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第二章 6
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東洋一の歓楽街の奥に建つラブホテルに、美鈴は痴漢師たち四人と一緒に向かった。
先ほどの珈琲専門店で一時間近く話し合ったので、現在の時刻は午前九時を少し回った頃だった。
チェックインを済ませ、スペシャルプレミアムスイートに入室した。しかし、美鈴には何がスペシャルなのか、プレミアムなのか理解出来なかった。現在の夫翔馬とは一度もラブホテルを利用したことはない。結婚前も、セックスする時は彼の部屋か、当時美鈴が暮らしていた部屋の何れかだった。大学生の頃一時期交際していた元カレとは、何度かこういったところに足を運んだこともあった。それでも事細かに内装をチェックすることなどなかった。
意図せず横井たちと訪れたこの部屋は、壁紙が一面プラチナゴールドに統一され、天井は鏡張りだった。つまり、自分自身の目で、淫らな行為が視認出来る訳だ。
ソファは趣味の悪いピンクだ。入室して直ぐ、友田と矢野が腰を下ろした。
「凄ぇっ、高級感バリバリの座り心地だぜ」
友田が、まるでトランポリンで遊ぶ子供のように、そのクッション性能を試し燥いでいる。
「突っ立ってないで先生も腰掛けたら」
いいながら横井がソファに腰を下ろした。
美鈴は夫に誕生日プレゼントとして買ってもらったハンドバッグと書類が入った手提げ鞄を胸元で抱き抱えたまま、ドアの付近で立っていた。
「俺たちゃ痴漢はするけど、他人の持ち物を取ったりはしねえ、なあそうだろ修二」
矢野が窪に向かっていう。
すると窪は無言で頷いた。
「さてと、そろそろ始めますか、先生」
左手に填めた腕時計を外しながら友田がいう。
「なあ、先生。一番目は誰と寝てみたい? 先生が選ぶんだ」
わなわなと身体を震わせ突っ立っている美鈴に向かって横井がいった。
「わ、私は……その……」
もじもじとして言葉にならない。
「じゃあ、仕方ない。コイントスで決めようぜ」
友田が、ポケットから小銭入れを取り出した。五百円硬貨を摘まみ出す。それを天井に向かって右手の親指で弾いた。落下して来たコインを、左手の甲でキャッチして直ぐに右手を被せた。
「裏か表か」
「俺は表だ」
矢野がいった。
「横井さんは?」
友田が尋ねる。
「俺は裏だ」
「そんじゃぁ俺は表ということで……修二、お前はどうすんだ?」
「俺は、最後でいい」
「相変わらず欲のない奴だな」
呆れながらいうと、友田は被せていた右手を上げた。
500の文字が見えた。
「ちぇっ裏かよ」
「僕が一番か……そういうことですので、先生宜しくお願いします」
狼狽える美鈴を前にしても、横井はにやけ面を崩さない。
(どうしよう、私、本当にこの人たちとエッチしちゃうんだ……)
美鈴は諦めたかのように嘆息を吐いた。
「あの、シャ、シャ、シャワーを……」
全面ガラス張りになったバスルームに顎を向け、美鈴は震える声でいった。
「シャワーですか……先生、僕はね、あなたの汗臭い熟れた牝の匂いを嗅いでみたいんです」
「えっ!?」
今し方横井がいった言葉の意味が分からず、美鈴は困惑した。
「どういうことでしょうか……?」
怪訝気味に首を傾げ、美鈴は下卑た笑みを浮かべる横井に尋ねた。
「分かんないかな先生。横井さんは、洗っていないあんたのオ×ンコの匂いを嗅いでみたいて仰ってるんだよ」
師匠の横井に代わり弟子の矢野が答える。
自分では一度も口にしたことがない女性器の蔑称を耳にし、美鈴は忽ち両頬がカッと熱くなった。
「どうしたの先生。オ×ンコって言葉聞いただけで、その美しいお顔が真っ赤だぜ。耳朶まで赤いやっ」
恥ずかしさのあまり狼狽する美鈴を余所に、友田は下品な口調で手を叩きながら彼女を揶揄った。
「洗っていないオ×ンコの味見をさせてもらいましょうか」
燥ぐ友田に対照的に、落ち着き払った横井は、美鈴に真顔で告げた。
「嫌ぁぁぁ……嫌です……せめてシャワーだけでも……」
オロオロと狼狽え、美鈴は後退りながらかぶりを振った。
背後は壁だ。もうこれ以上後ろには下がれない。美鈴はプラチナゴールドの壁紙の前で立ち尽くした。
「おいっ」
横井が弟子の痴漢師たちに顎で命じた。
「はい」
頷くと、友田が美鈴に襲い掛かった。矢野が加勢する。
空手の黒帯二段の実力を持つ彼女であったが、今日はその本来の力を発揮することが出来なかった。既に変態的な横井たちの勢いに気圧され、為す術もなくあっさりと友田と矢野の両名に両腕を押さえつけられた。
「あとで強姦されたとかいって訴えられると困るんで、最初に断っておきます。先生、これは和姦ですよね。何しろご自分の意思でここに来られたのですから」
「……そ、それはあなた方が無理やり……」
「無理やりじゃないでしょ。だって先生、避妊具着けてくれるのならOKって、先ほどあの珈琲専門店で仰ったじゃないですか、だからこれは和姦ということになります」
「でもそれは……」
顔を赤らめた美鈴は、横井を直視出来ず視線を逸らした。
「さあ、先生、お顔を上げて……ご自分のお言葉で仰って下さい。抱いて下さいと……」
恥じらう美鈴の顎を、横井は指先で持ち上げながら告げた。
(ここで、そんなこと口にしたら、私はもう終わりだ……でも、そうしなきゃ細川さんが……)
躊躇いがちな素振りを見せる美鈴に、
「さあ、先生」
と横井が迫った。
心臓の鼓動があり得ない程の速さで一気に高鳴った。美鈴は目の前に立つ卑劣な男のにやけ面を間近で見詰め、徐に口を開いた。
「わ、わた、私を……だ、だい、抱いて……く、くだ……下さい」
遂にその言葉を美鈴は口にしてしまった。
しかし、横井は顏を顰め眉根を寄せる。
「はぁっ!?」
訝しく思い、美鈴は首を傾げた。
「聞こえません。もっと大きな声ではっきりと仰って下さいっ」
横井が声を荒げる。
この様子を見守っている他の三人の痴漢師どもは、くくくと冷笑を浮かべている。
はぁと諦めがちの嘆息を吐くと、美鈴はもう一度口を開いた。
「私を抱いて下さいっ。これでいいんでしょ」
カッと目を開き、美鈴は横井を睨みつけた。
「まあ、取り敢えずそれで良しとしましょう」
頷くと横井は、美鈴の両腕を左右から押さえつけている弟子二人に、
「おいっ」
と顎で命じた。
「はい」
二人は一旦押さえつけていた美鈴の手首を解放し、ストライプ柄のスカートを膝上まで捲り上げた。ベージュ色のストッキングに包まれた美鈴の太腿が露わになる。
「きゃぁぁーっ!!」
思わず悲鳴を上げてしまった。美鈴のその顔は羞恥心で朱に染まっていた。捲くり上がったスカートの裾を、手のひらで押さえる彼女の脳裏に後悔の念が過ぎる。
「僕はね、痴漢師なんだ。だから痴漢行為の延長であなたとそういう関係にならなきゃ興奮しないんだよ」
横井のいっている意味が美鈴には理解出来なかった。
「相変わらず変態的なことを考えているな、横井さんは」
感心したように友田がいう。
「そうかい」
満更でもないといった表情で薄笑いすると、横井はストッキングの上から、ムチムチの太腿を緩急つけて撫で始めた。指先が太腿に触れた瞬間、美鈴の背筋に怖気が走り、全身が粟立った。
(卑劣……細川さんは毎朝、通学列車の中でこの男たちにこんな酷い目に遭わされていたのね……)
教育者としての正義感が美鈴の中に蘇った。しかしそれも束の間だった。
卑劣な横井は中指を立て、慣れた手つきで、美鈴の内股辺りを、円を描くように撫で始めた。途端に膣の奥にある子宮に甘い痺れが伝わった。処女ならば兎も角、経産婦である美鈴には、横井の淫らな指の動きは、彼女の女としての部分を刺激するには充分なものであったのだ。
「んぅうん……はぁーっ……つぅーっ」
声を漏らすまいと硬く口を閉じ、美鈴は手のひらで覆った。
「おやおや、もう感じ始めたのですか、先生。スケベな膣(あな)をお持ちだこと」
ジワリと濡れ始めた美鈴を揶揄うように横井が詰った。
その卑劣な男の指先は、ストッキングの下の、白いレースのパンティーのクロッチに包まれた一番敏感な部分を、これでもかというくらい執拗に刺激するのだ。
(あっひぃっ……そこは駄目ぇっ……あうぅっ……あぁっ……)
薄い布に覆われただけの秘密の花園を、邪な横井の指先がのの字を描きながら緩急をつけて刺激する。その度に自らの意に反し、美鈴の身体は勝手に反応してしまう。
夫翔馬は、性に関して淡白な男性だった。こんなもじわりじわりと焦らせながら身体を触ってくることなど一度もなかった。
最初、美鈴は横井という男が、単純にこの熟れた女体だけが目的であって、避妊具を使用した上での膣内で射精に誘えば済むと考えていた。しかし現実は彼女の想像を遥かに超えるものだったのだ。
夫とのセックスで美鈴は、一度も性的絶頂を迎えたことはなかった。結婚する前に交際していた元カレとのセックスでも逝ったことはなかったのだ。しかし横井という女の敵である痴漢師は、女性を官能の渦に引き摺り込むツボを熟知しているため、薄い布の上からでも軽く触れられただけで、美鈴の身体は過剰に反応してしまうのだ。
「あぁっあうぅぅ……はぁっ……んぅ……はぁぅぅ……」
頭の中が真っ白になっていく。
(このままじゃ駄目ぇっ。確りしなくっちゃ、流されちゃ駄目よ美鈴っ)
正気を保とうと意識を集中する。
「パンティストッキングは破かずにおきましょう」
そういいながら横井は、素肌に密着するベージュ色のストッキングを摘まみ、ゆっくりと下げた。膝下まで下げると、遂に生足が露わになった。
ゴクンと、男たちが生唾を嚥下する下品な音が聞こえた。
先ほどの珈琲専門店で一時間近く話し合ったので、現在の時刻は午前九時を少し回った頃だった。
チェックインを済ませ、スペシャルプレミアムスイートに入室した。しかし、美鈴には何がスペシャルなのか、プレミアムなのか理解出来なかった。現在の夫翔馬とは一度もラブホテルを利用したことはない。結婚前も、セックスする時は彼の部屋か、当時美鈴が暮らしていた部屋の何れかだった。大学生の頃一時期交際していた元カレとは、何度かこういったところに足を運んだこともあった。それでも事細かに内装をチェックすることなどなかった。
意図せず横井たちと訪れたこの部屋は、壁紙が一面プラチナゴールドに統一され、天井は鏡張りだった。つまり、自分自身の目で、淫らな行為が視認出来る訳だ。
ソファは趣味の悪いピンクだ。入室して直ぐ、友田と矢野が腰を下ろした。
「凄ぇっ、高級感バリバリの座り心地だぜ」
友田が、まるでトランポリンで遊ぶ子供のように、そのクッション性能を試し燥いでいる。
「突っ立ってないで先生も腰掛けたら」
いいながら横井がソファに腰を下ろした。
美鈴は夫に誕生日プレゼントとして買ってもらったハンドバッグと書類が入った手提げ鞄を胸元で抱き抱えたまま、ドアの付近で立っていた。
「俺たちゃ痴漢はするけど、他人の持ち物を取ったりはしねえ、なあそうだろ修二」
矢野が窪に向かっていう。
すると窪は無言で頷いた。
「さてと、そろそろ始めますか、先生」
左手に填めた腕時計を外しながら友田がいう。
「なあ、先生。一番目は誰と寝てみたい? 先生が選ぶんだ」
わなわなと身体を震わせ突っ立っている美鈴に向かって横井がいった。
「わ、私は……その……」
もじもじとして言葉にならない。
「じゃあ、仕方ない。コイントスで決めようぜ」
友田が、ポケットから小銭入れを取り出した。五百円硬貨を摘まみ出す。それを天井に向かって右手の親指で弾いた。落下して来たコインを、左手の甲でキャッチして直ぐに右手を被せた。
「裏か表か」
「俺は表だ」
矢野がいった。
「横井さんは?」
友田が尋ねる。
「俺は裏だ」
「そんじゃぁ俺は表ということで……修二、お前はどうすんだ?」
「俺は、最後でいい」
「相変わらず欲のない奴だな」
呆れながらいうと、友田は被せていた右手を上げた。
500の文字が見えた。
「ちぇっ裏かよ」
「僕が一番か……そういうことですので、先生宜しくお願いします」
狼狽える美鈴を前にしても、横井はにやけ面を崩さない。
(どうしよう、私、本当にこの人たちとエッチしちゃうんだ……)
美鈴は諦めたかのように嘆息を吐いた。
「あの、シャ、シャ、シャワーを……」
全面ガラス張りになったバスルームに顎を向け、美鈴は震える声でいった。
「シャワーですか……先生、僕はね、あなたの汗臭い熟れた牝の匂いを嗅いでみたいんです」
「えっ!?」
今し方横井がいった言葉の意味が分からず、美鈴は困惑した。
「どういうことでしょうか……?」
怪訝気味に首を傾げ、美鈴は下卑た笑みを浮かべる横井に尋ねた。
「分かんないかな先生。横井さんは、洗っていないあんたのオ×ンコの匂いを嗅いでみたいて仰ってるんだよ」
師匠の横井に代わり弟子の矢野が答える。
自分では一度も口にしたことがない女性器の蔑称を耳にし、美鈴は忽ち両頬がカッと熱くなった。
「どうしたの先生。オ×ンコって言葉聞いただけで、その美しいお顔が真っ赤だぜ。耳朶まで赤いやっ」
恥ずかしさのあまり狼狽する美鈴を余所に、友田は下品な口調で手を叩きながら彼女を揶揄った。
「洗っていないオ×ンコの味見をさせてもらいましょうか」
燥ぐ友田に対照的に、落ち着き払った横井は、美鈴に真顔で告げた。
「嫌ぁぁぁ……嫌です……せめてシャワーだけでも……」
オロオロと狼狽え、美鈴は後退りながらかぶりを振った。
背後は壁だ。もうこれ以上後ろには下がれない。美鈴はプラチナゴールドの壁紙の前で立ち尽くした。
「おいっ」
横井が弟子の痴漢師たちに顎で命じた。
「はい」
頷くと、友田が美鈴に襲い掛かった。矢野が加勢する。
空手の黒帯二段の実力を持つ彼女であったが、今日はその本来の力を発揮することが出来なかった。既に変態的な横井たちの勢いに気圧され、為す術もなくあっさりと友田と矢野の両名に両腕を押さえつけられた。
「あとで強姦されたとかいって訴えられると困るんで、最初に断っておきます。先生、これは和姦ですよね。何しろご自分の意思でここに来られたのですから」
「……そ、それはあなた方が無理やり……」
「無理やりじゃないでしょ。だって先生、避妊具着けてくれるのならOKって、先ほどあの珈琲専門店で仰ったじゃないですか、だからこれは和姦ということになります」
「でもそれは……」
顔を赤らめた美鈴は、横井を直視出来ず視線を逸らした。
「さあ、先生、お顔を上げて……ご自分のお言葉で仰って下さい。抱いて下さいと……」
恥じらう美鈴の顎を、横井は指先で持ち上げながら告げた。
(ここで、そんなこと口にしたら、私はもう終わりだ……でも、そうしなきゃ細川さんが……)
躊躇いがちな素振りを見せる美鈴に、
「さあ、先生」
と横井が迫った。
心臓の鼓動があり得ない程の速さで一気に高鳴った。美鈴は目の前に立つ卑劣な男のにやけ面を間近で見詰め、徐に口を開いた。
「わ、わた、私を……だ、だい、抱いて……く、くだ……下さい」
遂にその言葉を美鈴は口にしてしまった。
しかし、横井は顏を顰め眉根を寄せる。
「はぁっ!?」
訝しく思い、美鈴は首を傾げた。
「聞こえません。もっと大きな声ではっきりと仰って下さいっ」
横井が声を荒げる。
この様子を見守っている他の三人の痴漢師どもは、くくくと冷笑を浮かべている。
はぁと諦めがちの嘆息を吐くと、美鈴はもう一度口を開いた。
「私を抱いて下さいっ。これでいいんでしょ」
カッと目を開き、美鈴は横井を睨みつけた。
「まあ、取り敢えずそれで良しとしましょう」
頷くと横井は、美鈴の両腕を左右から押さえつけている弟子二人に、
「おいっ」
と顎で命じた。
「はい」
二人は一旦押さえつけていた美鈴の手首を解放し、ストライプ柄のスカートを膝上まで捲り上げた。ベージュ色のストッキングに包まれた美鈴の太腿が露わになる。
「きゃぁぁーっ!!」
思わず悲鳴を上げてしまった。美鈴のその顔は羞恥心で朱に染まっていた。捲くり上がったスカートの裾を、手のひらで押さえる彼女の脳裏に後悔の念が過ぎる。
「僕はね、痴漢師なんだ。だから痴漢行為の延長であなたとそういう関係にならなきゃ興奮しないんだよ」
横井のいっている意味が美鈴には理解出来なかった。
「相変わらず変態的なことを考えているな、横井さんは」
感心したように友田がいう。
「そうかい」
満更でもないといった表情で薄笑いすると、横井はストッキングの上から、ムチムチの太腿を緩急つけて撫で始めた。指先が太腿に触れた瞬間、美鈴の背筋に怖気が走り、全身が粟立った。
(卑劣……細川さんは毎朝、通学列車の中でこの男たちにこんな酷い目に遭わされていたのね……)
教育者としての正義感が美鈴の中に蘇った。しかしそれも束の間だった。
卑劣な横井は中指を立て、慣れた手つきで、美鈴の内股辺りを、円を描くように撫で始めた。途端に膣の奥にある子宮に甘い痺れが伝わった。処女ならば兎も角、経産婦である美鈴には、横井の淫らな指の動きは、彼女の女としての部分を刺激するには充分なものであったのだ。
「んぅうん……はぁーっ……つぅーっ」
声を漏らすまいと硬く口を閉じ、美鈴は手のひらで覆った。
「おやおや、もう感じ始めたのですか、先生。スケベな膣(あな)をお持ちだこと」
ジワリと濡れ始めた美鈴を揶揄うように横井が詰った。
その卑劣な男の指先は、ストッキングの下の、白いレースのパンティーのクロッチに包まれた一番敏感な部分を、これでもかというくらい執拗に刺激するのだ。
(あっひぃっ……そこは駄目ぇっ……あうぅっ……あぁっ……)
薄い布に覆われただけの秘密の花園を、邪な横井の指先がのの字を描きながら緩急をつけて刺激する。その度に自らの意に反し、美鈴の身体は勝手に反応してしまう。
夫翔馬は、性に関して淡白な男性だった。こんなもじわりじわりと焦らせながら身体を触ってくることなど一度もなかった。
最初、美鈴は横井という男が、単純にこの熟れた女体だけが目的であって、避妊具を使用した上での膣内で射精に誘えば済むと考えていた。しかし現実は彼女の想像を遥かに超えるものだったのだ。
夫とのセックスで美鈴は、一度も性的絶頂を迎えたことはなかった。結婚する前に交際していた元カレとのセックスでも逝ったことはなかったのだ。しかし横井という女の敵である痴漢師は、女性を官能の渦に引き摺り込むツボを熟知しているため、薄い布の上からでも軽く触れられただけで、美鈴の身体は過剰に反応してしまうのだ。
「あぁっあうぅぅ……はぁっ……んぅ……はぁぅぅ……」
頭の中が真っ白になっていく。
(このままじゃ駄目ぇっ。確りしなくっちゃ、流されちゃ駄目よ美鈴っ)
正気を保とうと意識を集中する。
「パンティストッキングは破かずにおきましょう」
そういいながら横井は、素肌に密着するベージュ色のストッキングを摘まみ、ゆっくりと下げた。膝下まで下げると、遂に生足が露わになった。
ゴクンと、男たちが生唾を嚥下する下品な音が聞こえた。
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