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第3話 九州お嬢さま連合
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「いささか騒々しい場所ですわね? 待ち合わせの場祖は本当にここで合っているのでしょうか?」
ロールスロイスを降りられた関西お嬢さま連合精鋭の4人のお嬢さま方は、着いて早々あまりの騒々しさに思わず耳を塞いでしまわれました。
というのも、待ち合わせの場所というのが繁華街の真ん真ん中であったからにございます。
ちなみにこのロールスロイスは桜子お嬢さまが普段使いされておられるお車にございます。
本来であれば『比べ合い』のお相手に失礼のなきよう、特別仕様のロールスロイスで来るべきところではありましたが、あまり下々の方々を驚かせてしまわないようにと、桜子お嬢さまが格別にご配慮をなされたのでした。
「ううっ、庶民の方々がたくさんおられますの。とてもお嬢さまが『比べ合い』をする場所には思えませんの……」
繁華街を下々が騒々しく行きかう姿をご覧になられて、庶民の方々と触れ合うことにあまり慣れておられない雅お嬢さまが、不安そうにつぶやかれます。
小さな子供のように、桜子お嬢さまの服の裾をキュッとお握りになられました。
そのようにお嬢さま方がたいそう訝しんでおられますと、
「あら、これはこれは関西お嬢さま連合の皆さま方。お早いお付きではございませんか」
そのようなお声が聞こえて参りました。
「あなた様はたしか――」
「お見知りおきをいただいていたようで光栄ですわ。わたくしは九州お嬢さま連合筆頭お嬢さまの城ケ崎麗華にございます。皆さま、本日は遠路はるばるようこそお越しになられましたわ」
腰まである美しいプラチナブロンドの輝く金髪を豪奢に縦にロールなされた麗華お嬢さまが、丁寧にご挨拶をなされると、
「筆頭お嬢さまであらせられます麗華さま御自らお出迎え賜りまして、まことにありがとうございます。わたくしは関西お嬢さま連合の筆頭お嬢さまの西園寺桜子にございますわ」
桜子お嬢さまもそれに勝るとも劣らぬお姿で、丁寧にご挨拶をお返しになられました。
「桜子さまのご高名はかねがね聞き及んでおりますわ。本日は良い『比べ合い』ができればよろしいですわね」
「そのことなのですけれども」
「あら、何でございましょう?」
「麗華さまは何ゆえこのような場所にわたくしたちをお集めあそばされたのでしょうか? ここはたいへん賑やかなところではございますが、いささかお声が通りづらく、慣れないわたくしたちは少々戸惑っておりましたの」
桜子お嬢さまが場所についてやんわりと苦言を呈されました。
直接的な批判はせずにむしろ自分たちに非があるとの表現で遠回しにお伝えになるのは、さすが桜子お嬢さまにございます。
「あら、その言い方ですともしやご存じありませんの? ここはカラオケルームと呼ばれる庶民の遊技場ですわ」
「庶民の遊技場……?」
「ええ、そうですわよ?」
「もしや麗華さまは、高貴なるお嬢さま同士の『比べ合い』に、庶民の遊戯を持ち出すと仰っておられるのでしょうか?」
驚いたように口に手を当てられた桜子お嬢さまに、
「ホホホホ、そのまさかですわ」
麗華お嬢さまはさも当然のように仰られたのです。
ロールスロイスを降りられた関西お嬢さま連合精鋭の4人のお嬢さま方は、着いて早々あまりの騒々しさに思わず耳を塞いでしまわれました。
というのも、待ち合わせの場所というのが繁華街の真ん真ん中であったからにございます。
ちなみにこのロールスロイスは桜子お嬢さまが普段使いされておられるお車にございます。
本来であれば『比べ合い』のお相手に失礼のなきよう、特別仕様のロールスロイスで来るべきところではありましたが、あまり下々の方々を驚かせてしまわないようにと、桜子お嬢さまが格別にご配慮をなされたのでした。
「ううっ、庶民の方々がたくさんおられますの。とてもお嬢さまが『比べ合い』をする場所には思えませんの……」
繁華街を下々が騒々しく行きかう姿をご覧になられて、庶民の方々と触れ合うことにあまり慣れておられない雅お嬢さまが、不安そうにつぶやかれます。
小さな子供のように、桜子お嬢さまの服の裾をキュッとお握りになられました。
そのようにお嬢さま方がたいそう訝しんでおられますと、
「あら、これはこれは関西お嬢さま連合の皆さま方。お早いお付きではございませんか」
そのようなお声が聞こえて参りました。
「あなた様はたしか――」
「お見知りおきをいただいていたようで光栄ですわ。わたくしは九州お嬢さま連合筆頭お嬢さまの城ケ崎麗華にございます。皆さま、本日は遠路はるばるようこそお越しになられましたわ」
腰まである美しいプラチナブロンドの輝く金髪を豪奢に縦にロールなされた麗華お嬢さまが、丁寧にご挨拶をなされると、
「筆頭お嬢さまであらせられます麗華さま御自らお出迎え賜りまして、まことにありがとうございます。わたくしは関西お嬢さま連合の筆頭お嬢さまの西園寺桜子にございますわ」
桜子お嬢さまもそれに勝るとも劣らぬお姿で、丁寧にご挨拶をお返しになられました。
「桜子さまのご高名はかねがね聞き及んでおりますわ。本日は良い『比べ合い』ができればよろしいですわね」
「そのことなのですけれども」
「あら、何でございましょう?」
「麗華さまは何ゆえこのような場所にわたくしたちをお集めあそばされたのでしょうか? ここはたいへん賑やかなところではございますが、いささかお声が通りづらく、慣れないわたくしたちは少々戸惑っておりましたの」
桜子お嬢さまが場所についてやんわりと苦言を呈されました。
直接的な批判はせずにむしろ自分たちに非があるとの表現で遠回しにお伝えになるのは、さすが桜子お嬢さまにございます。
「あら、その言い方ですともしやご存じありませんの? ここはカラオケルームと呼ばれる庶民の遊技場ですわ」
「庶民の遊技場……?」
「ええ、そうですわよ?」
「もしや麗華さまは、高貴なるお嬢さま同士の『比べ合い』に、庶民の遊戯を持ち出すと仰っておられるのでしょうか?」
驚いたように口に手を当てられた桜子お嬢さまに、
「ホホホホ、そのまさかですわ」
麗華お嬢さまはさも当然のように仰られたのです。
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