一年付き合ってた彼女が医大生とラブホから出てきた(NTR……涙)帰り道、川で幼女が溺れていたので助けて家まで送ったら学園のアイドルの家だった
マナシロカナタ✨ねこたま✨GCN文庫
文字の大きさ
大中小
13 / 175
~第1部~ 第1章 別れと出会い
第13話 自問自答 ~優香SIDE~ 2
しおりを挟む
実を言うと、私はわりとモテるほうだ。
過去に何度となく告白された経験もあったりする。
というかつい数日前も告白されたばかりだった。
告白してきたのは、サッカー部で10番をつけていると自慢げに話す3年生の先輩。
でもイマイチピンと来なくて――申し訳ない気持ちはあったけど――その人も含めて私はその全てを断ってきた。
っていうか10番とか言われてもなんのことか分からないし。
チームで10番目に上手ってことなのかな?
でも今回は違った。
別に告白されたわけでもなんでもないのに、蒼太くんのことがどうしようもなく気になってしまう。
心が妙にザワザワして落ち着かない。
蒼太くんのことばかり考えてしまう。
蒼太くんのことが気になったり、別れた葛谷さんのことを今どう思っているのか知りたいと、なぜだか強く思ってしまうのだ。
私はそんな自分の心と自問自答する。
「美月を助けてくれたからなのが一番大きな理由なのは間違いないよね……美月がすごく懐いてるっていうのも間違いなくあるし」
美月があれだけ懐いてるんだから悪い人じゃないのは間違いない。
2人が一緒にシャワーに入った時に万が一を考えてこっそり聞き耳を立てていたんだけど、そういう素振りすらなかったし。
「でも決してそれだけじゃなくて。蒼太くんの誠実な感じが『あ、いいな』って思っちゃったんだよね……」
私は周囲から「チャラい男が好きな尻軽女」とでも思われているのか。
告白したり話しかけてくる男子はなんていうかその、どうにもチャラい感じの人が多かった。
もしくは妙に自信満々で自分がいかにすごいかをひけらかしたり、他の人を小馬鹿にするような人たち。
実のところ、私はそういうタイプの人たちがあまり得意ではなかった。
蒼太くんみたいに物静かで誠実で、優しい雰囲気の男子とこんなに仲良くなるのは、だから私にとっては初めての経験だったのだ。
「せっかく連絡先を交換したんだし、後でラインでも送ってみようかな?」
今日はありがとうございましたって、改めてお礼を言うだけなら変じゃないよね?
「あ、でもでも! さっき直接お礼を言ったのにまた今からお礼の連絡まで入れたら、ちょっとウザがられるかも……」
サバサバ系女子は論外だけど、面倒くさい系の重い女も嫌われるって菜々花ちゃんも言ってたもんね。
「それでウザい女とか思われちゃったら嫌だもん。蒼太くんに嫌われたくないし……」
それに蒼太くんからもあの後は特に連絡はなかったし……。
連絡がないということは、向こうもそうまでして私と仲良くなりたいとは思っていないということなのでは?
「そうだよね、うん……」
私は自分に言い聞かせるように何度もうなずいた。
美月の手前「これから仲良くなる」ことにしちゃったけど。
自分の身の安全も顧みずに人助けができる心優しい蒼太くんのことだ。
あくまで美月を悲しませたくなかったからであって、私に対しては特に何かしらの特別な感情は抱いてはいないに違いない。
「でも今日の私たちって結構いい感じにお話してたよね? あ、それも実は私がそう思っていただけだったり? ううん、そんなことないよね、結構いい感じだったはず……でもやっぱりこっちから連絡するのはウザがられるかもだし……」
結局、この後さらに30分ほど。
私は浴槽に肩まで浸かりながら一人で悶々と「連絡すべきか」「この気持ちが恋なのか」を自問自答し続けたものの。
これが恋かどうかなんて、恋愛経験値ゼロの私には到底分かりえなかった。
だけど一つだけ言えることは、蒼太くんについてあれこれ考えている時間は全然ちっとも嫌じゃなかった。
少なくともそれについてだけは、自信をもってそうだと言うことができる。
そして最終的に蒼太くんに連絡はしないことにした。
重い女の子って思われて嫌われるよりは、何も思われないニュートラルな方がマシだと思ったから。
ちなみに長くお風呂につかり過ぎたせいでちょっとだけのぼせてしまった。
「はぅ、なにやってるの私……」
過去に何度となく告白された経験もあったりする。
というかつい数日前も告白されたばかりだった。
告白してきたのは、サッカー部で10番をつけていると自慢げに話す3年生の先輩。
でもイマイチピンと来なくて――申し訳ない気持ちはあったけど――その人も含めて私はその全てを断ってきた。
っていうか10番とか言われてもなんのことか分からないし。
チームで10番目に上手ってことなのかな?
でも今回は違った。
別に告白されたわけでもなんでもないのに、蒼太くんのことがどうしようもなく気になってしまう。
心が妙にザワザワして落ち着かない。
蒼太くんのことばかり考えてしまう。
蒼太くんのことが気になったり、別れた葛谷さんのことを今どう思っているのか知りたいと、なぜだか強く思ってしまうのだ。
私はそんな自分の心と自問自答する。
「美月を助けてくれたからなのが一番大きな理由なのは間違いないよね……美月がすごく懐いてるっていうのも間違いなくあるし」
美月があれだけ懐いてるんだから悪い人じゃないのは間違いない。
2人が一緒にシャワーに入った時に万が一を考えてこっそり聞き耳を立てていたんだけど、そういう素振りすらなかったし。
「でも決してそれだけじゃなくて。蒼太くんの誠実な感じが『あ、いいな』って思っちゃったんだよね……」
私は周囲から「チャラい男が好きな尻軽女」とでも思われているのか。
告白したり話しかけてくる男子はなんていうかその、どうにもチャラい感じの人が多かった。
もしくは妙に自信満々で自分がいかにすごいかをひけらかしたり、他の人を小馬鹿にするような人たち。
実のところ、私はそういうタイプの人たちがあまり得意ではなかった。
蒼太くんみたいに物静かで誠実で、優しい雰囲気の男子とこんなに仲良くなるのは、だから私にとっては初めての経験だったのだ。
「せっかく連絡先を交換したんだし、後でラインでも送ってみようかな?」
今日はありがとうございましたって、改めてお礼を言うだけなら変じゃないよね?
「あ、でもでも! さっき直接お礼を言ったのにまた今からお礼の連絡まで入れたら、ちょっとウザがられるかも……」
サバサバ系女子は論外だけど、面倒くさい系の重い女も嫌われるって菜々花ちゃんも言ってたもんね。
「それでウザい女とか思われちゃったら嫌だもん。蒼太くんに嫌われたくないし……」
それに蒼太くんからもあの後は特に連絡はなかったし……。
連絡がないということは、向こうもそうまでして私と仲良くなりたいとは思っていないということなのでは?
「そうだよね、うん……」
私は自分に言い聞かせるように何度もうなずいた。
美月の手前「これから仲良くなる」ことにしちゃったけど。
自分の身の安全も顧みずに人助けができる心優しい蒼太くんのことだ。
あくまで美月を悲しませたくなかったからであって、私に対しては特に何かしらの特別な感情は抱いてはいないに違いない。
「でも今日の私たちって結構いい感じにお話してたよね? あ、それも実は私がそう思っていただけだったり? ううん、そんなことないよね、結構いい感じだったはず……でもやっぱりこっちから連絡するのはウザがられるかもだし……」
結局、この後さらに30分ほど。
私は浴槽に肩まで浸かりながら一人で悶々と「連絡すべきか」「この気持ちが恋なのか」を自問自答し続けたものの。
これが恋かどうかなんて、恋愛経験値ゼロの私には到底分かりえなかった。
だけど一つだけ言えることは、蒼太くんについてあれこれ考えている時間は全然ちっとも嫌じゃなかった。
少なくともそれについてだけは、自信をもってそうだと言うことができる。
そして最終的に蒼太くんに連絡はしないことにした。
重い女の子って思われて嫌われるよりは、何も思われないニュートラルな方がマシだと思ったから。
ちなみに長くお風呂につかり過ぎたせいでちょっとだけのぼせてしまった。
「はぅ、なにやってるの私……」
10
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
旧校舎の地下室
守 秀斗
恋愛
高校のクラスでハブられている俺。この高校に友人はいない。そして、俺はクラスの美人女子高生の京野弘美に興味を持っていた。と言うか好きなんだけどな。でも、京野は美人なのに人気が無く、俺と同様ハブられていた。そして、ある日の放課後、京野に俺の恥ずかしい行為を見られてしまった。すると、京野はその事をバラさないかわりに、俺を旧校舎の地下室へ連れて行く。そこで、おかしなことを始めるのだったのだが……。
キャバ嬢(ハイスペック)との同棲が、僕の高校生活を色々と変えていく。
たかなしポン太
青春
僕のアパートの前で、巨乳美人のお姉さんが倒れていた。
助けたそのお姉さんは一流大卒だが内定取り消しとなり、就職浪人中のキャバ嬢だった。
でもまさかそのお姉さんと、同棲することになるとは…。
「今日のパンツってどんなんだっけ? ああ、これか。」
「ちょっと、確認しなくていいですから!」
「これ、可愛いでしょ? 色違いでピンクもあるんだけどね。綿なんだけど生地がサラサラで、この上の部分のリボンが」
「もういいです! いいですから、パンツの説明は!」
天然高学歴キャバ嬢と、心優しいDT高校生。
異色の2人が繰り広げる、水色パンツから始まる日常系ラブコメディー!
※小説家になろうとカクヨムにも同時掲載中です。
※本作品はフィクションであり、実在の人物や団体、製品とは一切関係ありません。
クラスのマドンナがなぜか俺のメイドになっていた件について
沢田美
恋愛
名家の御曹司として何不自由ない生活を送りながらも、内気で陰気な性格のせいで孤独に生きてきた裕貴真一郎(ゆうき しんいちろう)。
かつてのいじめが原因で、彼は1年間も学校から遠ざかっていた。
しかし、久しぶりに登校したその日――彼は運命の出会いを果たす。
現れたのは、まるで絵から飛び出してきたかのような美少女。
その瞳にはどこかミステリアスな輝きが宿り、真一郎の心をかき乱していく。
「今日から私、あなたのメイドになります!」
なんと彼女は、突然メイドとして彼の家で働くことに!?
謎めいた美少女と陰キャ御曹司の、予測不能な主従ラブコメが幕を開ける!
カクヨム、小説家になろうの方でも連載しています!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる