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第六章「《蒼混じりの焔》ブルーブレンド」
第57話 蒼より黒く――
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「バリエーション豊かな、実に多彩な身のこなしだ」
ミドルキックとみせかけての打ち下ろしのローキック。
切り立った山頂のごとく鋭い変化の軌跡をたどったそれは、しかしギリギリで防御されてしまった。
ヒット後に予定していた《螺旋槍》へ繋がる一連の追撃を即放棄して、いったん間合いの外に脱出する。
直後、俺が寸前までいた場所を《蒼混じりの焔》の強烈な一撃が通り抜けた。
「っぶねぇ……!」
「ほほぅ、今のもかわしたか。実に素晴らしい! 体幹から徹底して鍛え上げられた肉体は、幾度とない自己分析の末にたどり着いた君の最適解なのだろうねぇ」
上下と左右を組み合わせたとっておきの三段フェイントで奴のサイドをとる。
上手く体勢を崩させたと思ったがものの、
ヒュン――!
しかし瞬間、鋭い風切り音とともに、背を向けながら回転した《蒼混じりの焔》のノールックでのするどい回し蹴りが飛んできて、
「くぅ――っ!」
俺は済んでのところガードを間に合わせた。
凄まじい反応速度――!
くそっ、想像以上にの対応力をしてきやがる。
これをかいくぐって撃ち抜くには、もっと、もっと、速さと精度を上げるんだ――!
「その若さにもかかわらず場数を踏んで得た経験値と胆力。対応力と反応力の高さ。それらと思考の鋭さからくる高度な先読み能力」
お互いがほぼ同時に踏み込んで、額と額がバッティングする。
ゴツンと派手にいったが、悪いが石頭には自信があるんだ。
弱かった俺は、凹られるのには滅法慣れているからな!
ほんの一瞬、わずかにぐらついた《蒼混じりの焔》に対して、俺は痛む頭をものともせず強烈な右ストレートを打ち込んだ。
もちろんがっちりとガードされたものの、
「ガードの上からでも《小・螺旋槍》はそれなりに削っていくぞ――!」
「ほんとうに素晴らしい。敏捷性を損なわないギリギリ限界まで鍛え上げた肉体。安定した下半身は、腰回りの体幹がみっちりと鍛えあげられている証左だ」
瞬時に間合いを詰めてのワンツースリーの上のコンビネーション――からローキック。
手ごたえを感じつつも、再び即座に間合いの外に出た。
直後、さっきまで俺がいた場所に強烈なミドルが飛んでくる。
攻撃の終わりを狙いすましてのカウンターだ。
速く鋭い一撃だったがそれも想定の範囲内ではあった。
接点後の攻防――打ち終わりを狙って攻守を入れ替えることは攻防のイロハのイだ。しかしそれが逆に癖になっているかのように、こいつは多用してきているからな。
どれだけ強烈であっても、来るタイミングが絞れれば十分に対処は可能だ!
「刻一刻と変わる状況を瞬時に把握し、適切な行動を選び続ける判断力も素晴らしい。常にリスクとリターンを天秤にかけ、両者のバランスを巧みにコントロールすることで、時に嵐のように苛烈で攻撃的に、時には夕凪のごとく徹底して守備的に。臨機応変な立ち回りは、決して的をしぼらせない」
「御大層な解説をどうも!」
相手がどう出ようと関係ない、まずは徹底して崩す。
《小・螺旋槍》の積み重ねで仕留められれば御の字だが、そうは問屋が卸さないだろう。
まずは絶対的に有利な状況を作り上げるんだ。
機動力で揺さぶって、一方的に打ち勝てる局面を作り出す。
いくつか後々への布石を打ちながら、フェイント、視線誘導、緩急をつけて状況を形作ってゆく――!
ここまで互角以上にやれている。
あとはただ、心の強さの問題だ。
憎悪を燃やせ剣部優刀。
あのいけ好かない蒼炎を、燃えたぎる真っ黒な憎悪の炎で塗りつぶしてやれ……!
ミドルキックとみせかけての打ち下ろしのローキック。
切り立った山頂のごとく鋭い変化の軌跡をたどったそれは、しかしギリギリで防御されてしまった。
ヒット後に予定していた《螺旋槍》へ繋がる一連の追撃を即放棄して、いったん間合いの外に脱出する。
直後、俺が寸前までいた場所を《蒼混じりの焔》の強烈な一撃が通り抜けた。
「っぶねぇ……!」
「ほほぅ、今のもかわしたか。実に素晴らしい! 体幹から徹底して鍛え上げられた肉体は、幾度とない自己分析の末にたどり着いた君の最適解なのだろうねぇ」
上下と左右を組み合わせたとっておきの三段フェイントで奴のサイドをとる。
上手く体勢を崩させたと思ったがものの、
ヒュン――!
しかし瞬間、鋭い風切り音とともに、背を向けながら回転した《蒼混じりの焔》のノールックでのするどい回し蹴りが飛んできて、
「くぅ――っ!」
俺は済んでのところガードを間に合わせた。
凄まじい反応速度――!
くそっ、想像以上にの対応力をしてきやがる。
これをかいくぐって撃ち抜くには、もっと、もっと、速さと精度を上げるんだ――!
「その若さにもかかわらず場数を踏んで得た経験値と胆力。対応力と反応力の高さ。それらと思考の鋭さからくる高度な先読み能力」
お互いがほぼ同時に踏み込んで、額と額がバッティングする。
ゴツンと派手にいったが、悪いが石頭には自信があるんだ。
弱かった俺は、凹られるのには滅法慣れているからな!
ほんの一瞬、わずかにぐらついた《蒼混じりの焔》に対して、俺は痛む頭をものともせず強烈な右ストレートを打ち込んだ。
もちろんがっちりとガードされたものの、
「ガードの上からでも《小・螺旋槍》はそれなりに削っていくぞ――!」
「ほんとうに素晴らしい。敏捷性を損なわないギリギリ限界まで鍛え上げた肉体。安定した下半身は、腰回りの体幹がみっちりと鍛えあげられている証左だ」
瞬時に間合いを詰めてのワンツースリーの上のコンビネーション――からローキック。
手ごたえを感じつつも、再び即座に間合いの外に出た。
直後、さっきまで俺がいた場所に強烈なミドルが飛んでくる。
攻撃の終わりを狙いすましてのカウンターだ。
速く鋭い一撃だったがそれも想定の範囲内ではあった。
接点後の攻防――打ち終わりを狙って攻守を入れ替えることは攻防のイロハのイだ。しかしそれが逆に癖になっているかのように、こいつは多用してきているからな。
どれだけ強烈であっても、来るタイミングが絞れれば十分に対処は可能だ!
「刻一刻と変わる状況を瞬時に把握し、適切な行動を選び続ける判断力も素晴らしい。常にリスクとリターンを天秤にかけ、両者のバランスを巧みにコントロールすることで、時に嵐のように苛烈で攻撃的に、時には夕凪のごとく徹底して守備的に。臨機応変な立ち回りは、決して的をしぼらせない」
「御大層な解説をどうも!」
相手がどう出ようと関係ない、まずは徹底して崩す。
《小・螺旋槍》の積み重ねで仕留められれば御の字だが、そうは問屋が卸さないだろう。
まずは絶対的に有利な状況を作り上げるんだ。
機動力で揺さぶって、一方的に打ち勝てる局面を作り出す。
いくつか後々への布石を打ちながら、フェイント、視線誘導、緩急をつけて状況を形作ってゆく――!
ここまで互角以上にやれている。
あとはただ、心の強さの問題だ。
憎悪を燃やせ剣部優刀。
あのいけ好かない蒼炎を、燃えたぎる真っ黒な憎悪の炎で塗りつぶしてやれ……!
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