一年付き合ってた彼女が医大生とラブホから出てきた(NTR……涙)帰り道、川で幼女が溺れていたので助けて家まで送ったら学園のアイドルの家だった
マナシロカナタ✨ねこたま✨GCN文庫
文字の大きさ
大中小
49 / 175
第4章 プールデート
第49話「私はそういう優しい人のほうが好きかな――」
しおりを挟む
「っ、はぁぁぁぁぁぁぁぁぁ…………」
完全に先輩たちが見えなくなると、途端に優香がホッとした顔をしながら、大きく息を吐いた。
さっきはまるで異世界ファンタジーの姫騎士のように凛々しく立ち回った優香だけど、元々は優しい女の子。
その実、相当気を張っていたのは想像に難くない。
「お疲れ優香。それと助けてくれてありがとな」
「ううん、気にしないで蒼太くん。それに元はといえばあの人たちを振った私のせいだったみたいだし」
お礼を言った俺に、優香が小さく苦笑いを返してくる。
「なんで優香のせいなんだよ? そんな風にだけは思っちゃだめだぞ。悪いのは100パーあいつらなんだからな」
「ありがとう、そう言ってくれると嬉しいかな」
そう言って笑った優香は、さっきのお怒りモードがすっかり解除されて、いつもの優しくて上品な笑顔に戻っている。
やっぱり優香には笑顔が一番似合うよな、とは思ったものの。
「でもさっきの優香も、凛々しくてカッコ良かったよな」
あれはあれで芯のある強い女の子って感じがして、なんとも言えない魅力を感じてしまう俺がいた。
べ、別に助けてもらって「やだ、カッコいい! 姫騎士みたいで、胸がキュンしちゃう!」なんて思ってるわけじゃないんだからねっ!
勘違いしないでよねっ!
「あれはその……! 蒼太くんが酷い目に合わされてるって思ったら、ついカッとなって我を忘れちゃって……。あの、女の子らしくないとか思って幻滅しないでね? いつもはあんなんじゃないんだよ? ほんとだよ?」
笑顔から一転、優香が不安そうな顔で尋ねてくる。
「あはは、なに言ってるんだよ。助けてもらったのに幻滅なんてするわけないだろ? 優香のおかげで殴られなくて済んだんだから」
「ほんと?」
「ほんとほんと。自慢じゃないけど、俺はケンカなんか一度もしたことがないよわよわ男子高校生だからさ。あのままだと下手したらサンドバッグにされてた」
しかも4対1。
ゴリ先輩もいたし、俺が勝てる要素は伝説の「三笘の一ミリ」ほども見当たらない。
「すぐに暴力を振るうような粗雑な人より、私はそういう優しい人のほうが好きかなぁ――って、ふわっ!? あ、あの! 今のはあくまで一般的な『好き』っていう意味であって、決して特別な『好き』ってことじゃないからね!?」
優香に「好き」と言われた俺が変な勘違いしないようにだろう、あくまで一般論であることを優香が強く主張する。
「あはは、それも分かってるって」
もちろん俺は勘違いしないように自分の心に言い聞かせながら、優香に笑顔を返した。
こうしてひとえに優香のおかげで、俺は姫宮親衛騎団・最高幹部たちの襲撃から逃れることができたのだった。
~優香SIDE~
「はぅぅ、蒼太くんにあんなはしたない姿を見せちゃうだなんて……」
私はベッドで布団にくるまって天井を見上げながら、今日、体育館裏でやらかしてしまったことを猛省していた。
「蒼太くんを助けなきゃって思ったら、自分が自分でなくなったみたいに感情的になっちゃったんだよね」
普段の自分からはとても想像できないくらい、強くて攻撃的な口調になってしまった。
蒼太くんはぜんぜん気にしないって言ってくれたけど。
「がさつな女の子って思われてないかなぁ。思われてるよね……」
私の不安は尽きることはない。
「蒼太くんは優しいから私が傷つくようなことは絶対言わないだろうけど。ううっ、明日どんな顔をして蒼太くんに会えばいいの?」
本当はガサツで男勝りなのに、お上品に振る舞っている猫かぶりな裏表女子――とか思われたりしないかなぁ。
私はあーだこーだと散々、結論の出ない堂々巡りを繰り返した後、
「すー、すー……。むにゃぁ……」
しかし睡魔に誘われるようにして、いつの間にか寝入ってしまったのだった。
実は私、寝つきの良さが昔からの特技でして。
えへへへ……。
完全に先輩たちが見えなくなると、途端に優香がホッとした顔をしながら、大きく息を吐いた。
さっきはまるで異世界ファンタジーの姫騎士のように凛々しく立ち回った優香だけど、元々は優しい女の子。
その実、相当気を張っていたのは想像に難くない。
「お疲れ優香。それと助けてくれてありがとな」
「ううん、気にしないで蒼太くん。それに元はといえばあの人たちを振った私のせいだったみたいだし」
お礼を言った俺に、優香が小さく苦笑いを返してくる。
「なんで優香のせいなんだよ? そんな風にだけは思っちゃだめだぞ。悪いのは100パーあいつらなんだからな」
「ありがとう、そう言ってくれると嬉しいかな」
そう言って笑った優香は、さっきのお怒りモードがすっかり解除されて、いつもの優しくて上品な笑顔に戻っている。
やっぱり優香には笑顔が一番似合うよな、とは思ったものの。
「でもさっきの優香も、凛々しくてカッコ良かったよな」
あれはあれで芯のある強い女の子って感じがして、なんとも言えない魅力を感じてしまう俺がいた。
べ、別に助けてもらって「やだ、カッコいい! 姫騎士みたいで、胸がキュンしちゃう!」なんて思ってるわけじゃないんだからねっ!
勘違いしないでよねっ!
「あれはその……! 蒼太くんが酷い目に合わされてるって思ったら、ついカッとなって我を忘れちゃって……。あの、女の子らしくないとか思って幻滅しないでね? いつもはあんなんじゃないんだよ? ほんとだよ?」
笑顔から一転、優香が不安そうな顔で尋ねてくる。
「あはは、なに言ってるんだよ。助けてもらったのに幻滅なんてするわけないだろ? 優香のおかげで殴られなくて済んだんだから」
「ほんと?」
「ほんとほんと。自慢じゃないけど、俺はケンカなんか一度もしたことがないよわよわ男子高校生だからさ。あのままだと下手したらサンドバッグにされてた」
しかも4対1。
ゴリ先輩もいたし、俺が勝てる要素は伝説の「三笘の一ミリ」ほども見当たらない。
「すぐに暴力を振るうような粗雑な人より、私はそういう優しい人のほうが好きかなぁ――って、ふわっ!? あ、あの! 今のはあくまで一般的な『好き』っていう意味であって、決して特別な『好き』ってことじゃないからね!?」
優香に「好き」と言われた俺が変な勘違いしないようにだろう、あくまで一般論であることを優香が強く主張する。
「あはは、それも分かってるって」
もちろん俺は勘違いしないように自分の心に言い聞かせながら、優香に笑顔を返した。
こうしてひとえに優香のおかげで、俺は姫宮親衛騎団・最高幹部たちの襲撃から逃れることができたのだった。
~優香SIDE~
「はぅぅ、蒼太くんにあんなはしたない姿を見せちゃうだなんて……」
私はベッドで布団にくるまって天井を見上げながら、今日、体育館裏でやらかしてしまったことを猛省していた。
「蒼太くんを助けなきゃって思ったら、自分が自分でなくなったみたいに感情的になっちゃったんだよね」
普段の自分からはとても想像できないくらい、強くて攻撃的な口調になってしまった。
蒼太くんはぜんぜん気にしないって言ってくれたけど。
「がさつな女の子って思われてないかなぁ。思われてるよね……」
私の不安は尽きることはない。
「蒼太くんは優しいから私が傷つくようなことは絶対言わないだろうけど。ううっ、明日どんな顔をして蒼太くんに会えばいいの?」
本当はガサツで男勝りなのに、お上品に振る舞っている猫かぶりな裏表女子――とか思われたりしないかなぁ。
私はあーだこーだと散々、結論の出ない堂々巡りを繰り返した後、
「すー、すー……。むにゃぁ……」
しかし睡魔に誘われるようにして、いつの間にか寝入ってしまったのだった。
実は私、寝つきの良さが昔からの特技でして。
えへへへ……。
10
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
旧校舎の地下室
守 秀斗
恋愛
高校のクラスでハブられている俺。この高校に友人はいない。そして、俺はクラスの美人女子高生の京野弘美に興味を持っていた。と言うか好きなんだけどな。でも、京野は美人なのに人気が無く、俺と同様ハブられていた。そして、ある日の放課後、京野に俺の恥ずかしい行為を見られてしまった。すると、京野はその事をバラさないかわりに、俺を旧校舎の地下室へ連れて行く。そこで、おかしなことを始めるのだったのだが……。
キャバ嬢(ハイスペック)との同棲が、僕の高校生活を色々と変えていく。
たかなしポン太
青春
僕のアパートの前で、巨乳美人のお姉さんが倒れていた。
助けたそのお姉さんは一流大卒だが内定取り消しとなり、就職浪人中のキャバ嬢だった。
でもまさかそのお姉さんと、同棲することになるとは…。
「今日のパンツってどんなんだっけ? ああ、これか。」
「ちょっと、確認しなくていいですから!」
「これ、可愛いでしょ? 色違いでピンクもあるんだけどね。綿なんだけど生地がサラサラで、この上の部分のリボンが」
「もういいです! いいですから、パンツの説明は!」
天然高学歴キャバ嬢と、心優しいDT高校生。
異色の2人が繰り広げる、水色パンツから始まる日常系ラブコメディー!
※小説家になろうとカクヨムにも同時掲載中です。
※本作品はフィクションであり、実在の人物や団体、製品とは一切関係ありません。
クラスのマドンナがなぜか俺のメイドになっていた件について
沢田美
恋愛
名家の御曹司として何不自由ない生活を送りながらも、内気で陰気な性格のせいで孤独に生きてきた裕貴真一郎(ゆうき しんいちろう)。
かつてのいじめが原因で、彼は1年間も学校から遠ざかっていた。
しかし、久しぶりに登校したその日――彼は運命の出会いを果たす。
現れたのは、まるで絵から飛び出してきたかのような美少女。
その瞳にはどこかミステリアスな輝きが宿り、真一郎の心をかき乱していく。
「今日から私、あなたのメイドになります!」
なんと彼女は、突然メイドとして彼の家で働くことに!?
謎めいた美少女と陰キャ御曹司の、予測不能な主従ラブコメが幕を開ける!
カクヨム、小説家になろうの方でも連載しています!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる