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第4章
第57話 努力の成果とその代償
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そんなこんなでテスト勉強をバッチリこなしつつ、遠足のしおり(リーフレット)作りもこなしながら、ついに迎えたテスト週間。
さすがにこの期間中はリーフレット作りは中断して、中間テストへと専念する。
各教科のテスト前日の夜に、最後の復習をして、僕は万全の状態でテストに臨んだ。
後はやったことを出すだけ。
それなりの自信とともに受けた中間テストは、
(これ、ひまりちゃんが出るって言ってたところだ──!)
どの教科もしっかりとした手応えがあった。
そしてテストが終わるたびに、隣の席のひまりちゃんがテストの出来を尋ねてくる。
「アキトくん、数Iどうだった?」
「ひまりちゃんが予想してくれた問題が出て、時間をガッツリ短縮できたのもあったし、まぁまぁ悪くない感じかな」
「よかったー」
「ひまりちゃんは?」
「全部できたと思うよー」
「さすがひまりちゃんだね」
「えへへー♪ 数学は得意だから」
「アキトくん、英語論Iどうだった?」
「単語や穴埋め系は多分、全部大丈夫。最後の長文問題が全体的に怪しかったの以外は、ほぼできたと思う」
「よかったー」
「ひまりちゃんは?」
「全部できたと思うよー」
「さすがひまりちゃんだね」
「えへへー♪ 英語は好きだから」
「アキトくん、世界史どうだった?」
「今回は暗記系をかなり頑張ったから、9割方は答えを書けたかな。残りはちょっと怪しい感じ」
「いい感じみたいだね。よかったー」
「ひまりちゃんは?」
「全部できたと思うよー」
「さすがひまりちゃんだね」
「えへへー♪ 覚えるの得意だから」
とまぁそんな感じで、僕は結構いい感じに──ひまりちゃんはおそらくトップクラスの成績で──中間テストを乗り切った。
多分だけど、平均80点以上は堅い。
もしかしたら90点を越える可能性もある。
入学時はドベに近かった僕の学力からしたら、大大大大・大健闘だろう。
学校帰りに恒例のテストの答え合わせをひまりちゃんとしたりしながら、僕はテスト週間を難なく乗り切った――はずだった。
テスト週間が終わって、土曜日。
この土日を使って、僕は遠足のしおりを仕上げようと考えていたのだが、
「だめだ、起きれない……」
僕は朝から盛大に体調を崩していた。
熱が39℃近くあって頭がボーッとしていたのもあったけど、それよりも何よりも身体がだるくてだるくてしょうがなかった。
ただの風邪じゃないなと思ったので、ひまりちゃんに付き添ってもらって病院で見てもらうと、
「こりゃ過労だね。テスト勉強を遅くまでやったって言ってたから、ちょっと頑張りすぎちゃったのかな? なに、心配することはないよ。若いし2日も安静にしてしっかり寝たら、すぐに元気になるから」
と言われてしまった。
「2日、安静にですか……」
「ぐっすりと睡眠を取ってね。お大事に」
それはとてもマズかった。
とてもとてもマズかった。
次の火曜日に、僕たちは神戸に校外学習に行く。
今日を含めて土・日・月しかない。
月曜日は学校があるから、実質的に使える時間はこの土日しかないのだ。
なのに土日をしっかり寝て過ごせだなんて。
これじゃあ遠足のしおり作りが、間に合わなくなってしまう。
「アキトくん、どうせ月曜日はテスト返しがメインだろうから、土・日・月としっかり休んで、元気に神戸に行こうねっ」
何も知らないひまりちゃんは、そう言って元気づけてくれるけど、
「うん……」
お先真っ暗の僕は、力なくうなずくしかできなかった。
さすがにこの期間中はリーフレット作りは中断して、中間テストへと専念する。
各教科のテスト前日の夜に、最後の復習をして、僕は万全の状態でテストに臨んだ。
後はやったことを出すだけ。
それなりの自信とともに受けた中間テストは、
(これ、ひまりちゃんが出るって言ってたところだ──!)
どの教科もしっかりとした手応えがあった。
そしてテストが終わるたびに、隣の席のひまりちゃんがテストの出来を尋ねてくる。
「アキトくん、数Iどうだった?」
「ひまりちゃんが予想してくれた問題が出て、時間をガッツリ短縮できたのもあったし、まぁまぁ悪くない感じかな」
「よかったー」
「ひまりちゃんは?」
「全部できたと思うよー」
「さすがひまりちゃんだね」
「えへへー♪ 数学は得意だから」
「アキトくん、英語論Iどうだった?」
「単語や穴埋め系は多分、全部大丈夫。最後の長文問題が全体的に怪しかったの以外は、ほぼできたと思う」
「よかったー」
「ひまりちゃんは?」
「全部できたと思うよー」
「さすがひまりちゃんだね」
「えへへー♪ 英語は好きだから」
「アキトくん、世界史どうだった?」
「今回は暗記系をかなり頑張ったから、9割方は答えを書けたかな。残りはちょっと怪しい感じ」
「いい感じみたいだね。よかったー」
「ひまりちゃんは?」
「全部できたと思うよー」
「さすがひまりちゃんだね」
「えへへー♪ 覚えるの得意だから」
とまぁそんな感じで、僕は結構いい感じに──ひまりちゃんはおそらくトップクラスの成績で──中間テストを乗り切った。
多分だけど、平均80点以上は堅い。
もしかしたら90点を越える可能性もある。
入学時はドベに近かった僕の学力からしたら、大大大大・大健闘だろう。
学校帰りに恒例のテストの答え合わせをひまりちゃんとしたりしながら、僕はテスト週間を難なく乗り切った――はずだった。
テスト週間が終わって、土曜日。
この土日を使って、僕は遠足のしおりを仕上げようと考えていたのだが、
「だめだ、起きれない……」
僕は朝から盛大に体調を崩していた。
熱が39℃近くあって頭がボーッとしていたのもあったけど、それよりも何よりも身体がだるくてだるくてしょうがなかった。
ただの風邪じゃないなと思ったので、ひまりちゃんに付き添ってもらって病院で見てもらうと、
「こりゃ過労だね。テスト勉強を遅くまでやったって言ってたから、ちょっと頑張りすぎちゃったのかな? なに、心配することはないよ。若いし2日も安静にしてしっかり寝たら、すぐに元気になるから」
と言われてしまった。
「2日、安静にですか……」
「ぐっすりと睡眠を取ってね。お大事に」
それはとてもマズかった。
とてもとてもマズかった。
次の火曜日に、僕たちは神戸に校外学習に行く。
今日を含めて土・日・月しかない。
月曜日は学校があるから、実質的に使える時間はこの土日しかないのだ。
なのに土日をしっかり寝て過ごせだなんて。
これじゃあ遠足のしおり作りが、間に合わなくなってしまう。
「アキトくん、どうせ月曜日はテスト返しがメインだろうから、土・日・月としっかり休んで、元気に神戸に行こうねっ」
何も知らないひまりちゃんは、そう言って元気づけてくれるけど、
「うん……」
お先真っ暗の僕は、力なくうなずくしかできなかった。
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