人妻女教師調教痴漢電車 女生徒の身代わり身体を捧げる女教師

繁村錦

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第六章 1

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 胸元が大きく開いた白のブラウスから覗く谷間には、珠のような汗が滲んでいた。タイトスカート越しに、内腿の辺りを蒸れた空気が包み込み、天野泉は裾を抓んでハタハタと叩いた。ふぅうっと溜め息を吐く、その息すらも熱を帯びていた。
 期末試験最終日の監督を追え、職員室に戻ると泉は自分の席に腰掛ける。右斜め前の席に座る同僚の女教師沢村美鈴を見やる。ここ最近どことなく美鈴が、元気がないことを泉なりに気になっていたのだ。今も心ここに有らず、というように下顎を手のひらの上に乗せ、ぼんやりと窓の外を見詰めている。
「沢村先生……大丈夫ですか?」
 問い掛けてみるが返事がない。
「沢村先生……?」
「あっ、何ぃ」
 美鈴はキョトンとした表情で、和泉の顔を見た。
「大丈夫ですか、ぼんやりしちゃって」
「ごめん、答案用紙の解答チェックで徹夜が続いて、最近寝不足気味だから……」
「そうですか、それならいいんですけど」
 いいながら泉は、自身が担当する理科Ⅱの答案用紙をちらりと見た。
(現国って大変なんだ。まあ、こっちはこっちで大変なんだけどね)
 今回の期末試験の問題は、前回の中間テストの問題が少し難しく五十五点と平均点が低かったため、それなりに簡単な問題にしたつもりだった。しかし、結果は中間テストあまり変わらず平均点は六十一点だった。赤点を取った生徒たちの夏季補習をしなくてはいけない。これが目下のところ泉の悩みの種だった。
「沢村先生、本日は部活の指導どうなさるおつもりですか?」
 学年主任の加藤が美鈴に尋ねる。
「……そうですね」
 美鈴は目の前の席に座る初老の男性教師に気のない返事をした。
「そっか、今日から部活解禁か」
「天野先生は確か……」
 美鈴が、視線を加藤から泉に移しながら問い掛ける。
「帰宅部の顧問です」
「帰宅部って、泉ちゃん……」
 美鈴は両頬を弛ませ、天野の下の名前でいいクスクスと笑った。
「どうですこの際、教頭がいっていた通りプログラミング研究部の顧問引き受けませんか?」
 加藤が横から口を挟んで来た。
「えぇぇっ、嫌ですよお断りします。だってプログラミング研究部って陰で何ていわれいるか知っていますか」
「さあ」
 加藤は小さくかぶりを振る。美鈴も加藤と同じように、素っ気なくかぶりを振った。
「ヲタク部ですよ、ヲタク部」
 眉間に皺を寄せ、泉は顰め面でいうと、机の上の答案用紙の束や書類などを纏め、手提げ鞄に詰め込んだ。回転椅子を引き立ち上がる。
「それじゃ、私、お先に上がります」
「嬉しそうね泉ちゃん。これから彼氏とデート?」
「そんなんじゃありません。ソッコーで帰宅して、答案用紙のチェックや夏休みの課題のプリントの原案とか作らなくっちゃいけません」
「いいわね、帰宅部の顧問は……」
 美鈴はそれとなく後輩の女教師に皮肉をいった。
 バツ悪そうに愛想笑いを浮かべ目礼してから、泉は職員室を離れた。
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