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第4章 決戦!皇竜姫ドラグレリア!

第72話 勝機

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「聖光解放! 『セイクリッド・インパクト』!!」

「だから無駄じゃと言っておる――ぐふぅぅぅおぁっ!? なっ、わらわのドラゴニック・スケイルが貫通されたじゃと――!? バカなっ!?」

 ついに俺の拳が、最高硬度を誇るドラゴニック・スケイルを数枚まとめて打ち砕いた――!

 邪悪を打ち払う聖なる光が、ドラグレリアの内部で激しく燃え上がる。
 ドラゴンと言えども無敵の存在ではない。
 大きなダメージを負ったドラグレリアの巨体がぐらりと揺らいだ。

「ドラゴニック・スケイルがどれだけ硬くとも! 何度も何度も同じ場所『だけ』を打たれ続ければ、いつかは壊れるだろ?」

「ぐ、ふっ……ぐぅっ。くっ、まさか寸分たがわず同じ場所だけを狙い続けて――」

「攻撃に入れ込むあまり、防御への意識がおろそかになり過ぎたな」

 そう。
 これが俺とリエナが立てていたドラグレリア攻略法だった。


~回想~

『勇者様、ドラゴンの身体を覆う竜鱗――ドラゴニック・スケイルは非常に硬く、聖剣『ストレルカ』無しで破壊することは、正直かなり難しいと思います』

『ああ、知ってる。ドラゴンとは『オーフェルマウス』でも何度か戦ったからな。あいつらの防御の硬さは骨身に染みてるよ』

『聖剣『ストレルカ』無しでは勇者様の攻撃力はかなり低下してしまいますから』

『しかも並のドラゴンならいざしらず、戦うのはあの暴竜ドラグローエンの娘だもんな』

『この世界に来るために多くの力を消耗してしまっていた魔王カナンよりも、はるかに強敵であることは間違いありません』

『だろうな……でも今のリエナの言い方だと――「かなり難しい」ってことは――裏を返せば難しいなりに何か対処法があるってことなんだよな?』

『はい。金属疲労といって、どれだけ硬い物質であっても、同じ個所に何度も衝撃を受けてしまうと強度が大幅に下がってしまうんです』

『つまり同じところをピンポイントでひたすら狙えってことか?』

『そういうことですね。たとえ聖剣『ストレルカ』がなくても上位魔獣ですら一撃で塵へと変える『セイクリッド・インパクト』の破壊力なら、恐らく10発前後当てれば打ち抜けるのではないかと』

『分かった、その作戦でいこう。サンキューな、リエナ。ほんとリエナは頼りになるよ』

『えへへ、ありがとうございます♪』


~~回想終わり~~

 なにせ俺とリエナがドラゴンと戦うのはかれこれ通算で5度目になる。
 いい加減、ドラゴンとの戦い方も慣れてきたってなもんだった。

 そして。
 俺はここを勝機と、一気に勝負に出た――!

「聖光解放! 『セイクリッド・インパクト』!!」
「聖光解放! 『セイクリッド・インパクト』!!」
「聖光解放! 『セイクリッド・インパクト』!!」

 ドラゴニック・スケイルを打ち抜き破壊した場所に、さらにさらにと必殺の聖なる拳をラッシュで叩き込む!

 女神アテナイから授けられた聖光が、ドラグレリアの内部で次々と荒れ狂っていく――!

「グギュぅぅうオああああァァァァァッぁ――――っ!!」

 その激痛を堪えきれずに、断末魔のような咆哮をあげるドラグレリア。
 あまりの大音声に、空気がビリビリと振動する。

 間違いない、効いている!
 『セイクリッド・インパクト』の4連発が完全に入って、ドラグレリアに大ダメージを与えたのだ――!

「このまま仕留める! この勝負、俺の勝ちだ! 聖光解放――!」

 そう判断し、『セイクリッド・インパクト』の更なる連打に入りかけた時だった。

 ブォン――!!

 恐ろしい風切り音がして、ドラグレリアが聖光に焼かれながらも、コマのように身体をくるりと高速で回しながら尻尾を横殴りに振ったのは――!

「ぐっ、まだこんな力が残ってたのかよ――くそっ!?」

 強引な反撃ではない。
 過去一番に速く鋭い攻撃だった。

 火事場の馬鹿力で最後に一花咲かせるってやつか?

 なんにせよ、当たれば致命傷となる一撃を避けないわけにはいかない。

 俺は『セイクリッド・インパクト』での追々撃を即座に中止すると。
 横から迫りくる丸太のように太い尻尾を、走り高跳びの背面ジャンプの要領ですかして、ギリギリで回避した。

 着地して向き直ると、ドラグレリアと視線が交錯する。
 その瞳に浮かんでいたのは、怒りでもなく、苦痛でもなく――ただただ「喜び」だった。
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