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第六章「《蒼混じりの焔》ブルーブレンド」
第59話 《螺旋槍・十六夜乱舞》
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クロは一体化を一部解除すると、ぴょこっと肩のあたりに捕まりながら、そのもふもふ尻尾で俺の首元にさわさわと触れてきたのだった。
こそばゆくて思わず肩をすくめてしまう。
いつもと変わらない姿でいつもと同じように、クロは今日も俺を導いてくれるのだ――。
「ねぇユウト。《蒼混じりの焔》が想像していたよりはるかに強くて、焦っているのはわかる。そんな相手からお膳立てされていたことを知って怒り心頭なのも理解できる。でも――ううん、だからこそ、冷静になってよく考えて。これはチャンスなんだよ?」
「チャンス――」
クロのその言葉が呼び水となって少しだけ冷静になることができた俺は、
「すぅ、はぁ――すぅ、はぁ――」
と数度、大きく吸ってはいてして深呼吸を繰り返す。
すると次第次第に、戦場で必要な冷静な思考が戻りはじめた。
「悪いクロ。ちょっと熱くなってた……でも確かにそうだな。クロの言うとおりこれはチャンスだ」
舐めているのだろう、まだ《蒼混じりの焔》はその実力を完全には解放していない。
すぐに終わるともったいないとばかりに、戦うことそのものを楽しんでいるようだった。
「ほんとむかつく野郎だぜ。これだから長く生きた人型 《想念獣》ってのは――」
――だがそれならそれで、願ったりかなったりじゃないか。
お望み通り、なにもさせないままこの世界から討滅してやる――!
「ふぅ……もう大丈夫だ、すっかり落ち着いた」
クロとの会話で気持ちを切り替えることができた俺は、千載一遇のビッグチャンスを待つべく、戦いを再開した。
そうだ、機会はかならず来る。
俺をなめたことを後悔する間もなく、一撃であの世に送ってやる――!
そしてさらに数合、もう数合とやりあった中で不意にその時は訪れた。
序盤にあえて何度か見せた特徴的なフェイントモーション。
まずは視線を右奥に向けて右と思わせ。
しかし上体を軽く左に振って左と思わせ。
――からの最後はやはり右に回り込む三段構えのサイドステップ。
全く同じ動きを何度か見せていたこともあって、当然のことながら俺の動きを予測したかのような反撃が襲ってくる。
俺の移動先を狙いすましての打ちおろしのストレートだ。
――だが!
その攻撃の初動を確認したところで、俺はそこから一気に加速した!
それまでの左右のコンビネーションに、この日一番の加速でもってさらに緩急という奥行きを加えたことで、相手の体勢がこの日一番に崩れたのを肌で感じとる――!
いける、ここだ――!
今や俺は、完全に死角をとりながらの超近接状態にあった――そしてこれは俺が最も欲しかったシチュエーションに他ならない!
《蒼混じりの焔》もフェイントに引っかかったと分かるや否や、すぐに攻撃をキャンセルしようとしたあたりは流石だが――、
「もう遅え――!」
いくぞ、勝負をかけるなら、ここだ――!
「おおおおおおぉぉぉぉっっっっ――!」
咆哮を上げながら、俺は右足で強烈に大地を踏みしめた。
立ち昇る反発力を足首、膝、股関節と順々に反時計回りの回転エネルギーへと変換していく。
うねり理論で増幅されたその力を、さらに腰、肩、肘とうねらせ、想念放射とともに最大最強の一撃として拳に乗せる――!
「喰らいやがれ! 《螺旋槍》!」
渾身の一撃が《蒼混じりの焔》のがら空きの横っ腹に突き刺さった――!
インパクトの瞬間に想念放射とともに打撃力を全開放して、必殺の一撃を余すところなく叩き込む――!
――が、しかし《蒼混じりの焔》は倒れない。
一撃で大型 《想念獣》すら仕留められる《螺旋槍》をモロにくらっても、なお悠然と耐えきってみせるその圧倒的な耐久力。
「――だろうな。だがそんなものは想定済みも想定済みだ。調子こいてんじゃねぇぞ化け物!」
拳を引き抜く動作そのままに、俺は再び右足で大地を踏みしめた。
立ち上る強烈なうねりの力を再びもう一度、拳に乗せて解き放つ――!
「《《螺旋槍・二連》!」
続けざまに俺は強烈な右拳を叩き込んだ――!
だがまだこれでも終わりはしない――!
「《《螺旋槍・三連》!」
さらにもう一度、さらにもう一度と重ねられる《螺旋槍》の連打技。
「討滅奥義! 《螺旋槍・十六夜乱舞》――!! おおおおおぉぉぉぉっっっっっっっ!!!!」
《螺旋槍》を都合16発連続して打ち込むという、俺の持つ最大威力の超必殺技だ!
威力の代価として、《螺旋槍》の連続使用による反動で身体中が軋みを上げる。
特に右足――最初に発生する上方向への反発力を横回転へと強引に変換する右足首にしびれるような痛みが走る。
だが――!
「見たか――」
全力の十六連の《螺旋槍》は本当にとっておきのとっておきだ。
実戦で使うのだって、もちろん初めてのこと。
そもそも、ここまでの強攻撃が必要な《想念獣》なんて、まずはお目にかかれないからな。
だが実戦初投入にもかかわらず、イメージトレーニング通りに完全に大技を打ち切った。
打ち抜いた右手には打ち疲れによる疲労とともに、これ以上ない最高の感触が残っている。
なによりこの戦いのために練り上げた、奥の手だ。
これで倒せないわけがない。
「いちいち俺が必殺技を打つまで待つだなんて、馬鹿にしてんじゃ―――」
刹那、半ば勝利を確信していた俺を激しい衝撃が襲った――。
こそばゆくて思わず肩をすくめてしまう。
いつもと変わらない姿でいつもと同じように、クロは今日も俺を導いてくれるのだ――。
「ねぇユウト。《蒼混じりの焔》が想像していたよりはるかに強くて、焦っているのはわかる。そんな相手からお膳立てされていたことを知って怒り心頭なのも理解できる。でも――ううん、だからこそ、冷静になってよく考えて。これはチャンスなんだよ?」
「チャンス――」
クロのその言葉が呼び水となって少しだけ冷静になることができた俺は、
「すぅ、はぁ――すぅ、はぁ――」
と数度、大きく吸ってはいてして深呼吸を繰り返す。
すると次第次第に、戦場で必要な冷静な思考が戻りはじめた。
「悪いクロ。ちょっと熱くなってた……でも確かにそうだな。クロの言うとおりこれはチャンスだ」
舐めているのだろう、まだ《蒼混じりの焔》はその実力を完全には解放していない。
すぐに終わるともったいないとばかりに、戦うことそのものを楽しんでいるようだった。
「ほんとむかつく野郎だぜ。これだから長く生きた人型 《想念獣》ってのは――」
――だがそれならそれで、願ったりかなったりじゃないか。
お望み通り、なにもさせないままこの世界から討滅してやる――!
「ふぅ……もう大丈夫だ、すっかり落ち着いた」
クロとの会話で気持ちを切り替えることができた俺は、千載一遇のビッグチャンスを待つべく、戦いを再開した。
そうだ、機会はかならず来る。
俺をなめたことを後悔する間もなく、一撃であの世に送ってやる――!
そしてさらに数合、もう数合とやりあった中で不意にその時は訪れた。
序盤にあえて何度か見せた特徴的なフェイントモーション。
まずは視線を右奥に向けて右と思わせ。
しかし上体を軽く左に振って左と思わせ。
――からの最後はやはり右に回り込む三段構えのサイドステップ。
全く同じ動きを何度か見せていたこともあって、当然のことながら俺の動きを予測したかのような反撃が襲ってくる。
俺の移動先を狙いすましての打ちおろしのストレートだ。
――だが!
その攻撃の初動を確認したところで、俺はそこから一気に加速した!
それまでの左右のコンビネーションに、この日一番の加速でもってさらに緩急という奥行きを加えたことで、相手の体勢がこの日一番に崩れたのを肌で感じとる――!
いける、ここだ――!
今や俺は、完全に死角をとりながらの超近接状態にあった――そしてこれは俺が最も欲しかったシチュエーションに他ならない!
《蒼混じりの焔》もフェイントに引っかかったと分かるや否や、すぐに攻撃をキャンセルしようとしたあたりは流石だが――、
「もう遅え――!」
いくぞ、勝負をかけるなら、ここだ――!
「おおおおおおぉぉぉぉっっっっ――!」
咆哮を上げながら、俺は右足で強烈に大地を踏みしめた。
立ち昇る反発力を足首、膝、股関節と順々に反時計回りの回転エネルギーへと変換していく。
うねり理論で増幅されたその力を、さらに腰、肩、肘とうねらせ、想念放射とともに最大最強の一撃として拳に乗せる――!
「喰らいやがれ! 《螺旋槍》!」
渾身の一撃が《蒼混じりの焔》のがら空きの横っ腹に突き刺さった――!
インパクトの瞬間に想念放射とともに打撃力を全開放して、必殺の一撃を余すところなく叩き込む――!
――が、しかし《蒼混じりの焔》は倒れない。
一撃で大型 《想念獣》すら仕留められる《螺旋槍》をモロにくらっても、なお悠然と耐えきってみせるその圧倒的な耐久力。
「――だろうな。だがそんなものは想定済みも想定済みだ。調子こいてんじゃねぇぞ化け物!」
拳を引き抜く動作そのままに、俺は再び右足で大地を踏みしめた。
立ち上る強烈なうねりの力を再びもう一度、拳に乗せて解き放つ――!
「《《螺旋槍・二連》!」
続けざまに俺は強烈な右拳を叩き込んだ――!
だがまだこれでも終わりはしない――!
「《《螺旋槍・三連》!」
さらにもう一度、さらにもう一度と重ねられる《螺旋槍》の連打技。
「討滅奥義! 《螺旋槍・十六夜乱舞》――!! おおおおおぉぉぉぉっっっっっっっ!!!!」
《螺旋槍》を都合16発連続して打ち込むという、俺の持つ最大威力の超必殺技だ!
威力の代価として、《螺旋槍》の連続使用による反動で身体中が軋みを上げる。
特に右足――最初に発生する上方向への反発力を横回転へと強引に変換する右足首にしびれるような痛みが走る。
だが――!
「見たか――」
全力の十六連の《螺旋槍》は本当にとっておきのとっておきだ。
実戦で使うのだって、もちろん初めてのこと。
そもそも、ここまでの強攻撃が必要な《想念獣》なんて、まずはお目にかかれないからな。
だが実戦初投入にもかかわらず、イメージトレーニング通りに完全に大技を打ち切った。
打ち抜いた右手には打ち疲れによる疲労とともに、これ以上ない最高の感触が残っている。
なによりこの戦いのために練り上げた、奥の手だ。
これで倒せないわけがない。
「いちいち俺が必殺技を打つまで待つだなんて、馬鹿にしてんじゃ―――」
刹那、半ば勝利を確信していた俺を激しい衝撃が襲った――。
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