美少女だらけの姫騎士学園に、俺だけ男。~神騎士LV99から始める強くてニューゲーム~

マナシロカナタ✨ねこたま✨GCN文庫

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第3章 1年生タッグトーナメント

第69話 1年生タッグトーナメント終了。そして立ちはだかる最大の難問。

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「良かったじゃないか。エレナ会長も驚いたって言ってたし、これでかなりエレナ会長との距離も縮まったんじゃないか?」

「うーん、残念ながらまだまだね。お姉さまはブレイビア学園に入学以来、負けなし。取れるタイトルは全て取っているから、1つ取っただけなんてまだまだ全然これからよ」

 しかしアリエッタはすぐに自嘲気味につぶやく。
 やはり長年のお姉ちゃんコンプレックスは、簡単には解消されないようだ。
 だから俺は、アリエッタの背中を押すように力強く言った。

「じゃあこれが最初の第一歩だ。千里の道も一歩から、ってな。ここから全タイトル制覇を目指そうぜ」
「ふふっ、いいこと言うじゃない。ユータのくせに」
「だろ?」

「でも――」
「なんだ?」

「タッグ戦やチーム戦はいいけど、個人戦だとユータは対戦相手になっちゃうんだよね」
「むむっ!? たしかにそうだな」

「ユリーナやルナはなんとかなるとして。多分、一番の強敵はユータよね。現状だと勝てる要素は薄い──というか正直、力の差がありすぎるわ。キララを倒した最後のアレなんて、もはや次元が違ってたいたもん。うーん、どうしたもんかなぁ」

 し、しまった。
 これは想定外だった。
 個人戦だと俺がアリエッタと戦う可能性があるんだ。
 優勝を狙うなら必ずどこかで当たってしまう。

 アリエッタの性格的に、俺がわざと負けると絶対怒る。
 そりゃもうブチ切れる。
 最悪、2度と口を聞いてくれなくなるまである。

 しかし俺が勝ってしまうと、エレナ会長を越えるというアリエッタの目標はその時点で達せなくなってしまう。

 こ、これは難問だぞ。
 アリエッタを、俺が敵わないくらいまで強くする?
 おそらく世界最強クラスの神騎士LV99の俺よりも強くできるか?
 さすがにそれは難し過ぎないか?

 だったらエレナ会長を越えたとはっきり分かるような、何かしら別の手段を考えるか?
 しかし別の手段って言ってもなぁ。

 なにか大きな手柄でも立てることができればいいんだけど、しばらくはブレイビア学園での生活がメインで、ソシャゲであったダンジョン暴走イベントやら、魔竜討伐イベントみたいな派手な討伐イベントは、当分先だろうし。

 うーむ、悩ましい。
 俺はいったいどうすればいいんだ。

「ま、その話はその時でいいだろ? 今は勝利の余韻にひたろうぜ?」

 悩んだ末に、俺はひとまず先送りすることにした。
 将来起こりうる問題は、将来の俺に解決してもらおう。
 頼んだぞ、将来の俺!
 未来はお前に託した。
 お前ならきっとできる!

「そうね。せっかく優勝したんだし。今は思う存分、勝利の美酒に酔いしれないとね」
「おいおい、例えにしても未成年がお酒はまずいだろ?」

「え、どうしてお酒を飲むのに年齢が関係あるの?」
「どうしてって、だって法律とかあるだろ?」

 日本も含めたほとんどの国で、お酒には年齢制限がある。

「ないわよ」
「えっ? ないの? 古今東西、お酒は大人の飲み物だよな? 身体に悪影響とかもあるし」

「もちろんお酒は大人の飲み物よ。でも大人なら自分でコントロールできて当然でしょ? できないならそもそも飲むべきじゃないし、飲んじゃいけないわ。そんな当たり前のことを法律に書く必要って、ある?」

「なるほど、ないな」

 おそらくこの世界の人間は、姫騎士を筆頭に意識が高い。
 だからこその、個人の精神性を担保とした暗黙の了解というわけだ。

「ま、私は飲まないけどね。昔ちょびっとだけめてみたことがあるんだけど、すっごく苦くて『2度と飲むかー!』って思ったから。ユータはお酒飲めるの?」

「そもそも飲んだことがない……と思う」
 ないと言い切ろうとして、部分的な記憶喪失設定なのを思い出して「思う」と付け足す俺。

「ふぅん。飲んだことすらないなんて、ユータって意外と子供なのね」
「いやいや、精神的に大人だから飲まないんだよ。俺にはまだ早いってのがちゃんと分かっているからな」
「ふふっ、そういうことにしておいてあげるわ」

 アリエッタが普段の真面目で凛々しい表情とは打って変わって、それはもう魅力的な笑顔を俺に向けてくる。
 画面越しではないリアルな推しの子に、最高の笑顔を見せられて、俺はこれ以上ない感動を覚えていた。

 ああ、やっぱりこの世界は最高だ。
 推しの子のアリエッタがいて、アリエッタのために頑張ったら、こうやって目の前で笑顔を向けてもらえるんだからさ。


 ともあれこうして。
 1年生タッグトーナメントは、俺・アリエッタのタッグが見事に優勝を果たし、アリエッタも少しだけ自信を付けて幕を閉じたのだった。
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