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第4章 決戦!皇竜姫ドラグレリア!

第74話 突然変異種

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「ドラゴンの突然変異種だと……? なんだよそりゃ? 今までドラゴンについてリエナから色々教えてもらったけど、そんな存在がいるなんて初めて聞いたぞ?」

「あの小娘が知らぬのも無理はないのじゃよ。なにせドラゴン族は数が少ない上に、突然変異種はここ1000年、わらわの他にはおらぬからのぅ」

「つまり1000年に一体しかいない、オンリーワンのドラゴンってことかよ?」

 そういう設定を、さも当然みたいな顔して後から追加するのやめてくれないかな?
 後付け設定って言うんだぞ、そう言うの。

 まさかブラフハッタリか?
 ――って、そんなわけはないよな。

 ドラグレリアは直接戦闘以外の行為――いわゆる盤外戦術を好むような性格じゃない。
 ブラフを使うなんて発想は、そもそもドラグレリアの頭の中には存在しないだろう。

 こいつの中にあるのは、ただひたすらに真正面から殴り勝って己の強さを証明すること。
 それだけなのだから。

 あとさらっと1000年単位で語るところも、さすがドラゴンってところだな。

「先祖返りと言うのかのう? 原初のドラゴン、神話に生きし古代竜、エンシェントドラゴン。わらわはそういった存在と極めて近しい特殊な体質を持っておるのじゃよ」

「エンシェントドラゴンと極めて近い体質だと……?」

 神話の時代に生きた古竜――エンシェントドラゴンは史上最も神に近い強大な存在だったと、かつてリエナから聞いたことがあった。

 ……さすがに冗談だよな?

「そしてそのエンシェントドラゴンの特異な体質の最たるものが、命の危機に瀕した時に、その真なる力を発揮するというものなのじゃよ――!」

「まさかそれが今ってことか!?」

「くくく、勇者シュウヘイ=オダよ。よくぞわらわをここまで追い込んでみせた! そしてここからが真なる決闘の始まりというわけなのじゃよ!」

 ドラグレリアの身体から獰猛な漆黒のオーラが猛然と立ち昇り始めた。

「くっそ、マジかよ!? なんだよこの異常なまでに膨大な力は! さっきまで死にかけてたはずだろ!?」

「既にこの身は、限りなく神に近しい存在だと言ったはずじゃ!」

「く――っ!」

「ではゆくのじゃ。簡単に死ぬでないぞ? わらわは勇者殿との戦いをもっともっと楽しみたいのじゃらかのぅ!」

 ドラグレリアが今までで一番の速さで俺の目の前に飛び込んでくると、勢いそのまま右の爪を振るった。

 速い!!

 しかも爪には漆黒の魔力が凝縮されていた。
 『セイクリッド・インパクト』と同じ原理の技なのだと直感的に理解する。

 つまり打撃と同時に、獰猛な闇の魔力を叩き込むつもりなのだ――!

「まさか『セイクリッド・インパクト』をそっくりそのままコピーしたのか!?」

 なにせドラグレリアは、魔王カナンの秘術たる位相次元空間まで見よう見まねでコピーできるんだ。

 ただの攻撃技をコピーするなんて、ドラグレリアにすれば猿が木に登るくらい簡単なことだろう。

「聖光解放! 『セイクリッド・インパクト』!」

 俺はならばと、必殺技には必殺技でもって迎え撃った。
 聖なる光をまとった俺の右拳と、漆黒の闇をまとったドラグレリアの爪が激しくぶつかり合う――!!

 しかし――!

「いい加減その技も見飽きたのじゃよ。さぁ食らい尽くすがよい、『ブラッディ・ナイトメア』――!」

 ドラグレリアの爪にまとった闇がさらに勢いを増すと、俺の右拳に込められた聖なる光を漆黒の闇で丸飲みするかのように、やすやすと侵食しはじめた――!

 くそ、だめだ!
 完全に打ち負けている!

 『ブラッディ・ナイトメア』は『セイクリッド・インパクト』の完全上位互換だ。
 このままじゃ押し切られる――!

 出し惜しみはできない。
 ここで俺も奥の手を使うしかない――!!

「女神アテナイよ、俺に邪悪を退けし勇者の力を――『女神の祝福ゴッデス・ブレス』デュアルドライブ!!」
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