、其方の名は覚えていた。
婚約はいずれ解消していい。出来る限りで良い、クリスティアンを導いてやってくれ。
ゴールドバンデッド公爵家にはもちろん、シルビアーナ嬢個人に対しても相応の褒美をとらす」
「それでは婚約者というより教師か子守ではありませんか!しかも解消すれば、いかな理由とてシルビアーナの瑕疵になる!当家を愚弄し!シルビアーナの人生を犠牲にするおつもりか!」
激しい怒りに空気が震える。近衛騎士たちが前へ出た。国王陛下を背後に庇う形で立つ。
ゴールドバンデッド公爵閣下の従者と私も、それぞれの主の側に立つ。
武器は持ち込めなかったけれど、盾にはなれる。いざとなったら、お二人だけでも逃さねばと決意する。
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